Billboard JAPAN


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【再掲】JOE来日記念インタビュー 新作『マイ・ネーム・イズ・ジョー・トーマス』と噂の真相について語る



JOE インタビュー

「オール・ザ・シングス」や「アイ・ワナ・ノウ」といったバラードで全世界の女性を魅了してきたJOEが、ニュー・アルバム『マイ・ネーム・イズ・ジョー・トーマス』を引っ提げ、2017年3月初旬にビルボードライブ東京と大阪で来日公演を行った。Billboard JAPANでは、ハードなスケジュールをこなすJOEに公演前にインタビューを敢行。90年代を代表するR&Bアーティストとして長年活動してきた彼が目指す音楽の方向性や、新作リリースにあたって流れた“ある噂”の真相について、熱く語ってもらった。

サービス精神あふれる彼の優しさと、甘い歌声で女性客のみならず男性客も魅了された来日公演のレポートはこちら。

これに終わりが来ることはない、だって音楽以外、僕にできることがないから

−−ビルボードライブでの公演は今回で8回目となります。

JOE:ワオ、歴代最多アーティストにでもなりそうだね(笑)。

−−今回は東京公演からスタートして、大阪、その後また東京に戻り3日間6ショーを行い、そしてまた大阪で2ショーを行うというハードなツアーですが、調子はどうですか?

JOE:ツアー中は移動が一番つらい。荷造りして、それをほどいて、またパッキングっていうさ。でも、新幹線で移動をしているんだけど、車内から見える景色が最高なんだ。だから、それほど気にならないよ。

−−これまで世界中のコンサート会場でライブを行ってきましたが、ビルボードライブのショーはどんな雰囲気ですか?

JOE:横浜ベイホールのような大きくてナイスな会場でやった時よりも、もっと密着感があって、パフォーマンス中に客席を歩きながらファンとハグしたり、サインを書くチャンスがよりあるから、ファンも嬉しいのかなって思う。それに観客のエナジーをよりダイレクトに感じられる。当然それはほかの会場でも感じられることだけど、ビルボードライブで感じられるエナジーは少し違うんだ。それに、僕はファンともっと触れ合いたいと思っているし、距離感を大切にしているから、好都合な場所だ。僕にとって会場のキャパなんて関係ない。でも大きな会場だとファンと触れ合える可能性が低くなるよね。



2017.3.6 JOE @ BILLBOARD LIVE TOKYO
Photo:Masanori Naruse


−−わかりました。ニュー・アルバム『マイ・ネーム・イズ・ジョー・トーマス(#MyNameisJoeThomas)』について少しお話をしたいと思います。今回なぜこのタイトルにしたのでしょうか? 2000年にリリースされ大ヒットしたサード・アルバム『マイ・ネーム・イズ・ジョー』を意識したのでしょうか?

JOE:偉大なアーティスト達の名前は誰とも被らない唯一無二の名前だ。マイケル・ジャクソン、アレサ・フランクリン、マライア・キャリー…、ブルーノ・マーズだって本名ではないけど、ほかにはいない名前だろう? でも、ジョーとなると、「どのジョー?」ってなる。ファット・ジョー、ジョー・バドゥン…

−−ジョー・ジョナスとか?

JOE:そう! ググッったら色んなジョーが出てくる(笑)。だから、今作でより自分を明確にさせるために、タイトルに本名を入れたんだ。

−−なるほど。過去のアルバムと決定的に違うポイントはありますか?

JOE:それほど大きな変化はないと思う。僕は音楽の大ファンだから、常に曲を作り、歌い、楽器をプレイするのが好きなんだ。これに終わりが来ることはないね、だって音楽以外、僕にできることがないから。

−−音楽制作はどこからインスピレーションを受けるんですか?

JOE:突然どこからかパッと思いつくんだ。夢の中でも、ステージに立って歌ったことのない曲を歌っているときがあって、そういうときはすぐに起きてボイスレコーダーにメロディやアイデアを残すんだ。後の曲作りに役立てるためにね。



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僕が目指しているのは、伝説的アーティストが生み出してきた
あの当時のR&Bを復活させること

−−先ほど、音楽作りに終わりはないとおっしゃっていましたが、グッチ・メインが参加した「ハッピー・アワー」で彼が“Got me sad when JOE said this was his last album(これがJOEの最後のアルバムだと言われ、悲しくなった)”なんて歌い、引退をほのめかし話題になりました。真相のほどは?

