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浜田真理子『Town Girl Blue』インタビュー&プレイリスト ~プロデューサー、久保田麻琴のコメントも公開~

 2月にファン待望のフルアルバム『Town Girl Blue』をリリースし、4月にはリリース・ライブの開催が決定している浜田真理子にインタビューを敢行。今作で全編プロデュースを手掛け、リリース・ライブでもライブミックスで参加する久保田麻琴との出会いや制作過程について、そして公演について語ってもらったほか、デビューからこれまで、時代に流されない歌声でリスナーの心をとらえてきた彼女の音楽に影響を与えた楽曲を浜田真理子自身がセレクト。プレイリストを公開する。さらに、公演に向け久保田麻琴からもコメントをもらった。

手探りだったけど、だんだん視界が開けた

CD
▲『Town Girl Blue』

―改めて、アルバム『Town Girl Blue』をリリースしたいまの心境を教えてください。

浜田真理子:ほっとしています。

―率直に、どんなアルバムになったと思いますか?

浜田真理子:良くも悪くも、現在のハマダという感じです。

―アルバムに対する周囲の反響はどのようなものがありましたか?

浜田真理子:好評をいただいています。「原点に戻った感じ」とか、「ファーストを思い出す」という声がありました。

―今作は、久保田麻琴さんが全編プロデュースしていますが、どのようなきっかけだったのですか?

浜田真理子:久保田さんと知り合って、何か一緒にやりましょうと話している時に初めは「ライブ盤をやりませんか」、と言われましたが、ライブ盤は最新のアルバムがあったので、「やるならスタジオ盤がいいです」と話しました。その後、久保田さんからビビッドサウンドの方を紹介いただき、アルバム制作に入ることになりました。

CD

―アルバムのコンセプトやテーマを久保田さんとあらかじめ決めて、制作されたのでしょうか?

浜田真理子:始めからがっちり決まっていたというわけではありません。いろいろ曲を出したり、話をしたりとコミュニケーションをとる中で、だんだん方向性が固まっていったという感じです。

―久保田さんと初めてお会いしたのはいつですか?また、どんな印象でしたか?

浜田真理子:代官山でライブをしたときに来てくださってお目にかかりました。物販のサイン会に並んでおられてびっくりしました(笑)。かっこいい方だと思いました。

―久保田さんとはどのように制作を進めていったのですか?また、これまでのアルバム制作と大きく異なった点はありますか?

浜田真理子:とりあえず、手持ちの曲をデモ音源としてお送りしたり、あと、久保田さんのほうから「浮遊感のあるような曲」とか、「インスト」とか、「モーダルな」とかの言葉をもらって書いたりしました。これまでの制作も似たような感じですが、まずはプロデューサーがどんな風に考えておられるかを知りたいと思いメールや、打ち合わせなどでコミュニケーションをとることに時間をかけた感じです。

―実際のレコーディングは3日間とのことでしたが、その間久保田さんからどのようなアドバイスや指示がありましたか?

浜田真理子:内容そのものに関しては特に何も言われなかったと思います。多分デモの段階で久保田さんの中にイメージがあったのかなと思います。今にして思えば、録音に関しての久保田さんの言われることは一貫していましたし。わたしは手探りだったけど、だんだん視界が開けたという感じでした。

―アルバムを制作する上で、特に難しかったところはどこですか?

浜田真理子:選曲を決定するまでのところです。つまりは、どういう方向を向いたアルバムにするかと決めるところまでです。

―レイ・チャールズ、バディ・ジョンソン、あがた森魚、ミシェル・フュガンのカバーをされていますが、これらの曲をカバーした理由はなんでしょうか?また、選曲は浜田さん、久保田さんどちらがされたのでしょうか?

浜田真理子:選曲はわたしがしました。他にも何曲かアイディアとして出したりしてそれを久保田さんと相談して決定しました。今回はカバー曲も入れてみようと言われ、これまでやったことがなかったので、おもしろかったです。普段からよく歌っているけれどこれまで音源がなかったものを音源化することができました。


▲レイ・チャールズ「You don't know me」

―作詞はどんな環境でどのように行ったのでしょうか?作詞は時間をかけますか?それとも、一気に書き上げるタイプですか?

浜田真理子:「静寂」などは、アイディアをネタ帳に書いたまま2年くらい放っておいていました。次のアルバムには入れるのだろうなあとばくぜんと考えたときにきちんと作り始めました。放っていた間に曲が勝手に発酵していてメロディがあらかじめあったかのような感じで作れました。

―アルバムタイトル『TOWN GIRL BLUE』に込められた意味は何でしょうか?

