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<インタビュー>Da-iCE 初の対バンツアー、【INSIDE THE FIRST TAKE】――結成11年目のチャレンジと、それを越えて見据える「これから」

インタビューバナー

Interview & Text: 黒田隆憲 / Photo: 辰巳隆二

 7月23日の大阪城ホールを皮切りに、単独ツアー【Da-iCE ARENA TOUR 2022 -REVERSi-】を開催中の5人組男性アーティストDa-iCE。先だって無事に完走した初の対バンツアー【Da-iCE TWO MAN LIVE TOUR 2022 -REVERSi-】では、親交の深いバンドBLUE ENCOUNTや声優の内田雄馬、私立恵比寿中学など、多岐にわたるジャンルのアーティストとともに全国をまわり、先日開催された【INSIDE THE FIRST TAKE】では、今年2月にリリースした最新EP『REVERSi』の収録曲「Promise」を披露するなど、今まで以上に多忙な日々を送っている。8月には夏にぴったりの新曲も控えている彼らに、今年上半期の総括と、これからの展望について語ってもらった。

初の対バンツアーで得たもの

――今年4月からスタートした、初の対バンツアー【Da-iCE TWO MAN LIVE TOUR 2022 -REVERSi-】を終えての心境を改めてお聞かせください。

和田颯:まずは無事に完走できてよかったです。しかも今回はサポートバンドの皆さんと一緒に回ることができたので、すごく勉強になりました。生演奏の熱量、パワーって本当にすごいんだなと改めて思い知らされたというか。どのアーティストもみんな素晴らしかったのですが、僕はアニメが好きなので、声優の内田雄馬さんに名古屋公演でご一緒できて嬉しかったです。宮城では、アイドルの私立恵比寿中学さんが対バン相手だったことも新鮮でしたね。

岩岡徹:コロナ禍になって以降初めて行けた都市もあったので、それも嬉しかったです。バンドさんと一緒にまわれたことで、7月からのツアーに向けての準備も万端という感じでした。どの対バン相手もそれぞれの「色」があって、各会場によってお客さんの雰囲気も全然違ったのですが、仙台公演でご一緒させていただいたC&Kさんがめちゃめちゃ面白かったです。とにかく、どこへ行っても暖かく迎えてもらえたのは感動しましたね。行く先々で入るサウナも格別でした(笑)。

大野雄大:いろいろなジャンルの方と対バンをした、まるでオムニバスアルバムのようなツアーを回ったことで、インディーズ時代にたくさん対バンさせてもらってインプットしていた時のことを思い出しましたね。僕たちのお客さんも、いつもの僕らのライブにはなかったような組み合わせを楽しんでくれたみたいですし、対バン相手のファンの方たちも、僕らのSNSに感想を書き込んでくださって。そういうファンの「行き来」が生まれたのもよかったなと思っています。

工藤大輝:初日にブルエン(BLUE ENCOUNT)さんと対バンをさせていただいて、そこでグッと気合いが入ったのは大きかったですね。個人的に仲良くさせていただいているバンドだし、ライブも何度も遊びに行っているので、どんな機材を使ってどんな演出をされるのか分かっていたつもりだったのですが、いざ「対バン」という形で同じステージに立たせてもらうと、そのエネルギーの凄まじさに圧倒されました。そういう刺激が欲しくて今回の対バンツアーを企画したわけで、本当に勉強になったし、影響もたくさん受けたと思っています。

花村想太:徹くんも言っていたように、アリーナツアーに向けての「前哨戦」じゃないですが、サポートバンドを迎えて実際にステージに立てたことはとても有意義だったと思います。以前、バンドさんと一緒にステージに立った時に大声を出し過ぎてしまって、2週間近く声が出なかったことがあったんですけど、今回はそういう声の枯れ方も一切なかったし、常に喉のコンディションを一定に保つことができたのは大きな成長だったのかなと。対バンで印象に残ったのは、ファイナル公演でw-inds.さんが来てくださったこと。男性のダンス&コーラスグループとして最高峰のw-inds.さんを間近で見ることができて、ものすごく刺激になりました。


Photo: 辰巳隆二

バンドを連れてのアリーナツアー

――7月23日の大阪城ホールを皮切りに、単独ツアー【Da-iCE ARENA TOUR 2022 -REVERSi-】が始まりました。こちらの手応えは?

