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大塚 愛『私』インタビュー



大塚 愛 『私』 インタビュー

 いろんなことに気付いて「自分は表に立つべき人間でもない」と思って……「もう辞める!」みたいな(笑)。切実な状況を爆笑トークでお届けする新感覚インタビュー。

 大塚 愛、大きな分岐点に新しいスタンダードソングとも成り得る、フジテレビ系ドラマ木曜劇場『嫌われる勇気』主題歌「私」をシングルリリース。今回のインタビューでは、今作についてはもちろん、歌手から転職しようとまで思ったという出来事~かつて「欲しい食材を揃えて、最後にでっかい料理を出す!」と語っていたシナリオ実現の危機~果たして大塚 愛はどんな未来へ進んでいくのだろうか……という、どう考えても切実な状況を何故か爆笑トークでお届けする新感覚インタビューとなっている。

ずっと20代前半ではいられないし、サイボーグみたいに生まれてない

--こうしてインタビューさせて頂くのは、昨年、安藤裕子さんとの対談(http://bit.ly/28McIL8)はありましたが、単独では2015年春(http://bit.ly/1DgPYvD)以来。なので、新作『私』の前にその間のストーリーを遡りたいのですが……

大塚 愛:何してたんですか?

--え、僕ですか?

大塚 愛:フハハハハ!

--僕の話はいいんですよ(笑)。2015年は満を持してエレクトロ基調のアルバム『LOVE TRiCKY』を発表し、新たなフェーズへの突入を示した1年になりましたが、あそこからまたひとつ始まった感は実際に感じていますか?

大塚 愛 ai otsuka / 『LOVE TRiCKY』MUSIC CLIPS
大塚 愛 ai otsuka / 『LOVE TRiCKY』MUSIC CLIPS

大塚 愛:何やっていたんですか?

--話が進まないから(笑)。

大塚 愛:2015年の記憶が本当にないんですよ。ただ……『LOVE TRiCKY』の前からその次の8枚目のアルバムを見据えていたので、そこに向かっての雰囲気は作り出している感じだった……って勝手に言っておきます。本当に忘れちゃってるんですけど、おそらくそうだった(笑)。

--あのアルバムを携えたツアー(http://bit.ly/1n1z1E1)は、既存曲もすべてエレクトロにリアレンジされていましたけど、そうなると当然ながら「オリジナルに忠実なアレンジで聴きたい」という人も出てくる訳じゃないですか。そこに「こういう音楽の楽しみ方もあるんだ」とアプローチしていくのはどんな感覚だったんですか?

大塚 愛:この前も討論していたんですけど、私も「オリジナルが良いよ」って思う派なんです。でもそれって曲に寄ると思うんです。私の楽曲の中には、大人になっても歌える曲もありますけど、若いから歌える年齢制限を持った曲もあって。それをオリジナルのままで歌うというのは、この年齢になって「セーラー服着て歌いなさいよ」って言われているようなものなんですよ。BBAが「セーラー服を着て歌え」と言われ、それで歌ったら歌ったで「イタいおばさん……」ってなるじゃないですか。もちろんお世話になった曲だし、皆さんとの繋がりを作ってくれた大事な曲でもあるし、それを聴きに来てる人がいるのも分かるから、そういう曲をセットリストに入れたいとは思うんですけど、さすがにBBAがセーラー服を着て歌うのは「何のため?」っていうのもあって、「洋服だけは着替えさせて!」みたいな。そういうところです。

--そこの調整やバランスって物凄く難しいですよね。

大塚 愛:そうですね。オシャレじゃない人にオシャレを提案したって「え?」ってなるじゃないですか。そんな感じで、最終的には好みの話になってくるんで「そっちのほうが良いよね」っていう人もいれば「いや、あっちのほうがいい」っていう人も出てくる。そうやってバラけるのは当然だと思うので。もうあとは「でも今の大塚 愛には合ってる」というほうを私は選ぶしかない。だって、ずっと20代前半ではいられないし、そんなサイボーグみたいに生まれてない。

--あと、当時のインタビュー(http://bit.ly/1DgPYvD)でも言ってましたもんね。もう好きにやらせてもらうって。「「何やってもそんなに売れないんだし、まぁいっか」みたいな」とか「「ダメだったら、別の仕事探そー」みたいな」とか……あのインタビュー、反響凄かったんですよ。問題発言多すぎて。

大塚 愛:(笑)

--でも誰かのイメージに寄り添うことは完全にやめましたよね。

大塚 愛:昔はなんとなく“大衆”って見えてたんです。でも今やテレビでさえバラつきが凄くて、みんなが何を観ているのか分からない。いろんなテレビがあって、ネットテレビもあって、BSとかCSとかもあって、そういうものでさえいろいろ分かれてしまっている。「どこが大衆なんですか? 大衆ってどこにあるんですか?」と私は今思ってるんですよ。そんな見えない大衆を狙ったって……というか、私は大衆が見えていないので、そこに向けて書けないんですよね。だからそれを頑張ったってしょうがないというか、求められても困る。それだけです。

--続いて、2016年の話も伺わせてください。まず自分の中で2016年はどんな1年になったという印象ですか?

