Billboard JAPAN


Special

KNOCK OUT MONKEY 『INPUT ∝ OUTPUT』インタビュー

KNOCK OUT MONKEY 『INPUT ∝ OUTPUT』 インタビュー

 KNOCK OUT MONKEYが、ド頭から面白すぎるメジャー1stアルバム『INPUT ∝ OUTPUT』をリリース。ロックバンドが再びヒットチャート上位を席捲するようになった昨今のシーンにおいて、彼らしか鳴らしてない音楽、彼らだからこそ切り開ける未来について、w-shun(vo,g)、亜太(b)、ナオミチ(dr)、dEnkA(g)、全メンバー揃い踏みで語ってもらった。

銀杏BOYZや安室奈美恵、人を惹き付ける本質的な格好良さ

KNOCK OUT MONKEY - Sunrise (Official Music Video)
▲KNOCK OUT MONKEY - Sunrise (Official Music Video)

--KNOCK OUT MONKEY、昨年10月にメジャーデビューしてから着実に売れてきてる感覚ってありますか?

w-shun:ないですね!

一同:(笑)

w-shun:ビックリするぐらい感覚は変わってないです。

--街中で知らない人から声かけられたり、急に親戚や友達が増えたりは?

w-shun:全然ないです!

dEnkA:ただ、自分は見た目がこうなんで、インディーズの頃から近所のコンビニで声かけられたりしていました(笑)

--w-shunさん、前回のインタビューで、メジャーに来たことで「セールスに拘っていきたい。全員が一気にライバルになった訳ですから」と語ってくれましたが、実際にメジャーで活動してみて“全員がライバル感”というのはリアルに感じたりしました?

w-shun:フェスとか出させてもらうと、アイドルの方とかも同じ日にライブをしたりする訳じゃないですか。で、自分たちをどれだけ観てくれる人がいたのか。他のバンドやアイドルはどれだけの人が入ったのか。それが目に見えて分かるので、やっぱり「自分たちはまだまだ足りてないなぁ」って思ったり、追いついていないところがあるんだなっていうのは、実感する。でもそれで闘争心に火がつく。

--亜太さんやナオミチさんやdEnkAさんもメジャーに来たことで意識が変わったり、これからはこうしていかなきゃ的な感覚ってあったりしますか?

亜太:「自分たちを観に来てるんだな」っていう人は、目に見えて増えている。それだけ観てくれる人、気にしてくれている人がいるので、その人たちに対して何が出来るか。自分たちの立ち振る舞い、ステージング、音楽活動におけるすべての活動に対してキュッと締まった感じはします。

dEnkA:たしかに昨年末のフェスで、観てくれているお客さんが倍増しているなーっていうのは、目で見て実感しました。

ナオミチ:フェスとかで僕らの裏側というか、時間帯のかぶっているアーティストさんが、今まで自分たちでは手の届かないアーティストさんだったりして。それでも勝ち取っていかなきゃいけない。その為にはどういうことをするか。最低限の演奏維持もそうですし、そのへんは底上げしてやっていかなきゃいけないって凄く思う。

--フェスの裏のアーティストって、それこそ甲子園の抽選みたいな感じで気になるものなんですか。「うわぁー!よりによって……」みたいな。

ナオミチ:全然あります!

w-shun:一番気にしてるもんな。

ナオミチ:去年のサマソニがゼブラヘッドと被ってて……(笑)。

w-shun:ゼブラヘッド、MAN WITH A MISSIONのちょうど間ぐらいで!

