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「奥深きプログレッシヴ・ロックの世界」トニー・レヴィン( Stick Men )来日記念インタビュー

DRAMATIC SOUL インタビュー

 プログレッシヴ・ロックを特集する企画「奥深きプログレッシヴ・ロックの世界」第3弾では、トニー・レヴィン(Stick Men)へインタビューを大敢行。Stick Bass(Chapman Stick)という特殊な弦楽器を操るパフォーマンスが、観る者に強烈なインパクトを与えるプログレトリオ・グループ、Stick Men。そんなStick Menの中心人物であるのがキング・クリムゾンのベーシスト、トニー・レヴィン。4月の来日公演ではスペシャルゲストに、こちらもキング・クリムゾンのデヴィッド・クロスの出演も決定しており、キング・クリムゾンのナンバーも披露予定。そんな夢のような公演を前に、トニー・レヴィンがStick Menの成り立ちから、お気に入りのアルバムまで大いに語ってくれた。

◎Strange Days presents 奥深きプログレッシヴ・ロックの世界
◎「奥深きプログレッシヴ・ロックの世界」CDショップ編

ファースト・ソロ・アルバム『スティック・マン』が
バンド結成の起点と言えるね

??まずは最近の活動についておうかがいします。最新ラインナップでのKing Crimsonの北米ツアーが終了しましたが、反応はいかがでしたか?

トニー・レヴィン: とてもスペシャルなツアー再開になったよ。メンバーが変わったけど、バンドの方針はしっかりと固まってるし、この活動に参加して刺激をもらったよ。ツアーの出来はすごく良かったと思う。オーディエンスもすごく盛り上がって俺たちも楽しめたよ。

??セットリストに「Larks' Tongues in Aspic, Part One 」や「One More Red Nightmare 」「Starless 」といった、これまでにあまり演奏されなかったナンバーがありましたが、これは誰のアイデアだったのでしょうか?

King Crimson Belgium 1972 Lark s Tongues In Aspic Part 1
▲ King Crimson Belgium 1972 Lark s Tongues In Aspic Part 1

トニー・レヴィン: 何を演奏するかはいつもロバート・フリップが決めるんだ。それに昔の曲を演奏するときはなるべく新しいバージョンに挑戦するんだ。ロバートから「あたかも最近作られたかのように演奏するように」と指示されたことがあるよ。



??Stick Menの成り立ちについて教えてください。ユニット結成のきっかけとなったのは、あなたがアルバム『Stick Man』をリリースした2007年だったのでしょうか?Stickをフィ-チャ-したライヴを行うためのユニットだったのでしょうか?

トニー・レヴィン: そうだね、俺のファースト・ソロ・アルバム『スティック・マン』がバンド結成の起点と言えるね。チャップマン・スティックを多重録音して作ったあのアルバムが本当に気に入ってたんだけど、どうやってそれをコンサートで再現すればいいのかわからなかったんだ。で、ライブ演奏が好きな俺は小さなバンドを結成したんだ。オリジナル・メンバーは同じくスティック奏者のマイケル・バーニアとドラマーのパット・マステロットで、マイケルが脱退した後はマーカス・ロイターが加入したんだ。彼はスティックに似たタッチ・ギターというギターを弾くんだ。パットはキング・クリムゾンでも一緒に活動していて、『スティック・マン』にもドラム参加してる。

??Stickという楽器と、あなたの関わりについてお伺いします。最初にStickに出会ったのは、いつのことでしたか?Stickという未知の楽器に興味を持った理由も教えてください。

Stick Men - Tony Levin
▲ Stick Men - Tony Levin

トニー・レヴィン: スティックのサウンドを聴いたとき、音が響き渡るように力強くてきれいなサウンドが、プログレッシブ・ミュージックのベース奏者の俺には、ベースに使えそうな楽器だと思ったんだ。だからスティックは主にベースとして使用してたんだ。これまでの作品のなかでギターとベースの両サイドを用いたのはキング・クリムゾンの楽曲と『スティック・マン』だけだよ。

??Peter Gabrielのファースト・アルバムのセッションで使用するために持っていたStickを見たプロデューサーが、使用を拒否したというエピソードは本当ですか?

