2016/03/12
ビルボードのジャパンチャートには、Hot100とHot Albumsの他にHot Animationというランキングがあり、文字通りアニメ・タイアップのみを抽出している。アニメ関連の楽曲は瞬発力が高く、入れ替わりが激しいのが特徴だ。しかし、うまく波に乗ればロングセールスにつなげることができる。
すっかりスタンダードとなった感のある秦 基博の「ひまわりの約束」は、今週もHot Animationでは11位と上位にランクインされている(【表1】)。映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌としてリリースされたのは2014年8月なので、かれこれ1年半以上も前。映画の公開が終わってもチャートインし続けているのは楽曲が独り歩きしたからだが、国民的アニメである「ドラえもん」のタイアップだったからというのも大きい。もともと長く売れ続ける可能性を持つ秦の楽曲が、アニメの力を借りながらも世代を超えて人々の心にうまく届けられた好例だろう。先日リリースされたドラマ主題歌の「スミレ」も話題だが、こういったトピックがある度に「ひまわりの約束」もチャートアップしてくるに違いない。
同じように楽曲が独り歩きしているのが、UNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」(【表2】)。こちらも昨年5月のリリースではあるが、今週のHot Animationでは17位と上位をキープしている。この曲はTOKYO MXや毎日放送などで放映された『血界戦線』のエンディングテーマ。彼らはこれまでにもいくつもの楽曲がアニメタイアップとしてヒットしているが、この曲が飛び抜けているのはこれまで以上にキャッチーだったからだろう。どちらかといえばマニア受けの番組だけに、タイアップはあくまでもきっかけでしかない。とはいえ、彼らの楽曲はアニメと相性がいいので、うまくはまれば、今後も「シュガーソングとビターステップ」を超えるロングヒットを生み出してくれることだろう。text by 栗本斉
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