今回【BBMAs】が開催されたのは、今年4月に米ラスベガスにオープンしたばかりの約2万人キャパのT-Mobileアリーナ。ラスベガスの新たなエンタメ・スポットで、今後ドレイクやコールドプレイのライブ、さらにはボクシング戦やミス・アメリカの最終決戦も催される予定となっています。

　前々日からすでにパフォーマーたちによるリハーサルが始まっていて、編集部が到着したアワード前日にはジャスティン・ビーバー、ルーカス・グラハムやショーン・メンデスらのリハが行われていました。米ビルボードのチャート・ディレクターによると、7月に初来日を控えるトロイ・シヴァンのリハーサルが特に印象に残ったとのこと。自動車メーカーのKiaがスポンサーとなり、今度活躍が期待される新人を選出する【Kia's One to Watch】に見事選ばれたトロイ、【BBMAs】のステージへの道のりを綴った映像も公式サイトで公開されているので要チェックです。本編では米ビルボード・ダンス・ソング・チャート1位を記録した「Youth」を披露し、甘いマスクもさることながら、透明感溢れるヴォーカルと堂々としたパフォーマンスでフロアを沸かせていました。

Justin Bieber l Photo: Kevin Winter/BBMA2016/Getty Images for dcp


Shawn Mendes l Photo: Kevin Winter/BBMA2016/Getty Images for dcp


Lukas Graham l Photo: Kevin Winter/BBMA2016/Getty Images for dcp

　会場の外ではレッド・カーペット改め“マゼンタ”カーペットの設営が行われていて、会場の下見をするスターたちの姿もちらほら。ちなみに、“マゼンタ”はアリーナの名称にもなっているアメリカの大手通信会社T-Mobileのコーポレイト・カラーとのこと。例年のように、授賞式のチケットも販売されていて、トップ・アーティストたちのパフォーマンスが$79～で観れるということもあり、チケット・ブースには大蛇の列ができていました。

　この夜は、米ビルボード主催のオフィシャル・キックオフ・パーティーが、ウィンのナイトクラブ“Intrigue”で開催。こちらも今年4月にオープンしたばかりの最新クラブで、フロアを抜けた中庭風のパティオ部分には、火を噴く噴水の演出があったり、ラスベガス的なエンタテインメントが楽しめる空間になっていました。2,000人弱のキャパで、通常大型フェスやアリーナでしか見れないスクリレックス＆ディプロ、デッドマウス、ゼッドなどEDM界のスーパースターたちが、毎晩レジデントDJとしてスピンするファンにとっては垂涎もののライナップを誇るクラブでもあるので、今後ラスベガス行く方はスケジュールを要チェックです！

　いよいよ、アワード当日！この日もよく晴れていて、気温は30度手前なのにもかかわらず、早朝からファンが集まり、アーティストたちの到着を待機。というのも、↓のニック・ジョナスのようにリクエストに応え、一緒にセルフィーを撮れる可能性大ということもあり、みなさん気合いが入っています。

Nick Jonas l Photo: Frazer Harrison/BBMA2016/Getty Images for dcp

　15時を過ぎると、会場前も賑わいはじめ、マゼンタ・カーペットのホストを務めるレイチェル・プラッテンとテッド・ストライカーが到着したアーティストたちに取材をスタート。中でも、今年リリース予定のソロ・アルバムについて少し明かしたエアロスミスのスティーヴン・タイラーとレイチェルのノリノリなインタビュー/セッションは見ものでした。スティーヴンは、その後も気さくに若手アーティストと一緒に写真を撮ったり、独特のキャラで報道陣をタジタジにしたり、とにかく引っ張りだこで、ロック・アーティストの出演が少なかった今年のアワードとマゼンタ・カーペットを盛り上げていました。ちなみに、スティーヴンは、＜トップ・アーティスト賞＞のプレゼンターを務めました。

　＜ミレニアム賞＞を受賞し、アワード冒頭で過去のヒット曲を網羅したパフォーマンスを披露したブリトニー・スピアーズは早々と会場に到着。リーム・アクラによるセクシーな黒のシースルー・ドレスを纏い、2児の母とは思えない引き締まったボディと、“さすが元祖ポップ・プリンセス！”と言いたくなるキュートな笑顔で、報道陣をノックアウト。その完璧なスマイルに、一部ではまた整形したのでは…との噂も。とはいえ、アーティストにもカリスマ的な人気を誇るブリちゃん。人気ティーン・ドラマ『オースティン＆アリー』でアリー役を演じたローラ・マラノ、トーヴ・ローなど、「パフォーマンスをすごく楽しみにしている！」と、嬉しそうに話していました。