トニー・レヴィン: 本当だよ。1976年にスティックを購入したんだけど、変な見た目だったからね。その後何年か経って、ピンク・フロイドのアルバム制作に取り掛かってた時には、彼から曲中でスティックを使ってほしいって依頼が来たんだよ。

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    エキサイティングなショーを披露する予定だよ
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スティック・メンとキング・クリムゾンの楽曲を組み合わせた
エキサイティングなショーを披露する予定だよ

??私はアマチュアのベーシストで、実は半年ほど前にStickをオークションで入手しました。(出品者によれば、そのStickは、あなたが1996年にNAMM楽器ショウで試奏したものとのことです)それ以来、練習を重ねているのですが、なかなか習得することができません。Stick演奏上達に向けて、何かコツのようなものがあれば教えてください。

Stick Men - 14 - Larks' Tongues in Aspic, Part Two (King Crimson cover) [Encore] (Live, Kiev 2012)
▲Stick Men - 14 - Larks' Tongues in Aspic, Part Two (King Crimson cover) [Encore] (Live, Kiev 2012)

トニー・レヴィン: スティックのほうがギターやベースよりも比較的簡単に弾けるんだけど、人によっては慣れるまでに時間がかかるかもね。初めての人が試しに弾いてみたら、うまく弾けちゃったっていう瞬間を何度か見たことあって、俺が随分前に東京のミュージックストアでデモを開いた時のワタナベ・カズミとかがその例だね。

??今年の4月に予定されているStick Menの来日公演は、どのようなものになりそうですか?昨年のライヴでも演奏されたKing CrimsonやRobert Frippのカヴァーも演奏予定ですか?

トニー・レヴィン: スティック・メンとキング・クリムゾンの楽曲を組み合わせたエキサイティングなショーを披露する予定だよ。オリジナルそのままの演奏に加えて、少し手を加えた改良バージョンも数曲プレイする予定で、時間があれば、ファンが好きなストラヴィンスキーの「火の鳥」もプレイするよ。

David Cross Band
▲David Cross Band - "Exiles" - 22 Febbario 2007

??今回は元King CrimsonのヴァイオリニストであるDavid Crossも参加しますが、その経緯を教えてください。すでにリハーサルは行いましたか?彼をフィーチャーした「Larks' Tongues in Aspic, Part Two」などが聴けるのでしょうか?

トニー・レヴィン:彼とどのキング・クリムゾンの曲をプレイするか、今検討中なんだ。だから、どの曲を披露するか、まだはっきりわからないよ。でもデイヴィッドと一緒にステージでプレイできることがすごく楽しみで、俺たちにとっても楽しいチャレンジになるだろうね。

David Cross Band
▲Levin Brothers Audio Sample

??今後の予定を教えてください。Stick Menの新作予定はありますか?またKing Crimsonのワールド・ツアー、あるいは日本公演の計画などがあれば教えてください。

トニー・レヴィン:バンド以外の活動がいくつか控えてるよ。最近兄のピートと一緒に、ジャズ・アルバム『レヴィン・ブラザーズ』を発売したんだけど、そのアルバムを引っ提げた小規模のツアーをアメリカ各地で開催するんだ。

 

トニー・レヴィンのお気に入りアルバム

▲ 『Grand Opening & Closing』 Sleepytime Gorilla Museum

▲ 『ルイスⅡ』ルイス・テイラー

▲ 『ザ・ネクスト・デイ』デヴィッド・ボウイ

▲ 『Voodoo/ヴ―ドゥー』ディアンジェロ

▲ 『Aguita Que Corre』カルロス・ベナベンテ

 

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スティック・メン「スープ」

スープ

2010/05/26 RELEASE
NNCJ-1205 ¥ 2,860(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Soup
  2. 02.Hands (part 1)
  3. 03.Hands (part 2)
  4. 04.Hands (part 3)
  5. 05.Inside The Red Pyramid
  6. 06.Fugue
  7. 07.Sasquatch
  8. 08.Scarlet Wheel
  9. 09.Firebird (part 1)
  10. 10.Firebird (part 2)
  11. 11.Firebird (part 3)
  12. 12.Firebird (part 4)
  13. 13.Relentless
  14. 14.Tsunami Surfing
  15. 15.Scarlet’s Other Wheel (re-mix)

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