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DANCER'S PREMIUM "浦上雄次(SUJI TAP)"スペシャル・インタビュー

浦上雄次(SUJI TAP)インタビュー

 6月に行われるビルボードライブ初のダンス・ショーケース『DANCER'S PREMIUM』栄えある第一回目を飾るのは、日本トップ・クラスのタップ・ダンサー、SUJI TAPこと浦上雄次。北野武映画『座頭市』や海外のタップ・フェスティバルにもゲストとして参加する彼に、タップに辿りついた経緯や魅力、そしてビルボードライブ公演への意気込みなどをたっぷりと語ってもらった。タップをまだ見たことのない人を、知られざるタップの世界へと誘う。

6/5(木) DANCER’S PREMIUM "浦上雄次(SUJI TAP)" @ Billboard Live TOKYO

ハインズ・ブラザーズを見た時、絶対いつかタップをやろうと思ったんです。

??16歳でダンスを始めたとのことですが、きっかけは?

浦上雄次: MCハマーとかボビー・ブラウンといったニュー・ジャック・スイングが音楽的に流行ってた時に自分は高校一年生でした。『ダンス甲子園』や『DANCE DANCE DANCE』などのダンス番組の影響もあり、BE BOP CREW、MEGA MIX、Zoo、LL BROTHERSに影響されてダンスを始めました。

??ということは最初はタップではなかった?

浦上雄次: そうですね。自分が最初に習ったのはソウル・ミュージックで踊る【ソウルダンス】でした。20代の人達はあまり知らないかもしれませんが…(笑)。アメリカのテレビ番組で70年代にスタートしたソウル・トレインで有名になったダンスですね。『ベビー・シッター』とか『ゴーゴー』とか動きに名前が付いていて、先輩方からそれを学びました。歴史的にはヒップホップ(ブレイクダンス)よりも前に踊られていた黒人文化発祥のダンス・スタイルです。

??周りの友達もソウル・ダンスをやっていたのですか?

浦上雄次: いや、周りには先輩や仲間以外あんまりやってなかったですね。それこそMCハマーが流行ってたので(笑)

??もともとソウル・ミュージックに興味があったんですか?

浦上雄次: いや、最初に友達と習いに行ったところがたまたまソウルダンスのクラスで…実は流行のダンスがやりたかったんですが(笑)…でも、やっていくうちにどんどんハマっていきました。

??プロを目指そうと思ったのはいつだったんですか?

浦上雄次: 19歳で上京した時は舞台制作の専門学校に行ってて、裏方の仕事ができればいいなと思っていたんですけど、東京で出会った新しい友達とダンスを続けていくうちに「やっぱりダンスでやっていきたいな」と思うようになりました。

??その時もソウル・ダンスを?

浦上雄次: 上京後にやっていたのは『STAX GROOVE』というダンスチームではジャズの曲で踊るスタイルでした。とにかくステップが大好きでしたね。その後は『SYMBOL-ISM』というダンスチームでハウスダンスやいろんなジャンルのものを混ぜてショーを創っていました。

??では、タップを始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

浦上雄次: ダンスで食っていくと決めた時に、もっと別のスキルを身につけたいなと思って始めました。

「cottonclub」

??それまでタップを見た事はあったのでしょうか?

浦上雄次: ダンスを始めた当初、深夜にやっていた『コットン・クラブ』という映画を偶然見た事がありました。劇中役者としても出演していたハインズ・ブラザーズを見た時、絶対いつかタップをやろうと思ったんです。『DANCE DANCE DANCE』にHIDEBOHさんが出ていたのもテレビで見ていました。それでタップを習うならHIDEBOHさんに習いたいと思ってHiguchi Dance Studioに入門しました。

??そこからはもうタップ一筋で?

浦上雄次: そうですね。ハマっちゃいましたね。

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  1. おじいちゃんでもめちゃめちゃ踊れるんだな~と!
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おじいちゃんでもめちゃめちゃ踊れるんだな~と!

??24歳から始めて、すぐに習得できるものなのですか?

