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<インタビュー>TikTok発の次世代ポップアイコン、楽音が語る「出会い」と「遊び心」【MONTHLY FEATURE】

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Interview & Text:Takuto Ueda
Photo:堀内彩香


 Billboard JAPANが注目するアーティスト・作品をマンスリーでピックアップするシリーズ“MONTHLY FEATURE”。今月は、デビュー曲「mosi mosi?」で注目を集める現在18歳のアーティスト、楽音(ささね)のインタビューをお届けする。

 2025年3月からTikTokで弾き語り動画の投稿をスタートし、独自のビジュアルセンスやキャラクター性で、国内外から熱い視線を集め続けている彼女。〈もしもーし、聞こえてる?〉のセリフから〈電波 電波の怪電波〉と歌う中毒性の高いサビが印象的な「mosi mosi?」は、今年4月にリリースされた彼女の初となるオリジナル曲で、TikTok上の再生回数は30億回を超え、Billboard JAPANのソングチャート“JAPAN Heatseekers Songs”首位[2026年6月10日公開チャート]を獲得するなどバイラルヒット中。そして7月には早くも2ndシングル「otukare」を発表し、こちらもSNSを中心に大きな話題となっている。

 幼少期からのダンス経験や高校で学んだデザイン、そして現在通っているジュエリー専門学校での日々など、多彩なカルチャーを吸収してきた彼女のクリエイティビティは、いかにして音楽へと結びついたのか、本人に話を聞いた。

反応をいただけることがうれしかった

――もともとダンスやモデルなど多彩な表現活動をされてきたんですよね。

楽音:ダンスは6歳の頃、お母さんの影響で始めました。ヒップホップだったんですけど、それがもう楽しくて。自分の中から何かを見せたい、表現したいと思うようになったきっかけでした。


――お母さんもダンスをやっていたんですか?

楽音:はい、やっていました。


――ダンスのどんな部分が楽しいと感じたのでしょう?

楽音:それこそ音を身体で表現する、感じたままに動くことが楽しくて。しっかり続けたのは中1までなんですけど、地元の小さい発表会に出たりもしていました。反応をいただけることがうれしかったんです。なので、お客さんありきなんだと思います。


――音楽に関するいちばん古い思い出もやはりダンス?

楽音:そうですね。TLCが好きで、ダンスの先生の影響で聴き始めました。遊び心があって、踊っていて楽しかったです。



Photo:堀内彩香

――TikTokではギターの弾き語り動画を中心にアップされていますが、ギターはいつ頃から?

楽音:投稿し始めたときからです。


――2025年3月あたり?

楽音:はい。普段は飽き性なんですけど、見てもらいながらだったら続けられるかなと思って、練習も兼ねて投稿し始めました。没頭するときは没頭するんですけど、興味がなくなったらすぐ別のことをしたくなるタイプで。


――ほかに夢中になった趣味やカルチャーはありましたか?

楽音:スケボーですね。没頭していたんですけど、受験のためにやめちゃいました。


――なかなか言語化が難しいかと思いますが、飽きることと飽きないことの境界線ってどこにあるんだと思います?

楽音:なんだろう、楽しいか楽しくないか? でも、やっぱり反応(をもらえること)がめっちゃ大事です。


――SNS上のコミュニケーションもモチベーションになる?

楽音:モチベですね。たまにめっちゃ長文を送っていただくことがあるんですけど、「なんでこんな私に長文くれるんだろう?」って思います。うれしいです。



Photo:堀内彩香

――「mosi mosi?」も出会いをテーマにした楽曲ですね。もともと社交的な性格でしたか?

楽音:いや、友達はめっちゃ少ないです(笑)。特定の人としか遊ばなくて。なので、小学生のときはバッタが友達でした。なかなか合う人がいなくて。高学年になった頃にようやく人間の友達ができました。


――高校ではデザインを学んでいたとか。

楽音:はい。動画の背景とか自分の見せ方とか、いろいろ活かせていると思います。雑誌が好きで集めているんですけど、その切り抜きをコラージュしたのが弾き語り動画の背景になっていて、その画を見ただけで「楽音だな」と伝わるようには意識しています。


――デザインを学ぼうと思ったのは何故?

楽音:ずっと絵を描くことも好きだったんですけど、デザインって注文……ニーズに応えるものだと思っていて。それができたら自分の強みも活かせるんじゃないかと思って学び始めました。


――具体的にはどんな学びや経験が印象に残っていますか?

楽音:とりあえず、たくさん案を出すんです。全部で50個とか。そこからいちばん良いものを選ぶ、「あ、この組み合わせ面白いかな」というのを見つける。動画でも案をとにかく出して、捨てるものは捨てる、使えるのは使う、みたいなことをしています。


――アイデアの採用基準はどんなふうに決まりますか?

