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<対談インタビュー>狐火がモンスターグリルとコラボ、イメージキャラクター・OZOOに感情移入して完成させた新曲「モンスターグリル feat. パークマンサー(軟式globe)」とは



 アメリカンテイストの店内でワインと一緒にステーキやハンバーグを気軽に楽しめる、ダイナースタイルのレストラン「モンスターグリル」。今回、様々なアーティストとコラボ楽曲のリリースやWeb漫画の発売をしていく企画がスタートした。その第一弾アーティストであるラッパー・狐火と「モンスターグリル」を経営している株式会社レヴェラ取締役の吉盛俊兵に話を伺った。

モンスターグリルのイメージキャラクター・OZOOをコミカライズ その背景には

――まず、モンスターグリルというお店について教えていただけますか?

吉盛俊兵:弊社はステーキとハンバーグの提供を中心にした飲食店で、五反田の第一号店を皮切りに、全国9店舗を展開しています。看板やWEBなどに載っている「OZOO」という緑のキャラクターでも知っていただいています。

――OZOOというキャラクターが生まれたキッカケは?

吉盛:お店を立ち上げたときに、ビジュアル的にもインパクトを出したいと思って、それにはキャラクターが必要だと思ったんですね。またお店のコンセプトとして「五感をビビらせるヒーローめし」というコンセプトがありまして、ガッツリ系のご飯を出すお店でもあるので、力強くパワーを感じるイメージと、僕の写真を元にデザイナーの方に作って頂いたのが、OZOOというキャラクターでした。

――「五感をビビらせるヒーローめし」というコンセプトはどうやって生まれたのでしょうか?

吉盛:弊社の売りとして、ボリューミーで食べごたえのある料理自体に加えて、鉄板で焼きたてを提供することで生まれるシズル感であったり、香り、柔らかさなどによって、味覚だけではなく五感すべてを刺激しようという思いから、このブランドコンセプトが生まれました。店構えに関しても、お店に入っただけでもお客様にワクワして頂きたいと思っていて。その流れの上で、モンスターグリルの料理を食べることでパワーアップして、OZOOというヒーローが生まれるというのが、今回のコミックスのテーマにもなっています。

――コミカライズはこれまでにもされていたんでしょうか?

吉盛:本格的にマンガとして構成するのは今回が初めてですね。もともと、一号店のグランドメニューのメニュー表がアメコミ調だったんですよね。且つ、そのメニューの最後には「To Be Continued」と書いてあったので、今回やっとその続きが生まれたと(笑)。それに、OZOOというインパクトの強いキャラクターの認知度も上がってきたので、更にこのキャラクターに認知を広める、そしてあわよくばアメリカ進出も考えたときに何ができるかを検討したときに、いろんなプロジェクトが立ち上がって、その中の一つにコミカライズがあったんです。 そして弊社のプロモーションに関わってくれているプロデューサーから、OZOOがラップをするというこのコミックスのコンセプトと共に、狐火さんを紹介して頂いて、今回のプロジェクトが形になっていきました。

▲吉盛俊兵

僕自身当てはめる部分もあったり、感情移入できる部分が大きかったですね(狐火)

――では狐火さんはこのお話を受けた時の感触は?

狐火:嬉しかったですね。ただ僕の名前は日本の妖怪を元にしてるので、アメコミのヒーロー的なOZOOとは真逆な部分があるので大丈夫かなと(笑)。それは冗談ですが、チャレンジとしては非常に面白そうだというの、お話を頂いた時にすぐ思いましたね。

――狐火さんの作品は、自分自身について書かれることが中心になっていると思いますが、「キャラクターとしてのラップを書く」というのは、それとは180度違う手法とも言えますね。

狐火:そうですね。今回のコミックスは各話ごとに主人公が違っていて、そのキャラクターのバックグラウンドを考慮して、OZOOのラップパートを書くというのが僕の役割だったんですが、それはすごく新鮮だったし、ストーリーに沿ってリリックを書くという作業はすごく面白かったです。それに、今回OZOOに変身するキャラクターは、いまの生活にフラストレーションを感じていたり、現実と折り合いがつかない人たちが中心になっているので、僕自身をそこに当てはめる部分もあったり、感情移入できる部分が大きかったですね。コミックスには僕も登場させて頂いて、それもすごく感慨深かったですね。

――とはいえ、登場したと思ったら入院しているという。

狐火:そうなんですよ!「え、結構ちゃんと入院してる!?」って、読んだときは驚きました(笑)。でも、それも含めて楽しかったですね。

▲狐火

客演にパークマンサーを迎えた新曲「モンスターグリル feat. パークマンサー(軟式globe)」について

――作品のアプローチとして、歌ではなくラップというアートフォームを選んだ理由は?

