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【WE LOVE DISCO feat. JODY WATLEY】開催記念 DJ OSSHYインタビュー ~世代をつなぐ、現在進行形の「ディスコ・ミュージック」~



DJ OSSHYインタビュー

 2010年代に再び訪れた、日本国内の80’Sディスコ・ムーブメント。その中心人物として真っ先に挙げられるのが、メディアやイベントを通じて80’sディスコの魅力を伝え続けてきたDJ OSSHYだ。今や日本全国から引っ張りだこのDJ OSSHYが、この秋、80年代から現在までのディスコ・ミュージックを収録した最新ノンストップ・ミックスCD『We Love Disco mixed by DJ OSSHY』を発表、ビルボードライブ東京でリリース記念パーティーをおこなう。そこで、DJ OSSHYに再燃するディスコ人気や最新作に込めた思い、パーティーへの意気込みや、非リアルタイム世代がディスコを楽しむためのコツなどを聞いた。

親子2世代でのお客さんが増えた

−−2010年代、確実に「80’Sディスコ」のムーブメントがキテますよね。さまざまなイベントでプレイする機会があると思いますが、その手応えはありますか?

DJ OSSHY:もちろん、それはすごく感じていますね。2012年に業界初のディスコ番組『RADIO DISCO』(InterFM)をスタートさせて、翌年にはラジオと並行して民放初となるお昼のディスコ番組『Disco Train』(TOKYO MX)も始まりました。これによって情報発信力は一気に何倍にも広がっていったのをまず感じました。当初は東京中心のムーブメントだったものが、メディアを通じて全国へと広がっていき、今では80’Sディスコをメインに掲げたイベントが地方都市でも開催されるようになりましたね。

−−全国各地でイベントの数も増え続けていますよね。

DJ OSSHY:これは本当にここ2~3年で急速に発展していると思います。今年に入ってからも、仙台・名古屋・大阪・岐阜・群馬など、すべて数百人規模で大盛況でしたよ。今後ももっと増えていくのではないのかなと思っています。




−−客層の変化や広がりなどは感じていますか?

DJ OSSHY:もちろんメインはディスコ世代です。でも、現在の80’Sディスコ・ムーブメントのひとつの現象として、親子2世代でのお客さんが増えたというのがありますね。リアルタイム世代である40~50代の子供世代である20歳前後の子たちが、80’Sディスコの音に反応しているように感じます。彼らは「親が聞いていた音楽」として、30代よりも自然とディスコ・ミュージックを耳にしている世代なんですよね。だから反応がすごくいい。最近のイベント会場ではディスコ世代に混じって若者たちがすごく盛り上がっている。そんな状況を見ると“今っぽいな”って思います。彼らは「ダンシング・クイーン」(ABBA)や「セレブレーション」(クール&ザ・ギャング)など、リアルタイム世代にとっては定番の懐メロも、純粋に“カッコいい”って受け入れてくれるんですよね。

−−10月26日にリリースされる最新ノンストップ・ミックス『We Love Disco mixed by DJ OSSHY』には、それらの懐メロ的ディスコ・ナンバーだけでなく、90年代~最新ナンバーも収録されていますよね。コンセプトを教えてください。

DJ OSSHY:この作品は「ディスコ」という大きな括りのもとで、80年代の王道だけでなく90年代以降の音楽もミックスしてひとつの作品に仕上げたい、ディスコ・ムーブメントの「今」を投影したシリーズを作りたいというのがコンセプトになっています。僕は、これまでラジオやテレビ、そしてイベントを通じて「異なる年代の音楽をミックスする」という作業をずっと続けてきました。80年代のディスコ・ミュージックと今のダンス・ミュージックとの間には20年以上の時差があるわけで、違和感があるのは当然です。最初はフロアの反応もあまりよくなかったですね。80年代の曲では最高に盛り上がっていたのに、最新ナンバーをかけると、ぴたっと足を止めてしまう。でも「新しい音楽を受けつけない」「当時で耳が止まってしまっている」という大人たちへの私なりの啓蒙活動として、そういうプレイを続けてきました。すると、新しいものに否定的だった大人たちも「音の作りが似てるんじゃない?」「意外といいね!」と、少しずつ肯定的な反応をするようになっていったんです。




−−ここ数年は世界的にもディスコ再評価の流れがありましたね。その影響を感じることはありますか?

