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<インタビュー>韓国バンドシーンの先頭を走るDragon Pony、4人の素顔と日本1st EP『Run to Run』とともに歩む未来への想い

インタビューバナー

Interview & Text: 筧 真帆
Photo: SHUN ITABA


 2026年6月10日に、日本1st EP『Run to Run』のリリースをもって日本デビューを果たした韓国バンド、Dragon Pony。メンバーの関係性や、全曲日本オリジナルの楽曲制作秘話など、音楽や日本への真摯な思いを取材した。なお<コラム>「不完全な少年たちの熱い音楽」に想いを込めて——デビュー1年でアジアを席巻したDragon Ponyが日本に刻む、新たなK-ROCKとはにて、バンドや各メンバーのバックボーンなどについての詳細も掲載。合わせて読むとより彼らの魅力を楽しめるだろう。

個性輝く豊かな4人のメンバー

――まずは、他の人を紹介する他己紹介をお願いします。最初はテギュさん(Vo)についてお願いします。

ソンヒョン:僕たちのリーダーであるテギュは、心身ともにたくましくて、韓国バンドシーンで注目のボーカリストです!


ガンフン:刺激剤になる人。常に何かをやっているので、僕も頑張らなきゃという刺激を与えてくれます。


セヒョク:少年漫画の主人公みたいな存在。


――というメンバー評ですが、ご本人はいかがでしょう?

テギュ:いい話ばかりで恥ずかしいですね(笑)。


――続いてガンフンさん(Dr)はいかがでしょう。

ソンヒョン:Dragon Ponyを頼もしくを支えてくれていて、バンドの中で笑いを担当する、ユーモアのあるメンバーです。


セヒョク:ライブのときにガンフンを見ると、エネルギーが湧いてきます!彼は、血管に血液をどんどん送ってくれる心臓のような存在。


テギュ:感情に対して正直で、思っていることが顔に出てしまうことが多いです。会話にストレスがない、“유들유들/ユドゥルユドゥル(柔軟、当たりがなめらか)”なメンバーですね。


セヒョク:“유들유들/ユドゥルユドゥル”って食感みたい(笑)


ソンヒョン:そうだね(笑)。本当に人あたりが柔らかくて、気負わせない性格。そしてドラムが本当にうまい!


ガンフン:こんなにメンバーたちから褒められたのは、バンドを組んでから初めてなので嬉しいです!



左から、テギュ、セヒョク

――セヒョクさん(Gt)については?

テギュ:何かを始めると、最後まで掘り下げるタイプで、すごく情熱的。


ガンフン:テギュ兄さんが“日常の刺激剤”なら、セヒョクは“音楽的な刺激剤”かな。常に作業部屋にいて、「自分にはこれしかできることがない」って言いながら作業をしている。そういうのを見るたび尊敬するし、かっこいいなと。学生時代からの友人としても、ずっと頼りにしています。


ソンヒョン:セヒョクは良き友だちで、良き音楽仲間です!


セヒョク:こういうの、やっぱり恥ずかしいですね。


ガンフン:耳まで真っ赤だよ(笑)。


――最後にソンヒョンさん(Ba)の紹介を。

ガンフン:ソンヒョンは本当にベースが上手くて、曲制作中のふとしたアイデアが、大きな一歩になることが多いです。そして、とても温かくて繊細。


テギュ:実行力がとても高い人。何かを決めたらすぐ行動に移すタイプで、僕が悩んでいても、彼の行動力で解消されることがあります。


セヒョク:僕と似ているところがすごく多い一方で、違うところも沢山感じるメンバーなので、救われることも多いし、刺激を受けることもある友人です。


ソンヒョン:もっと褒め言葉を期待していたのに、僕を過小評価していますね(笑)。でも考えてくれてありがとう。



左から、ソンヒョン、ガンフン

K-POPバンドの知られざる練習生時代

――メンバーの個性と、お互いの関係性もよく分かりました。皆さんはそれぞれ、オーディションを受けて事務所の練習生になったそうですが、ソンヒョンさん、セヒョクさん、ガンフンさんは同じ高校の同級生ですよね。どんな流れでオーディションを受けることに?

ガンフン:3人は高校の同級生ですが、オーディションは一緒に受けたわけでは無いんです。高3のとき僕が最初にオファーをもらい、セヒョクに話していた矢先に、彼も連絡をもらって。正直うれしかったのと同時にホッとしましたね。


セヒョク:僕も普段からよく分かりあえていた友だちだったので、よかったという思いが大きかったです。


ソンヒョン:僕は少し後から合流しました。実は僕、2人よりも1年早く大学に入学しているんです。だから後輩たちに厳しくしなければ……冗談です(笑)。実際、皆腕があるのは分かっていたので、より早く同じ方向性を築いていくことに集中できたと思います。


――テギュさんは、3人と出会った当時の印象は?

