2010/04/02 00:00
COURTNEY LOVEが話をする時、彼女の目の前にいるのはインタビュアーではなく、1人のオーディエンスになる。SOUTH BY SOUTHWEST (SXSW)でHOLEのリユニオン・ライヴを2ステージ敢行した翌日、テキサス州オースティンのDRISKILL HOTELの部屋に彼女を訪ねると、6時間に渡って次のような“パフォーマンス”をしてくれた。
持っている服すべてを広げ、自ら“KOOK(変わり者)”と呼ぶ彼女の新しいスタイルを説明し、自分が横領の被害者である証拠を並べ立て、GOOGLEで新しい恋人の元カノのことを調べ、BIG STARの曲を2曲覚え、そしていろいろなことについて多くの人間に罵声を浴びせる。そしてLOVEは延々と語り、タバコを吸い続け、その両方をやりながらドアを開け放った状態のままトイレで用も足すといった具合だ。そんな彼女の部屋を後にした時、感じたのはマラソンのあとの疲労感と息苦しさ、自分の体に付着した悪臭だった。
しかし同時に、散らかったホテルの部屋と乱れたベッドの上に座る、ロックスターの素の姿を目撃した気分になれたのも事実だ。多くの無名ハードロック・バンド、イケてないエモ風の髪型の連中、そして朝のコーヒーを運んでくる若者たちと同じに見える謙虚なインディー・ロッカーたちがあふれる今の音楽業界において、COURTNEY LOVEは独特の存在感を放っている。そんな彼女の素の姿を見るのは、まるでカーキ・パンツにボタンダウン・シャツ姿のLADY GAGAを見るのと同じくらい衝撃的なことだったかもしれない。
HOLEがSXSWで敢行した計3回のステージには、“見世物”的な要素があった。オーディエンスはバンドの新曲に興味津々であり、特にLOVEの存在そのものに大きな注目が集まっていたからだ。「果たして最後まで、彼女はまともに立っていられるのか?」、「今でもきちんと歌うことができるのか?」、誰もがそんな疑問を抱いていたに違いない。
しかし答えは“イエス”。昔のグランジ・ソングに加え、4/27にMERCURY RECORDSからリリースするニュー・アルバム『NOBODY’S DAUGHTER』からの新曲も複数演奏し、批評家からのリアクションも上々だった。攻撃的な姿勢とともにカムバックを遂げたCOURTNEY LOVEだが、長いブランク、彼女の音楽に影を落としかねない名声、そして急激に変化する音楽シーンにどう対応していくのか、そこが今後の活動の大きなカギになるだろう。
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