楽音:ワクワクするかどうかですね。


――そして、現在はジュエリーの専門学校に通っている。

楽音:はい。忽那汐里さんがめっちゃ好きなんですけど、忽那さんがグリルズを着けているのを見て「作りたい!」と思って。それで高校の先生に相談したら「じゃあ、ここがいいんじゃない?」と薦めてもらった学校にしました。いつか自分のグッズでジュエリーとか出せたらなって。


――ご自身ではどんな歌声の持ち主だと感じていますか?

楽音:歌うことはずっと好きだったんですけど、自分の声は好きじゃなかったんです。聴き返したとき、自分が思っているより高く聴こえて。


――「あれ、なんか違う」みたいな?

楽音:はい。でも、今はそれを受け入れてくれる人がいるから(自分でも)肯定できる強みになりましたし、歌うことが楽しいです。「mosi mosi?」を録るときは、あえてちょっと明るくしてキャラ感を大事にしました。よりキャッチ―になるんじゃないかなって。



mosi mosi? / 楽音


――〈もしもーし、聞こえてる?〉というセリフもキャラ感ありますね。

楽音:あそこは何回も録り直しました(笑)。


――TikTokの弾き語り動画でも、一言コメントを入れてから歌い始めるものが多いですよね。

楽音:何かしら聴いてもらうためのフックが欲しくて。その曲に関連する一言を入れて、「あ、この曲なんだ」みたいになってもらえたら面白いんじゃないかなと思って、それがうまくハマりました。


――さまざまなジャンルの楽曲をカバーされていますが、いざオリジナルを作り始めるときにはどんな音楽に挑戦したいと思っていましたか?

楽音:HALCALIさんの「おつかれSUMMER」を歌ったときに海外からの反響も大きくかったので、声的には渋谷系が合うかなと思っていて。それはひとつ、イメージとしてありました。


@sasasasasasa078 ふう、はあ、、かまってかまってむずい#おつかれsummer #otsukaresummer #HALCALI ♬ オリジナル楽曲 - 楽音-SASANE - 楽音- sasane

――「mosi mosi?」を手掛けたのは向田民子さん。楽音さんから見てどんなクリエイターですか?

楽音:言葉遣いがめっちゃ面白いなって。そこが好きで一緒にやってみたいなと思いました。聞いたことない言葉が出てくる。知識がある方で、素敵だなと思います。


――どんなやり取りをしながら制作を進めていくんですか?

楽音:とりあえず自分のことを話します。


――音楽に関わることだけではなく?

楽音:はい、日常のことから。


――「mosi mosi?」の制作過程ではどんなワードが出てきましたか?

楽音:「宇宙」ですかね。「楽音さん、宇宙人みたいだね」みたいな。それで「電波ソングいいじゃん」ってなりました。


――そう言われてどう思いましたか?

楽音:「ぴったりだな」って思いました(笑)。


――どんなところが“宇宙人的な部分”だと思います?

楽音:えー、なんだろう。ずっと人と会わないところとか。でも、外に出ることは好きです。


――まさしく渋谷系や電波ソングといった要素が詰め込まれた「mosi mosi?」ですが、サウンド面ではどんなやり取りがあったのでしょう?

楽音:とりあえず「遊んでください」と伝えました(笑)。あと、懐かしいけど新しいみたいな感覚が欲しかったです。歌詞も含めて、最初に聴いたときは「うわぁ、めっちゃ自分だな」って感動しました。〈ネコに嫌われても ママに叱られても〉の部分は、向田さんとの会話の中で出てきたエピソードで。


――「こんなことがあったんです」という実体験として。

楽音:はい。自分の1曲目には持ってこいだなと思いました。


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もっといろんな人とつながりたい

――TikTokで初公開したときの反響にはどんな手応えを感じましたか?

楽音:ずっと弾き語りのカバーをしていたので、再生回数は(他よりも)全然少なくなると思っていて。公開した日の夜はドキドキして寝られなかったんですけど、思った以上に反応があってうれしかったです。



――動画では一瞬、弾き語りをするかのようなふりで始まるのが巧いなと思いました。

楽音:最初は本当に弾き語りでスタートしようと思ったんですけど、やっぱり音源(での動画)のほうが伸びるかなと思って。海外の方も〈電波 電波〉ってコメントしてくれていて、「すごい! 届いてる!」と思いました。


@sasasasasasa078 Got scratched after that...🐈 And this was for my first original song. rude#mosimosi? ♬ mosi mosi - 楽音- sasane

――以前から海外のリスナーは?

楽音:結構見てくれていました。世界中の方に見てほしくて発信していたんですけど、弾き語りをしている頃から「アニメから出てきたみたい」みたいなコメントがあったりして。


――楽音さんはコメントへフランクに返信することも多いですよね。

楽音:はい。大事ですね。見てくれているのがうれしくて、ついつい友達みたいに返しちゃいます。


――先日、韓国の高校でライブ・パフォーマンスも初披露されていました。どんな思い出になりましたか?