ナオミチ:無理無理無理!って。

一同:(笑)

--今、名前も出たMAN WITH A MISSIONが全米デビューを決めたり、サカナクションが『紅白歌合戦』へ初出場したり、ロック勢がメインストリームのど真ん中へと躍進している状況にはどんなことを感じたりしますか?

w-shun:少なからず数年前よりはバンドが世間的に認知されていると思うので、それを如何に……例えば、メディアだけで盛り上がって終わらないようにするか。やっぱりライブの凄さや面白さってなかなかメディアだけでは伝えきれないと思うんですよね。だからロックの格好良さを広げていきながら、ライブへと一歩踏み込めるように仕向けていくじゃないですけど、そういう文化を知らない人も導いていけるようになれたらいいなと思う。

--メディアから如何に現場へと引っ張り込めるかという。

w-shun:そこからまたインディーズやアマチュアのバンド、若い奴らがまだまだたくさんいるんだよ、っていうことも知ってもらいたい。やっぱりメディアばっかりになってしまうと、一過性のものというか、そのときのブームでまた終わってしまうことにも成りかねないので、いかに根強く定着させる為に動いていくか。そこは表舞台に立つアーティストが、特にライブに重きを置いているバンドは、そうするべきなんじゃないかなってすごく思います。

--また、今年はド頭からサカナクションやFear,and Loathing in Las Vegas、先輩格ではDragon Ashや銀杏BOYZがヒットチャートを席捲しています。この流れには続きたいところなんじゃないですか?

w-shun:そこは単純に悔しいですよ。知っている人が……サカナクションはまだ面識ないですけど、Dragon Ashだったり、Fear,and Loathing in Las Vegasなんて後輩だし、そういう先輩も後輩も含めて自分がわりと知っている人たちが、そういうチャートで何かひっくり返そうとしているところとか、相変わらずのスタイルでやっててチャートに入っているのは、見ていて単純に羨ましいのと「絶対負けるか」という想いと。きっとバンドマンはみんなそういう感覚があるんじゃないかなと思うんですけど。そこを目指している人は。

亜太:なんでそうなったんだろう?っていうのは、気になりますよね。世間の流れであったり、今の音楽シーンにおけるお客さんの需要であったり。例えば嵐やAKB48の人気が未だにブレない理由だったりとか、そこにロックバンドが潜り込める瞬間というのは、ただのタイミングなのか、そういうムーヴメントが来ている証拠なのかとか。そこは気になりますね。

--KNOCK OUT MONKEYの皆さんって、銀杏BOYZは通ってるんですか?

w-shun:凄いですよね、今。前のバンドからずーっと続けてきて、9年ぶりにアルバムを出して、それを求めている人がたくさんいるというのは。当時聴いていた人だけじゃなくて、新しい層にも響いているからこそ、今でもそれだけの位置に行ける。9年ぶりって、アイドルだったら……19才だった女の子が30手前になっている訳で、普通に考えたら人気も落ち着いているでしょうし。でも安室奈美恵さんじゃないですけど、やっぱりそこにブレない何かがあるから。長く支持されるものって、人を惹き付ける本質的な格好良さというか、ファッション感覚じゃないところの凄さを持ってるんだろうなって思う。

--KNOCK OUT MONKEYが求めるのもそこ?

w-shun:徐々に歳をとって、本質的な部分はブレずに、いろんな表現方法を手に入れて成長できたらいいなと思いますね。そういう人たちを見てると。

--KNOCK OUT MONKEYが目指しているロックやバンドの形って、具体的にはどんなものだったりするんですか?

w-shun:なるべく自分たちで自分たちの在り方を決めつけない。KNOCK OUT MONKEYってこういう音楽性で、こういうライブをしています。っていうのは、基本的には作りたくない。そのときの一番ガッツリ思っていることを表現するほうが、一番格好良いと思うんですよ。歌詞に関しても、楽曲の表現の仕方でも。自分はわりと興味の対象が多いので、いろんなところに手をつけていったり、視野をバンバン広げたい欲が強いので。だからそのときに応じて鳴らしたい音を鳴らしたい。そこになるべく嘘はつかずに歳を取っていきたい。リアルタイムが一番格好良い、一番輝いてるバンドでいたい。

--キャリアハイを常に更新していきたい。

w-shun:そうですね。その成長をドラマじゃないですけど、一本の映画を観ているような感覚で楽しんでもらいたい。きっと誰にもマネできない道筋ってあると思うので、その物語をこの4人で歩んでいきたい。