大塚 愛:何してたんですか?

--えっと……って何回やるんですか? このパターン。

大塚 愛:何してたかなぁ(笑)。基本的に制作ですかね? 次のアルバムの制作に取り掛かっていたから、曲を立ち上げてアレンジまでしていて……だから本当は去年アルバムを発売する予定だったんですよね。それがズレてズレて。

大塚 愛『私』インタビュー

--その原因は?

大塚 愛:なんでだろう? 私が「出さない」って言ったから?

--いや、知らないですけど(笑)。

スタッフ:いろんな事情が重なったんです。

大塚 愛:なんかズレてました。

--でも制作以外にもいろいろやってましたよね?

大塚 愛:やってたんですか?

--大塚さんがね(笑)。2007年リリースのベストアルバム『愛 am BEST』と、自身のラブソングを集めた2009年リリースのベストアルバム『LOVE is BEST』。この2つのベストアルバムをハイレゾ配信するべく全曲リマスタリング監修。これを自ら手掛けようと思ったのは?

mora Youtube 大塚愛 コメント 「愛 am BEST」「LOVE is BEST」ハイレゾ配信
mora Youtube 大塚愛 コメント 「愛 am BEST」「LOVE is BEST」ハイレゾ配信

大塚 愛:あー! そんなこともありましたね。あれは「やるよ」って言われて「え、なんで?」って言って「え、音が良いからだよ」って言われて「どんな音?」って聴きに行ったら良い音だったのでやることになりました(笑)。どうせやるなら「もうちょっとここ伸ばしてくださいよ」とか、そういう感じの作業でした。

--新作『私』のアートワークも自分で撮影されてますし、今はより何でも自分で手掛けていきたいモードなんでしょうか?

大塚 愛:そういう気持ちと「いや、もうちょっと人の話も聞いていこう」っていう気持ちと……「サボっていこう」っていう気持ち。結果、サボろう。もしくは転職しよう。

--まだ転職の話します? 前回も前々回もしてますけど(笑)。

大塚 愛:早く転職しないと!

--早く転職しないと!じゃないですよ!

大塚 愛:間に合わないわ! 何に間に合わないんだろう?

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「自分は表に立つべき人間でもない」と思って……「もう辞める!」(笑)

--これからも音楽やっていきましょうね。また、安藤裕子さんのアルバム『頂き物』に楽曲提供。さらに彼女のライブに出演し、その曲「Touch me when the world ends」の生コラボも実現(http://bit.ly/2kRFjc4)してくれました。

大塚 愛:これが結構大きかったんです。あれをやったことで「あ、やっぱり私って裏方なんだ」ってことにすごく気付いたんです。気付いたというか、心地良かったんです。センターに立たなくてもいい、あの素晴らしい感じにすごく心が惹かれて「よし、私はもうメインに立たない!」と思った。そのすぐ後にレコーディングがあったんで、歌うことにすごく違和感があっちゃって。「私、なんで歌ってるんだっけ?」って。仮歌の人の気持ちになってしまうというか、歌っても歌っても……なんかスッキリしない感がありましたね。

大塚 愛『私』インタビュー

--大問題じゃないですか。それってどう昇華したんですか?

大塚 愛:「早く裏方にまわろう」と思いました。

--また難しいインタビューになってきたなぁ(笑)!

大塚 愛:誰か早く! 表に立つ人間をピッて用意して(笑)!

--安藤裕子さんに楽曲提供したり、彼女の隣で鍵盤を弾いている自分がそんなに気持ちよかったんですか?

大塚 愛:だって、あんなに上手にキレイな声で歌ってくれる人がいるんだから「やっぱり私の考えは間違ってなかった」と思って。私、昔から「誰か良い人が歌ってくれる」と思って曲を書いていて、やっぱりちゃんとした人が歌うと「作品がこんなにも良く聴こえる」って感じるんですよね。そのボーカルの恐ろしさみたいなものに気付いちゃった。

--でも自分の歌声に合った作品もたくさんあるじゃないですか。

大塚 愛:あるんですけど……なんかイラっとするじゃないですか?