吉盛:プロデューサーから提案を頂いてというのもありますが、僕自身がラップのリスナーでもあって。僕は福岡の雑餉隈という、武田鉄矢さんと同じ街の出身なんですが、いまは浄化されましたが、昔は風俗と飲み屋が混在する雑多な街だったんですね。そういう場所で育ったからか、ブームだったからかは分からないんですが、中学の時からクラブに通ったり、ラップやDJを始めるような友達も多くて。僕自身も中高で【さんピンCAMP】のVHSを買ったり、親富孝通りにあるクラブのヒップホップのイベントで遊んでたりしていたタイプだったんですね。僕は飲食に向かったんですが、どちらも学歴じゃなくて自分の才覚で進んでいけるのは共通してると思います。それで今回、ラップという提案を頂いて「それはぜひ」と。

――認識的にも話が早かったと。

吉盛:そうですね。それに、お話を頂く前から狐火さんの作品は聴いていたし、すごく好きなラッパーだったんですね。このお話が進み始めたときも、ちょうどTAK-Z狐火「傷と光 feat.狐火」がリリースされた直後で、その曲を聴いていたときにこの話が生まれたので、これもめぐり合わせだなと感じて。

――ちなみに、 狐火さんはモンスターグリルのことは知ってましたか?

狐火:存じ上げていました。グループ会社の「博多満月」にはよく飲みに行ってるし、恵比寿にはモンスターグリルと博多満月が一緒に入ってるビルがあるんですよね。それで恵比寿でライブがあったとき、昼はモンスターグリルさんでご飯を食べて、ライブして、打ち上げで博多満月という日もありました(笑)。

吉盛:恵比寿店はライブ帰りのお客さんとかアーティストがよく来てくれるんですよね。

狐火:そのときは普通にお客さんとしてだったんですが、このプロジェクトの依頼を頂いてから、ちゃんとリサーチも兼ねて、神妙な面持ちで食べにも行きました(笑)。おかげでいいリリックが書けたと思います。

――なるほど。では「モンスターグリル feat. パークマンサー(軟式globe)」を完成させての手応えは?

狐火:コミックのコンセプトに沿って作った曲なので、自分ではないけれども、それでも自分らしい曲を作りたいなと。今回のトラックはSNSで呼びかけて、そこに応募があった中からコンセプトや内容に一番フィットする曲を選ばせていただきました。僕がソロとして普段作ってる曲はすごく暗いんですが(笑)、今回の楽曲はモンスターグリルさんの店内で流れても違和感がないぐらいのテンションに持っていきたいというのはありましたね。だから自分の中でも明るめの曲になったと思うし、客演で参加して頂いたパークマンサーさんとのコラボも含めて、自分の中でもすごく手応えのある曲になりました。

――客演にパークマンサーを迎えた理由は?

狐火:パークマンサーさんはTBSで放送していた『学校へ行こう』の企画「B-RAPハイスクール」に「軟式globe」として出演されていましたが、僕も「B-RAPハイスクール」には出演させて頂いたことがあって。今はパークマンサーさんは富山で農業をしながらインフルエンサー/パフォーマーとして活躍されていますが、今回はそういったつながりや、楽曲にもう一味スパイスを加えたいと思ったときに、パークマンサーさんがアイディアとして浮かんだんですね。それで今まで直接お会いは出来てなかったんですが、今回コンタクトを取ったら、快諾していただいて。実際、参加して頂いたら自分ひとりで作るよりも完成度がすごく上がった感触があったので、お声がけして本当に良かったなと。

――今回のコミックスには様々なキャラクターが登場しますが、その中でも印象に残ったキャラクターは?

狐火:温水洋一さんが急に出てきたのは驚きましたね(笑)。

吉盛:ちゃんと契約もしております(笑)。

狐火:1~4話で登場するのは架空のキャラクターだったんですが、5話で温水洋一さんが温水さんとして登場して(笑)。僕も温水さんの気持ちとしてリリックを書くというのは、人生では初めての経験で(笑)。

――温水さんも自分についてラップを書かれるというのは初めての経験だったのではないでしょうか(笑)。

狐火:やはりキャラクターではなくて実在の人物だったので、失礼に当たらないような内容にしなくては、と。でも「熱湯でも冷水でもなく温水」っていうフレーズは、自分でもいいリリックが書けたなと手応えがありましたね。温水さんにはぜひ使って頂きたいです(笑)。

――では完成した作品を聴かれてのご感想は?

吉盛:感慨深いものがありましたね。自分たちが作った、お店の看板ともいえるキャラクターがコミックになり、ラップになりというのは、すごく感動的で。楽曲がとにかく格好いいので、これを更に広めていきたいという気持ちも強く生まれましたね。

狐火:僕自身、キャラクターの目線でリリックを作ったり、ラップをするっていうのは初めての試みだったし、お店で曲が流れることを想定して楽曲制作をしたり、パークマンサーさんとのコラボだったり、今までにないアプローチばかりだったので、すごく新鮮で、手応えも大きいですね。去年はコロナ禍で家にいることが多くて、気が晴れることもあまり多くは無かったんですが、その中でも一番楽しい経験をさせていただけたと思いますね。

――なるほど。では狐火さんのソロアーティストとしての今後の動きは?

狐火:毎年、年に1枚ずつアルバム出してるんですが、今年も22枚目のアルバムを出す予定です。去年はコロナ禍の中で苦境に立っているライブハウスに少しでも役に立てるように、ギャラも交通費も頂かない「ノーギャラライブツアー」を敢行したんですが、今年もそれが出来ればなと。それからモンスターグリルさんの店内でもライブがやってみたいですね!

吉盛:ぜひぜひ!お待ちしてます(笑)。

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