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2021/11/06

アイドルシーンの救世主・クマリデパート「これからもみんなと素敵な未来へ歩いていけますように──」限界無限大ツアー2021大成功!

 アイドルファンが最後に辿り着くユートピア、日本中に純粋無垢な幸福感をお届けしているアイドルグループ・クマリデパート。今夏に過去最大規模のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演を成功させた彼女たちが、その勢いに乗って全国ツアー【限界無限大ツアー2021】を敢行し、11月5日にZeep Diver city(TOKYO)にてツアーファイナルを迎えた。

<重苦しくなってしまったアイドルシーンの救世主>

 「本日ご来店ありがとうございます もうすぐ開店ゆっくりしていってね あなたに笑顔を届けてあげる ここのデパートはクマリデパート 優しい気持ちで手を繋ぎながら おいでよ ようこそ クマリデパート♪」と、ポップでキュート過ぎる定番オープニングナンバー「おいでよ!クマリデパート」で満員のお客様を満面の笑顔でお迎えする6人。世界中に魅力的な商業施設は数あれど、こんなにも愛らしく心躍らせてくれるデパートは他になし。また、アイドルらしからぬアプローチで隆盛していったグループは数あれど、こんなにも「あなたに笑顔を届けてあげる」という純粋無垢な想いだけでファンをしあわせにするアイドルらしいグループも他にいない。クマリデパートが「アイドルファンが最後に辿り着くユートピア」と思わせる要因はそこにある。

 アイドル戦国時代という言葉とともにアイドルムーヴメントが巻き起こってから約10年。幾多数多のアイドルが他との差別化を図るべく、大きな注目を集めるべく、ファンの度肝を抜くべく刺激的なスタイルや衝撃的なアクションに傾倒していった。その結果、アイドルが日本の音楽シーンにおいてブームからスタンダードなジャンルへと昇華されていったのも事実だが、その歴史の中でどれだけのアイドルがハッピーエンドに辿り着けたかと言うと、ほんの一握り。大半のアイドル及びアイドルグループは夢半ばで解散や脱退、その中には悲劇とも呼べる形でシーンを去った者たちもいるわけで、いつしか「あなたに笑顔を届けてあげる」為に存在していたはずのアイドルは、傷を負いながらも戦い続ける少女たちの物語としてショーアップされるようになってしまった。

 ある意味でそれはロック的だし、パンク的だし、芸事を突き詰めていく中でセンセーションに取り憑かれることは必然とも言えるし、そうしたアイドルたちの生き様に青春を感じ、熱狂することを根本から否定するつもりはない。だが、ソレに多くのアイドルとアイドルファンが疲弊し続けてきたのも事実。さて、そろそろ「なんでポップでキュートなクマリデパートのライブレポートにこんな重苦しい話を挟んでくるんだ?」と不思議に思われているだろうから(笑)その理由を記そう。クマリデパートはそんな重苦しくなってしまったアイドルシーンの救世主とも言うべき存在だからだ。

<観客に提供される要素は純度100%の幸福感>

 この日の公演も前述の「おいでよ!クマリデパート」から始まり、古き良き時代のハロプロライクな質感をサウンドプロデューサー・サクライケンタの個性とミクスチャーし、クマリデパートにしか鳴らせないアイドルソングに昇華してみせた「愛phone渋谷」「YESモチFEVER」「極LOVE浄土」、サクライと☆Taku Takahashi(m-flo)の奇跡のコラボレーションでそれまでの幼いメンバーの印象を大人っぽくスタイリッシュにアップデートしてみせた「Furniture Girl」と、最初のブロックからして、いずれの楽曲もそのパフォーマンスも観客に提供される要素は純度100%の幸福感。そこに重苦しさは一切存在しない。いつの日のライブでも、そしてプレッシャーを感じてもおかしくない、初めてのZeep Diver city(TOKYO)ワンマンライブにおいても「あなたに笑顔を届けてあげる」と約束した通り、クマリデパートは自分たちはもちろん、客席を満面の笑みで埋め尽くしてみせる。何ならスタッフも一緒になって踊り出しちゃうぐらいの幸福感を生み出していく。

