ぱるると仕事……アイドルヲタの山崎あおいはそこで終わります。

▲山崎あおい - 恋の予感

－－山崎さん、ツイッターのプロフィールにも「シンガーソングライター20才。11月13日「恋の予感」リリース！ぱるるとれなちゃん。」って書いてりますけど（笑）。好きなアイドルの名前を書いておくシンガーソングライター。

山崎あおい：フォローしてくれる人には覚悟が必要なんですよね。ぱるるに関するツイートがあまりにも多すぎるんで。

－－で、「握手会以外でぱるるさんに会えるように、頑張りますね!! 本当に!!」って書いてあって、モチベーションの上げ方が完全にヲタっていう。

山崎あおい：そうですね（笑）。

－－握手会以外でどうぱるると絡みたいんですか？『ミュージックステーション』で共演とか？

山崎あおい：それは目標のひとつではありますね。それがすべてではないんですけど（笑）、モチベーションは上がりますね。

－－やがてはぱるるのソロ曲を山崎あおいが手掛けるとか、山崎あおいのミュージックビデオに出てもらうとか……

山崎あおい：もうそれはゴールですね。

－－え、そこで山崎あおいのストーリー終了っ!?（笑）

山崎あおい：アイドルヲタの山崎あおいはそこで終わります。

－－なんか格好良いです。あと、山崎あおいがAKB48ファンで、ぱるる好きなのは前から公言してますけど、最近のツイッター見てると、とにかく可愛い女の子が大好きな人みたいな。

山崎あおい：大好きなんですよ。きっかけですか？ 私の通っていた高校は共学ではあったんですけど、何故か私の周りにいる友達が可愛い女の子の話ばっかりしていて、それが普通だと思っていたんですよ。イケメン俳優の話とか全くしたことなくて「イケメンより可愛い娘だよね」みたいな。だけど、いざ一人で東京に出てきたら、みんな可愛い娘よりイケメンが好きで（笑）。そこで私の周りが普通じゃなかったことに気付くんですけど。

－－友達に「可愛い女の子紹介するから！」って呼び出されるんでしょ？ もう完全に男扱いじゃないですか。

山崎あおい：紹介してほしい訳ではないんですけどね！ 画像収集家なんで。

－－そっちの方がディープですよ（笑）。そんな山崎さん、知れば知るほどツッコミどころが多くてですね、ライブ前には「私は世界で一番の美女だし、世界で一番の歌姫だから」 と言い聞かせるっていうエピソード。そこまで思い込ませないといけないのかっていう。

山崎あおい：ライブ前は毎回そうなるんですよ。すぐ「死にたい」とかも言っちゃって。出る前はすごく緊張してるから「もうここで死んでしまいたい」という意味と、ライブをしたらハイになるのは分かっているから「その幸せの状態のまま人生を終了したい」という意味で「死にたい」ってすぐ思っちゃうんですけど。で、自分に自信を持たせる為に「私は世界で一番の美女だし、世界で一番の歌姫だから」って言い聞かせてステージに出て行ってます。

－－結構、追いつめられるタイプなんですね？

山崎あおい：特にデビューしてからは。デビューする前はフラっと出て、フラッと歌って、みたいなこともあったんですけど、今は良い意味でプレッシャーがあるっていうか、私の曲を聴いて、CDを聴いて、「良いな」って思ってライブを観に来てくれる人には、そういう気持ちを絶対無くしてほしくないっていうか、「ライブ観たら大したことなかった」って思われたくないので、良いライブをしなきゃいけないっていつも奮い立たせてます。

－－自分に課してるハードルが高いから、っていうのもあるんですね。お客さんが来ている以上は、中途半端なものは絶対見せられないっていう。

山崎あおい：日に日にハードルは高くなってると思います。あと、中途半端はすごく嫌いですね。今も大学通いながら音楽活動しているんですけど、気持ちとしてはあんまり「これぐらいでいいかな」っていう妥協はしたくない。

－－前回のインタビューで「私の個性は、王道。聴く人と同じ視点で王道を駆け抜けていく」と語ってくれましたけど、故に中途半端だと思われる訳にはいかない。

山崎あおい：そうですね。奇抜なことをやる方が注目されやすいとは思うんですけど、自分のやりたいことは王道の音楽だし、メロディーが綺麗でポップなものに惹かれる。ただ、王道を目指している人はたくさんいるし、王道でいろんな人に聴いてもらう為にはそれなりのクオリティーが求められるので。

そういう意味では、私生活が潤わなくてよかったなって。

－－王道で“中途半端じゃない”って思わせるのは、一番難しいことですよね。ギター持ったまま客席に飛び込めば、それは“中途半端じゃない”って言われますけど、山崎あおいがやりたいのはそんなことじゃないですもんね。