和田:対バンツアーでやってきたことをそのまま生かしつつも、会場が大きくなったことでやれることの自由度も上がったと思います。

岩岡:対バンツアーとは全く違う演出で、また全国をまわれることがとても楽しみですね。

大野:今は、これを終えた時に、次はドームツアーの扉が見えるところまでたどり着きたいという気持ちでいますね。このままモチベーションを持続させながら、いいライブを続けていきたいです。

工藤:サポートバンドを迎えてのワンマンは今回が初なので、これまでとは一味違うパフォーマンスを見せることができているんじゃないかと思っています。しかも他のグループにはない「持ち味」みたいなものを、各々が対バンツアーを通して見つけることができたはずなので、今回のツアーではそこを全面に押し出していきたいですね。

花村:アリーナという大きな会場を、フルキャパで回れることがとにかく嬉しいです。昨年は、キャパを半分にして昼と夜の2公演、しかも全く違うセットリストを組むというものすごくハードな経験をしたし、ファンクラブツアーではみんなとワイワイ楽しみながら地方をまわれたし、対バンツアーでは共演アーティストの方々からたくさんのパワーをもらって。そういう、コロナ禍で味わった経験を今回のツアーに全て注ぎ込んで、なおかつまた何か新しい要素を掴み取ることができたらいいなと思っています。




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Photo: 辰巳隆二

【INSIDE THE FIRST TAKE】が決まったとき、第一声は「うわー、どうしよう!」でした(笑)

――さて、先日開催された【INSIDE THE FIRST TAKE】では、今年2月にリリースした最新EP『REVERSi』の収録曲「Promise」を披露していました。『THE FIRST TAKE』への出演は、昨年4月に公開された「CITRUS」に続いて2度目となったわけですが、決まったときの心境を聞かせてもらえますか?

大野:正直なところ、第一声は「うわー、どうしよう!」でした(笑)。ものすごくありがたいお話ではありますし、前回『THE FIRST TAKE』で「CITRUS」を歌わせてもらえたことは、あの曲をより多くの人に知ってもらえる大きな機会になったのは間違いなくて。でも失敗した時のリスクがかなり大きいことは、僕なりに重々承知していましたから。アーティストとしては、とてもチャレンジングだしやりがいも感じられるオファーですけど、あの緊張感をもう一度味わうことになるのかと思うと、若干憂鬱な気持ちでしたね(笑)。

花村:オファーを受けた段階では、雄大くんと同じく「またか……」という気持ちでした(笑)。でもこれが大きなチャンスだということも当然理解していましたし、『THE FIRST TAKE』で「CITRUS」を歌ったことによって、これまで見たことのないような景色を見ることができたんです。公式YouTubeにアップした「CITRUS」のリリックビデオも、これまで見たことがない数の「いいね」を押してもらいましたし。とにかくこの大きな舞台に立つことができた、そのチャンスを与えてもらえたことへの感謝の気持ちでいっぱいです。


――【INSIDE THE FIRST TAKE】は、『THE FIRST TAKE』と違って有観客ライブというところが大きな特徴です。

花村:正直「どうなるんだろう……?」という不安もあったのですが、お客さんも僕らと同じ心境というか、一緒に緊張しながらその場にいてくれたので、ある意味一体感を味わうことができました。その感覚ってものすごく中毒性があるんですけど、もう二度と出たくはないです(笑)。

大野:中毒性があるのに「出たくない」ってどういう状態?(笑)

花村:あははは。もうちょっと自分の歌がうまければいいのに……って思いましたね。ものすごくリスクが高いんですよ。(自分は)自分自身のコンディションによって、出来が全然違ってくるんです。同じ歌を安定したクオリティで歌えるタイプのシンガーじゃないんですよね。めちゃくちゃ調子がいい時もあるし、うまく歌えなくてヘコむ時もあるので。


――どのくらい準備をするものなんですか?