Britney Spears l Photo: Lester Cohen/BBMA2016/Getty Images for dcp

　そんなローラは、ストリーミング・サービスXfinityのインタビュアーも担当しており、現在人気急上昇のフィフス・ハーモニーが登場すると大興奮。先日ガールズ・グループとして約10年ぶりに米ビルボード・ソング・チャートのTOP10にランクインした快挙やニュー・アルバムについての話はもちろん、カミラとの仲良しぶりもアピール。本編では、「Work from Home feat. Ty Dolla $ign」を披露していたガールズですが、Xfinityのユーザーはフェッティ・ワップをフィーチャーした「All In My Head (Flex)」のアンコール・パフォーマンスが観れるのというスペシャル特典も。

　その後も、昨年同様煌びやかなスパンコールのドレスを纏ったメーガン・トレイナー、パンツでクール＆セクシーにキメたデミ・ロヴァート、ザ・チェインスモーカーズらが到着。ファウスト・パグリッシの“ラスベガスっぽい”ドレスに身を包んでいたホールジーは、「アクセサリーも見せて！」というカメラマンからのコールにも、快く対応。

　途中、米ビルボードの取材ブースにお邪魔してみると、ちょうど取材中のDNCEが。ブルーとイエローを基調としたメンバー間の衣装のコーディネートもバッチリでした。バルーンや紙ふぶきで、パーティームードを盛り上げた本編の「Cake By The Ocean」のパフォーマンスでは、トーヴ・ローとのデュエットを披露をした弟のニック・ジョナスがスマホをかまえ、兄の雄姿を嬉しそうに撮影していて、兄弟ならではの堅い絆が伺えました。ちなみに、DNCEは8月にセレーナ・ゴメスのオープニング・アクトとして初来日することが決まっています。

　ギャラリーから一際大きな歓声が上がると、リアーナが颯爽と登場。この日、3度の衣装替えをした彼女は、マゼンタ・カーペットとパフォーマンスではミュグレーをファッショナブルに着こなし、ファン投票により決定する＜ビルボード・チャート業績賞＞の受賞シーンではドリス・ヴァン・ノッテンによるグリーンのアニマル・プリントのロングドレスに身を包んでいました。

Rihanna l Photo: Lester Cohen/BBMA2016/Getty Images for dcp

　続いて到着したケシャは、プリンスへのオマージュとも受け取れるパープルのパンツ・スーツでマニッシュに。残念ながら、インタビューなどには一切応えず、ドクター・ルークとの訴訟問題に言及することはありませんでした。

Ariana Grande l Photo: Lester Cohen/BBMA2016/Getty Images for dcp

　そして、アリアナ・グランデが、アトリエ・ヴェルサーチのブラック＆ブルーのドレスに、お馴染みのハーフアップのヘアスタイルで登場。実はアリアナ、E!の取材ブースでバランスを崩して転びそうになったものの、インタビュアーのナイスなセーブによって助けられ、下の写真はその映像のプレイバックを見て大笑いしているところ。

Photo: Lester Cohen/BBMA2016/Getty Images for dcp

　17時をまわり、遂に生放送がスタート。日本では、後日AXNで放映されるので、ここからは本編のハイライトと受賞者の写真撮影が行われるフォトルームの模様をお届け。パフォーマンスや写真のまとめは、下記のリンク先にも掲載しています。

Britney Spears l Photo: Jeff Kravitz/BBMA2016/FilmMagic


Britney Spears l Photo: Frazer Harrison/BBMA2016/Getty Images for dcp

　まず授賞式をキックオフしたのは、＜ミレニアム賞＞を受賞したブリトニー・スピアーズ。その功績と音楽業界への貢献が認められ、過去にビヨンセ、ホイットニー・ヒューストンなどへ贈られたこの賞を受賞したブリちゃんは、約8分にも及ぶヒット曲のメドレーを大勢のダンサーとともに披露し、オープニングを華やかに飾りました。フォトルームには、ライトブルーのスパンコールが一面にあしらわれたセクシーなドレスで登場し、トロフィーとともに何度もターンを決めたり、キュートな笑顔でカメラマンたちを一気に和みムードに。

