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KNOCK OUT MONKEY『reality&liberty』インタビュー

KNOCK OUT MONKEY 『reality&liberty』 インタビュー

“神戸の暴れ猿”KNOCK OUT MONKEYが初登場!

 昨年【SUMMER SONIC 2012】へ初出演し、今年は【PUNKSPRING 2013】への参戦が既に決定している彼らが、最新ミニアルバム『reality & liberty』や現在のロックシーンについて熱く語ってくれた。

窓口が狭いとロックの楽しさに気づけない

Scream&Shout
▲KNOCK OUT MONKEY - Scream & Shout (Official Music Video)

--KNOCK OUT MONKEYのライブは何度か取材させて頂いているのですが、毎回MCで「モッシュやダイブだけがライブの遊び方じゃない。好きなように自由に楽しんでくれ」ということを仰るじゃないですか? それがとても好印象で、観客のことをよく考えているバンドだなと思っていました。

w-shun(vo,g):ライブハウスは楽しむ場所っていう認識で来ている人が多いと思うので、それならその目的だけを果たしてくれたらいいじゃないかと。そこから興味を持ってまた違うバンドを探してみたり、音楽の楽しさをどんどん知ってもらえたらいいんじゃないかなって、僕は思うんですよね。強制的に暴れてもらうことが正解だとは思わない。色々な人が集まる場所がライブハウスだし、自分たちが立っている場所だからこそ、そこは大事にしたいんです。

--強要することはあまり好まない?

w-shun:昔はガンガンしてましたけどね(笑)。ガンガン強要しまくって全く反応を得ることができなかったから、今の考え方に行き着いたんです。ただ、好きなように楽しんでほしいとは思いますけど、自分たちがその空間を引っ張っていかないといけないっていう責任感はあります。怪我のないよう、思い思い楽しんでもらえるように。

--ちなみに、ライブハウスで経験を積んできた皆さんから見て、今の日本のロックシーンはどのように映っているのでしょう?

dEnkA(g):最近盛り上がってきていますよね? 肉食系のバンドが増えてきた気がする。

w-shun:嬉しいよね、そういうバンドがチャートに入ってきていることは。

--チャートも意識しますか?

w-shun:もちろんです。ツアーを廻っていると、バンドが減ってきているっていう話を昔はよく聞いていたんですよ。対バンさせる相手がいないって言われたりして。そういう話を聞いたときに、“お前たちがもっと頑張ってくれよ”って言われているような気がしたし、バンドがチャートを席巻したら、もっと中高生の子達がバンドを始めてくれるかもしれないし。だから自分たちも上を掴みにいきたい。KNOCK OUT MONKEYは普段あまりこういうことを口にしないですけど、そういう想いは強く持っていると思います。そうでないとここまで続けていないだろうから。

ナオミチ(dr):“この4人を見てバンドを始めました”って言ってくれる子たちが増えてくれたら、生きてて良かったと思いますね。僕自身、バンドブームの時に活躍している人たちを見て、憧れてドラムを始めたので、自分も憧れてもらえる存在になりたいです。

w-shun:自分も子供の頃にテレビから流れてきたロックを聴いて「何コレ!?」と思ってギターを始めた人間なので、テレビやラジオといったメディアに出ていくことも大事だなって思いますね。MAN WITH A MISSIONが『ミュージックステーション』に出演したり、ONE OK ROCKがアリーナとか規模のでかい会場でライブをやったりすることも、シーンに大きな影響を与えていると思うんですよ。自分たちも刺激を受けるし、知らない人たちがそこから興味を持ってライブハウスに来てくれるかもしれないし。窓口が狭すぎると、ロックの楽しさに気づかない人たちが増えていくばかりじゃないですか。窓口を広くしていきたいんですよね。刺激を欲している人は絶対にいるはずだから。

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ただの仲良しこよしだけではない関係になれた

Primal
▲KNOCK OUT MONKEY - Primal (Official Music Video)

--また、昨年はシングルとアルバムのリリースに加えてツアーを開催し、サマソニ初出演も果たすなど精力的な活動を行ってきましたけど、その中で新たに得たモノ等はありましたか?

dEnkA:ライブに対しての意識が変わりました。なんていうんだろう……責任が出てきたのかな。目の前のお客さんだけじゃなくて、一番後ろのお客さんにまでしっかりと楽曲を届けなくちゃいけない、そういう想いが前よりも更に強くなった気がします。

w-shun:4人で鳴らすことの喜びや、妥協のない良いモノを作る苦しさ、それを越えたときの達成感、そういうものが入り混じった一年でしたね。一年を通してここまでずっと音楽のことだけを考え続けたことは、長いバンド生活の中でも初めてでした。

--4人の信頼関係も強まったのでは?

