2026/09/14 12:00
8月22日、Junnaがワンマンツアー【Junna Rock You Tour 2026 ~ハローグッバイ~】のセミファイナル公演を東京・渋谷CLUB QUATTROで開催した。夕方から突然強い雨が降り出すあいにくの空模様となったが、会場の中は開演前から熱気と期待感で充満。雨雲さえ吹き飛ばすような、熱狂と温かな余韻に満ちた一夜となった。
開演を告げるSEが流れ始めると、客席からは歓声とともに煽りの手拍子が発生。その熱気を受け取るようにJunnaがステージへ姿を現し、1曲目「Steppin' Out」からアクセル全開でライブをスタートさせた。疾走感あふれるサウンドの上で、その伸びやかなボーカルが会場いっぱいに響き渡る。
続く「We are」では、サビ前に観客から「1, 2, 3, 4!」という大きな掛け声が巻き起こり、会場の一体感は早くも最高潮に。タオルが一斉に振り回され、「Be Your Idol」では軽快なビートに合わせて手拍子が広がった。まだ序盤にもかかわらず、Junnaとオーディエンスの距離はすっかり縮まっていた。
最初のMCでは、「みなさん、こんばんは」と挨拶すると、大きな歓声が返る。「今日は雨が降って……」とこの日の悪天候を嘆きつつも、「みんなが熱くしてくれれば雨もどっかに行ってくれる」と笑顔。「陽介さんはもう雨に打たれてるくらい汗かいてる(笑)」とギターの山本陽介をいじり、会場の笑いを誘った。
「私にとって大事な出会いをテーマにした曲」と紹介された「ランデブー」では、未来を肯定するような爽やかさと抜けのいいサウンドが心地よく響く。「曖昧な2人」では、あらためてJunnaの表現力豊かなボーカルが印象を残した。もともと高い歌唱力を持つ彼女だが、楽曲ごとに声色やニュアンスを巧みに使い分ける姿からは、さらにテクニックと表現の幅を増していることが伝わってくる。
しっとりと始まった「僕のむこう」では、白い照明も相まって、儚くも美しい世界観を描き出す。〈たとえ雨が降り注いでも/いつかは光さして〉という歌詞は、この日の天気とも不思議なほど重なった。演奏を終えると、会場からは温かな拍手が送られた。
しかし、その余韻を一変させたのが、次の展開だ。不穏な演奏が会場を包み込み、ピアノのソロをきっかけに空気は狂気を帯びた世界へと変貌。そのまま「Glow in the dark」へ突入すると、照明は真っ赤に染まり、Junnaも豹変する。客席を鋭く見渡し、まるで何かに取り憑かれたかのようにステージ上で歌い狂う姿は圧巻だった。
そして「渋谷まだまだ行けるか!」という掛け声とともに、ワルキューレの代表曲「いけないボーダーライン」へ。一段高い台の上に立つJunnaは、まるで女王のように、客席を圧倒する歌声で歌い上げる。観客も歓声と手拍子で負けじと応戦。その光景は、単なるライブというよりも、ステージとフロアが互いの魂をぶつけ合う戦いのようだった。
曲を終えると、Junnaはあまりの熱気に「やばいくらい熱いよ」と叫ぶ。その直後、「Vai! Ya! Vai!」がワンフレーズ流れ出し、会場は再び大盛り上がり。「このツアー、私が『やばい』という口癖を言ったら自動的に曲が流れ始める」システムだと説明し、笑いを誘った。「『Vai! Ya! Vai!』でソロデビューして今年で9年になる」と語ると、会場からは祝福するような拍手が起こった。
続く「喝采」の前には、「自分って怒りをパワーにしていると思って」と語り、「ネガティブな感情をポジティブに変えていけるような曲を歌えたらいいなと思って作った」と、楽曲に込めた思いを明かした。その言葉を受けて届けられた歌には、感情をただ吐き出すだけではなく、それを前へ進むための力へと変えていく彼女の姿勢が刻まれていた。
終盤は「無限大DRIVE」「我は小説よりも奇なり」「風の音さえ聞こえない」と怒涛の展開。バンドメンバーは、ギター&バンドマスターの山本陽介、ベースの森田晃平、ドラムスの濵﨑大地、キーボード&マニピュレーターの岡田基による強靭なアンサンブルで、Junnaの歌を支え、ライブのボルテージを一気に頂点へと押し上げた。
本編ラストを飾ったのは「GUM」(テレビ朝日系 金曜ナイトドラマ『余命3ヶ月のサレ夫』主題歌)だった。曲前にJunnaは「私は言葉で伝えることがとっても苦手」「私は喋るよりも歌で」と、自身の思いを、言葉を、選びながら語り始める。そして、これまでの時間を振り返りながら、「過去を捨てようとか一切思っていない」と断言した。
「もちろん全部が全部、素敵で楽しい思い出って言えるわけじゃないけど、今までの私が歩んできた道が今に繋がっていて、本当に全部全部大事に抱えながら、私はこれからも進んでいきたい」と語り、「GUM」を届けた。その歌は、過去を否定することなく抱きしめながら、それでも前へ進もうとする彼女の現在地を映し出すようだった。
アンコールでは「Here」と新曲「恋は続く」を披露。さらにJunnaは、自身の誕生日である11月2日に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールでバースデーライブ【Junna Birthday Live 2026 ~恋は続く~】を開催することを発表した。
そして、この日の最後に選ばれたのは、ツアータイトルにも冠された「ハローグッバイ」だった。Junnaは別れについて、「もちろん悲しいし、寂しい」としながらも、何かを、あるいは誰かを手放す決断をした自分自身が、いつか「あの時そういう決断をしてよかった」と思えるような別れになればいいと語る。
「最後の曲、みんなと笑顔で、またいつか会おうねっていう約束をできたらいいなと思って届けたいと思います。あなたと会えて本当によかった」と話して、丁寧に歌い始めた。
熱狂のまま突き進んだライブは、最後にはどこまでも温かな空気に包まれて終演を迎えた。この日のJunnaのステージから強く感じられたのは、これまでの歩みを知る昔からのファンも、最近彼女の音楽に出会ったファンも、誰ひとり置き去りにしないという意志だ。会場に響いた「ハロー」と「グッバイ」は、次にまた会うための約束の言葉として、観客一人ひとりの心に残っただろう。
Text by 荻原梓
Photos by 大峡典人
◎公演情報
【Junna Birthday Live 2026 ~恋は続く~】
2026年11月2日(月)開場18:00/開演18:30
会場:東京・恵比寿ザ・ガーデンホール
チケット:S席19,800円(S席限定特典付き)、一般席8,800円
S席限定特典:リハーサル見学、S席限定グッズ(3Dアクリルスタンド、ラミネートパス)、終演後の“プチお誕生日会”(Junnaによるお見送りあり)
※すべて税込み
※別途ドリンク代600円(税込)必要
◎リリース情報
「恋は続く」
2026年秋配信予定
EP『ハローグッバイ』
2026/6/24 RELEASE
<初回生産限定盤(CD+Blu-ray)>
SECL-3257~8 2,500円(tax in.)
<通常盤(CD)>
SECL-3259 1,900円(tax in.)
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