2018/01/08 12:00
新しい年を迎え、早くもチャートは混戦模様だ。毎週のように新曲が登場し、そして次の週には入れ替わっていく。これが当然のように思われるが、昨年末に発表されたイヤーエンドチャートを見てみると、一概にそうではないことがわかる。
まず、2017年イヤーエンドチャートのHot100を制したのは、星野源の「恋」だ(【表1】)。この曲は、一昨年2016年の10月にリリースされた楽曲であり、主題歌として使用されたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』も年内で放送終了している。通常であれば、2017年に入ったら早々にランクダウンしていくのだろうが、「恋ダンス効果」などで楽曲がひとり歩きし、今もなお売れ続けているのである。
これと同様に、長く売れ続けた楽曲として象徴的なのは、イヤーエンドチャートの9位にランクインされたRADWIMPSの「前前前世」だ。(【表2】)。この曲は2016年8月に公開された映画『君の名は。』の主題歌として大ヒットしたのは記憶に新しいだろう。とくに、動画再生数は粘り強く(赤のグラフ)、他のポイントが下がってもいまだ上位にランクインしているのが驚異的だ。なお、この曲は2016年のイヤーエンドチャートでは2位となっている。
他にも、2017年のイヤーエンドチャートを見てみると、欅坂46「二人セゾン」が5位、ピコ太郎「PPAP」が8位、欅坂46「サイレントマジョリティー」が10位と、ベスト10のうちの半数が2016年リリースの楽曲である。さらに付け加えると、11位にランクインされたオースティン・マホーンの「ダーティー・ワーク」は2015年の7月に配信がスタートした楽曲だ。
イヤーエンドチャートは、その年を象徴するヒット曲が並ぶものである。しかし、そこにさらに前年の楽曲がここまで入るというのは、「ヒットすること=長く愛されること」という図式が浮かび上がってくる。2018年もまた、長く愛される楽曲がたくさん生まれてくることに期待したい。Text:栗本斉
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