 また、幕間で上映されたツアードキュメンタリー(?)映像では「かくしてクマリデパートはツアーでたくさん食べた美味しいごはんを消費する為に、毎日キツいダイエット修行を始めたのであった」と厳しい修行に挑み、その果てに「クマリデパートの体に何やら進化が訪れ出したのである」とレベルアップして(胸元に巨大な「ク」の文字が記された)新衣装に身を包んだメンバー1人1人の姿が映し出されていく。そして、その姿のままスクリーンからステージに飛び出した6人は、サクライケンタ×MOSAIC.WAVによる新曲「あみだ☆ふぉーちゅーん」(2022年1月18日シングルリリース)を初披露! 誰もが知るあの「あみだくじの歌」をコミカルな転調しまくりピコピコアッパーチューンに大改良してみせたような、これぞクマリデパートと言える新たな大傑作を無邪気にはしゃぎまわりながら歌い届けてみせた。なんだんだ、この「楽しい」しか存在しない世界は。

<アイドル像の輪郭をハッキリと描けるようになった6人>

 そんな新作披露からライブはノンストップでソロコーナーへ。まずはめちゃくちゃ小柄なのにラーメン二郎をこよなく愛す山乃メイ(黄色)が「ちゅるちゅる☆革メイ」なるアイドル史上初(?)ジロリアンソングをキュートに歌い踊れば、栃木が生んだ超純情で(1本のインタビューで20回ぐらい泣く)成長速度も半端ないアイドル・楓フウカ(ホワイト)が「時々ドキっと☆栃木」なる栃木県非公式応援ソングを軽快にお届け。最もパワフルな歌声の持ち主で著しい覚醒を遂げている七瀬マナ(ミントグリーン)は「HELLO HELLO」なるドラマティックなポップミュージックをエモーショナルに熱唱し、メンバーのみんなのことを常に支え続け「みんなのお花になりたい」と健気に努力し続ける優雨ナコ(ピンク)は「Who are YUU?」なるその性格が滲み出た優しい音楽で我々を癒やしていく。

 また、誰よりも全身全霊で歌い踊るパフォーマンスに定評のある小田アヤネ(赤色)は「オーダーメイド」なる疾走感溢れるロックナンバーを汗まみれになりながら披露し、いつでもどこでも100%天性のアイドル・早桜ニコは「さおてゃんだよ~」なるひたすら自分の名前を連呼するぶっ飛んだキラーチューンで「Zeep Diver city(TOKYO)のみんなもさおてゃんだよ~!」と会場中の人々全員をさおてゃんにしてみせた。そんな6人6様の個性とポジティヴなパワーを体現してみせたソロコーナーは、今回のツアーで誰ひとり漏れることなく大きく成長したことを証明。今回のような大きい会場でも一切怯むことなくそれぞれのアイドル像の輪郭をハッキリと描けるようになったことは、クマリデパートを更にブレイクさせる為の武器となるだろう。

<ただただアイドルらしくあろうとしたクマリデパート>

 さて、ここまで記したライブレポートで何ゆえにクマリデパートが「アイドルシーンの救世主とも言うべき存在」なのか理解してくれた人もいるとは思うが、少し補足したい。クマリデパートは2016年に結成されたアイドルグループである。詳細は時間があるときにこちらのインタビュー記事(※クマリデパート『限界無限大ケン% / Furniture Girl』発売記念インタビュー公開「日本武道館に立ちたいです!」https://bit.ly/3CUAFi8)をご覧頂ければと思うが、この5年のあいだには涙ぐましい紆余曲折があった。メンバーの卒業や加入もあり、今の6人体制で注目されるようになったのは2020年の話である。渋谷公会堂やZeep Diver city(TOKYO)でワンマンライブが出来るようになった今日に至るまでどれだけの涙を流してきたか分からない。けれども、彼女たちはステージの上では何があろうと笑顔であった。そこに集まってくれたファンのみんなを笑顔にしてきた。何故ならクマリデパートはアイドルだからだ。アイドルは「あなたに笑顔を届けてあげる」存在であると信じて疑わない6人だったからこそ、当初はメンバーの数より少なかったお客さんがここまで膨れ上がった。