花村:「CITRUS」のときは本番の3日前からオフをもらったので、3日かけて喉を作っていけたんですよ。おかげで完璧なコンディションで挑むことができたのですが、今回は直前までライブがあって、オフはたった1日だけで【INSIDE THE FIRST TAKE】の本番を迎えたので……。しかも「Promise」はかなり手強い楽曲なので不安要素も大きかったです。とにかく心を込めて歌うしかないと、僕も雄大くんも思っていました。

大野:いやあ、緊張したな。曲も長いんですよ。7分弱くらいあるし、その間ずっと気が抜けないので。


――和田さん、岩岡さん、工藤さんもリアルタイムでご覧になっていましたか?

和田:はい。僕ら3人はステージの袖で見ていました。あれ、お客さんも気が抜けないというか、息をするタイミングも分からなくなっちゃうんじゃないかな(笑)。そのくらい張り詰めた空気の中で歌っているのはすごいなと、改めてふたりに対してリスペクトの気持ちが湧きましたね。

――この曲の歌詞は花村さんが担当されたそうですが、特にこだわったのは?

花村:曲を作っている時に、雄大くんがステージの真ん中でスポットを浴びていて、その周りをメンバーが囲んでいるイメージが頭の中に浮かんできたんです。メンバーは背を向けていて、雄大くんがそれを眺めながら歌うという景色が合いそうな曲だなと思って。普通だったらサビ半分で歌が切り替わるんですけど、それでステージ上での立ち位置が変わったり、ごちゃごちゃとフォーメーションが変化したりするのは嫌だったので、雄大くんにひとりで歌ってもらうという、わりと特殊な歌割にしました。

大野:やっぱりそうだよね。歌ってて、「なんかいつもより歌う部分が多いな」とは思ってたんだよ(笑)。

花村:そう。ラスサビは僕がひとりで歌うパターンも考えたんだけど、でもやっぱり最後はふたりで分けたいなと思ったので。「雄大くん、ごめん」と思いつつこうなりました(笑)。



INSIDE THE FIRST TAKE「Promise」 / Da-iCE

ニューシングル、そしてこれからの展望

――8月22日にはニューシングル『イマ』がリリースされます。リードトラックの「スターマイン」はエキゾチックな雰囲気で夏にぴったりの楽曲だと思いました。

工藤:僕ら、曲を決めるときは、作家さんからもらったデモも含めて試聴会をするんですけど、その前に「次のシングルは夏っぽい曲で」というテーマをもらっていたので、Da-iCEが今までやったことのないような「僕が思う夏の曲」を作りました。


――もう一曲は、「マイガール」。こちらは爽やかな曲調です。

花村:「CITRUS」が出る前に、ドラマの主題歌としてたくさんの人に聴いてもらった「わるぐち」「一生のお願い」という曲があるんですけど、そういう少しあったかくてほっこりするタイプの楽曲をそろそろもう一度出したいなと思って、コンペの中に入れました。これがシングルに選ばれることはないだろうと思っていたのでびっくりしています(笑)。みんながこの曲に僕が注いだ思いを汲み取ってくれて、「いい曲だね」と言ってくださったので「作ってよかった」と思いました。


――では最後に、今後のDa-iCEの展望についてお聞かせください。

和田:まずは、絶賛開催中のツアーを怪我しないよう無事に完走したいです。

岩岡:僕も、まずは目の前のことをしっかりやり切りたいと思っています。

大野:いつも年初めに「今年は勝負の年」みたいなことを言ってますが(笑)、まさに今年は勝負の年だと思っているので、アリーナツアーを一つひとつ大事にやって、ひとりでも多くの方の心を掴みながら次につなげていきたいです。

工藤:アリーナツアーが秋口に終わった時には、年末の諸々が見えてくるといいなと。年末までバタバタしていたいですね(笑)。

花村:アリーナツアーが終わって年末までにここの仕事が入ってきたり、人によってはソロツアーがあったりするかもしれない。僕はミュージカルをやりますし、ドラマとかそういうところに出てくる人もいそうですけど、そういうところで新しい何かを得て、また年末に5人で集まった時に、各々が一回りも二回りも大きくレベルアップしていたらいいなと。その状態で来年を迎えられたらいいなと思っています。



Photo: 辰巳隆二

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