2026/05/01 19:00
4人組ガールズバンドNEK! が、2026年4月26日の東京・渋谷クラブクアトロにて、初の全国ツアー【NEK! 2nd ANNIVERSARY LIVE TOUR 2026】のファイナル公演を開催。超満員のファンと一体となるとてつもない盛り上がりでツアーを締めくくり、終演後にはメジャーデビューシングルのリリースがサプライズ発表された。
2月8日の渋谷eggmanから始まり、全国12か所に及んだツアーもこの日がファイナル。チケットはソールドアウト、フロアはギッシリとファンで埋め尽くされた。お客さんのなかには、初日のライブにも足を運んだ人も少なくなかったのではないだろうか。ライブ中のフロアの出来上がりっぷり、バンドとの呼吸がピッタリと合ったやり取りは、ステージとフロアがシームレスに繋がっているようにすら思える一体感があった。
会場が暗転してSEが流れると、一斉に手拍子が起こり、大きく手を振りながらステージに上がるHika(Vo./Gt.)、Natsu(Gt.)、Kanade(Ba.)、Cocoro(Dr.)を迎え入れた。Hikaがお立ち台に上がり「いくぞー!」と生声で叫んで勢いよくギターをかき鳴らすと、メンバーがブラストビートでそこに加わり「Get Over」から勢いよくライブがスタートした。一聴すると英詞にも聴こえる英語と日本語が入り混じった歌詞を、歯切れ良く歌うHika。サビで腕を伸ばし飛び跳ねるように歌う観客たちは、4人の一挙手一投足に反応して初っ端からものすごい盛り上がりだ。Hikaが「渋谷! かましていくぞ!」と叫んでから「Clock up!」へ。目の前に新しい世界が広がっていくようなサウンドスケープと、〈毎分毎秒〉〈毎分毎秒〉と繰り返すコール&レスポンスで、2曲目にしてバンドは会場全体を掌握してしまった。「まだまだ行くよ!」と煽ってから始まった「Tic Tac Toe」では、ところどころで各プレーヤーの技巧を凝らした演奏と、Hikaの力強い歌声に魅了された。
3曲をぶっ続けで飛ばしまくった後、HikaによるMCでこの日がソールドアウトであることを伝えると大歓声が沸き起こる。「3曲、あっちぃよ、みんな! この勢いで最後までついてこれますか!?」と、オープニングから全力でリアクションするオーディエンスにさらに火を点けるひと言から、「GiMMiCK」でライブ再開。イントロで拳を上げ、歌い出すとクラップが起こる。〈普通なんてシナリオ通り 全てまがいもの〉と自問自答するように歌うHikaとスリリングなバンドサウンドで、グッとステージに吸い寄せられる。Kanadeがファンキーなベースで口火を切ると、Hikaは「渋谷! もっといけるだろ!?」と「Frog Flog」を歌い出す。矢継ぎ早に言葉を並べながら、リアルな現代をシニカルな視点で切り取っていく。SNS時代に蔓延するモヤモヤを歌う「zero-sum」では、〈しょうもない〉と歌うHikaに大声で〈しょうもない〉と返して同意を示す観客たち。Hikaが「まだまだ足りないぞ? いけー!」と叫ぶとNatsuがお立ち台に上がり叫ぶようなギターソロを炸裂させた。「ENDLESSGAME」はクラップの嵐で曲間に「Oi!Oi!」と合いの手が入る沸騰ぶりだ。キャリアとは不釣り合いな驚くほど卓越した演奏力による無骨なサウンドと、虚実入り混じった世の中で信じることをあきらめない真っ直ぐな歌詞が突き刺さる。そこには、“スラングロックバンド”と呼ばれる彼女たちによる音と言葉の力が示されていた。