DJ OSSHY:そうですね。マーク・ロンソンのように、自身の親世代の音楽やアーティストに敬意を払い、それを現在の音楽シーンでリバイバルさせる力のある作り手が出てきた。それによって、数十年も前の音楽と今の音楽が急接近しましたよね。ここ数年で楽曲の幅がぐっと広がり、異なる年代の音をミックスしやすい環境になってきたと思います。とはいってもディスコ世代はもう「最新曲をこまめにチェックする」世代でないことも確かなんです。

−−それはもう、大人はみなそうかもしれませんね。

DJ OSSHY:じゃあ、彼らはどんな最新曲ならピンとくるのか。それはやっぱり最新曲を追いかけていた当時のフレーバーなんですよね。例えば2013年に大ヒットしたダフト・パンクの「ゲット・ラッキー」には、ナイル・ロジャースが参加していますよね。ディスコ世代は彼のカッティング・ギターに敏感に反応するんです。決して新しい曲すべてを受け入れてくれるわけではなく、ダンス・クラシックスの音作りを踏襲したサウンドに「耳を開いてくれる」んです。そういった楽曲は80’Sディスコ・イベントでかけても盛り上がりますし、今回のミックスも当然それをふまえた選曲になっているので、ディスコ世代の大人たちも違和感なく楽しめる「現在進行形のディスコ・ミュージック」作品になっていると思います。

−−ジョルジオ・モロダーやゼッドあたりが入っているところが、この作品のコンセプトを象徴しているように感じます。

DJ OSSHY:EDMのアーティストたちはミュンヘン・ディスコの影響をダイレクトに受けているし、シンセ使いは80年代ニューウェーヴの影響が大きい。だから、ユーリズミックス~ゼッドなんていうのも実は非常につなぎやすかったりするんです。こうした音楽のつながりを、大人たちにも、若い世代にもこの作品を通じて感じてもらえればと思っています。

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ディスコは、「恋するフォーチュンクッキー」のフリを、フロア全員が踊れているようなもの

−−再びディスコ・ムーブメントの話に戻りますが、大都市のみならず地方都市でも数百人規模で集客できるというのが、80’Sディスコ・イベントの凄さだと思います。リアルタイム世代でない者からみると、当時どれだけ大ブームだったのか、想像しがたいというか…

DJ OSSHY:1980年代のディスコ全盛期は、若者の遊び場といえば「ゲームセンター」「ボーリング場」「ディスコ」くらいしかなかったんです。だから、その時代に青春を過ごした人は誰もが一度はディスコに行ったことがある。もちろん行った結果、「好きじゃない」となった人もたくさんいるとは思いますが…。とにかくディスコは当時の若者にとって限られた「発散の場」の1つだったんです。カラオケやクラブなど、遊びが細分化していったのは90年代以降の話ですから。今となってはたくさんのエンタテインメントが身近にありますが、圧倒的に遊びの種類が少なかった時代。だからこそ、当時のディスコ体験はただの「音楽体験」ではなく「青春の思い出」として、今も心に染みついているものなんです。

−−たしかに「ゲームセンター」や「ボーリング場」は日本全国どこにでもあるし、誰もが一度は行ったことがある遊び場ですね。80年代当時を振り返って、なぜディスコはそこまで全国規模のムーブメントになったと考えますか?

DJ OSSHY:やはりマハラジャの果たした役割は絶大でした。それ以前も、ソウル/ディスコ好きの拠点となるお店は各地に点在していましたが、マハラジャが東京・大阪だけでなく、全国にチェーン展開したことによって、ディスコ人気が爆発的な広がりを見せたと思います。それまで各店・地域ごとのノリや特徴=ローカル・ルールが存在していたディスコ・シーンにおいて、飲食チェーンと同じように「どこに行っても、どの店舗でも同じサービスが受けられる」、つまり「同じディスコを楽しめる」全国チェーンが登場したんです。これはディスコ業界にとって革命でした。

−−その「革命」以降、どのような変化が起きましたか?