楽音:言語が違うのにたくさん歌ってくれて。ほかにもボードを作ってくれたり、たくさんプレゼントをくれたりして、本当に“つながれた”感じがします。楽しかったです。


――人前で歌うのは初でしたよね?

楽音:はい、初めてでした。またやりたいです! 最初はめっちゃ緊張していたんですよ。とにかく「楽しくやろう、楽しませよう」って。


――何か緊張を紛らわすためのルーティンなどはありますか?

楽音:深呼吸ですかね(笑)。あと、めっちゃイメトレします。


――日本ではどんな舞台に立ちたいですか?

楽音:大きい場所!



Photo:堀内彩香

――楽音さん自身はリスナーとして普段、どんな音楽の楽しみ方をしていますか?

楽音:イヤホンして、目を瞑って、耳だけに集中して、好きなアーティストを聴きながら自分の世界に入ります。


――新しい音楽との出会いってどうやって生まれますか?

楽音:紹介ですかね。友達がハマっているから聴いてみよう、みたいなのが多いです。最近は友達の影響でXGを聴くようになって、このあいだライブにも行きました。


――7月8日には2ndシングル「otukare」をリリース。こちらも早くもバイラルを巻き起こしていますね。

楽音:「あんま無理しなさんな」という言葉が好きで。「頑張れ」って背中を押すわけじゃなくて、肯定してくれる、認めてくれる言葉だから素敵だなと思っていて、それを届けられるような曲にしたいと思っていました。


――頑張りを認めて、労う言葉ですよね。

楽音:高校時代の下校中、電車に乗っている同級生とかサラリーマンの方とか、みんな顔が本当に疲れているように見えて。ポップに「大丈夫だよ」みたいに伝えたいなと思って出てきたキーワードでした。



otukare / 楽音


――デモ音源の第一印象はいかがでしたか?

楽音:セクションごとに遊び心があって、それがしっくりきました。どんどん変化する感じ。飽きずに楽しく曲を聴いてもらえたらいいなと思って、そういうイメージも事前に伝えていたので。


――レコーディングではどんなことを意識しましたか?

楽音:「mosi mosi?」のレコーディングがめっちゃ難しくて。明るめのキャラ感を強く出したかったんですけど、思っていた声色がなかなか出せなくて苦戦したんです。その経験もあって、「otukare」はわりと良い声が出せたんじゃないかなと思います。こっちは全力で肯定する感じというか、優しい気持ちで歌いました。


――新しい声の引き出しを見つけられた感じもある?

楽音:ありました。なんというか、自分の声の使い方がわかった気がします。


――約1年間、いろんな曲を弾き語りでカバーしてきたと思うので、その過程で自身の歌声と向き合う瞬間も多かったのではないですか?

楽音:そうですね。コメントで「この曲が似合うんじゃない?」みたいに言ってくれる方もいて。それを聴いてみて「あ、これも似合うのか」みたいな発見もありました。



Photo:堀内彩香

――「otukare」はボサノヴァ風のパートもあったりして、サマーバケーションの季節にぴったりな一曲ですよね。ちなみに楽音さんは今年の夏休み、どんな過ごし方をしたいですか?

楽音:たくさん買い物したい(笑)。あと、もっといろんな人とつながりたいです。活動でも、プライベートでも。


――音楽活動がどんどんアクティブになっていくなかで、プライベートな日常の過ごし方にも変化はありましたか?

楽音:はい。ライブに行くようになりました。活動を始めるまで全く行ったことがなくて。


――ちなみに初ライブは?

楽音:それもXGでした。あと、このあいだコラボさせていただいたasmiさんのライブにも行かせていただいて、すごく素敵でした。MCがとても上手で、勉強になりました。


――そうやって刺激を得ながら、今後もどんどん楽曲を作っていくかと思いますが、何かチャレンジしてみたい音楽ってありますか?

楽音:R&Bはよく聴くんですけど、自分の声質には合わない気がしていて……。でも、楽しくキャラ感を忘れずに歌っていたら、聴いてくれる人には分かってもらえるんじゃないかと思うので、楽しく遊び心を忘れないでいたいです。


――飽き性とのことでしたが、音楽は続けていける手応えを感じていますか?

楽音:はい。やっぱり見てくれる人がいるというのが大事だなと思いました。なので、最初の「mosi mosi?」がすごく広がってくれてよかったなって。


――日本でのライブも楽しみですね。

楽音:はい。どんな人が聴いてくれて、コメントを打ってくれているのかめっちゃ気になります。


――将来的な目標、野望、夢はありますか?

楽音:宇宙でライブしたい! みんなを宇宙に連れて行きます(笑)。



Photo:堀内彩香

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