 クマリデパートのお客さんは、かつて他のアイドルグループを応援していた人ばかり。前述した通り、ドルヲタ生活の日々に疲弊してしまった人々がクマリデパートと出逢い、そこで「そういえば、アイドルって本来こういうものだったよな。たのしい! うれしい! かわいい! おもしろい! しあわせだ!」と笑顔を取り戻した人たちによってクマリデパートの客席は埋め尽くされている。6人の笑顔がファンを笑顔にして、ファンの笑顔が6人を笑顔にして、その繰り返しの中でクマリデパートは大きくなっていった。アイドルらしからぬ過激なアプローチに頼ることもなく、ファンの度肝を抜くべく刺激的なスタイルや衝撃的なアクションに傾倒することもなく、ただただアイドルらしくあろうとし続けた結果、クマリデパートはこんなにも多くのアイドルファンに愛されるようになったのである。アイドルファンが最後に辿り着くユートピア。アイドルシーンの救世主とも言うべき存在。大袈裟なようでちっとも大袈裟じゃない。クマリデパートの成功はそのままアイドルシーンの救いに直結する。

<最強で最高で無限大サイキョー!なアイドル>

 そんな笑顔の連鎖は、この日のZeep Diver city(TOKYO)公演のクライマックスで大スパークを迎える。サクラになっちゃってもキミを追いかけていると叙情的に「サクラになっちゃうよ!」を歌い上げたかと思えば、意味なんて無いよネコになりたいよと現実逃避的に「ネコちゃんになっちゃうよ~」で文字通りネコちゃんになっちゃう6人。その模様を目の当たりにして我々のニヤニヤが止まらなかったのは言うまでもない。その後も「恋のハッピーチョモランマ」「SUN百6じゅ~GO!日ッチ☆」とキラーチューンを畳み掛けてお祭りモードの一途を辿っていたと思えば、名バラード「せかいのおわりの物語」で何があろうと前を向いて歩き続けてきた彼女たちの物語を想起させ、笑顔だけじゃなく涙も誘っていく。そして、クマリデパートのブースター役を担った玉屋2060%×サクライケンタによる「シャダーイクン」「限界無限大ケン%」のスーパーコンボで、世界は爆発的なハッピーグルーヴと満面の笑みで埋め尽くされた。

 余談だが、クマリデパートのスタッフが「俺、生まれ変わったらクマリデパートのオタクになりたいんですよね」と言っていたことを思い出した。そのときは思わず笑ってしまったが、今ならその気持ちがよく分かる。アイドルの力を信じたり疑ったりを繰り返しながら、それでも信じて生きてきた身として、こんなにしあわせな気持ちにさせてくれるアイドルに対して「ファンになりたい」と思わないほうがどうかしている。クマリデパートは最強で最高で無限大サイキョー!なアイドルである。

<これからもみんなと素敵な未来へ歩いていけますように……>

 同公演のアンコールでは、前述の「あみだ☆ふぉーちゅーん」と両A面シングルとしてリリースされるもうひとつの新曲「これから」も披露。クマリデパートのスタッフとしてもお馴染みサナダタクミ作詞のスローバラードなのだが、この6人がこれからもずっと隣り合わせで歩いていけるように──彼女たちを近くで支え続けてきた者だからこそ書けるメッセージにこれまた涙腺が緩んでしまった。メンバーの歌う声が震えて聴こえたのもきっと勘違いじゃないだろう。

 そんなこれからも共に突き進んでいく6人のありったけの愛が詰め込まれた「アンサー!!」「二十四時間四六時中」で大団円を迎えた【限界無限大ツアー2021】。そのクライマックスで語られたメンバー6人のMCを最後に記すこととしよう。

 優雨ナコ:このツアーを通して精神的にも体力的にもとっても成長できたかなと思っています。でも、まだまだ成長を止めずにこれからも頑張っていきたいし、何よりツアーで各地方で皆さんに会えたり、ツアーについて来てくれた皆さんとその地を一緒に共有できたり、そして、ファイナル、ここで会えて本当に嬉しいです! 6人でこのステージに立てて本当にしあわせです! これからもクマリと優雨ナコをよろしくお願いします!