曲間でフロアからは英語の歓声も上がるなか、Hikaはエレキからアコースティックギターに持ちかえると、「ありがとうございます! みんな本当に最高です!」と観客を見渡し、次の曲に入る前に話しておきたいことがある、としてツアーファイナルのステージに立っている心境を話し出す。「こうやって音楽ができることって本当に当たり前じゃないなって、このツアーを通して思ったし、いろんな人に支えられて生きてるなって改めて思いました。昔の自分は本当に迷いまくって、“ああもう無理かも”って思っていたけど、そのときの自分に、そして今夢へ向かってるけど迷ってるみんなに届いてほしいと思って歌います」と、次の曲「マリンスノウ」を告げる。逆光のステージでコーラスから始まり、淡々と刻まれるリズムが鼓動のように地面に響く。先ほどまでとは打って変わった静寂のなか、タイトな演奏に支えられた歌声が伸びていった。その流れでアルペジオを爪弾き呟くように歌いだしたのは「Dear me」。間奏でNatsu、Kanade、Cocoroが愚直に音を刻み続けるのも印象的だった。
ガラリと雰囲気を変えて、「Fake?」でNatsu、Kanadeがお立ち台で煽るとフロアは再びクラップが広がり、サビに合わせて歌い腕を突き上げるオーディエンス。Hikaはエレキギターを弾きながら、フロアを隅々まで観ながら笑顔で歌い上げた。ファンキーなギターリフから「Jumping」に突入すると、ハンドマイクを持ちステージ前に立ち歌うHikaをはじめ、ステージを縦横無尽に行き交いながら歌い演奏するメンバーたち。Cocoroが叩くタイトなリズムにKanadeのスラップが映える。ギターソロに合わせて掛け声を上げるフロアに「ありがとう!」と声を掛けるHika。さらにたたみかけた「Dreams!!!!」でマイクを向けると大合唱となり「Oh! Oh!」と会場中が声を合わせる
MCでは、初日のeggmanでは雪が降り、会場までの坂道を足元を見てヒヤヒヤしながら向かったことを振り返り、あっという間の2か月半だったことを回想する。ツアー中、全国を回るなかで、各地のグルメを「後悔しないように好きなだけ食べていた」というのはCocoro。「めっちゃ食べてめっちゃライブするっていうのをずっと繰り返しやっていて、今朝体重を測ったんですよ。そしたらなんとプラマイゼロ! すごくない!?」と明かしてフロアからステージに称賛が寄せられた。MCの言葉にしても曲にしても、とにかく1つ1つに言葉やアクションに対する観客の敏感な反応が鋭すぎる。
「次の曲は、この会場にいるみんなと一緒になって歌って踊る曲なんですけど、手を上げてもらっていいですか?」と「color chord」へ。Natsu のメタリックなギターリフに始まり、Kanadeの野太いベースフレーズが先導する演奏に乗った爽やかなメロディにフロア中が歌い踊る。ひと際ハードロックテイストなミディアムチューン「OOAK」では、重厚感溢れるサウンドが痛快無比。ボーカルの合間に入る合いの手は、なんだかレトロなムードを醸し出していた。サブスク時代、あらゆるジャンルの要素を自然に吸収しているのが当たり前なのかもしれない。
Hikaが、「ここから、ラストスパートですよ!」と告げて「令現少女」へ。ラウドな音圧でオーディエンスを圧倒すると、続いて飛び出した「Loner」は歌い出しと同時に会場中にクラップが広がり疾走する。叫び、拳を上げてヘドバンで応え、サビでは大合唱。「まだまだいける!? ギター、Natsu!」とギターソロを呼び込むと、Natsuは最高にエモーショナルで冴えわたるソロで興奮を加速させる。スリリングなサウンドは「rip-off」へと続き、スラップから始まり怒涛のグルーヴで会場を巻き込んでいく。ブレイクしてキメを連発する楽器陣、点滅するライティングのなか、フロアを煽るHika。結成からわずか2年とは思えないほどの貫禄あるステージングだ。
「次でラスト2曲だよ!? これでいいの? まだまだかかってこいやー!」とHikaが叫んで、ライブはクライマックスへ。「Fool」でCocoroの2ビートが急かすように煽り立てる。間奏でNatsuがエフェクティブなソロでさらに興奮の坩堝に。王道なギターリフ、豪快なキメが強烈な「Scrap Book」で身を乗り出して先導するHikaに挑むように声を上げるオーディエンス。日本語と英語が入り混じった、時代も国も越えたボーダーレスなミクスチャーロックで混沌としたままのステージを後にした。