山崎あおい：はい。

－－だから、ひたすら良い曲を生み出し続けなきゃいけない。

山崎あおい：大変なことだと思います。でも自分のやりたくないことをやっても、私も嫌だし、今まで私の曲を聴いてきた人も「違う」ってなるし、仮に奇抜なことをやって良いって思ってくれた人がいたとしても、その期待に応え続けるのは無理だと思うので、だったら自分がやりたいこと。王道をやっていくことが後々の為にもなる。

－－それを求める人が山崎あおいのもとに集まってきている？

山崎あおい：そうですね。やっぱり聴いてくれている人はすごく増えてきましたし、自分としてもどんどん「自分がやっていることは間違ってない」って自信も出てきたので、今のところスタイルを変えようとは思ってないです。

－－山崎あおいにとってファンはどんな存在になってるの？

山崎あおい：精神的にすごく支えられるというか……まぁファンの人が私のやることすべてに「イエス」って云う訳ではないことは分かってるんですけど、でもやっぱりこういう活動をしていく上で味方でいてくれる人たち。そんなに愛を実感せず育った訳ではないんですけど（笑）、やっぱりステージに立ったりすると「あ、すごく愛されてるな」って感じられる。おかげで「私は独りぼっちだから」って悲観的になりすぎることはなくなった。

－－以前は「私は独りぼっちだから」と思っていた？

山崎あおい：ひとりで東京に出てきて友達も親もいなかったんで、すごく寂しい気持ちは常にありました。でも友達がいなくても音楽やってれば楽しいし、別に絶望するようなことではないので、歌が楽しいから今はそれでいいかなって思っちゃいますね。

－－今もこっちに友達はいないんですか？

山崎あおい：あんまりいないです（笑）。

－－その分、音楽に温もりみたいなものを求めている？

山崎あおい：そうですね。私生活が潤ってない分、そのギャップでライブがすごく楽しく感じるようになったので、最近はライブの1曲目で泣きそうになっちゃうんですよね。「あ、歌えるって幸せだな」って。そういう意味では、私生活が潤わなくてよかったなって。

－－凄いね。「私生活が潤わなくてよかった」って（笑）。ただ、ニューシングルのタイトルは潤いあります。『恋の予感』、山崎あおいの中で振り切った曲ですよね、きっと。ポップの限りを尽くしている。

山崎あおい：今までリリースしてきたシングルって『夏海』とか『強くなる人』とか、わりと切ない曲が多くて。でも曲を作り始めた当初からポップな曲もずっと作ってきてはいて、『恋の予感』みたいな雰囲気の曲もあったはあったんですよ。それをまだ聴いてもらってないなと思ったので、今回「こういう曲もやってます」みたいな感じで聴いてもらえたらなって。

－－今作は、山崎あおいが敬愛するYUIで例えれば『CHE.R.RY』の位置にあるナンバーだと思うんですけど、この胸キュンポップスの世界って、踏み込む人と、踏み込まない人がいるじゃないですか。山崎あおいは何でここを表現したいと思ったんでしょう？

山崎あおい：そこを最初から狙って作っていった訳ではないんですけど、まず良い感じのメロディーがあったので、とりあえずアレンジしてオケを録ったんですけど、そしたらすごく“恋のはじまり”っぽい感じになったんですよ。で、恋のはじまりの気持ちを敢えて難しい言葉で表現する必要もないし、どんなに頭の良い人も、どんなに普段難しいことを考えている人も、恋のはじまりってすごくバカだと思うんですよね（笑）。単細胞というか。だから私のやりたい王道の、ストレートな言葉で書いたら新しい一面が出てきた。

－－個人的には、山崎あおいが近年打ち出しているキャラクターにピッタリだなと思いました。山崎あおいって実はポップじゃないですか。可愛い女の子に翻弄されちゃったり、緊張して「私は世界で一番の美女だし、世界で一番の歌姫だから」 と言い聞かせたり、もうほとんどマンガですよ。

山崎あおい：そうですね（笑）。

－－そのポップなキャラクターが浮き彫りになった今、この『恋の予感』が打ち出されたのは見事だなと思いました。自分ではどう思いますか？

山崎あおい：自分ではそんなにポップな人間だと思ってないんですけど、そういう一面もあるというか。憂いのある曲はずっと出してきたし、ここで二十歳の女子っぽさというか、普段はアイドル好きの二十歳の女子大生なので、そういう面を曲にしてもいいんじゃないかなって。二十歳になって新しい面を見てもらいたいと思っていて、それが出たっていうのもあるかも。

－－二十歳になったと言えば、代官山LOOPでの誕生日ライブで「とりあえずビールお願いします！」と頼んでましたが、ビールのお味はいかがでした？

山崎あおい：最初はすごく苦くて「こんなものを大人は呑んでいるのか」っていう感じで、何が美味しいか分からなかったんですけど、でも馴れようと思って、それから打ち上げとかがある度に「とりあえず一杯目はビールにしよう」っていう信念を持って（笑）呑み続けて。そしたら最近ちょっと美味しいかなって思い始めちゃって……酒豪の予感ですね。

