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<インタビュー>ふみの 伝えたい気持ちが溢れる2ndシングル「ホットライン」

Text & Interview: 小松香里
Photos: 興梠真穂
BMSG×ちゃんみなが手がけ、社会現象を巻き起こしたガールズグループオーディション『No No Gilrs』のファイナリスト、ふみの。ちゃんみなから贈られた「favorite song」はBillboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”の9位にチャートインし、「嬉しい以上の言葉が出てこないほど、嬉しいです」と喜びを語る。
そんな鮮烈なデビューを果たしてから約2か月。2ndシングル「ホットライン」で、ふみのは作詞、作曲、そしてプロデュースを手掛けている。ハーモニカとアコースティック・ギターのアンサンブルから始まる、ウォームでハンドメイドな手触りのサウンド。唯一無二の親友への想いを、ふみのは時に照れ臭そうに、時に切なく、時にコミカルに、時に開放的に歌う。シンプルな楽曲だが、1曲の中でくるくると歌の表情が変わることで高い中毒性が生まれている。ふみのにインタビューした。
──デビューから約2か月が経ちました。この2か月を一言で表すと何だと思いますか?
ふみの:早いの「早」です。デビュー日の1月11日のことは鮮明に覚えていて、一生忘れない気がします。YouTube Liveをやったんですが、Live終了後にたくさんの方から大きいケーキとお花をいただいて、それが嬉しすぎたのと、「期待されているんだから、めっちゃ頑張らなきゃ」と思って、いろんな感情が押し寄せてきてたくさん泣きました(笑)。

──YouTube Liveのセットはふみのさんがプロデュースした「favorite song」のセットを模していましたが、「ホットライン」のアートワークもふみのさんがディレクションしたんですか?
ふみの:MVの監督とたくさん意見を交わさせていただいて、プロの方々の手で魔法をかけてもらいました。「ホットライン」は親友に向けて書いた曲なんですが、聴いてくださる方にはそのことをあまり意識してほしくなかったので、相手が親友と特定されないような見え方にこだわって、それぞれの大切な人を思い浮かべてほしいなって思いながら作りました。
──ジャケット写真はふみのさんが赤のレインコートを着ていて、他に黄色と青のレインコートを着ている人の一部が写っていますよね。
ふみの:信号系です(笑)。レインコートとかポンチョが好きなんですよね。その親友と変なことをするのが好きで、大阪に旅行したときに雨は降ってないのにレインコートを着て街歩いたことがあって、そのオマージュです(笑)。
──「ホットライン」はいつ作った曲なんですか?
ふみの:去年の夏にデビューに向けて曲を作る中で出来た曲です。3曲ぐらい一気に作ってて、1曲は大事な人に向けて書きたいなって思って最初に浮かんだのがその親友でした。
──曲作りは曲先ですか? 詞先ですか?
ふみの:一人で作るときはメロディと詞が一緒に出てきます。「ホットライン」もそうでした。誰かと一緒に作るときはメロディが先に出てくることが多いですね。「ホットライン」を作った当時は、どういう風に曲を作ったらいいかまだよくわかってなかったので、コードだけ3つ決めておいて、パッと思いついたメロディと言葉を形にする作業をずっとしてました。1番だけ去年の夏に作って、2番以降は冬ぐらいに作ったんですが、1番は3時間もかからないくらいで出来たんです。
──弾き語りの延長線のようなハンドメイドな手触りの曲ですが、どんなイメージがあったんでしょう?
ふみの:私と親友の関係性って何とも言えない関係性だなって思ってるので、朝日でもなく夕日でもなく真昼間のめっちゃ眩しい日差しでもない、放課後のなんとも言えない時間を表現したかったんです。あと、アレンジを考えるためにいろんなアーティストの曲を聴く中で、ふと「ハーモニカが合うんじゃないか」と思って、「ハーモニカを入れたいです」ってアレンジャーの方にお伝えしました。レコーディングでは実際に私がハーモニカを演奏したりしました。
──何とも言えない関係が出た曲になっていますよね。
ふみの:よかったです! 「どんな関係なの?」って聞かれてもどう答えたらいいかわかんないんですよね。“友達”の範囲は圧倒的に超えてるし、親友以上だけどそれを表す言葉がない。だから“親友”って言ってるんですけど。
──実体験をもとに、ありのままの自分を出すことを大事にしている印象がありますが、それに対して躊躇はないですか?
ふみの:ないですね。「ホットライン」で書かれていることはすべて実体験で、そういう曲のほうが好きなんですよね。感じたままを反映させた曲が自分には刺さるので「伝えよう」っていう気持ちが大きくなります。
──「ホットライン」で一番自分の性格が出ていると思う歌詞というと?
ふみの:〈地獄に行くなら仕方ないけどついていくよ〉と〈君の特別は増えてくばっかね 私のことより好きにならないでおいてね〉です。まず〈地獄に行くなら仕方ないけどついていくよ〉についてですが、私は親友にめっちゃ文句を言うんですよ(笑)。でも結局一緒にいる。私も結構、突拍子もないことを言ったりやったりするタイプなんですが、親友はそれ以上で適当すぎるところもある子なんです。〈私のことより好きにならないでおいてね〉は、私が実際に親友に言ってる言葉で、「一番にしてください」とは言えない。でも、遠回しにそう言ってるっていう。その子はみんなから好かれていて、めっちゃ人気者なので、いろんな人が周りにたくさんいるんですが、私のことを一番好きでいてほしいんですよね。

