2012/04/18 00:00
ジョーン・オズボーンの最新作『ブリング・イット・オン・ホーム』にはシンガーにとってどこか「バック・トゥ・ザ・フューチャー」的なところがあるという。ブルースやソウルのカバーが多く収められていることもその理由のひとつだが、そうした歌にまつわる思い出が彼女を自分の音楽的ルーツに引き戻すからだ。
「私はブルースやソウル、R&Bの歌をどうやって歌うか学ぶことからスタートしたの。最初の頃私が真似しようとしていたのは、エタ・ジェームス、オーティス・レディング、ティナ・ターナー、マディ・ウォータースだった。あんな人たちみたいに歌いたかったの。こういうことを20年もやってきて、一巡りしてまた同じ音楽に戻ってきた感じね。それってちょっと面白いわ。自分の声が変化して、成長し、もっとよくなったって気がする。20代の頃にはなかったものが今はあるの。こういうマテリアルにまた取り組むのはクールだったわ」
とはいえ「シェイク・ユア・ヒップス」や「アイ・ドント・ニード・ノー・ドクター」のような歌をカバーするのは「すごくビビッたわ。自分自身をさらけ出すしかないから。自分の声に合ったやり方を見つけて、面白いものに仕上がったと思う」と彼女は言う。
オリジナルを越えるというプレッシャーはなかったという。不可能だからだ。「マディ・ウォータースの曲で本人を打ち負かしたいとは思わない。そんなのムリよ。だけど、その歌を違うやり方で解釈することはできる。“アイ・ウォント・トゥ・ビー・ラヴド”では女性の視点で歌って、もうちょっと女性のエネルギーを感じさせるように官能的にしてみたの。リスナーは何か新鮮なものを感じられるんじゃないかな」
人生経験もものを言ったと思っている。「大切なのは理論じゃなく、実体験なのよ。21歳でこういう歌を歌ったら、いろいろ想像しながら歌うことになっただろうけど、今はそういう状況ならどんな気分になるかよくわかる。歌がもっと深く理解できるの。内面が深まるほど、歌を解釈する能力は豊かになるのよ」
ブルースとソウルのカバーのレコードを作るという企画を提案したのは彼女のレーベル、サグアロ・ロードだった。
レーベルと彼女の連携はうまくいった。「彼らはこういう仕事をよくやって慣れていたし、私に自由にやらせてくれた。しかもちゃんとサポートしてくれたし。感謝してるわ」
春はツアーに出て新作の曲をファンに披露する。「ライブでプレイして楽しい音楽なの。今までやったショーではみんな立ち上がって手拍子を打ってくれたわ」
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