亜太(b):去年は家族よりもメンバーと一緒に居る時間が多かったんですよ。その中で良い面も悪い面も見えてきて……(w-shunを見ながら)朝起きないとかね(笑)。そういう色々な部分も含めてメンバーのことを知ることができた。だから、良いことばかりの成長ではなくて、自分たち的にはKNOCK OUT MONKEYの密度が増したっていうイメージですね。ただの仲良しこよしだけではない関係になれた気がします。

--その成長は最新ミニアルバム『reality & liberty』にも反映されていますよね。

w-shun:凝縮しまくったというか、出せるもの全てを出しきった感があります。今までやってきた以上のレベルを各々が知って、その中でやりたいことを4人の意見として集めてみたんですけど、そこで出来た音に対して自分は直感的に言葉を吐いたというか。書き殴ったくらいの勢いで作詞をしたので、本当に生々しいものが出来た気がします。

--だからタイトルも『reality & liberty』(意味:現実と自由)になったのでしょうか?

w-shun:そうです。自分の本音ばかりだから“reality”。で、“liberty”は“Freedom”とはまた違って、自分で掴み取った自由という意味があるんです。前作は自分が中心になって制作していたけど、あれだけ密度の濃い時間をメンバーと過ごしてきたのだから、今回は4人全員で制作しようということになって。結果、自然と自由な発想で曲が生まれて、それは僕の中で“Freedom”よりも“liberty”だった。だから、このタイトルが一番しっくりきましたね。

--“自由”というのはKNOCK OUT MONKEYが大事にしてきたことでもありますよね? ラウド、レゲエ、HIP HOP、メタル、エモ etc...様々なジャンルの要素を取り込んだ多彩な音楽性もそこに繋がっている気がするのですが。

w-shun:そもそも4人それぞれ影響を受けてきた音楽が違うんですよ。でも、全員受け口は広いし、貪欲に何でもやってみようという気持ちも強いから、一つのジャンルを突き詰めていくよりは、今のスタイルの方が自分たちの性に合っているのかなって思いますね。4人とも自己主張が強いので、それぞれの良さを出していった方がいいよねって。

--収録曲「Blazin'」はジャンルに拘らないKNOCK OUT MONKEYの良さが分かり易く表現された曲ですよね。

亜太:この曲は一番苦労したなぁ…。

ナオミチ:最初はラウドな感じで進めていって、Bメロで何かぶち込みたくてジャズを入れよう!ってことになり、ジャズといえば亜太だから彼に丸投げしたんです。

--確かにこの曲のベース、とても素敵です! 特に02:30辺りが最高です!

ナオミチ:(亜太を見ながら)良かったな、苦労が報われて。あそこまで攻めちゃったから、もうとことんベースで攻めようってなったんですよ。

亜太:スラップのベースも奏法として興味があるし、ジャズのウォーキングベースも好きですけど、得意じゃねーよ!?って話ですよ(笑) だから、僕の中ではちょっとした壁でした。でも、常にその壁は乗り越えていかなくてはいけないものなので、いい経験になりましたね。

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Primal
▲KNOCK OUT MONKEY - Climber (Official Music Video)

--アルバム全体を通して前作から成長した部分はどこだと思います?

w-shun:メロディ一つや、歌詞の一言に対して追求するようになりました。まだまだ発展途上ですけど、ここを伸ばしていけば自分の武器になるのかなって、新たな発見もあったというか。前作の段階では靄がかかって見えにくかったモノが、今回はもう少し具現化されてきたというか。良い物を作って、自信を持ってツアーで届けたいっていう気持ちが更に強くなったので、制作が楽しくなってきていますね。

--作品もよりエネルギッシュにパワーアップしていますしね。

w-shun:出しきったからこそ、早く次を作りたいという衝動が出てきていますから。結構スケジュール的にはタイトで大変でしたけど、そこを乗り越えてやれるんだっていうことが分かったので、それは今年に活きるような気がしています。去年までは一歩を踏み出すにも恐る恐るでしたけど、もう少し力強く踏み出せるんじゃないかなと。バンド自体がそういう感覚になってきていますね。やったるぞ!くらいの気持ちでいる。

--では、今後バンドとしてはどうなっていくのでしょう?

w-shun:漠然とですけど、10年後もとんでもない音楽をやっていたいと思います。ぬるま湯にはつかっていたくない。今ある環境のもう一つ先を欲張ってやっているバンドでいたいです。10年後、もしかしたら演歌を取り入れているかもしれない(笑)!

亜太:でも、俺あと10年このスタイルでライブを続けていたら、室伏広治選手みたいになると思うわ、首が。

w-shun:ハハハハハ! あと、フェスに出してもらえたことは大きかったので、今後も出続けるにはそれなりの責任を持ってセールス、ライブの動員数を上げていかなくてはいけないとも思いますね。そこをクリアしていって、出て下さいって言われ続けてもらえる存在になりたいです。

--過去にもガルーズバンドばかりが集まるライブへ出演するなど、常に挑戦し続けてきましたしね。

w-shun:かなり恥ずかしかったですけどね。「なんか野郎が出てきたぞ」って、通常のライブにはない威圧感を客席から感じましたから(笑)。でも、その壁を一押しできると、尋常じゃないほどの盛り上がりを見せてくれるんですよ。

ナオミチ:ある時期を越えてお客さんの態度が変わったんだよね。最終的に僕らを期待して待ってくれるようにまでなって。あれは嬉しかったなぁ。

--今回のアルバムも色々な人を取り込める作品になっていると思います。

w-shun:メロディや歌詞に関しては、ロックに抵抗がある人でも入りやすいように意識して制作したので、そうであってほしいですね。日常生活の中で嫌なことがあった日は、このアルバムを聴いて元気を出してもらえるんじゃないかなって思います。

Music Video

KNOCK OUT MONKEY「reality & liberty」

reality & liberty

2013/03/06 RELEASE
QCL-14 ¥ 1,572(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Beginning (skit)
  2. 02.Scream & Shout
  3. 03.Primal
  4. 04.Blazin’
  5. 05.Neverland
  6. 06.ピエロの仮面
  7. 07.TODAY
  8. 08.Climber

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