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FM802 2018年5月のヘビーローテーション Saucy DogをDJ 大抜卓人がインタビュー



Saucy Dog インタビュー

 FM802ではリスナーにプッシュしたい楽曲をヘビーローテーション(通称:ヘビロ)と位置付け、開局以来、約30年の長きに渡り、毎月数あるグッドミュージックのなかから選び抜きオンエアしている。そしてこの5月、見事ヘビロを勝ち取ったのが今注目の3ピース・Saucy Dogの「真夏の月」だ!
 そこで、同曲を収めた2ndミニアルバム『サラダデイズ』を5/23にリリースしたばかりの彼らに、FM802のDJ・大抜卓人が話を聞いた。

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専門学校でギターコースなのに自分のギターを持ってなくて
友達に借りるっていう…ヤバ過ぎる(笑)
by 石原慎也(Vo/Gt)

--ヘビーローテ-ション決定、おめでとうございます。決まったのはどこで聞かれたんですか?

石原慎也(Vo/Gt):グループLINEで知りました。やったー!って(笑)。

--ヘビーローテ-ションの存在は知っていました?

3人:はい。

--ま、以前から番組に出たりFM802とはいろんな交流がありましたもんね。

石原慎也(Vo/Gt):あと、(FM802・DJの飯室)大吾さんとはずっと仲良くさせてもらってます。

--そうやんね。さて、ルーツを教えてほしいんですけど、石原さんは最初ギタリストを目指していたんですよね?

石原慎也(Vo/Gt)):そうなんです。高校の時はコピーバンドとかでギターを弾いてて、専門学校にもギターコースで入ったんですけど、どうしても下手だぞ!ってなって……(笑)。

--どんな練習をするの?

石原慎也(Vo/Gt):変わった先生で、ブルースとかを"トゥトゥトゥトゥ"って弾いて、これ弾いて!……みたいな。これが厳しいなってなって、歌も好きだったんでボーカルコースになりました。

秋澤 和貴(Ba):専門学校が一緒なんです。その時は(石原と)しゃべってなかったんですけど、セッションの授業みたいなのがあって、(石原が)ニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」を弾いてたけど、全然弾けてなくて笑いながら半べそになって……。

石原慎也(Vo/Gt):よう覚えてんな(笑)!

秋澤 和貴(Ba):めちゃ記憶に残ってます。だいたいギターをいつも持ってなかったですもん。

石原慎也(Vo/Gt):確かに。ギターコースなのに自分のギターを持ってなくて友達に借りるっていう……ヤバ過ぎる(笑)。ギターは下手だけど、自分が目立たないと!って思ってたんです。自分が人前に立ってやることを自分の中に植えつけないと!って。

秋澤 和貴(Ba):目立ってたやんね。

石原慎也(Vo/Gt):友達は多かったね。

秋澤 和貴(Ba):"しんちゃん、しんちゃん"ってみんなに呼ばれて、コミュニケーション能力が高い人かなって思ってた。

--人をひきつけるタイプ。フロントマンとしての輝きが昔からあったんやね。

秋澤 和貴(Ba):そう思います。

--秋澤君はもともと野球をやってたんですよね。

秋澤 和貴(Ba):小中と野球をやって、本当は高校でも野球をやろうと思って練習に行ってたんですけど、体育の持久走の授業でショートカットしたら、それが野球部の先生に見つかって、お前は野球部にいらん!って言われて野球をする気がなくなり……。

--もう野球はやれへんぞと。

石原慎也(Vo/Gt):よっしゃ!って思ったでしょ(笑)?

秋澤 和貴(Ba):先生的には、謝りに来い!って感じやったんやけど、それも行かず(笑)。その先生とは、その後ひと言もしゃべってないです。

せと ゆいか(Dr/Cho):尖ってる(笑)。

--秋澤さんは、ご両親が音楽を聴いてはったんですか?

秋澤 和貴(Ba):そうですね。幼稚園ぐらいからずっと車で流していて、僕自身もあまり記憶がないんですけど、エアロスミスとかのCDやビデオをねだって買ってもらってたみたいです。

--で、なんでいろいろ楽器あるなかでベースやったんですか?

秋澤 和貴(Ba):ギターも練習したんですけど、弦が多いっていうのプラス、練習した曲がオアシスでちょっとキーが高くて、ちゃんとチューニングしてもなんか音が粗くて。で、ギター諦めてベースを……。

--それで今に至るわけですね。せとちゃんは、ドラムはやってみたらそっからすぐできたんですよね。

せと ゆいか(Dr/Cho):高校生の時、クラスで仲よかった男子が軽音部でドラムを叩いてて、それ見て楽しそうやなって思って、どうやんの?って動き方だけ教えてもらったんですよ。で、実際にそれで叩かせてもらったら、パッてできたっていう……。

--最初、女の子とかで集まってバンドとかやってた?