The Weekend l Photo: Kevin Winter/Getty Images

　この日、最も感動的な受賞スピーチで、故プリンスへ感謝を意を示したのはザ・ウィークエンド。＜トップHot 100アーティスト賞＞を受賞した際に、言葉を詰まらせながら、「この賞を偉大なる亡きプリンスへ捧げます。RIP。彼が僕にアワードを授与してくれた時が、プリンスにとって最後のTV出演だったと聞いています。僕にとって人生最高の経験となり、彼のことは心から尊敬しています。彼とは親しくはありませんでしたが、僕にとってかけがえのない存在で、今後もインスピレーションであり続けるでしょう。彼は、僕を含むすべてアーティストに限界へ挑戦すること教えてくれました。RIPプリンス。愛しています。」と語り、会場からは大きな歓声が沸き起こった。プリンスは昨年行われた【American Music Awards】でザ・ウィークエンドに＜ベストソウル/R&Bアルバム賞＞を授与しています。

Wiz Khalifa l Photo: David Becker/Getty Images

　一方、「See You Again feat. Charlie Puth」で＜トップ100ソング賞＞を受賞したウィズ・カリファは、ファン、自身のチーム、レーベルや来場していた自身の母親に感謝を述べたものの、肝心のチャーリー・プースへの感謝を忘れてしまうという失態を…。とはいえ、フォトルームではサービス旺盛で、カメラマンの掛け声に合わせ、様々な表情で報道陣を笑わせていました。

Justin Bieber l Photo: Kevin Winter/Getty Images

　本会場では、巷でそのキャラが話題のDJキャレドによる紹介から、ジャスティン・ビーバーによる「Company」～「Sorry」のメドレー・パフォーマンスがスタート。レーザーやプロジェクションを駆使した最先端のパフォーマンスに魅了されていると、曲の途中でジャスティンがファンへ差し伸べ、会場のヴォルテージも最高潮に。8月の来日公演がますます楽しみになるような内容でしたが、当のジャスティンはこの夜、音楽アワードについて「ああいう場にいる時も、その後も良い気分はしない。」「セレブレーションだと思いたいけど、自分のパフォーマンスが評価され、採点されているような気がする。」とInstagramにその複雑な心境を投稿。先日、“みじめな気持ちになるから”という理由でファンとの写真撮影には今後応じないという投稿をしたばかりのジャスティン。一連の出来事に、元カノのセレーナもジャスティンのことを心配しているなど、との報道もあり、今後のジャスティンの発言も気になるところ…。

Demi Lovato l Photo: Kevin Winter/Getty Images

　中盤から後半にかけては、女性アーティストによる活躍が目白押しで、中でも一際注目を浴びたのがデミ・ロヴァートによる「Cool For The Summer」のパフォーマンス。デミの圧倒的な歌唱力はもちろん、LGBTの権利擁護者としても知られる彼女は、“ジェンダー・ニュートラル”のモチーフが描かれたトップスで登場。アメリカ全土で論争が巻き起こっているトランスジェンダーの公共トイレ利用問題が連日報道される中、ケイティ・ペリーの「I Kissed A Girl」に次ぐ、ゲイ・ポップ・アンセムとして全米でロング・ヒット中のこの曲を地上波で披露したのにも、彼女の強い意志が感じられました。

　この日は、全米大ヒットドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』の最新シーズンが放映を控えるトランスジェンダー女優のラヴァーン・コックスも昨年に引き続き、プレゼンターとして登壇。今年は、黒のロングドレスでシックにキメていたラヴァーン。ちなみに彼女は、FOXが今年のハロウィンに放映するTV映画『ロッキー・ホラー・ショー』のリメイクへ主役として出演することが決定しています。