JOE:ハハ、どうしてグッチはあんなこと言ったんだろうね(笑)。ただ、そういうことを考えたのは事実だよ。そう思うようになったのは、現代のミュージック・シーンにおけるR&Bの存在価値が重要視されなくなり、敬意を払われなくなってしまったから。でもこれから先また同じようなことを考えたとしても、音楽をやめることはないと断言するよ。音楽シーンはコロコロと変わるからね。僕が目指しているのは、アル・グリーンやサム・クック、マーヴィン・ゲイ、ダイアナ・ロスといった伝説的アーティストが生み出してきた、あの当時のR&Bを復活させること。アレサ・フランクリンの「ナチュラル・ウーマン」を思い出してみてよ(“♪You make me feel”と口ずさむ)。これらの曲からは、ただただパッションと歌の持つ意味、そしてその奥深さが感じられる。僕が目指しているのは、そういった正統なR&Bミュージックなんだ。




−−ザ・ウィークエンドなど、現代のR&Bアーティストに対してどうお考えですか?

JOE:今はフュージョン・ミュージックが流行だよね。色んなジャンルを組み合わせて新たなスタイルを構築していっている。R&Bもかつてはゴスペルを取り入れた時もあったし、ポップやジャズっぽいサウンドを少し取り入れた時期もあった。今はジャンル分けがはっきりとできないよね。でもそれを悪いことだとは思わないし、僕はザ・ウィークエンドの音楽が好きだ。クリス・ブラウンなんか、クールな音楽をたくさん作っているよね。ただ、彼らの音楽を聴いて、女性、特に若い女性達がこういう音楽から何を感じるのかをより考えるようになった。自分の音楽を聴いた彼女達が「私はこんな風に呼ばれたくないわ」とか「こんな扱いをされるなんて、ごめんよ!」と思われたくないから。いつも大切にしているのは、一人の男性、もしくは一組のアフリカンアメリカンの男女の目線で歌うということ。実際、それが僕らのリアルな世界じゃない?

−−新作のお話に戻りますが、「アワー・アンセム」ではオーティス・レディングの「トライ・ア・リトル・テンダネス」をサンプリングしていますね。その意図を教えてください。

JOE:理由は至ってシンプルで、タイトルの“トライ・ア・リトル・テンダネス(ほんの少し優しくなろう)”という意味だよ。今まさにアメリカに必要な言葉だ。この曲には非常に重要なメッセージが込められているから、もっとこの曲が広まってくれるといいな。



−−それでは最後に、音楽が人々を一つにする力があると思いますか?

JOE:僕は音楽がコミュニケーション形態の中で最も威力を持つものだと思う。音楽には大きな力がある。それはここ日本から学んだことで、たとえ言葉が分からなくても、オーディエンスが聴いていて気持ちがよければ、問題ないということ。日本のファン達からよく言われたのは、僕の歌を理解するために、英語を勉強したってことだ。それだけ音楽には彼女達を動かす力がある。それに子供達なんかは子守唄や幼稚園で習った歌をすぐに覚えるよね。今日ホテルで観た番組では、男の人がギターを弾いていて、その周りを小さな子供達が取り囲んでいた。その時の曲はたぶん頭、肩、ひざ、つま先、ひざ、つま先…を繰り返し歌っていただけなんだけど、子供達はみんな無我夢中だった。そういうのを見ると僕も幸せになるし、これこそ音楽が持つ力だと見せつけられる場面だったね。音楽は最もパワフルな要素だよ!



2017.3.6 JOE @ BILLBOARD LIVE TOKYO
Photo:Masanori Naruse


ジョー「マイ・ネーム・イズ・ジョー・トーマス」

マイ・ネーム・イズ・ジョー・トーマス

2016/12/14 RELEASE
PCD-18819 ¥ 2,695(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Lean Into It
  2. 02.Don’t Lock Me Out
  3. 03.Wear The Night
  4. 04.So I Can Have You Back
  5. 05.No Chance
  6. 06.Happy Hour f/ Gucci Mane
  7. 07.Hollow
  8. 08.Hurricane
  9. 09.Cant’ Run From Love
  10. 10.Tough Guy
  11. 11.Lay you Down
  12. 12.I Swear
  13. 13.Love Centric
  14. 14.Celebrate You
  15. 15.Our Anthem
  16. 16.Hello
  17. 17.Happy Hour (Original Mix) (日本盤のみボーナストラック)

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