Billboard JAPAN


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<インタビュー>REIRIEが追求する自由な表現とは――ニューシングル『ひなたぼっこ』に込めた想いを語る

インタビューバナー

Interview & Text:平賀哲雄
Photo:Yuma Totsuka


  2023年元旦の再集結以降“正真正銘のソウルメイト”として快進撃を続けている、黒宮れい&金子理江によるれい理江。2025年9月には、バンダイナムコミュージックライブ内のレーベル・MoooD Recordsからメジャーデビューし、環境も大きく変わった中で彼女たちは今どんな想いを抱えながら活動しているのだろうか。テレビアニメ『令和のダラさん』エンディング主題歌である新曲「ひなたぼっこ」や、8月18日と19日に開催されるワンマンライブ【REIRIE Zepp Shinjuku 2DAYS】についても語ってもらった

メジャーデビューから1年――「仲間がいっぱい増えた」

――REIRIEとしてメジャーデビューしてからもうすぐ1年経ちますが、環境的にこれまでとは大きく変化しているんじゃないですか?

黒宮れい:メジャーならではの予算をかけてもらっていて、広告とかもすごく打ってくれています。

――分かりやすい変化ですね(笑)。

れい:それが大きいのと、ツアーもこれまで行ったことのないところまでまわれていて。メジャーデビューするまでは東名阪とかだったけど、このあいだのツアーは12か所もまわれたりして。なかなかライブに来られなかった子たちにも会いに行けたのは嬉しかった。


――バックアップしてくれる人も増えたでしょうし、それによっていろんなところに行けるようになったし、いろんなところにREIRIEの存在を知らしめることができるようになったと。

れい:そうそう。例えば、広告を渋谷とかに出してくれたおかげで、これまでREIRIEの顔を知らなかったような人たちにも知ってもらえたり、私たちが今どうなっているのか気付いていなかった人たちも「あ、REIRIEって今こんな感じなんだ」とか「あ、復活しているんだ」みたいな感じで、広く知ってもらえるきっかけになったなって。


黒宮れい

――りえちゃんはどう?

金子理江:仲間がいっぱい増えた感じがする。これまでは自分の会社で何でもやっていたし、アーティストというか、演者じゃない部分も自分でやって、いろいろ模索しながら運営の仕事もしていたから。でも、今はいろんなプロの人たちがREIRIEの為に動いてくれているので、その力を間近で感じたときに「やっぱり裏方の人たちってすごいな」と思ったりするし、それこそREIRIEを広く打ち出してくれていることに感謝もしているし。あとは、アニメのタイアップも今までやったことがなかったから、そこの変化も大きいですね。この歳になってそういう新しい経験をさせてもらえていることも嬉しいです。


――以前、りえちゃんは運営の仕事をやってしまうと自分らしくいられないから、これからは演者に集中したいと話していた記憶があるんですけど、その直後にメジャーデビューできて今の環境が整ったわけですから、タイミングもよかったですよね。

れい:よかったよね。いちばん綺麗なタイミングだったと思うし、あのままメジャーデビューしない選択肢もあったと思うけど、今のところメジャーデビューしてよかったと思うことしかないかも。

理江:初めてだよね、そんな風に思えたの。だから、うれしい。

れい:りえちゃんがりえちゃんでいられることもうれしいし、隣で見ていても以前より金子理江であることに専念、集中できているなって。そう勝手に思ってるよ。

理江:自分でもそう思う。


金子理江

――以前のインタビュー(https://www.billboard-japan.com/special/detail/4093)で、ふたりのストーリーと関係性について深く語ったうえで「革命にしか興味ない! この関係性や在り方を世に広めていくことが革命に繋がると思うんですよ」と話してくれましたが、その核となる部分もメジャーデビュー以降、より浸透してはいるんでしょうか?

れい:正直に言うと、まだそんなには浸透していないかな。

理江:でも、それには理由がある。世界の流れがよくない。ウチらが大人になったとか、尖っているからどうとか、そういうことじゃなくて、シンプルに世の中の流れが悪すぎるから。例えば、クリエイティブでそういう革命じゃないけど、ウチらが変えられる何か、ウチらを通して響いてくれている人たちに対して何かを提供していったとしても、時代の流れをまず変えていかないと、ウチらがちゃんと伝えたい解像度では伝わりきらないだろうなって。


――その流れの悪さは、どんなところに対して感じるの?