NEXT PAGE
  1. < Prev
  2. 「ロマンティックあげるよ」を歌うとは思っていなかった
  3. Next >
ライブ情報

【KNOCK OUT MONKEY TOUR 2014 "INPUT ∝ OUTPUT"】
2014年4月4日(金)兵庫・神戸チキンジョージ
2014年4月6日(日)福岡・福岡Queblick
2014年4月12日(土) 北海道・札幌COLONY
2014年4月20日(日) 神奈川・横浜Club Lizard
2014年5月3日(土)愛知・名古屋Electric Lady Land
2014年5月10日(土)京都・京都MUSE
2014年5月11日(日)石川・金沢vanvan V4
2014年5月17日(土)広島・広島ナミキジャンクション
2014年5月31日(土)香川・高松DIME
2014年6月8日(日)宮城・仙台MACANA
2014年6月14日(土)大阪・大阪BIGCAT
2014年6月22日(日)東京・恵比寿LIQUID ROOM

【The BONEZ "Astro Tour2014"】
2014年3月4日(火)松山SALON KITTY
2014年3月5日(水)高松DIME

【MUSIC CUBE 14】
2014年3月23日(日)広島市内全6会場

【となりのバンドマンツアー 2014】
2014年3月25日(火)岡山 IMAGE
 w) グッドモーニングアメリカ / the band apart
2014.年3月26日(水)大阪 BIGCAT
 w) グッドモーニングアメリカ / the band apart

【ARABAKI ROCK FEST.14】
2014年4月26日(土)、27日(日)宮城・ みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく

【TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014】
2014年5月25日(日)東京・新木場 若洲公園

「ロマンティックあげるよ」を歌うとは思っていなかった

KNOCK OUT MONKEY - I still (Official Music Video)
▲KNOCK OUT MONKEY - I still (Official Music Video)

--それが評価される、もっと言ってしまえば売れることにも繋がると信じている?

w-shun:売れることも否定されることもあると思うんですけど、辞めてしまったらそこで物語は終わってしまうから。何があっても続けていくから格好良い訳で。意地なのかもしれないですけど、安易には辞めれないですよね。

--このバンドが解散する未来は考えられない?

w-shun:想像つかないですね。でも誰がいつ辞めるとも言いかねないので。だからこそ危機感はあるし、そう言わせない為には、セールスに拘ってそれで生活していくことなのかもしれないし。このバンドは入れ替わりがすごく激しかったんですよね。ベースは3人目だし。でも誰ももう「辞める」と発言しない活動をする為には、今ある環境で全力を尽くす。やっぱり好きなことですから、苦しいときもありますけど、それもひとつの糧として楽しみながらできるか、とか。サポートしてくれてる人たちも生活がかかってるから、メンバーとか、自分以外の人の気持ちを背負いながら、如何にワガママに楽しんでやれるか。それを継続させられるか、っていうのは常に考えていかないといけない。

dEnkA:KNOCK OUT MONKEYは、音楽にしろ、考え方にしろ、どんどん変わっていくので、そういう意味ではすべてが新鮮なんですよ。すべてが挑戦であって、楽しさであって。だから飽きないし、辞めるとか考えたこともない。これからも楽しいことをやっていきたいですね。

--そんなKNOCK OUT MONKEYによるメジャー1stフルアルバム『INPUT ∝ OUTPUT』。仕上がりにどんな印象や感想を?

w-shun:今はまだツアーも始まってない段階なんですけど、本音でガンガン向き合って鳴らしているからこそ、こうして一枚の作品ができるごとに「あー、出し尽くした!」っていう感覚がすごくあるんですよね。それがあるからこそ、また次がハッキリ見えるというか。僕の中で作品をつくるというのは、今想っていることだったりとか、今あるアイデアを注ぎ込む感覚なんで、だから同じものが出来ない。今回も今想ってることは出し切った。それによってまた最近「曲作りたいな」って思う瞬間が出てきてる。

--『INPUT ∝ OUTPUT』というタイトルにしようと思ったのは?

w-shun:いつもタイトルやコンセプトが先にあって、という作り方をしないんですけど、デモから作って2013年丸々一年使って、そのときどきの感情だったり、経験をすごく吸収して。ライブからだけじゃなく日常生活からも。で、それを有り難いことに吐き出せる場所がある。リリースすることができる。で、真ん中の数式が“∝”になってるんですけど、僕の中ではインプットと吐き出すものっていうのは、わりとイコールしてるからで。今まで経験してきたこと、想ったことをこの場所で吐き出すという。