Kanadeのスラップベースから、「MAZE」でアンコール開始。否応なく体が揺さぶられる強烈なダンスチューンで踊るフロアはコール&レスポンスからサビで大合唱となった。異様なほどのフロアの加熱ぶりを、まくしたてるボーカルで圧倒し返すHika。ここまでバンドとオーディエンスが首尾一貫、一心同体になったライブはあまり観たことがない。そう思うほど、曲ごとの一体感がすごかった。
ここで、ツアーを終えるにあたっての思いをメンバーごとにコメント。「本当に毎日楽しかったです。ファンのみなさまがこうやって私たちを応援してくれるからライブができるし音楽を届けることができています」(Natsu)。
「初めての全国ツアー、毎回みなさんがすごくライブを楽しんでくれていることが伝わってきました。みなさんは私たちのエネルギーそのものなので、これからも私たちの夢を叶える長い旅についてきてもらえたらうれしいです」(Cocoro)
「この2年の中で一番、メンバーと濃い時間を過ごせた 2ヶ月半でした。人として、アーティストとして、ひと回り大きくなれた、成長できたなって思えるツアーになりました」(Kanade)
「バンドができるのって当たり前じゃないんですよね。本当にこのメンバーって奇跡のような存在なので。出会ったのも奇跡だし、ファンのみんなと出会ったことも奇跡だと思っていて。音楽って、音を楽しむだけじゃなくて、こうやって人を繋いでくれるものだなって、全国12箇所を回って、今日のツアーファイナルで思いました」(Hika)
Hika は続けて、「NEK!はまだまだだから、これから一歩ずつ一歩ずつクリアしていって、みんなともっと大きな景色を見れたらいいなと思っているので、次の曲はみんなで最後に一緒に歌いましょう! 準備はいいですか?」と呼び掛けると、最後の曲「biT bY biT」へと導いた。冒頭からメンバーとお客さんがコーラスする声が空気を震わせる。明るくなったステージとフロアがひとつになる綺麗な光景を幻想的なギターサウンドが包み込む。「みんなの声を聴かせてください!」とHikaがマイクを向けると、最後は演奏を止めてドラムの音だけに合わせての合唱で、多幸感に包まれてライブは幕を下ろした。4人はステージ前に並ぶと、「みなさんに最後、感謝のひと言を伝えたいと思います。 せーの、ありがとうございました!」と、手を繋ぎオフマイクで感謝を伝えて深々と一礼。名残惜しそうに手を振りながら、ステージを降りた。
メンバーが去った後、場内が暗転すると、フロアのサイドに設けられたスクリーンに、6月10日にメジャー1stシングル「FLiCK」を配信リリースすることがサプライズ発表された。さらにメジャーデビューを記念して東名阪をまわるツアー【NEK! MAJOR DEBUT TOUR】の開催、オフィシャルサイトおよびファンクラブのオープンも併せて発表された。既にポニーキャニオンからメジャーデビューが発表されていた彼女たちだが、ここにきて一気に具体的な動きが活性化。ツアーファイナルにして新たなる一歩を記すライブとなり、ファンにとっても大いなる期待に胸が躍る、歓喜の一夜となった。
Text:岡本貴之
Photo:Ryuji Kainuma
◎セットリスト
【NEK! 2nd ANNIVERSARY LIVE TOUR 2026】
2026年4月26日(日)東京・渋谷クラブクアトロ
1. Get Over
2. Clock up!
3. Tic Tac Toe
4. GiMMiCK
5. Frog Flog
6. zero-sum
7. ENDLESSGAME
8. マリンスノウ
9. Dear me
10. Fake?
11. Jumping
12. Dreams!!!!
13. color chord
14. OOAK
15. 令現少女
16. Loner
17. rip-off
18. Fool
19. Scrap Book
EN1. MAZE
EN2. biT bY biT
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