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<インタビュー>Billboard Global Power Players vol.13 清水直樹 クリエイティブマンプロダクション代表取締役

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 米Billboard誌が、アメリカ以外の国で音楽ビジネスの成功を牽引しているリーダーを称える【Billboard Global Power Players】。各国から音楽業界を牽引するリーダーが並ぶ中、クリエイティブマンプロダクションで代表取締役を務める清水直樹氏が、初めて選ばれた。今回、本選出を記念し清水氏へインタビュー。同社が手掛ける【SUMMER SONIC】を含めた数々のフェス事業の可能性や、招聘ビジネスの変化について話を聞いた。
(Interview & Text: 高嶋 直子 / Photo: 筒浦奨太)


より細かいデータ分析が必要とされる時代になった

――1990年にクリエイティブマンプロダクションの立ち上げに参加され、1997年に代表取締役に就任されました。その間に音楽の聴き方が大きく変わりましたが、招聘ビジネスにも変化はありましたか。

清水直樹:音楽の視聴方法がCD中心だった時代は、CDセールス数だけ見ていればアーティストの集客規模を予想できました。それが今はデジタル中心になり、より細かいデータ分析が必要とされる時代になったので、我々が見る指標もSNSや動画配信、ストリーミングなどに変化してきています。また、以前はレコード会社主導による洋楽アーティストのプロモーション来日が中心でしたが、最近はフェスをきっかけに新人アーティストを紹介するケースが増えてきています。


――御社といえば2000年に立ち上げられた【SUMMER SONIC】をイメージされる方が多いと思いますが、他にも様々なフェスを手掛けていますね。

清水:毎年必ず開催するフェス以外に不定期に開催しているものもあるので、国内だけでも数多く開催しています。具体的にはEDMを中心とした【GMO SONIC】、メタルやパンク・ロックを中心とした【LOUD PARK】【PUNKSPRING】、新年に開催する【rockin'on sonic】、そしてサーフカルチャーをプッシュする【GREENROOM FESTIVAL】などを主催しています。



――2024年と2025年にはタイで【SUMMER SONIC BANGKOK】を開催されました。

清水:毎年、各国から【SUMMER SONIC】を開催したいというオファーをいただくのですが、なかなか実現に至りませんでした。そんな中、タイのプロモーターから非常に具体的な提案を受け、約1年の準備期間を経て開催に至りました。タイは、国による支援や補助金も非常に手厚いことも、開催への後押しになりました。

各国からオファーしてもらえるという今の状況には、非常に可能性を感じています。なので、今後は中国にも挑戦していきたいですね。マーケットの大きさも魅力的ですし、日本のアーティストも有名、無名に限らず非常に多く聴かれているという土壌があるので。今後、日中関係が改善されたら、チャレンジできるよう準備しておきたいと考えています。


――新しいフェスとしては今年3月、88risingと一緒に【HEAD IN THE CLOUDS】を日本で初開催し話題となりました。

清水:ショーン(・ミヤシロ/88rising代表)とは以前から交流があって、【SUPERSONIC】でのコラボレーションを企画したこともありました。コロナで、それは中止になってしまったのですが絶えずコミュニケーションはとっていて。彼も当社をリスペクトしてくれるし、我々も彼らがやっている活動は尊敬しているので、双方の波長が合って、とんとん拍子に開催が決まりました。ただ決まったのが2025年12月で、開催が2026年3月なので本当に時間がなくて。開催することは非常にリスクが高かったのですが、ショーンと僕は似た者同士なので「なんとかなるだろう」と判断し、あれだけのラインナップを集めることができました。日本のアーティストを88risingのメンバーに知ってもらう、という意図もあったので。


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トッププロモーターとして掲載されているのは、我々にとって誇り


――ただ、新しいフェスを立ち上げたというだけではなく?

清水:ええ。もっと先をイメージして、開催を決意しました。もちろん、日本の【HEAD IN THE CLOUDS】に1回出たからって、すぐに海外ツアーができるようになるわけではありません。ただ、【HEAD IN THE CLOUDS】が日本でも成熟し、さらに拡大していくことで、海外での活動の間口を広げられるよう、今後も育てていきたいと思っています。


――ここ数年、日本では主に日本や韓国の音楽が数多く聴かれ、洋楽のシェアが減少しています。この状況は招聘事業にも影響を与えていますか。

清水:ヒットチャートを見ると日本のアーティストが圧倒的に多い一方、動画や音楽の配信を通じて洋楽と出会う機会は増えていますよね。TikTokやYouTubeを見ていても、知らないアーティストの動画がどんどん流れてきて。それに最近はライブ会場で一緒に歌ったり、掛け合いができるファンが増えました。事前に動画で予習ができるので、ライブ会場がアーティストとの初めての出会いじゃないんですよね。ライブ体験が、当日の2時間だけではなく、予習から復習も含めて何度も反芻できる。それはすごく面白いことですし、可能性が無限に広がってきたと感じます。


――今後の展開について、教えてください。

清水:まずは海外のアーティストを日本の音楽ファンに届けていくという、これまでやってきたことは継続し、拡大していきたいと思います。Pollstar(アメリカのコンサート業界紙)にLive Nation EntertainmentやHYBEと並んで、クリエイティブマンがアジアのトッププロモーターとして掲載されているのは、我々にとって誇りです。インディペンデントで、こうやって頑張っている会社が日本にあるということは海外の皆さんにも、もっと知ってもらいたいですね。

社員には、常に「売上だけで判断するな」と伝えています。当社の魅力は、フェスを一から作り上げてきたクリエイティビティです。その想像力が一番の理念なので、「他社よりも新しいことに、最初に挑戦する会社」でありたいと思っています。もちろん赤字ばかり出していたら会社は経営できませんが、やらないと始まりません。なのでまずは挑戦し、一度立ち上げたら2~3年は継続するよう伝えています。想像力と実行力ですね、その二つは常に後押しできるような立場でありたいと思っています。



――まもなく二回目の【MUSIC AWARDS JAPAN】が開催されます。何を期待されますか。

清水:日本にある5つの音楽業界団体が協力して立ち上げたという点で非常に意義のあるアワードです。ただ色んな立場の人が関わっているのが強みである一方、焦点が定まり切っていないようにも感じています。関連イベントも今年は数多く開催されますが、もう少し精査していく必要があるかもしれませんね。

このアワードのテーマは、海外に日本の音楽を知ってもらうことです。今の日本にとって非常に重要なテーマなので、それをしっかり伝えていくために、今年チャレンジしたことの結果を冷静に判断していきたいと思っています。


――日本のアーティストの海外進出という点では、アジア地域における音楽フェスティバル事業の企画・運営を目的とした合弁会社NINE BY NINEが、ソニーミュージックとユニバーサル ミュージックによって設立されました。

清水:ソニーさんとユニバーサルさんがそれぞれのコネクションを活かしながら、協力して日本のアーティストをアジアで展開していくというのは非常に自然な流れですし、素晴らしい取り組みですよね。アジアでのフェス展開は我々も挑戦しているところなので、もし何かコラボレーションできるのであれば面白そうだと思って見ています。

私たちもバンダイナムコさんと一緒にアニメカルチャーに特化した音楽フェスを企画していたり、他社との協業を進めています。ゆくゆくは海外にこのフォーマットを持っていけたらとも思っていて。なので今後も様々な企業と協力しあいながら、日本の音楽をアジアや世界へ伝えていきたいと思っています。


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