浦上雄次: 最初はめちゃくちゃ練習しましたよ。タップは基礎的な動きの習得に時間がかかるんです、音が出るまでには繰り返し基礎練習あるのみ!です。代々木公園に板を持って行き、バイトの合間を見て毎日6時間くらいは練習していました。

??タップの初舞台はいつだったか覚えていらっしゃいますか?

浦上雄次: 初舞台はたしか…横浜のCLUB HEAVENだったかな。STAX GROOVEのショーの時に「俺はタップをやる」って言って(笑)。習い始めてから結構早い段階でやっちゃったと思います。
今思えばかなり無謀だった気がしますね(笑)。

「tap」

??当時影響を受けたタップダンスが出ている映画は他にありますか?

浦上雄次: グレゴリー・ハインズがバレエダンサーのミハイル・バルシニコフと共演した『ホワイト・ナイツ』とか、『タップ』ではタップ・マスター達がサークルを作って踊る"チャレンジ!!"っていうシーンがあるんですけど、それにもすごく影響を受けましたね。おじいちゃんでもめちゃめちゃ踊れるんだな~と!

一概には言えませんが、いくつになっても踊れるのがタップなんだと、そのシーンを見た時に思いました。

??そういったところにも惹かれたんですね。

浦上雄次: そうですね。あとはアーティストとして、単体で公演をやることにすごく憧れを感じてたんですよね。いろんなダンスチームが集まってやるイベントももちろん大切なんですけど、なかなか単体での公演は難しかったりして。僕は歌手でもないし、ミュージシャンでも役者でもないので、そういう意味でもタップに可能性を見出し、惹かれたんだと思います。

ハードルを乗り越えた時に味わえる楽しみもすごくあります。

??北野武監督の映画『座頭市』や『TAKESHIS』に出演されていますが、出演のきっかけはなんだったのですか?

浦上雄次: HIDEBOHさんが作った『THE STRiPES』というチームのライブを北野武さんが見に来てくれたのがきっかけでした。

movie3

??『座頭市』のおかげでタップ人口は増えましたか?

浦上雄次: やっぱりその当時は増えたと思います、Shall We ダンス?で社交ダンスが流行ったように、映画の影響というのは大きいと思います。HIDEBOHさんがタップを普及させたいという強い気持ちや信念があったからこそ、映画出演に繋がったと思っています。

??インストラクターもされていますが、タップを習う方はどういう方が多いですか?

浦上雄次: 結構幅広いですよ。50代60代の方もいますし、子供もいます。20代は少ないかもしれないですね。

??勝手なイメージですが、タップをやるのはちょっとハードルが高い気がします。

浦上雄次: 高いですね(笑)。タップシューズとか道具を揃えるのもありますし、体をすぐに動かして踊れるというわけでもないので…でも、そういったハードルを乗り越えた時に味わえる楽しみもすごくあります。教えるときはタップ・ダンスの楽しさを分かってもらいたいので、色々と試行錯誤していますよ。

??ストリート・ダンスからタップ・ダンスを始める人もいますか?

浦上雄次: ジャズダンスのプロで活躍している當間里美、ブレイクダンスの世界で世界チャンピオンにもなった群青も5、6年位前にタップを始め、今では色んな舞台でタップを踊っています。ただ、ここまでのめり込む人は多くはないですね。群青は今回ビルボードライブのステージで一緒に踊るので、楽しみにしててほしいです!

「cottonclub」
Power of Tap ~繋がる日本タップダンス~@新宿MARZ

??ご自身で主宰されている「Power of Tap」は、どのような活動をされているのですか?

浦上雄次: 2011年の東日本大震災をきっかけに立ち上げた団体です。年に1回は東京でのチャリティライブを開催するように決めています。宮城県の南三陸町にバスをチャーターして行ったり、先日は群青と一緒に福島県郡山市で仲間達と一緒にワークショップとライブもやりました。今年は5月・7月・9月に都内の小さいカフェでライブをやって年末くらいにホールを借りてやる予定です。

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「なんかイマイチだったね」って言われるのが一番ダメだと思うので。

??今後新たなプロジェクトや活動のご予定があれば教えてください。

浦上雄次: これまではチームを組んで活動して来たんですが、今年に入ってからはタップを始めたころのように自分のスキルを見直して、もっともっと芸を磨いていこうと思ってます。いま38歳なんですけど、40歳を超えた先を見据えています。

??ここからさらに練習を積んでいくと?

