2016/05/25 11:00
5月13日にリリースされた、チャンス・ザ・ラッパーの3作目となるミックステープ、『カラーリング・ブック』が、最新の米ビルボード・アルバム・チャート(6月4日付)で、8位にデビューし、自身初のTOP10入りを果たした。リリースから2週間限定、アップル・ミュージックの独占配信で発売された本作。昨今では、こういった手法によるリリース形態が流行のようで、先日はドレイクやビヨンセも、独占配信によるリリースで、アルバムを大ヒットさせた。
これまでリリースした2作のアルバムはランクインすらしなかったが、本作がブレイクした理由として、ジャスティン・ビーバーや、カニエ・ウェストの作品に参加したことで、知名度を上げたことだろう。しかし、セールスが伸びたのは、認知度が上がったからだけではない。これまでリリースした2作と比べても、アーティストとして大きく成長したことは明らかで、ホーン使いやネタを高速回転させた手法など、カニエ・ウェストの初期の作品にみられる、お祭り系ではない、超正統派のヒップホップ・サウンドが目白押しなのだ。
ゲストには、そのカニエ・ウェストや、リル・ウェイン、Tペイン、2チェインズ、フューチャーなどの人気ラッパーから、リル・ヨッティ、ヤング・サグなど、今後のラップ・シーンで活躍が期待される新生、そして、ジャスティン・ビーバーや、ゴスペル歌手のカーク・フランクリンといった、バラエティ豊かな面々も参加している。
攻撃的なライムや、賑やかすぎるアレンジもなく、至ってシンプルなアルバムで、ジャズ/オーガニック系のヒップホップアルバムが好みの方には、間違いないだろう。ジャケットの見事なカラー・グラデーションもそうだが、チャンス・ザ・ラッパーは芸術性の高いアーティストなのだと思う。本作は、そのセンスとアイデアが、存分に発揮された、2016年のヒップホップ大本命のアルバムだ。
Text: 本家 一成
関連記事
最新News
アクセスランキング
1
【ビルボード 2025年 年間Top Lyricists】大森元貴が史上初となる3年連続1位 前年に続き5指標を制する(コメントあり)
2
Billboard JAPAN 2025年年間チャート発表、Mrs. GREEN APPLE/Snow Manが首位
3
【ビルボード 2025年 年間Download Albums】Mrs. GREEN APPLE『10』大差で1位、Number_i/サザンが続く
4
【ビルボード 2025年 年間Top Albums Sales】Snow Manがミリオンを2作叩き出し、1位&2位を独占(コメントあり)
5
【ビルボード 2025年 年間Hot Shot Songs】米津玄師「IRIS OUT」が首位、HANA 5曲入り
インタビュー・タイムマシン







注目の画像