せと ゆいか(Dr/Cho):やってなくて、私は中学の時からソフトテニスをしてて高校でもテニス部に入ってたんで、大学は絶対、軽音部に入ろうって決めてました。

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  1. ちゃんと働くのか、バンドを続けるのか、どうしようかな?って
    すごい悩んで…。
    by せと ゆいか(Dr/Cho)
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ちゃんと働くのか、バンドを続けるのか、どうしようかな?って
すごい悩んで…。
by せと ゆいか(Dr/Cho)

--3人は学校で出会ったの?

秋澤 和貴(Ba):このメンバーに正式に誘ってもらう前、本人(石原)は覚えてないと思うんですけど、僕がやっていた前のバンドのドラムと僕は、"やろうや"みたいなことを一回言ったことがあるんです。覚えてる?

石原慎也(Vo/Gt):覚えてる。

--お互い気になる存在だったんですね。

石原慎也(Vo/Gt):ライブとか学校でしてたやん。ひと際ベースが(ほかと)違ってて、その時めちゃくちゃいいなって……。俺にないものを持ってるから。

--せとちゃんはどういう風に一緒に?

石原慎也(Vo/Gt):前のメンバーの時によく対バンしてて、で、その対バンしてたバンドが解散して、僕らの(ドラマーの)脱退が重なって誘わせてもらったという。

--新しいストーリーが始まる時は不安ではなかった?

せと ゆいか(Dr/Cho):不安でした。その頃バンドは働きながらやってて、ちゃんと働くのか、バンドを続けるのか、どうしようかな?ってすごい悩んで……。そういう面でも怖かったです。

--何が決め手に?

せと ゆいか(Dr/Cho):単純にドラムも音楽もバンドも好きでやめれへんという気持ちと、バンド続けるなら絶対にサウシー(Saucy Dog)がいいなっていう。

--なんで?

せと ゆいか(Dr/Cho):しんちゃんの歌も声も作る曲も好きやったっていうのが大きい。自分がバンド続けていくなかで可能性があるというか。

--当時、曲は前のベースの方も作ってはった?

石原慎也(Vo/Gt):そのメンバーがほとんど作ってました。

せと ゆいか(Dr/Cho):この曲とこの曲が好きやわって言ったら、その2曲共に"俺(石原)が作ったやつやわ"ってなって、この人と音楽の感性が合うんやなと。

--そしてツアー生活が待ってたわけですよね。年間何本?

石原慎也(Vo/Gt):58本。

せと ゆいか(Dr/Cho):1回目のツアーはそんなに多くなかったんですけど、2回目は3か月で、各月10本10本10本ぐらいで回って……。気づいたら慣れてしまった。

--バンドらしい生活はどう?

秋澤 和貴(Ba):考える余裕がなかった。演奏の部分で煮詰まることもあったし金銭的な余裕もなくて。いつまでこれが続くんやろう?って思ってました。

--炊飯器持って移動して、ツアーで使うのは月2万円やったっけ?

石原慎也(Vo/Gt):そうです。

秋澤 和貴(Ba):でもオーバーしてた。

石原慎也(Vo/Gt):和貴はね(笑)。

--ブッキングはどうしてたの?

石原慎也(Vo/Gt):全部自分でやってました。(ライブハウスに)電話して音源を送らしてもらって決めていく感じです。

--なんで心折れずにやって来れたのかな?

せと ゆいか(Dr/Cho):それこそタイミング。ツアーが決まっていて、そこまではやり抜こう!っていう気持ちでやっていて、その後に今の事務所のオーディションがあって、それもがむしゃらにいいライブをしよう!と……。そこでグランプリをもらえて気持ち的に報われたというか、頑張ってきたのは意味あったんやなって思いました。

秋澤 和貴(Ba):いつまで続くかわからん不安がオーディションをきっかけに……(なくなった)。

せと ゆいか(Dr/Cho):前向きになれた。

石原慎也(Vo/Gt):でも俺ツアー中、大変だって思ったことない。

--そういう人が一人いてよかったわ。

秋澤 和貴(Ba):でも、もう一回あの行程やれって言われても無理やな(笑)。

せと ゆいか(Dr/Cho):ツアー巡りながらのバイトがしんどかった。

--今は良い状況だなって感じ?

