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特集: bonobos~進化し続ける唯一無二のバンド

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 「進化し続ける唯一無二のバンド」。bonobosを一言で表現するなら、こういうことではないだろうか。デビュー以来、レゲエやダブをベースにしながらも、ラテン、ソウル、フォーク、ロック、そしてクラシックやエレクトロニカ、ジャズまでも取り入れたミクスチャー・ポップを作り続けてきた。稀代の才能の持ち主である蔡忠浩を中心としたbonobosはどこへ向かうのだろうか。ここでは、10数年に渡る軌跡を追いながら、彼らの魅力に迫ってみたい。

 bonobosのスタートは、ヴォーカルとギターを担当する蔡忠浩(さいちゅんほ)のソロ・プロジェクトだったという。紆余曲折を経て、ベースの森本夏子、ギターの佐々木康之、ドラムスの辻凡人といったメンバーを集め、2001年に大阪で結成。その後、パーカッションの松井泉も加入した。また、1240000(いぬじまん)というPA担当もおり、レゲエやダブを取り入れながら独自のサウンドを構築。その音楽性からフィッシュマンズを引き合いに出されることが多かったが、蔡のソングライティングに関してはすでにオリジナリティある世界を持っていた。

CD
▲『HOVER HOVER』

 2003年にインディーズでミニ・アルバムを発表した後に、シングル「もうじき冬が来る」でメジャー・デビュー。翌2004年に発表したファースト・アルバム『HOVER HOVER』は、アコースティック・レゲエ・ソウルとでもいうべきクールなサウンドと瑞々しい世界観を提示してくれた。2005年には朝本浩文がプロデュースを手がけたセカンド・アルバム『electlyric』を発表。プログラミング・サウンドとディープなダブを導入し、さらに音楽的な進化を見せた。しかし、同年に発表したミニ・アルバム『GOLDEN DAYS』ではバンド・サウンドに回帰し、ミュート・ビートのこだま和文やムーンライダーズの武川雅寛といったベテラン勢も参加して話題を呼んだ。その後、活動拠点を東京に移し、2006年にはサード・アルバム『あ、うん』を発表。この作品も朝本浩文が関わることで、レゲエやダブを見事に消化したポップ・アルバムに仕上がった。そして、この年にはツアー・ファイナルを日比谷野外音楽堂で行うほどのバンドへと成長していく。

CD
▲『オリハルコン日和』

 2008年になるとメジャーの契約を終了し、自主レーベル「ORANGE LINE TRAXXX」を設立。翌2009年には4作目のアルバム『オリハルコン日和』を発表する。本作は、HAKASE-SUN、木暮晋也、辻村豪文など多数のゲストを迎え、ジャンル的にもバラエティに富んだ内容の作品となった。しかし、この前後で佐々木や松井が相次いで脱退。再び、蔡のソロ・ユニット的な色合いが強くなっていった。その結果、蔡忠浩のソロ名義でのアルバム『たまもの from ぬばたま』を制作し、シンガー・ソングライターとしてのユニークな個性を発揮した。



▲ 「Gold」MV


 しかし、bonobosの進化はここで止まることはなかった。蔡忠浩、森本夏子、辻凡人の3人組としてあらためて結束を固め、2011年には5作目のアルバム『ULTRA』をリリースする。この作品は現代音楽からクラブ・シーンまで幅広く活躍する米国のニコ・ミューリーに影響を受け、先行で配信された「夕景スケープ」に代表されるようなスケールの大きなチェンバー・ポップを展開。これまで通り、レゲエ、ダブ、ソウル、フォークといった音楽性に加え、管楽器やハープ、木琴といったカラフルな音色を加えることで、自由な音楽世界を作り上げていった。



▲ 「夕景スケープ」MV


 2014年に3年の歳月を経て発表された6作目のアルバム『HYPER FOLK』は、前作のチェンバー・ポップ路線をさらに発展させ、冒頭からスティールパンやホーン・セクションが鳴響く祝祭的なサウンドで歌世界を演出。これまでにない壮大なスケールで彼らの音楽を提示してみせた。とりわけ、「三月のプリズム」のフォーキーなテイストは、日本独自のロックのあり方を考えさせられただけでなく、3.11以降の我々の意識を風化させてはいけないというメッセージも与えてくれた。



▲ 「三月のプリズム」MV


▲ 「Cruisin’ Cruisin’」MV


CD
▲『23区』

 そして、2016年には7作目となるオリジナル・アルバム『23区』を発表。本作制作時にはメンバーを一新することとなり、蔡忠浩と森本夏子を残して、キーボードの田中佑司、ギターの小池龍平、ドラムスの梅本浩亘が加入。5人編成のバンドとしての再スタートとなった。アルバム自体はチェンバー・ポップ路線をそのまま継承しつつも、さらにプログレッシヴな曲構成やアレンジを大胆に導入した一方で、「Cruisin' Cruisin'」のようなメロウなソウル・フレイバーも取り入れるなど、音楽的な振り幅も広がった。表題曲の「23区」などは東京発のシティ・ポップという趣もあり、彼らの先鋭性とポップ性が見事にブレンドされた傑作に仕上がっている。2017年には『FOLK CITY FOLK .ep』も発表し、レゲエやダブ、ソウルだけでなくエレクトロニカやジャズなどを取り込み、また一歩新しい世界へと足を踏み込んでいる。



▲ 「Gospel In Terminal」MV


 bonobosはこの10数年の間に著しく成長を遂げてきたし、音楽性も大幅に変化してきた。しかし、基軸にあるのは蔡忠浩のソングライターとしての強靭な力であり、さらには貪欲な音楽探求をし続けてきたからこそ芯がぶれずに活動を続けてきたともいえる。そして、まだまだ伸びしろを感じさせるバンドとして期待してもいいだろう。まもなく東阪のビルボードライブにおけるワンマン・ライヴを控えているが、どのような進化ぶりを見せてくれるのかが楽しみだ。



▲ 「In rainbow, I'm a rainbow too」(Live)


 

 

bonobos「FOLK CITY FOLK .ep」

FOLK CITY FOLK .ep

2017/10/11 RELEASE
RDCA-1052 ¥ 2,268(税込)

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Disc01
  1. 01.POETRY & FLOWERS
  2. 02.Heavy Weather Flamingos
  3. 03.THANK YOU FOR THE MUSIC (Nui!)
  4. 04.永遠式
  5. 05.Gospel In Terminal
  6. 06.In rainbow, I’m a rainbow too

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