--そんな聴く度にイラっとするアーティスト、こんなに長く追いかけたりしないですよ(笑)!

大塚 愛:フハハハハ!

--大塚さんの歌声が好きな人はたくさんいます。

大塚 愛:でも「ちゃんと歌えよ~」って自分でも思うんですよ。というのと「歌をうたうってこんなに大変なんだ?」って思って。やっぱり体調を合わせていかないといけない。この鼻づまりさえ許されない。それはすごく大変、すごく神経使う。で、耳もちょっと……私、耳の軌道かなんかが生まれつき細いらしいんですよ。ちょっと気圧が変わるとパコパコするんです。だから歌っててもパコって鳴って、自分の中で響く声がすごくうるさい。

--声がこもっちゃう?

大塚 愛:飛行機の中みたいな。それと「今まで歌ナメていたのかな?」って思うぐらい「歌って凄いんだ」と気付かされたこともあって、「早く辞めなければ!」って思ったんです。

--ちょっと待って。辞めるの?

一同:(爆笑)

大塚 愛:いろんなことに気付いて「自分は表に立つべき人間でもない」と思って……「もう辞める!」みたいな(笑)。

--ちゃぶ台、ひっくり返しちゃったんですね。

大塚 愛:そうです。でもまだ転職先が見つかってないんで、絶賛探し中。

大塚 愛『私』インタビュー

--転職かぁ……。どこに転職しようとしてるんですか?

大塚 愛:どうしたらいいですかね?

--どうしたら……俺は歌ってほしいッスね(笑)。

大塚 愛:フハハハハ!

--転職してもいいけど、歌も続けてくださいよ。

大塚 愛:じゃあ、仮歌の人になろうかな?

--仮歌の人にどんなインタビューすればいいんですか?「今回の仮歌の聴きどころは?」っておかしいでしょ!

一同:(爆笑)

--本格的に辞めたいモードに入っていたんですね。

大塚 愛:入ってて「どうしようかなぁ?」って思っていたところに「いや、ちゃんとアルバム出そうよ」って言ってくれたのが、あの和田アキ子さんヘアーの彼(※油井さん。大塚 愛ファンであればお馴染みのディレクター/A&R)に……

--油井さんが「ちゃんとアルバム出そうよ」って言ってくれたんですね。

大塚 愛 ai otsuka / 私
大塚 愛 ai otsuka / 私

大塚 愛:それで「もういいや、アルバム」って消えかけていた気持ちが「よし、頑張ろう」ってもう一度戻ってきて……光が見え始めてきたところに飛び込んできたのが、今回のドラマ主題歌の話。でも最初は「ドラマの話があるんですけど」って言われても「今までそう言ってきて決まったことないじゃん! どうせ今回だって決まらないでしょ? 何言っちゃってんの?」って感じだったんです(笑)。だから「へぇー」って聞き流していたんですけど、でも実際にドラマ『嫌われる勇気』の主題歌を担当させて頂くことになって、制作期間が2週間でタイトではあったんですけど、家ですぐ元ネタになるデータとか探して「こういうのが合うんじゃないかな?」っていうところから始まって、アレンジに追われる恐ろしい日々……普通にやっていたら間に合わないから「阿部くん、キレるんじゃないかな?」って思うぐらい指示しちゃって。アレンジを着陸させる為に「こういうリズムが良いと思う」「ここはこのコードで行きたい」「ここはこのリフを当てはめたい」って全部指示しちゃったんです。私は元々アレンジに口出す人なんですけど、ここまで自分の指示通りに作ってもらったことはなく……でもおかげで何とかギリギリ間に合って。それぐらい追い詰められる体験を久々にしました。

※阿部くん……阿部登(Studio Apartment)。アルバム『LOVE TRiCKY』以降の作品やライブのアレンジを共に制作。

--そこまで追い詰められながらどんな楽曲を目指していたんですか?