石原慎也(Vo/Gt):生活は変わったよね。バイトとかする時間が、今は曲作りとかスタジオに入る時間になる。

せと ゆいか(Dr/Cho):落ち着いてバンドの先輩とかに会う時間もできました。

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  1. どんなジャンルの音楽をやってもその人たちの音楽になるバンドが好きなんで
    そういうバンドになりたい。
    by 秋澤 和貴(Ba)
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どんなジャンルの音楽をやってもその人たちの音楽になるバンドが好きなんで
そういうバンドになりたい。
by 秋澤 和貴(Ba)

--ヘビーローテーションの曲「真昼の月」もスタジオにしっかり入って作ったって感じですか?

石原慎也(Vo/Gt):サビとコード進行だけ持って行ってバンドで合わせてみて、構成を決めて……って。



▲ Saucy Dog「真昼の月」MV

--ベースはそこで味付けするのが担当なんじゃないですか?

秋澤 和貴(Ba):この曲はベースライン作るのが難しかったですね。

--リズムもこの曲大事やんね、味付け。

せと ゆいか(Dr/Cho):疾走感を大事にしたかもしれないです。

--疾走感もあるし、核にあるのは歌メロ(歌詞とメロディ)やんなこれ。

石原慎也(Vo/Gt):そうですね。ずっと歌詞とメロディにはこだわっていきたいですね。メロディに合ってない歌詞が好きじゃないんです。

--いつも言葉のこと考えてます?

石原慎也(Vo/Gt):基本、おもしろいなと思った言葉はメモしたりしてます。

--昔はラブソングが多かったけど、ニューミニアルバムはすごく自分と向き合ってる気がする。どう?

石原慎也(Vo/Gt):今の自分の状況とかが(歌詞に)出ちゃうんです。今、自分たちが一番頑張らなきゃいけない時だと思ってるんで、そういう気持ちを書きました。

--今後どんなバンドになりたいとかありますか?どこでやってみたいとか。

せと ゆいか(Dr/Cho):武道館を目指して……とかはあまりなくて。今自分たちの手がギリギリ届くか届かないところを常に見ときたいです。

--地に足ついてるわ。

石原慎也(Vo/Gt):しっかりしてはる。

秋澤 和貴(Ba):今思い浮かんだのは、どんなジャンルの音楽をやってもその人たちの音楽になるバンドが好きなんで、そういうバンドになりたいなって。

石原慎也(Vo/Gt):大きい場所で歌いたいとか、そういうのにはこだわりはないですけど、大切な人と一緒に行けるんやったら、大切な人にそれ(大会場の景色)を見せてあげたいとは思います。お母さんに"ここまで頑張ってきたよ"ってチケットを渡すみたいな。そういうのもしたいんで、アリーナツアーをソールドアウトしたいっすね。

--いいですね。

石原慎也(Vo/Gt):そしてもっと大きな夢は、ウッドストック(フェスティバル)へ行きたい。世界最大規模のフェスへ。

--楽しんではるね。ビッグなって"もうインタビューしません"とかやめてな(笑)。さて、過去のヘビーローテーションで気になる曲は?(過去のヘビーローテーションリストを提示)

せと ゆいか(Dr/Cho):Ivy to Fraudulent Game。仲良しなんです。

石原慎也(Vo/Gt):自分が生まれた月の曲、見てもいいですか? 1994年3月……斉藤和義「君の顔が好きだ」や!

せと ゆいか(Dr/Cho):あ、「君がいた夏」。

--Mr.Children、好きなんやね。

せと ゆいか(Dr/Cho):兄がファンで、私も好きになって最近母親も……。この前も母親とライブに行きました。

--洋楽は?

秋澤 和貴(Ba):ジャミロクワイとかフィアーズオブティアーズとか……。

石原慎也(Vo/Gt):あ、sumika、Mrs. GREEN APPLE。

せと ゆいか(Dr/Cho):ゆずの「夏色」も……。

(気になるヘビーローテーションの曲名が次々あがる)

--でもやっぱりメロディのしっかりした歌心のあるバンドが好きなんやな。ありがとう!

3人:ありがとうございました!



▲ Saucy Dog「コンタクトケース」MV
2018.05.23 Release 2nd mini ALBUM『サラダデイズ』収録曲


Saucy Dog「サラダデイズ」

サラダデイズ

2018/05/23 RELEASE
MASHA-1006 ¥ 1,834(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.真昼の月
  2. 02.あとの話
  3. 03.曇りのち
  4. 04.コンタクトケース
  5. 05.メトロノウム
  6. 06.世界の果て
  7. 07.バンドワゴンに乗って

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