──ラブレターみたいな曲なんですね。
ふみの:そうなんです。
──親友には聞かせたんですか?
ふみの:はい。「この曲が一番好き」って言ってくれました。自分の曲だってわかってそう言ってるんだと思います(笑)。
──特定の人に向けて書いた曲を本人に聞いてもらうのは初めてでしたか?
ふみの:そうですね。ただその子には普段から言いたいことを言ってるので、普段と比べて音が乗ったくらいですね(笑)。表現として伝える手段が出来たので嬉しいです。ずっとこういうことをやっていきたいです。

──「favorite song」でも感じましたが、「ホットライン」も1曲の中でたくさんの歌の表情が感じ取れると思いました。意識しているんですか?
ふみの:めちゃめちゃ嬉しいです。この曲は親友に向けて「わかってる?」と話しかけているみたいな歌い方を意識しました。歌うっていうよりは伝えるための手段というか。以前より歌う際にたくさんのことにこだわるようになりましたね。「ホットライン」の歌詞には〈こっそり占い師に相談したこと〉とか〈引っ越してしまいたい!〉とか、引っかかりのある言葉が多かったので、特にそこをどう歌うかにはこだわりました。
──〈こっそり占い師に相談したこと〉のところは、演奏を一旦止めて、ドキッとするような歌い方が強調されてますよね。
ふみの:ありがとうございます。1番とは作った時期が違うのでメロディの感触がちょっと違ってて。2番の歌詞を書いてるときに結構悩んで。そこで「私と親友の関係性だからこそ書ける歌詞を書くことが大事なんだ」って気付いたんですよね。この歌詞の通りなんですが、長く会えない時があって、でも向こうからは何の連絡もしてこなくて。いつも連絡するのは私からだから、「私から連絡しない」って決めてたんですけど、親友が占い師に「全然会えないんですけど、どうすればいいですか?」って相談してたことをあとから知って「私に直接言ってよ」って思ったんです(笑)。
──(笑)。ふみのさんというと、『No No Gilrs』五次審査の「Tiger」で一気に歌唱のバリエーションが増えたことが印象に残っているのですが、歌唱のバリエーションを増やすためのコツを掴めたのでしょうか?
ふみの:オーディション当時よりは頑張って意識せずとも増やせていると思います。いろんなバリエーションを自分のものとして歌えている気がしますね。あと、レコーディングでディレクションをしてくれる方がよく「うまく歌おうとせずに伝えようと思って歌えば大丈夫だから」って言ってくれて、そう言われた後のテイクは毎回うまくいくんです。うまく歌おうと意識するよりは、歌詞の意味を考えながら歌うと、自然とその歌詞に沿った歌になると思うんですよね。気持ちが大事なんだなって。
──ご自分で新たなバリエーションが生まれている実感はありますか?
ふみの:「ホットライン」だと、最後のサビからラスサビに向かうときの歌唱はちょっと新しいなって思いました。歌った後、自分で「どうやって歌ったの?」って思いました(笑)。自然と歌えたんです。
──歌のバリエーションが増えてくると、さらに歌が楽しくなってくるものなんでしょうか?
ふみの:めちゃめちゃ楽しいです。でもずっと歌うことは楽しいですね。デビュー曲「favorite song」は歌うのがめちゃくちゃ難しいからこそちゃんと歌えたときの達成感がすごい。自分で書いた曲は達成感っていうよりは自然体で歌えます。