理江:一言で言うと、薄っぺらい。なんか「おかしいな」っていう感覚がずっとあって。ウチらがやりたいことをやろうと思えば、それに対して何かできるかもしれないけど、今ってコンプラとか難しいじゃん。とは言え、別に世の中に中指を立てたいわけじゃないんですよ。ウチらが純粋にやりたい楽しいことに対して、制限されているような感覚になる状況へのストレス。それが毒素みたいな感じで溜まっていって沸々としてしまう。ウチらの日常で起きていることとか、みんなに話していないこととか、各々が感じている理不尽さとか……そういう感情をイチイチ表に出したりしていないし、SNSでも書かなくなったけど、それを表現できる場所が今はないから。ライブとか楽曲の力を借りて表現しているところはあるんですけど、本当はもっといろんなクリエイティブを通して表現したいんですよね。


――「世の流れが悪い」という話をしていましたけど、要するにふたりが音楽活動や日常生活の中で不自由さを感じているってことですよね。「なんでこれが伝わらないんだ」とか「なんでこれをやらせてもらえないんだ」とか。

れい:そういうこと。

理江:「やらせてもらえないこと」に関しては、ウチらを守る為に制限されているところもあるし、それは必ずしもマイナスじゃないんです。でも「表現ってなんだろうな」と考えたときに「ウチららしい表現ってこれなのにな」と思うことはある。だから、そこは上手くバランスを取りながら表現して、REIRIEらしさみたいなものを今後の展開で出していけたらいいなという気持ちはずっとあります。


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  1. 「REIRIEが求める自由な表現」
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REIRIEが求める自由な表現

左から、黒宮れい、金子理江

――その「REIRIEらしさ」って自分の中ではどんなものだったりするんですか?

理江:過去とか、毒とか、そういうものをぶち壊していくこと。


――「REIRIEってこうだよね」というイメージも壊したい?

理江:それを壊すのを見たいと思うんですよ。ファンの人たちも。ウチらもたぶんそれをやってみたら楽しいと思うし。ウチらがライブで水鉄砲とかやっているって知らない人たちのイメージを壊していかないと(笑)。


――水鉄砲を撃っている姿こそがREIRIEだと(笑)?

れい:というか、思いついたことを全部やりたいってこと! 思いついたことをその場でやりたいのに、次のことを考えたらできなかったりするんですよ。でも、制限をかける理由も分かる……みたいな話。

理江:それって誰にでもある話だと思うんですよ。社会に揉まれてさ、どれだけ楽しく生きようとしていてもさ、大人になればなるほどさ、抑えていくしかないじゃん。そうじゃない人もいるかもしれないけど、大体の人は抑えなきゃいけないんだよ。圧力があるから。でも、ウチらにはないじゃん。やりたいことをやれるのが本来のウチらだから。他のアイドルはできないと思うし。だから、やりたいと思ったことはやりたいなって。


黒宮れい

――それを表現してきたのがREIRIEですからね。例えば、音楽面においても、今回の新曲「ひなたぼっこ」なんてサウンド的にもふたりのボーカルワーク的にもアイドルの枠やイメージは壊しているわけじゃないですか。そもそもこんなに歌唱表現のレパートリーが多いアイドルは稀有だと思いますし。

理江:でも、壊すのってマジで疲れるんですよ。それに踏み込むって相当の覚悟がないとできないじゃん。

れい:その壊す覚悟のない奴が多すぎる。中途半端でやめる奴が多すぎる。


――それは何において?

れい:何においても(笑)。でも、ウチらは、過去の話をすれば、壊したいと思って壊していなかったけど、世間から見たら壊しているように見えた……っていうだけだから。別に破壊衝動でも壊していたわけじゃないし。


――それはそうだったと思いますし、現状の「壊したい」という話も破壊衝動でなく「≒自由な表現を突き通したい」ということですよね。いろんな制限や制約がある中で多くの人が表現活動をしているわけだけど、REIRIEの場合はそれでは満足できないし、やりたいことがやりたい。それは傍から見たら「壊してる」っていう風に映るけど、ふたりはやりたいことの為に戦っているだけっていう。

れい:そう! すごーい(笑)!

理江:すべてのアーティストやアイドル、音楽をやっている方々に敬意やリスペクトはありますよ。その人たちを否定しているわけじゃないし、むしろ肯定的だし、素敵なものをやっていらっしゃるとは思いますけど、計算して綺麗なものをやるのが正義ですか? ちゃんとしっかり目を見て、可愛い声を出して「REIRIEのれいで~す!」「りえで~す!」「よろしくお願いしま~す!」って挨拶するのが正義ですか? それで相手からの印象が良くなって、仕事が取れました。それが正義ですか? そうじゃないじゃん! っていう感じ。それが楽しいか楽しくないかと言ったら、ウチらはそれを「楽しい」と思わないタイプなだけ。それができる人たちは凄いし、リスペクトしますけど、ただそれはウチらじゃない。


金子理江

――ものすごく分かりやすい例えでした。それこそがREIRIEだと思いますし、ふたりの活動はその自由を表現する為の革命でもあるわけですよね。

理江:だから、ウチらはこうなんだって(笑)!