--で、それをエンターテインメントとしても昇華できてますよね。

w-shun:やっぱり音楽って聴く人にとってはエンターテインメントであり、娯楽。今作もいろんな系統の曲があるので、聴く人にとってどれか1曲でもアンテナに引っ掛かって、それがインプットされて、学校や仕事でのアウトプットを後押しできたりするアルバムになったらなって。それほど音を鳴らしてて喜ばしいことはないというか。

--今作、ド頭の「Prologue ~Battle against the Apes~」からめちゃくちゃ格好良いですよね。ハロウィン『守護神伝』を彷彿とさせる、ジャーマンメタルバンドみたいな序章になってて。

一同:(笑)

w-shun:サウンドプロデューサーがついてくれているんですけど、基本的に打ち込みはそのプロデューサーがしてくれていて。でもアイデアとしては、元々ライブのSEとかも自分たちで作ってて、前作のミニアルバムからそういうSEを作品の中に入れたいってなったんです。で、壮大なんだけど、ギターが凄いガッツリ鳴ってて、SEからもう暴れたくなるようなものにしたいと。そしたらどんどん音が重なっていくにつれて凄いことになってきて(笑)。

--あれ聴いて、このバンドは本気で遊べちゃえるバンドなんだなって。自分たちではどう思いますか?

dEnkA:自分たちは楽しんで「これ、いいんじゃないか」と思ってやってるんですけど、実際、外から見たらどういう風にきこえるんですかね?

一同:(笑)

dEnkA:そこは気になる(笑)。「やりすぎやろ!」ってなりそう。

--そう思ってるのに出しちゃう感じ、面白いですね。でもそこが結果的にバンドの個性になりますから。

w-shun:でもね、こっちも多少“?”は浮かんでるんですよ(笑)。「これ、大丈夫かな? ついていけない人もいるよね?」って。

--攻めの一手を打つときは、一応気にするんですね。

w-shun:そこは気にしたほうがいいのかなと思って。でも最終的に悩んで悩んで悩んで「もう面倒くさいからいいや!」って出しちゃうことは多い。

--じゃないと出せないかもしれませんね。俺、今作の1曲目が流れてきて「あれ、CD間違えた?」って思いましたもん(笑)。でもこういうのがないと面白くないですよ。

w-shun:そうですね。そのワクワク感っていうのが、僕の中でロックというか、ライブハウスでワイワイしてる感じに近い。一本筋の格好良さもあると思うんですよ。でも4人の性質上、元々全然違うバックボーンだったりするから、その中で唯一共通するのって、なんかそういうことで。機材車でド下ネタ言って超盛り上がってるときの悪ノリ感とか、中学生みたいな発想の会話をしているときとか、ああいう楽しさを音に出したい。ただ一本筋じゃなくて、いろんな方向からいろんなことをやってみて、最終的にゴールが見えなくなって「大丈夫かな? 大丈夫かな?」ってなるんだけど、「もうめんどくせぇや!出しちゃえ!」みたいな。そういうものの方が逆に伝わりやすいのかなと思って。

--それは渋谷CLUB QUATTROでの東京初ワンマンライブを観てても感じました。『ドラゴンボール』エンディングテーマ「ロマンティックあげるよ」でサークルモッシュ起こせるバンド、初めて観ましたよ。

一同:(爆笑)

dEnkA:世界初ですよ。

w-shun:あれは、僕が日頃こうやってしゃべったりとか、ライブでも勝手にワガママに振る舞ったりしてるから、3人のソロコーナーを設けようってなって。

dEnkA:初めてのソロコーナー。

w-shun:最近ソロってないじゃないですか。X JAPANか! SEX MACHINEGUNSか!みたいな感じで。けど、ひとりずつステージでスポットライト浴びても出来るんで、みんな。本来。普段はバンドで自分の役割を考えながらやってるから、ライブでそういう時間を設けてもらうことによって、また発想が広がると思ったんですよね。さすがに「ロマンティックあげるよ」を歌うとは思っていなかったですけど(笑)。

dEnkA:最初、ドラムソロですっごいシリアスな感じで入っていったんですよ。リンプ・ビズキットの「Take A Look Around」(映画『ミッション:インポッシブル2』テーマ曲)やってて。で、そっからのアレやもんな!