DJ OSSHY:マハラジャはスタッフ教育から流れる曲、VIPシートやバースデーコールまで全国共通でした。「どこに行っても同じ」には、もちろんメリットとデメリットがありますが、間違いなくディスコ・カルチャーが全国規模で日本の若者に定着するきっかけになったと思います。それが84~85年頃の話。90年代になって、より音楽ジャンルや遊び方によって細分化された遊び場=クラブへとシーンの中心が変遷するわけですが…。例えるなら、クラブは音楽の「専門店」。ディスコは音楽の「デパート」なんですよね。そこでかかる曲はソウル、ファンク、ロック…ひとつの音楽ジャンルでは括りきれない。ディスコ・ミュージックは大衆音楽なんです。日本全国、みんなで同じ音楽を聴いて踊る。これはクラブ世代には分からない感覚かもしれませんね。だからこそ、その楽しさをクラブ世代にも体験してもらいたいなと思っているんです。




−−10月にビルボードライブ東京で開催されるイベント[DJ OSSHY presents「WE LOVE DISCO feat. JODY WATLEY]も、やはりノンストップ・ミックスと同じようなコンセプトになりますか?

DJ OSSHY:イベントにお越し頂く方はリアルタイム世代が中心になるとは思いますが、そこに若者が2~3割くらい混じっている。そんな光景がDJブースから見られたら嬉しいですね。親子はもちろん、普段はクラブに通っているような音楽感度の高い若者にも、気楽に遊びに来てもらいたいです。

−−ダフト・パンクやマーク・ロンソンのヒット曲をきっかけにディスコ・ミュージックやカルチャーに興味を持った若者も多いと思います。彼らが実際イベントに遊びに来る場合には、どういった楽しみ方をして欲しいですか?

DJ OSSHY:若い子たちはクラブやライブなどで「音に合わせて体を動かす」ことには慣れていると思うんです。でも、ディスコのフロアといえばステップ。曲ごとに異なるフリがついていて、みんなで同じステップを踏む。これはディスコの醍醐味としてぜひ体験してもらいたいですね。

−−たしかに、リアルタイム世代以外にとっては衝撃的な光景かもしれません。みんな踊れてる!みんなで同じステップ踏んでる!って。

DJ OSSHY:あれを見て「自分もやりたいな!」って思ってもらえたらいいですね。最初は恥ずかしいかもしれないけど、踊れるようになると楽しいんですよ。しかも、みんなと一緒だと何倍も楽しいから。

−−若者にとっては「アップタウン・ファンク」のミュージックビデオみたい!って思うかもしれません。

DJ OSSHY:確かに懐メロと同じように新鮮に映るかもしれませんね。「恋するフォーチュンクッキー」のフリを、フロア全員が踊れているようなものですから。しかも何十曲も。若い人にとっては不思議かもしれませんが、当時は50から100種類くらいのステップをみんなマスターしていましたからね。

−−ステップ自体はシンプルでも、曲が変わるとみんな一斉に違うステップになる。

DJ OSSHY:DJとしても「同じステップの曲は続けない」というのが暗黙のルールなんです。DJ的な感覚でいうと、似たような曲を繋ぎたくなるけど、実はそれらの曲はステップが同じだったりして…。そうするとフロアからは嫌がられるんですよね。例えば、ナイル・ロジャーズのブギー・サウンド系譜のヒット・ナンバーを何曲か続ける。そうすると、聞き心地はいいけどステップはずーっとAパターンだったりして、フロアが飽きちゃうんです。だから、あえて曲調はガラッと変えて違うステップの曲につなぐ。僕も完全に全パターンを理解しているわけではないけど、感覚でだいたい分かる。これはDJの中でもリアルタイムを経験した人にしか分からないことだと思いますね。