テギュ:僕は4人のうち最後に会ったのですが、当時の3人はちょっと怖かった(笑)。全員本当に“ロッカー”って感じで、髪も今よりずっと長いし服も真っ黒で、全体にとがった印象でしたね。


ソンヒョン:あのころ“黒化”してたよな、僕ら(笑)。


テギュ:少し気後れしたんですが、実際はすごく繊細で優しいメンバーたちだったので、すぐ距離が縮まりました。



――つまり同級生3人は、一緒のバンドとしてオーディションを受けて合格したわけではなく、別々に練習生になってから、バンドを組むことになったんですね?

ガンフン:はい、メンバーが1人ずつ練習生になって、3人に加えてテギュが入ってきた流れです。


ソンヒョン:最初から4人でメンバー確定という感じではなく、それぞれのパートや楽器の4人を集めてまずは音楽を作る、という方向性で始まった気がします。この4人でバンドになるという確信があったわけではなく、がむしゃらに練習を重ねているうち、4人で正式なバンドになりました。


――面白いですね。K-POPのダンスグループの場合、練習生時代の話を色んなところで知る機会がありますが、バンドってほとんど無いので、どんな練習生時代、いわゆる下積み時代だったのでしょうか。

ガンフン:事務所の練習室のパソコンに集まって曲作りをしたり、スタジオでも曲を考えたり、ずっとくっついていましたね。もちろん事務所のスタジオにこもって、楽器やライブスキルの訓練も重ねていました。


テギュ:寝る時間以外は、ずっと事務所にいましたね。


ソンヒョン:練習生期間が、僕が3年半くらいで、ガンフンとセヒョクは4年ほどになり、みんなで“ひとつになること”と、“完成度のあるものをかっこよく実現させること”にすごく時間を費やしたと思います。


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“Dragon Pony”として、デモ100曲からの楽曲制作

――具体的なエピソードをありがとうございます。さて日本初EPアルバム『Run to Run』のリリース、おめでとうございます!今作についてのコンセプトやテーマを教えてください。

セヒョク:3月に韓国でリリースしたEPアルバムも『RUN RUN RUN』だったのですが、そのアルバムの「走り続けよう」というメッセージを、日本のアルバムでも引き継ぎました。楽曲だけでなく、僕らのライブはとてもエネルギーがあふれているという意味合いも込めています。


ソンヒョン:韓国のデビューアルバムも、ロックをベースにした色んなスタイルを収録したのですが、日本デビュー作でも、僕らのエネルギーと様々な感情を全て詰め込みました。



[MV] 'Run to Win' | Dragon Pony (드래곤포니) Japan 1st EP [Run to Run]

――リード曲「Run to Win」は疾走感があって、力強い曲ですね。

セヒョク:はい、「Run to Win」は、アルバムのエネルギーを最も直接的に表現する曲です。4人のエネルギーを全て表現した楽曲です。


ガンフン:アルバム5曲の中で最もストレートで、最も親しみやすく届けることができるので、リード曲にしました。僕たちの演奏力が最も見せられて、メッセージも伝えやすい曲だと思いますね。


テギュ:歌詞的にも、確固たる覚悟や走り抜けていくという決意が、ポジティブな形でうまく込められていて、僕たちの日本デビュー曲にふさわしいと感じます。


――リード曲の他には、勇気をくれるロックナンバー「Stand Together」、軽やかな「One Light, One Time」、力強さのある「Break the Chain」、優しさあふれる韓国語の歌詞も織り込まれた「Look Back」と、多彩な4曲が収録されていますね。

テギュ:「Stand Together」は、“結束”を表すイメージが最も強い曲です。特に表現しようとしているのが、僕たちの持つストレートな一面で、僕らは一緒にいるべきだ、という思いを込めました。


ガンフン:「One Light, One Time」は、この瞬間を駆け抜けていく青春のワンシーンを切り取ったような、少しエモーショナルなサウンドがメインになっています。僕たちが韓国でやってきたサウンドと共通するテイストも感じられるかなと思います。


ソンヒョン:「Break the Chain」は、僕たちが練習生時代に書いたデモから発展させました。一生懸命走り続けているのに、挫折せざるを得ない要素って多いと思うんです。そういう要素に、打ち勝とうという気持ちで、団結して書きあげました。


セヒョク:「Look Back」はタイトル通り、見返りなく相手の背中を見つめながら愛を与え続けるという、愛についての歌です。こんな愛をうたう曲も必要だと思って書きました。



[MV] ‘아 마음대로 다 된다!’ | Dragon Pony (드래곤포니) EP [RUN RUN RUN]

――解説ありがとうございます。ところで作詞作曲のクレジットが、メンバー個人の名前ではなく、バンド名の“Dragon Pony”で記載されていますよね。どうやって楽曲づくりをされているのでしょうか?