れい:そろそろ曲の話をしようか(笑)。それからまた革命の話する?


――革命の話は、次の機会にまた聞きます(笑)。

れい:じゃあ「ひなたぼっこ」の話をしよう!


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  1. 「素のれいとりえに近い世界観」
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素のれいとりえに近い世界観

――新曲「ひなたぼっこ」は、テレビアニメ『令和のダラさん』エンディング主題歌ですが、歌詞の内容的にもREIRIEが歌うことにとても意味のある楽曲だなと感じました。

れい:REIRIEはこれまではクールな楽曲が多かったけど、今までの楽曲とはまた違ったあったかい感じ。でも、どこか芯があるし、アニメのタイアップだからどうしてもアニメの色が強くなるのかなと思ったけど、このふたりが共感できる部分もちゃんとある。

理江:私、原作も読ませてもらっているんですけど、日向と薫という主役の姉弟がいて。だから、この曲の歌詞にも<日向ぼっこ ほんのり甘い 薫る気持ち 心にふわり>ってその姉弟の名前が出てくるんです。ダラさんというワードは出てきていないけど、日向と薫と関係性を深めていくダラさんのことは<笑顔1つ ふざけて2つ 見守る姿 重なって3つ>というところで表現していて。ダラさんは妖で、普通の人の目には見えない存在ではあるんですけど、その3人の日常を客観的に見て「この日々が続けばいいな」とあったかい気持ちで歌えたことによって、いつものREIRIEとして歌うとなったらちょっと照れちゃうかもしれないけど、『令和のダラさん』という作品を通してリンクできるから歌えた楽曲なんです。だから、すごく楽しかった!



「ひなたぼっこ」ミュージック・ビデオ


――<手を繋ごう ずっと一緒に>というフレーズなど、ふたりがお互いに対して思っていることではあるだろうけど……

理江:ストレートには言えないから。


――それを『令和のダラさん』とそのキャラクターたちが歌わせてくれたということですよね。

理江:うん。本当によかった。


――ゆえにREIRIEの曲としてもちゃんと成立している。

れい:すごいよね!

理江:『令和のダラさん』の読者や視聴者の皆さんも、REIRIEと関係なくこの「ひなたぼっこ」を聴いたときにウルっと来てくれたりするんじゃないかと思うし。なので、ぜひREIRIEのファンじゃない『令和のダラさん』が好きな人たちにも聴いてほしいです。


――「ひなたぼっこ」というタイトルも、実はふたりの関係性に合っているワードですよね。それこそクールに歌っているふたりのイメージとは違うけど、素のふたりにピッタリだと思いました。

理江:たしかに。意外とチルなんだよね、ウチら。それを分かりやすく言語化してもらえた感覚はあります。良い曲。

れい:家でよくひなたぼっこするよね?

理江:してる。


――ふたりでひなたぼっこ?

れい:うん。


――素敵な日常を送っているじゃないですか。

れい:ふたりでひなたぼっこもするし、サウナも行くし、プールも行くし。

理江:なので、仕事をしているREIRIEじゃない、素のれいとりえでいるときの日常に「ひなたぼっこ」の世界観は近いかも。


左から、黒宮れい、金子理江

――それをアニメのエンディング主題歌で音楽化できたのって、なかなかのミラクルですよね。素のふたりと『令和のダラさん』の世界観に重なる部分があったからこそ表現できた楽曲だったという。

れい:今だから歌えた曲でもあるしね、ウチらが。


――そういう意味でも『令和のダラさん』は、最適解のアニメタイアップだったわけで。それもすごいことですよね。

れい:そうなの! その最適解を見出してタイアップの話を持ってきてくれたのもすごくない? 一見、REIRIEは革命軍だけど、ちゃんとこういうところにもフィットしていけることも凄いと思うし、そういう作品に繋いでくれたスタッフさんたちにもマジで感謝してる。

理江:原作を読めば読むほど『令和のダラさん』とREIRIEは親和性があるの。ダラさんの過去とかもそうだし、壊れたものに対しての捉え方もそうだし、時が経ったからこそ落ち着いたダラさんがいて、日向と薫に出会って楽しい日常を過ごしているところもリンクできるし。


――そのグラデーションは、まさにふたりの物語のグラデーションでもある。

理江:そうなの! だから、感情移入して作品を読んじゃうというか。あと、十郎太というキャラクターが出てくるんですけど、ダラさんと十郎太の関係性とかもわりとりえとれいに近いし。アニメにものちのち出てくると思うので、ぜひ観てほしいです!