浦上雄次: そうです。今回のビルボードライブ公演もそうですが、どんな舞台であっても出演するからにはパフォーマンスはピカイチだっていう状態でいたいですね。どんなに華やかで凄い舞台に立って踊ったとしても、「なんかイマイチだったね」って言われるのが一番ダメだと思うので。

??練習好きですよね?

浦上雄次: タップが今後さらに盛り上がっていく可能性を感じているので、そうなるまでに自分の技術を間に合わせなきゃいけないと思ってやっています。タップを始めた時も今も、10年後どうなるかということを考えて行動しているつもりです。

??普段はどんな音楽を聞かれるんですか?

浦上雄次: ジャズが多いですね。タップの基本的なリズムってスウィングしてるんですよ。だから初めはジャズの曲をかけて練習してましたし、デューク・エリントンやカウント・ベイシーのビッグ・バンドの中でも伝説の黒人タップダンサーは踊っていましたよ。

目でも耳でも楽しめるところが単純にタップの魅力だと思います。

??今回、ビルボードライブ東京で初のダンス・ショーケース・ライブに出演されます。バンド率いてのステージのようですが、どんな内容になるのでしょうか?

SUJI

浦上雄次: ジャズ、ポップス、ヒップホップまで、タップはもちろんですが、音楽も楽しんでもらいたいなと思っています。バンド編成は6人、皆経験豊富で色彩豊かなアーティストが揃っています。こないだサックスの庸蔵くんが「井上陽水さんの曲はどうかな?」って言ってきて参考音源を送ってくれたんですが、良い意味でタップの可能性を幅広く感じてもらってるんだなと思いました。今回は俺たちにしか出来ないアレンジ、ノリ、会話を楽しんでもらえたら嬉しいです。

??タップをバンドと融合させるときに気を付けていることや難しさみたいなものはありますか?

浦上雄次: やっぱりドラムやパーカッションのビートと被るので、そこには気を使いますね。

??日本のタップシーンをもっとこういう風にしていきたいといった思いはありますか?

浦上雄次: タップダンスのプロを目指している人達が少しずつですが増えてきています。意識を高く持てばそれだけ苦労も絶えないと思いますが、そういう人達と一緒に日本人だからこそ出来るようなショーを創ってみたいですね。
日本文化には馴染みの無いタップダンスですが、国や世代を超えて繋がっていけたらと思います。

??浦上さんにとって、タップの魅力とは?

浦上雄次: 目でも耳でも楽しめるところが単純にタップの魅力だと思います。あとはミュージシャン達と「音楽的」なセッションができるところです。

僕達タップダンサーのリズムは普段話してる言葉と何も変わらないんです。

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(オリジナル・サウンドトラック) ジョン・バリー「コットン・クラブ」

コットン・クラブ

1998/12/19 RELEASE
MVCF-19301 ¥ 2,084(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.ザ・ムーチ
  2. 02.コットン・クラブ・ストンプ#2
  3. 03.ドロップ・ミー・オフ・イン・ハーレム
  4. 04.クレオール・ラヴ・コール
  5. 05.リング・デム・ベルズ
  6. 06.イースト・セントルイス・トゥードル・オー
  7. 07.トラッキン
  8. 08.イル・ウィンド
  9. 09.コットン・クラブ・ストンプ#1
  10. 10.ムード・インディゴ
  11. 11.ミニー・ザ・ムーチャー
  12. 12.コパー・カラード・ギャル
  13. 13.ディキシーとヴェラ
  14. 14.ザ・デプレッション・ヒッツ/ベスト・ビーツ・サンドマン
  15. 15.デイブレイク・エクスプレス・メドレー

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