--リンプからのドラゴンボール。

dEnkA:それがやりたかったことのひとつだったんで(笑)。

NEXT PAGE
  1. < Prev
  2. 鍵、壊しちゃう音楽がやりたいんですよね。
  3. Next >
ライブ情報

【KNOCK OUT MONKEY TOUR 2014 "INPUT ∝ OUTPUT"】
2014年4月4日(金)兵庫・神戸チキンジョージ
2014年4月6日(日)福岡・福岡Queblick
2014年4月12日(土) 北海道・札幌COLONY
2014年4月20日(日) 神奈川・横浜Club Lizard
2014年5月3日(土)愛知・名古屋Electric Lady Land
2014年5月10日(土)京都・京都MUSE
2014年5月11日(日)石川・金沢vanvan V4
2014年5月17日(土)広島・広島ナミキジャンクション
2014年5月31日(土)香川・高松DIME
2014年6月8日(日)宮城・仙台MACANA
2014年6月14日(土)大阪・大阪BIGCAT
2014年6月22日(日)東京・恵比寿LIQUID ROOM

【The BONEZ "Astro Tour2014"】
2014年3月4日(火)松山SALON KITTY
2014年3月5日(水)高松DIME

【MUSIC CUBE 14】
2014年3月23日(日)広島市内全6会場

【となりのバンドマンツアー 2014】
2014年3月25日(火)岡山 IMAGE
 w) グッドモーニングアメリカ / the band apart
2014.年3月26日(水)大阪 BIGCAT
 w) グッドモーニングアメリカ / the band apart

【ARABAKI ROCK FEST.14】
2014年4月26日(土)、27日(日)宮城・ みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく

【TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014】
2014年5月25日(日)東京・新木場 若洲公園

鍵、壊しちゃう音楽がやりたいんですよね。

KNOCK OUT MONKEY - Paint it Out!!!! (Official Music Video)
▲KNOCK OUT MONKEY - Paint it Out!!!! (Official Music Video)

w-shun:スタジオでそれの練習をしていたんですよ。初めて聴いたとき、手叩いて笑ってましたもん。でもそれがそのままお客さんに伝わるんかなと思って。

亜太:ウケるかウケないかを考えるのも大事なんですけど、楽曲の中にいろんなものを落とし込むのもそうですし、自分らがやってて楽しくないと。しかもワンマンライブってなると自分たちだけの空間だし、ワガママも全然言えるんで。それで実際にやってみたらみんなが笑ってくれたり、無駄にサークルモッシュしたりとか……そういう謎の現象が(笑)起きると、なおさらやってよかったと思うし。音楽って楽しいんだよ、っていうのをやれたのは良かったですね。

ナオミチ:お客さんが「マジか!?」みたいな感じになって、本当に嬉しそうな顔してはしゃいでいたからすごく楽しかったし。あと、ソロコーナーが終わって、w-shunが戻ってきたときに「あ、やっとボーカルが帰ってきてくれた!」って。

--安心したんですね。

一同:(笑)

ナオミチ:4人でKNOCK OUT MONKEY。そういう再確認もできました(笑)。

--また、あの日のライブでは、w-shunさんも「こんなに楽しい想いを、バンド生活でさせてもらえるなんて思ってもいなかったです。いやぁ~、楽しい。それに尽きます!」と仰っていました。あの言葉こそKNOCK OUT MONKEYの生き様と音楽スタイルを明確に表してますよね。