セヒョク:クレジットがバンド名なのは、実際に皆で曲制作をしているということと、「Dragon Ponyとしての僕たちが、僕たちの音楽を作り出す」という意思を表しています。


ガンフン:実際の制作過程を話すと、デモが何曲か集まったとき“当番制”みたいなものがあるんです。このデモで進めてみようとなると、そのデモを作った人が責任を持って制作を引っ張っていくんですが、もし「頭打ちだ!」と行き詰ったりしたら、別のメンバーに進めてもらったりもします。


ソンヒョン:即興で演奏しながら全会一致で良いものが出てくれば、それを発展させたりもします。この作り方は、バンドの楽しさと熱を感じますね。


――基本は、各自たくさんデモを作っていて、それを一緒に聴きながら「この曲をブラッシュアップしよう」という感じで仕上げているんですね。

テギュ:そうですね、デモを聴きつつ意見を出し合いながらスケッチのように。


ガンフン:デモ曲の数でいうと、使えないのも含めると、4人で100曲くらいはあると思います。


――歌詞も、当番制の延長で作るのですか?

テギュ:浮かんでくるテーマがあれば、誰かが先に書き始めて、お互いで足していくスタイルですね。


ソンヒョン:「曲がこういう雰囲気だから、こんな内容はどう?」と気楽に話しながら、それもこれも書いてみようと、皆で肉付けしていく感じです。


テギュ:日本では、有名なプロデューサーの方々とご一緒しながらたくさん学べたので、本当に大切な時間となりました。


セヒョク:僕たち、他のプロデューサーの方と作業したのは今回が初めてで、しかも巨匠級のプロデューサーの方々で、本当に勉強になりました。しかも初めてのソングキャンプ(数日間、楽曲制作者たちが集まって集中的に制作すること)だったので、楽しい思い出もたくさんあります。


――ソングキャンプをされたんですね。実施は日本で?

ガンフン:はい、僕たちが日本にきて、日本のプロデューサーさんたちと一緒に作ったので、本当に学びが多かったです。


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「早いうちに“底値買い”を」――大規模フェス、ドーム公演の夢に向かって


――ところで、日本ではダンス系K-POPは有名ですが、韓国のバンドシーンについてあまり知られていません。現在の韓国バンドシーンのことや、その中でDragon Ponyの立ち位置などを知りたいです。

セヒョク:韓国は今、“バンドブームが来た”と言われています。バンドに興味の無かった人たちにも注目されている段階で、色んなバンドたちが知られ始めているという状況ですね。


――皆さん自身、“バンドブームが来ている”という実感はありますか?

セヒョク:フェスで僕たちを観に来る観客の数が、毎年増えているのを感じます。


――確かに、デビュー間もないのに韓国の主要フェスはほとんど出ていますし、海外のフェスもたくさん経験済みですよね。

ガンフン:ありがたいです。国ごとに観客の傾向が違うのが見えるのが、すごく面白いですね。皆さん本当に楽しんでくれているのが分かるので、これからも多様なステージに立ちたいです。


ソンヒョン:日本ではデビューしていなかったにも関わらず、イベント【Korea Spotlight 2025】に出演した時、大阪のステージがすごく盛り上がってくれたことが思い出です。


――最後に、日本での夢や目標をどうぞ。

ソンヒョン:「韓国から来たバンドが、こんなに上手くて、共感できる物語を語っているんだ」と日本の人たちに感じてもらいたいですし、僕らをきっかけに色んな韓国バンドに興味を持ってもらえると嬉しいです。そんな、韓国バンドシーンを広める存在の先頭に立って、引っ張っていきたいです。あと、韓国ではデビューしたばかりのうちにファンになることを、「底値買い」(日本語の青田買い)と言うのですが、早いうちに僕たちを“底値買い”してください!


テギュ:僕は日本のバンド市場にすごく影響を受けたと思います。 僕たちも日本に来てデビューするからには、僕らの影響力やメッセージを、たくさん伝えていきたいです。いつかドームやスタジアム公演もできたらいいですね!


ガンフン:僕はちょっと強めの夢を。サマーソニック やフジロックのヘッドライナーを務めることです!僕が憧れてきた海外フェスの一つなので、出演はもちろんですが、いつかは夢のステージの最高峰に立ちたいです。


セヒョク:僕は日本の音楽や映画をはじめ、本当に多くの日本文化を愛する1人として、日本で活動できることが心から嬉しいです。メンバーたちが言ったように、サマソニ やフジロックなどのフェスやドーム公演など、ずっと夢に見てきた瞬間の実現に向けて、幸せな道のりを歩みたいと思っています。


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