──作詞作曲だけでなくアートワークやMVなどもセルフプロデュースされていますが、セルフプロデュースをどんな作業だと捉えていますか?
ふみの:“やりたいこと”を一番大事にしています。「favorite song」のMVを作るときは、最初は全然意見が言えなかったんです。でも意見を言いやすい環境にしてくださったこともあって、「そうじゃないんだ」って気付きました。「ホットライン」のMV制作では、もっと意見が言えるようになって、とても楽しかったです。昔から変なことをするのが好きなので感覚はあまり変わっていないんですが、「こんなことしたら面白くなるかも」っていうアイデアを出して、プロの方たちの手で実現していただくのが本当に楽しい。ちなみにその親友は突拍子もないアイデアがたくさん浮かぶ子で、その子に刺激を受けて私もいろんな発想ができるようになったところもあります。
──アイデアは普段から書き溜めてるんですか?
ふみの:歌詞のアイデアは日々溜めてます。「ホットライン」のMVのアイデアはギリギリまで浮かばなかったんですが、浮かんでからは膨らむのが早かったです。
──アーティスト活動をする上でシンパシーを感じるアーティストはいますか?
ふみの:めちゃくちゃいます。1曲好きになったら、そのアーティストの曲を全部聴くんです。back numberさん、BUMP OF CHICKENさん、いきものがかりさん、YUIさん、aikoさん、あいみょんさん、家入レオさんの曲は全曲聴いてますね。私個人的にはメロディより歌詞に惹かれることのほうが多いんです。刺さる歌詞の共通点はないんですが、歌詞が刺さるとそのアーティストのことがめっちゃ好きになって、全曲聴きたくなっちゃう。「こんな歌詞があるんだ!」って感じることが大きな刺激になります。
──特に影響を受けた歌詞というと?
ふみの:BUMPさんの「才脳人応援歌」の〈こんなの信じてたなんて 死にたくなるよ なるだけだけど〉です。歌詞を聞いたときに、「なるだけだけど」っていう言葉を付けるだけでここまで深い歌詞になるんだって思って。
──深い歌詞を聞くと、喰らって落ち込むのかワクワクするのか、どういう感じなのでしょう?
ふみの:単純に「すごい!」って思ってワクワクしながらも、悔しさを感じるようにもなってきました。それでメモしたりしますね。
──今どれくらい曲は溜まってるんですか?
ふみの:デビューが決まったときからずっと書き続けているので、デモはあります。曲をもっと増やしたいので必死に書いてるところです。全部刺さる歌詞で1曲作りたいって思うと、ひとつもできないので、考え方を変えないとダメだって最近気づきました(笑)。刺さる歌詞を際立たせるための繋ぎの歌詞を入れるようになったり、意識が変わりましたね。
──新曲を聴くのが楽しみです。今のふみのさんのアーティストとしての強みは何だと思いますか?
ふみの:素でいられていることが強みなのかなって思ってます。かしこまったり背伸びをしたりするのが苦手なんですよね。素でいることが私にとって楽な生き方。そのほうが私の人生はうまくいく気がしています。
──今後アーティスト活動で楽しみにしていることはありますか?
ふみの:リスナーの皆さんの日常に寄り添える曲を書いていくことが目標なんです。私の曲を通してたくさんの感情に出会ってくれたら嬉しいと思っていて。今後はそんな楽曲をつくり続けて、直接歌を届けられる場をたくさん作りたいと思っていますし、そんな機会をとにかく楽しみにしています。
リリース情報

「ホットライン」
2026/3/13 DIGITAL RELEASE
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