　そして今を時めく女性アーティストといえば、昨年リリースされた『25』が世界中のチャートを席巻したアデル。＜トップ・アーティスト賞＞、＜トップBillboard 200賞＞などの主要アワードを含む、5冠に輝いた彼女は、ヨーロッパ・ツアー中のため、残念ながら映像での出演。いつものウィットに富んだ受賞スピーチが生で聞けなかったのは唯一の心残りでしたが、この日はニュー・シングル「Send My Love (To Your New Lover)」のミュージック・ビデオを世界初公開しました。念願の初来日公演も近いうちに実現してほしいですね。

Kesha l Photo: Kevin Winter/Getty Images

　続いて、開催直前に、所属レーベルにより出演許可が一旦取り下げられたケシャによるボブ・ディラン「It Ain't Me Babe」のカヴァー。アワードの2日後に75歳の誕生日を迎えたディランへ捧げた1曲で、ベン・フォールズ、yMusicのロブ・ムースとのシンプルな3人編成でしたが、ケシャのディラン、音楽、そして歌うということに対する愛情が溢れ出る、心打たれるパフォーマンスでした。歌い終わり、顔の前で手を合わせ感謝を示すと、会場からはスタンディング・オベーションが。

Rihanna l Photo: Kevin Winter/Getty Images

　これまで14曲を米ビルボード・ソング・チャート1位に送り込み、計60週に渡り1位を独占した、まさに米ビルボード・チャートのクィーンというべきリアーナは、アワードらしく華やかに「Work feat. Drake」をパフォーマンスをするのかと思いきや、ヴォーカルを全面に出した、『ANTI』収録のバラード「Love on the Brain」を披露。意表をついた彼女らしい曲のチョイスといい、「これでフィナーレでもいいのでは？」と一瞬思ってしまうほど、完成度の高いパフォーマンスで観客の心を鷲掴みにしました。

Celine Dion l Photo: Lester Cohen/BBMA2016/Getty Images for dcp

　類稀なる歌唱力といえば、やはりこの人！今年1月に、夫と兄を癌で亡くしたセリーヌ・ディオンによるクィーンの「The Show Must Go On」の力強いパフォーマンスには観客全員が拍手喝采。この日、15歳の息子レネ・チャールズに＜ICON賞＞をサプライズで授与され、感極まり涙ぐんでしまった彼女は、レネと2人でフォトルームに登場。2ショットを求められると、女性カメラマンからの「イケメン！」、「王子様みたい！」というコールに照れながらも、凛とした表情で自身初の(？)のフォトコールに挑んでいました。

　そして本日の主役ザ・ウィークエンドもフォトルームに登場！「案外小柄だね」なんていう、ひそひそ話が聞こえる中、昨年のテイラー・スウィフト同様、最初は8つのトロフィーに苦戦しながらも満面の笑みで撮影に応じ、最後には「ありがとう～！」という言葉とともに部屋を後に。恋人のベラ・ハディッドは、この時の写真を「ベイビー、あなたのことをとても誇りに思うわ！私が知っている中で一番の努力家で、最もふさわしい人。努力は報われる！おめでとう！」とInstagramに投稿し、ラブラブ度をアピール。

Madonna and Stevie Wonder l Photo: Jeff Kravitz/BBMA2016/FilmMagic

　アワードのフィナーレを飾ったのは、ご存知の通りマドンナによるプリンスのトリビュート・メドレー。「Purple Rain」では、当初発表されていなかったスペシャル・ゲストのスティーヴィー・ワンダーも登場し、観客は騒然。ラストは、客席のリアーナやザ・ウィークエンドもシングアロングに加わり、会場が一丸となって音楽界の偉大なるアイコンを追悼しました。「もっとプリンスに近しい人がやるべきだ。」など賛否両論を呼んだこのパフォーマンスでしたが、この日のマドンナからは何かいつもとは違う気迫、そして旧友に対するリスペクトと真摯な想いが深く伝わってきました。

　気になるアフターパーティーですが、公式パーティーは、50セントがレジデント・ライブ・アクトを務めるクラブ“Drai”で開催され、ライブには、司会を務めたリュダクリス、ウィズ・カリファなどが飛び入り参加。そして、メーガン・トレイナー、ジェシカ・アルバ、クロエ＆コートニー・カーダシアン、ラヴァーン・コックスのガールズ組は、現在、ブリちゃん同様、プラネット・ハリウッド常設公演を行っているジェニファー・ロぺスのライブへ！Instagramには、ジェニファーとの豪華記念写真が公開されています。