2020/05/05 12:00
あいみょんの「マリーゴールド」といえば、2018年を代表するヒット曲であることは、誰にとっても異論はないだろう。彼女のブレイクのきっかけであり、2018年7月に配信されて以来90週以上に渡ってチャートインしている恐るべき楽曲だ。
ただ、いくらロングヒットとはいえ、いつかは勢いが落ちるのも仕方がない。1年以上もの間ベスト10の常連曲だったが、今年の1/20付を最後に10位台に下降。コロナ騒ぎの影響でこの曲の強みであるカラオケのポイントが加算されなくなってしまったこともあり、このまま右肩下がりかと思われた。しかし、4/20付で21位にまで下降したのに、翌週4/27付では14位、今週は11位にまで急上昇。再び勢いを取り戻しているのだ。
これはいくつかの理由があるが、最も大きいのがキリンビールのCM効果だ。本人がアコースティックで弾き語るシーンが使われていることもあり、いったん落ち着いていたダウンロードの指標が伸びているのと、それに影響されてか、ラジオのオンエア回数やツイッターのつぶやき数も急増している。また、ステイホーム効果もあってストリーミングの再生率が増えているのも大きい。あいみょんはもともとストリーミングに強いこともあり、サブスク全体が底上げされることで「マリーゴールド」もあらためて多く聴かれているのだろう。
ストリーミング全盛時代に突入し、ヒット曲の定義が徐々に変化しているだけに、どのようにヒットさせるかの答えはひとつではなくなった。しかし、「マリーゴールド」のように何度も上昇してくるロングヒットは、今後の大きな指標となるはずだ。Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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