大塚 愛:ドラマのプロデューサーの方からのリクエストが「前向きで強くあれる、勇気の出る歌」だったので、正直「私が最も苦手なジャンルだ」って思ったんですけど(笑)、でもその方が「僕が大塚さんの中で好きな曲は「クムリウタ」なんです」って言ってくれたときに「この人、分かってる!」「じゃあ、私、頑張る!」と思って(笑)。それでまずは台本を読んで、映像を観て、歩くテンポ、前へ前へ進んでいくグルーヴ感、優しくではなく強さを感じさせる歌い方だなって思ったらこの曲がいちばんハマって。ただ、私が今まで打ち出してきたいわゆる「可愛いです」「切ないです」「儚いんです」ではなくて、本来であればもうちょい声が太くてしっかりしてる……「Superflyとかが歌ったほうがいいんじゃないかな?」っていう感じだから「大丈夫か? 大塚!」「私に似合うのか?」というところにぶち当たり……「創ったはいいけど、歌いきれるのか?」と。でも曲的には素の自分に合ってるんですよね。出逢って、喋って、みんなが私に抱くイメージに多分近いから、誤解が解けるような曲になってるんじゃないかなって。

大塚 愛 / クムリウタ
大塚 愛 / クムリウタ

--なるほど。

大塚 愛:ただ、声だけがついてこない。でも「ついてこないから何なんだよ?」みたいなところもあって、それこそ「クムリウタ」もそうでしたけど、似合ってないからこそ響くというか、強い人が「頑張る」って言ってもあんまり共感できないように、弱い人が「頑張る」って言ってるともしかしたら同情が集まるかもしれない(笑)。そんな小賢しい考えもありながら、素の自分に近い楽曲を初めて歌うことが出来たんじゃないかな。

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「あってたよね、あれで」って言えるようになったらいいな

--2015年の『LOVE TRiCKY』があって、2016年の「日々、生きていれば」があって、そのニ面性を絶妙なバランスで融合させた上でドラマ主題歌にまで昇華してみせた楽曲が「私」なのかなと、個人的には感じたりもしました。ここ数年の流れがあったからこそ出来た曲。

大塚 愛 ai otsuka / 日々、生きていれば (未発表曲) (from LOVE IS BORN 12th Anniversary 2015)
大塚 愛 ai otsuka / 日々、生きていれば (未発表曲) (from LOVE IS BORN 12th Anniversary 2015)

大塚 愛:そうですね。すべては「そこにあったから」みたいな感じで進んできているので、今回の新曲「私」が出来たのは自然なのかなって思ってます。何をやってもいろいろ言われると思うんですけど、いつか未来でこういうインタビューを受けたときに「あってたよね、あれで」って言えるようになったらいいな。というか、そうするしかないなっていう感じですね。

--新しい大塚 愛のスタンダードソングになりそうですよね。というか、そこを目指して作ったんじゃないかと思ったぐらいです。

大塚 愛:でも本当に歌いたくなくて! 難しくて(笑)。やっぱりここでも「歌って大変。歌ってこんなに難しいのか。歌手って凄いな!」って思ってるんですけど、だから早く誰かに歌わせる立場になりたい。また話が戻りましたね!

--せっかく良い流れで落ち着くと思ったのに(笑)!

大塚 愛:フハハハハ!

--でもこの曲は大塚さんの曲として出しちゃいましたから、責任持って歌い続けてくださいね。

大塚 愛:誰か歌ってください。その為のプロモーション。

--新し過ぎますよ(笑)。「私」の歌詞はどういうイメージで書かれたんですか?

【公式】木曜劇場『嫌われる勇気』初回本編予告動画!30秒ver.
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大塚 愛:蘭子(ドラマ『嫌われる勇気』の主人公)の中に勝手に憑依してしばらく生きてみました。ドラママニアなんで、日々いろんなドラマを観て感化されて、その世界観の中に入って生きてしまうことはよくあるんですよ(笑)。だから日常的にやっていることではあるんですけど、今回の蘭子は……まだ1話しか観てないんで(※このインタビューは、1月中旬に行われた)まだ分かんないところもありますが、やっぱり傷が多かったですね。傷が多かったけど、その傷を彼女は武器にしようとしている。かつそこにはとても深い優しさが感じられて、なんでもスバっと言って傷つけているように見えるんですけど、変な喜ばせ方をしない優しさが見えました。そういうイメージから「私」の歌詞は出てきました。

--あと、今作『私』のジャケット写真、自身がシャッターを押して撮影するセルフポートレートで制作されていますが、アートワークまで自ら手掛けようと思ったのは?