声にならないほどの絶望と残酷を、どう歌うか――カップリング曲「斑」

――REIRIEきっかけで『令和のダラさん』を観る人もいれば、『令和のダラさん』きっかけでREIRIEを知る人もいるでしょうし、本当に良い出逢いでしたね。

理江:これでREIRIEのライブに初めて来てくれた人に「ひなたぼっこ」とは真逆の世界観の「斑」(メジャー1stシングル『ひなたぼっこ』カップリング曲)とかを聴かせたい(笑)。でも『令和のダラさん』きっかけで来てくれる人であれば「斑」を聴いても好きになってくれそう。

れい:今回のシングルは「ひなたぼっこ」も「斑」も、これまでもREIRIEの楽曲を手掛けてきた辻村有記くんが書いてくれたんですけど、同じアニメ作品からここまでタイプの違う2曲を書けているのが凄いなって。「斑」は禍々しさとか怪しさがあるけど、こっちもウチらの根底にある恨みつらみとか、「何度でも命は芽吹いて」とか通ずる部分がある。むしろ、こっちのほうが元々あるREIRIEの世界観の延長線上にある感じ。

理江:でも「斑」はやりすぎないように注意はしました。曲調的にはもっと激しく歌ってもいいんですけど、それだとダラさんのイメージからちょっと遠くなっちゃうから。叫ぶところがあるんですけど、ダラさんの過去の恨みって叫んで表現できるものじゃないんですよ。知れば知るほど、声にならないほどの絶望と残酷さを味わっているから。でも『令和のダラさん』を観ている人やこの曲を聴いてくれる人には訴えかけなきゃいけないものがあるから、その塩梅がすごく難しかった。なので、自分ができる最大限のダラさんに対するリスペクトとか、辻村くんに対してのリスペクトとか、できる限りの表現できるもので挑みました。





REIRIE / Doggy Girls /LIVE at SHIBUYA CLUB QUATTRO


――そんな「ひなたぼっこ」「斑」の披露もあるであろう、8月18日と19日に開催されるZepp Shinjukuでの2daysワンマンライブについても話を聞かせてください。

理江:18日の【ALL ELECTRO Remix Party「Singularity」】は、過去の曲も含めてエレクトリックなアレンジをしてお届けします。なので、どっちかと言うとクラブ系。で、翌19日の【ALL METAL&ROCK ARRANGE Party「漢祭り2026」】は、全曲メタルバンドアレンジセット。なので、この2daysは同じ楽曲でも全く違うライブになるし、どっちも来たほうがより楽しめると思います。

れい:【漢祭り】は「この日だけ暴れられるよ」みたいな感じだから、そういうのが好きな人たちはやっぱり盛り上がるし、REIRIEの根本にある爆発的なマインドだったりを体感したい昔からのファンもいるだろうし、そういう人は喜んでくれると思う。でも、そうじゃない人は前日の【Singularity】を楽しんでほしいけど、どっちも来たほうが面白いのはたしか。【漢祭り】もセーフティーゾーンは用意するし、タイトルは【漢祭り】だけど、別に男性限定ライブではないので。女の子でも漢の心を持っていれば楽しめるし、私たちも漢モードでライブするので。


――では、最後に、そのZepp Shinjukuでの2daysワンマンライブもそうですし、メジャー1stシングル『ひなたぼっこ』もそうですし、これからのREIRIEに注目してほしい皆さんへメッセージをお願いします。

れい:このインタビューを読んでくださった皆さん、ありがとうございました。REIRIEはこんな感じで活動しているけど……根がすごく良い子たちだから、実際に会ったらそこまで尖っていないので、安心してください(笑)。なので、ファンじゃなくても気軽にライブに遊びに来てほしい。それで、インタビューだけじゃなくて、リアルでウチらがやりたいこととか、ウチらが目指しているものが何なのか感じてほしい。ここまでインタビューで問題提起したり、革命軍とか言ったりしているけど、本当にウチらがやりたいことはライブを観てもられば分かるし、それが本当のREIRIEだから来てほしいなって思う。

理江:このインタビューを読んで「なんだ、こいつら」と思ったらならライブに来てほしい! で、実際に私たちのことをその目で見て確かめてほしいなって感じですね。このインタビューを経てライブに来てくれる人ってだいぶ熱いだろうから、相当大事にする。

れい:だから、これを読んだら「Billboard JAPANのインタビューを読んで初めて来ました」って言ってほしい。優しくするし、手厚く育てるよ。


――このうえない特典!

理江:しあわせにするよ♡


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