浜田真理子:タイトルも久保田さんと一緒に考えました。いろいろ単語を出しあっている中で、「カントリーガール」というのはどうかとわたしが言ったら、久保田さんが「出雲の国はカントリーでもなく、シティでもなく、タウンくらいだ」と言われ、それはちょっとおもしろいなと思いました。島根は東京に比べたら田舎ですがでも、わたし自身は商店街で育ったので、街の子なんです。そこに「ブルー」をつけて、物憂い感じになりました。「リトルガールブルー」もちょっとだけ想起させたらさみしげでいいなと。

―ジャケットの写真や歌詞カードに掲載されている写真は浜田さんの幼少期の写真でしょうか?またこのアートワークに至った経緯を教えてください。

浜田真理子:写真はわたしです。久保田さんから写真を使いたいと聞き、いろいろ昭和のモノクロの写真を調べていてこれを思いつきました。なんとなく、ブルーな感じかなと(笑)。

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ずっと「まだ途中だ」と思っている

―来年で1stアルバム『mariko』リリースから20年となります。デビューから音楽に対するモチベーションや姿勢は変わりましたか?また作曲や作詞の方法やライブパフォーマンスは変わりましたか?

浜田真理子:20年いろいろありました(遠い目)。発売後に設立された事務所兼レーベル美音堂を3年前に離れて、フリーランスになりました。年齢も50歳を越えました。たくさんの出会いや別れを経験しました。モチベーションや姿勢、方法など、あんまり変わってないかと思います。ただ、前よりライブが好きになりました。


▲天国への階段~愛のままで(ライブ)

―周りに大きく左右されることなく、確たる世界観を保たれている印象がありますが、今でも音楽活動を続けていくうえで変わらず意識されていることはありますか。

浜田真理子:確たる世界観とかはないですよ(笑)。自分が好きなことしかやっていないので、そんな風に見えるかもしれませんね。東京から離れて暮らしていることも関係するかもしれません。意識していることは、ずっと「まだ途中だ」と思っていることかな。どこに向かっているのかはわかりませんが。

―音楽以外でチャレンジしてみたいことはありますか?

浜田真理子:ないです。さかあがりかなー。

―今度のビルボードライブ公演は、アルバムに参加している服部正美さん、加瀬達さん、檜山学さんがバンドメンバーとして、そして久保田さんもLive PAとして参加されますが、どんなライブにしたいと思っていますか?

浜田真理子:CDを単に再現ということではなく、新しい発見があるといいなと思っています。きっと次はこうしたい、こんな歌を歌いたい、となっていくように思います。

―初登場となるビルボードライブの印象はありますか?

浜田真理子:超楽しみです。ライブが決まったらいろんな方からおめでとうと言われました。

―やはり『TOWN GIRL BLUE』の楽曲を中心に演奏されますか?

浜田真理子:中心はアルバム曲ですが、それ以外の曲もやってみたいと思います。今選曲中です。

―最後に今回の公演を楽しみにしているファンの方に向けて一言お願いします。

浜田真理子:お会いできるのを楽しみにしています!どんな歌が飛び出すか、お楽しみに!


▲Town Girl Blue(全曲試聴)

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久保田麻琴コメント

私が浜田真理子さんを聞くようになって10年。
コンサートで穏やかながら観客の心をグイグイとつかんでいく彼女の力は、本当に凄いといつも実感する。
修行途中の男達なら落涙必至の「純愛」他、コンサート随所に魂の震えを感じさせる名曲が披露される。これは単なるショウや鑑賞会を超える濃密な“場”なのだろう。
数年前から私が勝手にアルバム作りを考えるようになったのは自然な心の動きだった。2016年、果たしてそれが実現、限られた条件の中ではあったが、思う存分制作に没頭できた。
今回のライブではその新作「Town Girl Blue」からのレパートリーを中心に、必殺のライブ・セレクションが披露されることだろう。
万障お繰り合わせの上、是非ご参加いただきたい。

久保田麻琴 www.makotokubota.org

「浜田真理子の音楽に影響を与えた楽曲」

浜田真理子「タウン・ガール・ブルー」

タウン・ガール・ブルー

2017/02/15 RELEASE
VSCD-9725 ¥ 2,970(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.彼方へ
  2. 02.You don’t know me
  3. 03.明星
  4. 04.Chat Noir
  5. 05.Since I fell for you
  6. 06.静寂
  7. 07.なにもない Love Song
  8. 08.Yakumo
  9. 09.愛で殺したい
  10. 10.Mate
  11. 11.春の嵐の夜の手品師

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