−−それもまたディスコDJならではの選曲基準ですね。そういった「マナー」も熟知しつつ、今のダンス・ミュージックにも精通しているDJというのは本当に稀有な存在だと思います。




DJ OSSHY:そうかもしれませんね。逆に90年代以降のダンス・ミュージックには決められたフリやステップがない。それはそれで自由な感じでカッコいいと僕も思うんです。海外っぽい雰囲気というか。でも、そればっかりになっても楽しくない。「ロング・トレイン・ランニン」(ドゥービー・ブラザーズ)みたいに、みんなで盛り上がるディスコ・ナンバーを要所要所に入れることによってフラッシュ・モブのような感じでアクセントになってくれるんですよね。それが刺激になって一体感が生まれるし、場が華やぐんです。

−−OSSHYさんも以前のインタビューで語られていましたが、今回、イベントに登場するジョディー・ワトリーのシャラマー時代のナンバー「ナイト・トゥ・リメンバー」もいわゆるフロアを盛り上げる“鉄板曲”ですよね。

DJ OSSHY:そうですね。ソロキャリアはもちろん、ジョディといえばやっぱりシャラマー。なかでも「ナイト・トゥ・リメンバー」は若い人もみんな知っていて、まさに老若男女が盛り上がる魔法のナンバーですね。

−−10月21日は、ビルボードライブ東京にダンスフロアが登場するんですよね。

DJ OSSHY:はい、この日はビルボードライブで思いきり踊れますよ!それから、2012年以降これまでに数多くのオープニングDJをビルボードライブで務めてきましたが、基本的にビルボードライブはDJによるMCはナシなんです。でも、今回はもちろんMCも入れますよ。テレビ番組『RADIO DISCO』みたいな感じのプレイになると思います。

−−クラブ世代にとってはMCを入れるディスコならではのDJスタイルも新鮮なのでは。

DJ OSSHY:90年代はディスコという言葉が死語でしたからね。ディスコ出身のDJたちも、みなそれを封印して、MCを入れることもなくなった。僕も90年代は一切しゃべらなかったし、みんなと同じように「クラブDJ」を名乗って活動していましたから。そんな時代を経て、また「ディスコってカッコイイ!」と言われる時代がやってきたんですよね。

−−時代が一周して、またストレートに楽しめるようになった。

DJ OSSHY:今だからこそ、改めて『WE LOVE DISCO』という言葉のもとディスコ・ミュージックをみんなで楽しめたらいいなと思っています。CDはもちろんですが、ライブはその時しか体感できない唯一無ニのもの。失敗もふくめて一生に一度の体験ですから。ビルボードライブ東京というロケーションでのディスコ体験は、どの世代にとっても非常に貴重なものになると思います。

DJ OSSHY シャラマー マンハッタン・トランスファー ロビン・シック ジョディ・ワトリー シャカタク レヴェル42 カルチャー・クラブ「We Love Disco mixed by DJ OSSHY」

We Love Disco mixed by DJ OSSHY

2016/10/26 RELEASE
UICZ-1638 ¥ 2,530(税込)

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Disc01
  1. 01.涙のリメンバー
  2. 02.スパイス・オブ・ライフ
  3. 03.ウー・ラ・ラ
  4. 04.リアル・ラヴ (エクステンデッド・ヴァージョン)
  5. 05.ダウン・オン・ザ・ストリート (ダンス・ミックス)
  6. 06.チルドレン・セイ
  7. 07.タイム
  8. 08.ウェイティング・ゲーム
  9. 09.ブレイクダンス
  10. 10.サイドウォーク・トーク
  11. 11.ストレイト・アヘッド
  12. 12.ライト・ヒア,ライト・ナウ feat. カイリー・ミノーグ
  13. 13.シャタード・ドリームス (12インチ・エクステンデッド・ミックス)
  14. 14.トゥルー・フェイス (シェプ・ペティボーン・リミックス)
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