2013/02/22 11:00
集計日付がいよいよ3月に突入した今週の全米シングルチャート。今週からHOT100チャートの集計方法に、YouTubeのストリーミング回数が追加されることになったことをご存知でしょうか。
これまでも、エアプレイポイントとセースル(実売)数のポイントの比率や、2000年代からはitunesその他のデジタルセールスをポイント加算したりと、時代の需要に則った集計方法によってチャートを作成してきたビルボードが、今、「音楽を聴く」手段として最も活用されているこのYouTubeのストリーミングを取り入れないワケにはいかんだろうと、今週からSpotifyに加えて、YouTubeの再生回数も集計対象に加えて集計することになったのであります。
よって、まさにその成果アリ、といった今週のシングルチャート。ナンバーワン・デビューを果たしたのは、バウアーの「ハーレム・シェイク」。一体誰だ、何だ?と。こちらブルックリンのプロデューサーによるエレ・ポップ系統のダンスナンバーで、この曲に乗せて世界各国の踊り手がダンスを披露するという動画が、大ブレイク中とのこと。1週で1億以上の再生回数が見込まれて、このストリーミング回数が今週から曲単位のポイントに加算された結果、首位デビューという華々しい結果に至ったのである。
LMFAOに続き昨年、Psyの「江南スタイル」、そして今年はこの「ハーレム・シェイク」と、3年連続でエレ・ポップによるお祭り騒ぎ。米国は大のつく不況下でありながら、音楽はやたらバブリーというのは違和感を覚える人も多いかと思われるが、いわゆる“逆風に立ち向かう”的な要素を持ち合わせているのかもしれない。
そんなエレ・ポップ時代を覆そうと挑んだ、マックルモア&ライアン・ルイスの「スリフト・ショップ」が5週目の首位ならず、一旦後退。が、次週返り咲きの可能性もアリ。彼らを挟んで、今週は1位と3位が初登場という、シングルチャートとしては珍しい結果に。
3位にはデジタルセースルを最も伸ばした、リアーナの「ステイ」が初登場。彼女にとって、別アーティストとのコラボを含む24曲目のTOP10ヒット、16曲目のTOP3ヒットで、デビューランクとしては自身最高位。素顔(スッピン)をアップで堂々と披露し話題のミュージック・ビデオのストリーミング再生回数はもちろん、グラミーのパフォーマンス効果によって爆発的にセールスを伸ばし堂々3位デビューとなった。さらに12月に首位を獲得した「ダイアモンド」が21位、セカンドシングルとしてカットした「ポアー・イット・アップ」が22位まで上昇中と、TOP40内に3曲をランクインさせ、さらに63位に「ラヴィー・ソング」がランクイン。首位のバウアーに話題をさらわれれしまったが、今週はリアーナ・ウィークなのである。
そして、こちらもリアーナ繋がり、というワケではないが、「ワッツ・マイ・ネーム」のドレイクが、そのリアーナと組んだナンバーも含めて計11曲目のTOP10ヒットを今週叩き出した(10位)。昨年最も売れたラップ・アルバムとして殿堂入りした『テイク・ケア』に続くニューアルバム『ナッシング・ワズ・ザ・セイム』からの先行シングルで、V、スタイル、トラック、リリック全てにおいて黒人らしさをアプローチしたヘヴィーなナンバー。エイサップ・ロッキーの「ファッキン・プロブレムズ」をブレイクさせたと思ったら、ご本人はまた更に重圧をかけてくるんだから、やっぱり90年代リバイバルは間違いない、と思わさざるを得ない。
その他、上位大きな変動はないものの、マムフォード&サンズの「アイ・ウィル・ウェイト」が12位に上昇、ファンのサード・シングル「キャリー・オン」が43位から20位にジャンプアップする等、まだまだグラミーの影響がチャートに反映している様子の3月初週。桜が開花する頃はいったい、誰が首位を独占しているのでしょうか。
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