 七瀬マナ:今日は来て下さってありがとうございまーす! このツアーで全国の私たちを愛してくれる皆さんに会いに行けてすごく嬉しかったです。私のソロ曲に「大好きな君に出逢えたよ」という歌詞があるんですけど、大好きなメンバー6人と大好きなファンの皆さん、そして、私たちを大切にして下さる関係者の皆さん、みんなに出逢えてとてもしあわせです! ずっとずっとよろしくお願いします!

 山乃メイ:このツアーでは、楽しいことはもちろん、乗り越えなくちゃいけないこともたくさんあったんですけど、それを全て乗り越えて成長することができたかなと思っています! それもすべてここに来てくれている皆さん、地方で会えた皆さん、応援して下さる皆さんの笑顔が見たい! という気持ちがあったから。本当に皆さんのおかげです! クマリデパートはこれから日本平和、世界平和を叶えていきたいなと思っているので、愛情マシマシでこれからも見守っていてください!

 小田アヤネ:このツアーでね、メンバーと全国各地をまわれて、たくさんのファンの人と出逢えてライブが出来て、限界無限大ツアーの名前の通りに限界を超えて、無限大に強くなれたんじゃないかなと思います。そんな大好きなメンバー、大好きなファンの人たち、クマリデパートを信じて応援して下さっている皆様と一緒にこれからも「楽しい」を増やし続けていきたいと思うので、これからも小田、あつます? ま? ます? マシマシで(笑)! マシマシで頑張りたいと思うので、よろしくお願いしまーす!

 楓フウカ:今日は平日のお忙しい中、皆さんこうして遊びに来てくれて本当にありがとうございます! クマリちゃんたちはこのツアーで、ぶっ飛びグッドエモーションで限界を突破することができました。それも関わって下さっているたくさんの皆さんとファンの皆さんのおかげです。これからもクマリデパートの歌を大切に届けていきたいと思います。可能性無限大、限界無限大のクマリデパートをこれからも応援よろしくお願いします!

 早桜ニコ:ツアーを通して成長した今の私を、今の私たちをこんなにたくさんの方に観てもらえてとっても嬉しいです! そして、このZeep Diver city(TOKYO)というステージでワンマンライブができて本当に嬉しいです! 今日もこのライブがすっごい楽しくて、メンバーはもちろん、ファンのみんなの顔を見るだけですごくニコニコ楽しくて、すごい最強、最高のクマリデパートだなって改めて思いました! これからもまだまだレベルアップできるように頑張るので、応援よろしくお願いします!

 これからもみんなと素敵な未来へ歩いていけますように……今日は本当にありがとうございました!

取材&テキスト:平賀哲雄
ライブ撮影:Jumpei Yamada

◎ライブ【限界無限大ツアー2021】ツアーファイナル
2021年11月5日(金)Zeep Diver city(TOKYO)セットリスト:
01.おいでよ!クマリデパート
02.愛phone渋谷
03.YESモチFEVER
04.Furniture Girl
05.極LOVE浄土
06.あみだ☆ふぉーちゅーん(新曲)
07.ちゅるちゅる☆革メイ(山乃メイ)
08.時々ドキっと☆栃木(楓フウカ)
09.HELLO HELLO(七瀬マナ)
10.Who are YUU?(優雨ナコ)
11.オーダーメイド(小田アヤネ)
12.さおてゃんだよ~(早桜ニコ)
13.ピアノ
14.サクラになっちゃうよ!
15.ネコちゃんになっちゃうよ~
16.恋のハッピーチョモランマ
17.SUN百6じゅ~GO!日ッチ☆
18.せかいのおわりの物語
19.シャダーイクン
20.限界無限大ケン%
En1.これから(新曲)
En2.アンサー!!
En3.二十四時間四六時中

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