大塚 愛:インスタを始めてからセルフで写真を撮るときもあるんですけど、誰もそこに立ってないって「こんなに自分を何も隠さずに撮れるんだ?」と日々感じていて。やっぱり誰かしらがそこに立っていることで、恥ずかしさが芽生えたりとか、表情が固くなったりとか、「うわ! この人、イケメンだな」とか(笑)。

--それで照れたり格好付けたりしちゃいますよね。

大塚 愛:でも無人だと本当に自分のまんまになる。それで今回は私がカメラマン、私が撮る私で行こうと思ったんです。それは「もっと自分を見て」っていう「私」の世界観ともリンクしてる。

--あと、初回生産限定盤に付属されるSTYLE BOOKのスタイリングも全て自分で担当しているんですよね? ちょっと仕事増やしすぎじゃないですか(笑)?

大塚 愛:そうなんですよ! 私、ずっと服探している人みたいになってて「えーっと、次はあの服を探して……」みたいな。だんだん本業が何だか分からなくなってきてるんですけど(笑)、今回のSTYLE BOOKに限らず、イベントのときも撮影のときもずっと服探してます。

--それも言わばセルフワークで、今作『私』はセルフワーク尽くしになっている訳ですけど、そうした作品をひとつ創り終えてみてどんなことを感じたりしました?

大塚 愛:よく「自分だけでやると世界が狭くなる」とか「誰かにやってもらって世界を広げたほうがいいんじゃないか」とか聞きますけど、私はいろんなものを見て、いろんなものを調べて、いろんなものを試してみて、それなりに分析してきていると思うので、幅が狭まるっていう感覚はあんまりない。そこで自分ががんじがらめになって「本当に似合うものが分からなくなってきた。答えがほしい」ってなったときに誰かに相談したり、スタイリストさんを付けたりすればいいのかなって。だから「ほら、幅が狭まるからスタイリストさん付けないと」って型にはめたりしなくてもいい。そこは自分の成長に合わせて「必要だな」と思ったら甘えればいいんじゃないかな。って思ってますけど、実際は予算が……

--金の問題ですか(笑)?

大塚 愛:「金が無いからスタイリストも雇えない」にしたほうがお話としては面白いかなって(笑)。

--2015年春タイミングのインタビューで「ここから先4年ぐらいのシナリオはもう書きました。デビュー前から計画は立ててきたんですけど、今回も「これかな?」っていう感じで定まってきたので、あとはもう当てはめるだけかなっていう感じです。欲しい食材を揃えて、最後にでっかい料理を出す! みたいな流れになるのかな」と仰っていましたが、今日の話を聞いていると危ういんじゃないかと!

一同:(爆笑)

大塚 愛:閉店しようとしてますからね!

--このシナリオ、なかったことにしようとしてません(笑)?

大塚 愛:とりあえずデリート。昔のインタビュー記事もデリート。

--しません。もうシナリオは書いてあるんですよね。でもそれを実現するかしないかは大塚さんのテンション次第になるってことですか?

大塚 愛:うーん……「転職先が決まったら」とか「これが上手くいかなかったら」とか状況次第だと思うんですけど、もしかしたらお引越しするかもしれないし、シナリオ通り進めるかもしれない。それを決めるのはあなたです。

--委ねられた(笑)。

大塚 愛:アハハハ!

--こんなに追っかけるのがドキドキするアーティスト、いませんよ。目指している方向がひとつじゃないし、どう応援すればどっちに転ぶのか分かんない(笑)。

大塚 愛『私』インタビュー

大塚 愛:(大塚さん、笑い疲れる)

--「ゴールには何が待ってるんでしょう?」って聞こうと思っていたんですけど……

大塚 愛:私が聞きたいですよ! 石井ゆかりさんに聞きに行こうかなと思ってます。

--「この先、何が待ってるんでしょう?」って(笑)。

大塚 愛:「教えてもらっていいッスか?」って。

--例のシナリオのゴールは「東京五輪を視野に入れていた」とかじゃないですよね?

大塚 愛:いや、石井ゆかりさんがそう言うならもしかしたら! 体鍛えなきゃいけないんで、早めに教えてほしいな。いずれにしても、ゆかりさんに話を聞きたい。

--大塚さんの未来、ゆかりさん次第?

大塚 愛:ゆかりさん次第です(笑)!

Interviewer:平賀哲雄

大塚 愛 ai otsuka / 私
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大塚 愛『私』インタビュー 大塚 愛『私』インタビュー 大塚 愛『私』インタビュー 大塚 愛『私』インタビュー

大塚愛「私」

2017/02/15 RELEASE
AVCD-83772 ¥ 2,530(税込)

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Disc01
  1. 01.私
  2. 02.サクラハラハラ
  3. 03.女子シェルター

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