w-shun:そうですね。本来、ここまで長くバンドを続けていると思ってなかったですから、メジャーに行くことなんて夢物語だと思ってたし、それこそお客さんがいない中でずーっとやってきて「これはもうダメなんじゃないか」って諦めようとした時期もたくさんありましたし。それがあんな悪ノリの空間を作れて、それに応えて悪ノリしてくれるお客さんがいて(笑)、後ろで関係者の人たちも手叩いて笑っていて、あれを「楽しい」と言わずして何と言う? ぐらいの感覚だったんで。で、それがしたくてずっとバンドやってきたっていうのもあるし、ただ「格好付けたい」「格好良く思われたい」だけじゃなかったから。あの4人が楽しんでいるけど、凄く真剣に集中してる感じと、お客さんがガチで来てくれる感じは「いやぁ~、楽しい」に尽きた。ただ無邪気に、ガキのように楽しめる音楽があるんだよ、っていうのを広めていきたいと思いましたね。

--このアルバムも、そのままアニメーション大作のサントラになってもいいような内容というか、1曲1曲に明確なストーリーがあるし、分かり易く戦いや癒しもあって、極端に言えば子供も聴いて暴れられる作品になってますよね。自分ではどう思いますか?

w-shun:“ただ元気になる”じゃ嫌なんですよ、性格上。元気になった上に体使って「おりゃああああ!」ってなっちゃう音楽をやりたい。っていうのが自分の中ではテーマで。分かる奴だけ分かればいい音楽もあると思うし、格好良いと思うんですけど、できれば自分はいろんな層の人が聴いて、そこに引っ掛かった人の普段鍵が掛かっているところを開けちゃうような……ロックをしたいなってすごく思ってる。ただのエンターテインメントじゃないというか。エンターテインメントの世界は、本当に凄いクオリティでやっている人たちもいるけど、そういうところじゃない、泥臭い。泥臭いけど、すげぇ楽しくってアガっちゃう。鍵、壊しちゃう音楽がやりたいんですよね。

--このアルバムの根底には「おまえら、音楽に戻ってこい!」「ロックは面白いぞ!」的な想いもありますよね。だって、やろうと想えばもっとマニアックなこともやれるバンドじゃないですか。

w-shun:そうですね。

--だけど、これだけ間口を広げて「飛び込んでこい!飛び込んでこい!」ってやってるバンド。今、なかなかいないじゃないですか。

w-shun:もっとみんなやってそうなんですけど、意外にいないんですよね。まぁラッキーと言うべきなんですかね(笑)。

--だって、今……「だったら洋楽聴くよ」みたいなロックバンドだらけじゃないですか!?

w-shun:まぁまぁまぁまぁ(笑)。

--そういうバンド売れてますけど、今。

一同:(爆笑)

--でも日本人のバンドであることをKNOCK OUT MONKEYは忘れてないし、いろんな洋楽の要素も入ってますけど、そこに溺れてない。

w-shun:ここ2日間ぐらい、よく会話に出てきていたんですけど、いろんな洋楽のアーティストだったりとか、レジェンドと呼ばれているクラスの人たちでも、今ってガンガン日本に来てるじゃないですか。ということは、日本でそういう音楽を聴いてる人たちがそれだけいるってことですよね。民族レベルでロックが好きな人たちなんですよ、日本人って。だったら、その中に日本のバンドが日本人らしく日本語で歌っていても面白いんじゃないかなって。本来、ロックは既成概念を壊していったりとか、すっごい大きい衝動を鳴らすものだから、ひとつのものに凝り固まってしまうとつまらないですよね。

--なので、このキャッチーさをバカにする奴らなんか吹っ飛ばしてほしいですね。未だにあるじゃないですか。キャッチーでポップだとダサいみたいな風潮。おそらくKNOCK OUT MONKEYがそういうイメージで見られることもなくはないと思うんですけど、ムカつきません?

w-shun:そうですね。でもそうやって見てる人に限ってちゃんと聴いてない(笑)。さっき話したようにマニアックな遊びもたくさんしてますからね。ただ、それを理解させるのは難題だろうし、時代をひっくり返す為の壁は高いですけど、でもそういうことができなくもない。可能性はゼロではない。それはバンドがメジャーで売れることより難しいことだと思うんですけど、そういうことをしたい。そういう衝動を撒き散らしたいとは思ってます。

--ただ、世間って「こんな感じでしょ?」ってイメージだけで何事も判断する人ばかりで、そういう人たちって売れないと興味持ってくれない。でも売れた途端にひっくり返るんですよね。突然、「意外と格好良いよね」とか言い出す。なんだよ、その「意外と格好良いよね」の“意外”ってみたいな。

一同:(笑)

w-shun:だからあんまりそこに左右されないというか、そこを突き詰めていくとどんどんネガティブになっていくから、だったら面白いと思うことを探求していったほうがいい。もちろん、そういうところと向き合うのは必要なことだと思うんですけどね。でもそればっかに捕らわれすぎて進めないっていうのは、違うと思うし。だったら一歩進める為の何か。面白いことをやったり、ポジティブな状態の中で、そういう意見とも向き合ったほうが前に進みやすいのかなって。

--その辺は下積みの長いKNOCK OUT MONKEYですから、痛いほどよく分かってますもんね。では、メジャー1stアルバム『INPUT ∝ OUTPUT』は、世にどんな風に響いてほしいですか?

w-shun:作っている最中は好き勝手やってるんですけど、完成した後はセールスに拘らなきゃいけないし、ここからは戦略的なこともあるでしょうけど、この4人はもちろん、周りで動いてくれている人たちも含めて、どういう風にこのアルバムの楽しさを広めていきたいのか。考えながら動いていく感じだと思います。とは言え、聴いてくれる人に関しては、重く捉えてほしくないし、フラットに聴いてほしいなって。で、今作を引っ提げたツアーを最後までやり切ったときに「『INPUT ∝ OUTPUT』はこういうアルバムだったんだな」ってひとつ見えると思うので、それを楽しみにしています。

--このアルバムから始まる2014年はどんな一年にしたい?

w-shun:一昨年、去年と充実してて、音楽で生活させてもらえることの喜びを実感させてもらってるんですけど、でも今の状態に満足するんじゃなく、まだまだやれること、やりたいことは尽きないから、それをどんどん大きくしていく、どんどん追求していく。上の世界も探求していきたいし、下の根っこもどんどん伸ばしていきたいし。そしたら多少のことでは倒れない木にはなれるのかなって。なので、2014年でどうこうというより、その凄いとてつもなく大きな目標に向かって、そのゴールは50歳なのかもしれないし、60歳なのかもしれないけど、ちょっとずつ進んでいきたいな。で、ちゃんと上には花を咲かせていきたい。

Music Video
ライブ情報

【KNOCK OUT MONKEY TOUR 2014 "INPUT ∝ OUTPUT"】
2014年4月4日(金)兵庫・神戸チキンジョージ
2014年4月6日(日)福岡・福岡Queblick
2014年4月12日(土) 北海道・札幌COLONY
2014年4月20日(日) 神奈川・横浜Club Lizard
2014年5月3日(土)愛知・名古屋Electric Lady Land
2014年5月10日(土)京都・京都MUSE
2014年5月11日(日)石川・金沢vanvan V4
2014年5月17日(土)広島・広島ナミキジャンクション
2014年5月31日(土)香川・高松DIME
2014年6月8日(日)宮城・仙台MACANA
2014年6月14日(土)大阪・大阪BIGCAT
2014年6月22日(日)東京・恵比寿LIQUID ROOM

【The BONEZ "Astro Tour2014"】
2014年3月4日(火)松山SALON KITTY
2014年3月5日(水)高松DIME

【MUSIC CUBE 14】
2014年3月23日(日)広島市内全6会場

【となりのバンドマンツアー 2014】
2014年3月25日(火)岡山 IMAGE
 w) グッドモーニングアメリカ / the band apart
2014.年3月26日(水)大阪 BIGCAT
 w) グッドモーニングアメリカ / the band apart

【ARABAKI ROCK FEST.14】
2014年4月26日(土)、27日(日)宮城・ みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく

【TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014】
2014年5月25日(日)東京・新木場 若洲公園

KNOCK OUT MONKEY「INPUT∝OUTPUT」

INPUT∝OUTPUT

2014/02/26 RELEASE
JBCZ-9003 ¥ 2,750(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Prologue ~Battle against the Apes~
  2. 02.I still
  3. 03.You have got freedom
  4. 04.Paint it Out!!!!
  5. 05.Change
  6. 06.The large world
  7. 07.Dear
  8. 08.Challenge & Conflict
  9. 09.Gun shot2
  10. 10.Flight
  11. 11.Sunrise

関連キーワード

TAG

関連商品

HELIX
KNOCK OUT MONKEY「HELIX」

2017/07/05

[CD]

¥2,970(税込)

HELIX
KNOCK OUT MONKEY「HELIX」

2017/07/05

[CD]

¥3,630(税込)

Do it
KNOCK OUT MONKEY「Do it」

2016/11/16

[CD]

¥1,100(税込)

Do it
KNOCK OUT MONKEY「Do it」

2016/11/16

[CD]

¥1,980(税込)

RAISE A FIST
KNOCK OUT MONKEY「RAISE A FIST」

2016/01/06

[CD]

¥1,650(税込)

RAISE A FIST
KNOCK OUT MONKEY「RAISE A FIST」

2016/01/06

[CD]

¥4,950(税込)

Mr.Foundation
KNOCK OUT MONKEY「Mr.Foundation」

2015/01/14

[CD]

¥2,970(税込)

How long?
KNOCK OUT MONKEY「How long?」

2014/11/19

[CD]

¥1,320(税込)

How long?
KNOCK OUT MONKEY「How long?」

2014/11/19

[CD]

¥1,980(税込)

Greed
KNOCK OUT MONKEY「Greed」

2014/08/20

[CD]

¥1,100(税込)

Wonderful Life
KNOCK OUT MONKEY「Wonderful Life」

2014/07/23

[CD]

¥1,100(税込)

INPUT∝OUTPUT
KNOCK OUT MONKEY「INPUT∝OUTPUT」

2014/02/26

[CD]

¥2,750(税込)

Paint it Out!!!!
KNOCK OUT MONKEY「Paint it Out!!!!」

2013/10/02

[CD]

¥1,885(税込)

SKANK UP
KNOCK OUT MONKEY「SKANK UP」

2009/04/01

[CD]

¥2,305(税込)

KING OF MUSIC
KNOCK OUT MONKEY「KING OF MUSIC」

2008/03/26

[CD]

¥1,781(税込)

HELIX
KNOCK OUT MONKEY「HELIX」

2017/07/05

[CD]

¥2,970(税込)

HELIX
KNOCK OUT MONKEY「HELIX」

2017/07/05

[CD]

¥3,630(税込)

Do it
KNOCK OUT MONKEY「Do it」

2016/11/16

[CD]

¥1,100(税込)

Do it
KNOCK OUT MONKEY「Do it」

2016/11/16

[CD]

¥1,980(税込)

RAISE A FIST
KNOCK OUT MONKEY「RAISE A FIST」

2016/01/06

[CD]

¥1,650(税込)

RAISE A FIST
KNOCK OUT MONKEY「RAISE A FIST」

2016/01/06

[CD]

¥4,950(税込)

Mr.Foundation
KNOCK OUT MONKEY「Mr.Foundation」

2015/01/14

[CD]

¥2,970(税込)

How long?
KNOCK OUT MONKEY「How long?」

2014/11/19

[CD]

¥1,320(税込)

How long?
KNOCK OUT MONKEY「How long?」

2014/11/19

[CD]

¥1,980(税込)

Greed
KNOCK OUT MONKEY「Greed」

2014/08/20

[CD]

¥1,100(税込)

Wonderful Life
KNOCK OUT MONKEY「Wonderful Life」

2014/07/23

[CD]

¥1,100(税込)

INPUT∝OUTPUT
KNOCK OUT MONKEY「INPUT∝OUTPUT」

2014/02/26

[CD]

¥2,750(税込)

Paint it Out!!!!
KNOCK OUT MONKEY「Paint it Out!!!!」

2013/10/02

[CD]

¥1,885(税込)

KING OF MUSIC
KNOCK OUT MONKEY「KING OF MUSIC」

2008/03/26

[CD]

¥1,781(税込)