－－酒豪の予感（笑）……じゃなく『恋の予感』の話に戻ります。この歌詞の主人公はどんなキャラクター設定になってるんでしょう？

山崎あおい：可愛い女の子ですね。まぁ大体主人公を想像するときは可愛い女の子なんですけど、どちらかと言うと鈍感系。それこそ本当にマンガに出てくるような、綺麗な恋をしていたい感じの女の子ですかね。

今年のX'mas……スカイダイビングしようかなと思って。

－－「恋がはじまりそうだ ずっと1人でいたけど 気づいた この想い 教えてあげたいよ」って、恋愛経験少ないはずなのに上から目線っていう（笑）。若干ツンデレ感出てますよね。

山崎あおい：（笑）。恋に気づいたときに「伝えたいよ」ってどこか違う気がして。私の中のこの娘のイメージとは違ったんですよ。でも「教えてあげたいよ」は可愛くてピッタリだなって思って。

－－ここからは『恋の予感』の歌詞を通じて、山崎さんと恋愛トークを繰り広げたいんですが、「君の名前を呼ぶと 張り裂けてしまいそうだ」みたいな経験ってあったりしますか？

山崎あおい：そうですね（笑）。名前ってすごくパワーがあると思ってて。抑え込んでいた「会いたい、会いたい」みたいな気持ちも、名前をポロッと口に出してしまうだけで止められなくなって「あーもうダメだ、会いに行こう」みたいな気持ちになったり。名前って一番愛おしいものじゃないですか。その好きな相手の持ち物の中で。

－－でも名前を呼んだだけで張り裂けてしまいそうになるって、もう相当好きですよね。全く冷静じゃない。

山崎あおい：私も周りが見えなくなっちゃうタイプなんで、よくないと思うんですけど（笑）。だから実際はそんなことないんですけど、友達に「誰かと付き合ったら束縛しそうだよね？」ってすごく言われます。

－－というか、山崎さん、男性にもトキメクんですか？

山崎あおい：もちろんトキメキますよ（笑）！ 可愛い女の子へのトキメキとは種類が違います。

－－やっぱり恋はトキメキですよね。合コンばかり行って好みの異性を探すのは、もう恋じゃないですからね。

山崎あおい：そうですね。私もちょっと違うかなと思います。大学生という生き物として合コンがどんなものなのか知りたい好奇心はあるんですけど、合コンに来るような男の人はちょっと苦手かも……。

－－山崎あおいの歌詞で描かれる女の子もそんな感じですよね。ちゃんと山崎あおいの恋愛観が反映されてる。

山崎あおい：そうですね。ちゃんと正しい出逢い方をして、正しく付き合って、正しく結婚したいなって思う。

－－そこまで人生うまく進む人はいないと思いますが（笑）、そんな山崎あおいの恋愛観も反映された新作『恋の予感』。どんな風に世に響いていってほしいですか？

山崎あおい：恋のはじまりをテーマに歌っているので、クリスマスも近いということで、この曲を聴いて単純にワクワクしてもらいたいなと思いますね。何かを感じてほしい！とか、伝えたい！みたいな感じじゃなくて、気分がちょっとアガったり、そういう曲になってほしいです。

－－ちなみに今年のクリスマスのご予定は？

山崎あおい：スカイダイビングしようかなと思って。

一同：（爆笑）

－－なんで？

山崎あおい：アウトドア好きな友達が偶然集まったときに「クリスマス、みんな予定あるの？」っていう話になって、みんな「いや、ないわ……」みたいな感じだったので（笑）、「だったらヤケクソでスカイダイビングする？」って話になっちゃって。今、実現しそうな勢いです。

－－自分の歌には「恋の予感にワクワクしてください」という想いを込め、歌っている当人は空飛んでるっていう。

山崎あおい：そうなんです（笑）。富士山が見えるスカイダイビングのスポットがあって、そこが良さげなんですよ。

－－スカイダイビング経験はあるんですか？

山崎あおい：ないです。今年の夏の目標が「空を飛ぶ」だったんですけど、叶わなかったんで、せめて年内に。あと、去年のクリスマスが寂しすぎたんですよ。ぎっくり腰になっちゃって寝てました（笑）。なので、今年のクリスマスは派手に飛びたいなと。

－－今回のインタビューの見出し、このままだと「山崎あおい クリスマスに女だらけでスカイダイビング」になっちゃいますけど、大丈夫ですか？

山崎あおい：じゃあ、スカイダイビング以外の話も（笑）。年内は11月にこのシングル『恋の予感』のリリースがあって、またフリーライブツアーもあるので、来年に繋がるライブをこれからしていきたいと思ってます。それに、来年は、初めてのワンマンライブツアーもありますので、本当に楽しみですし、遊びに来てくれたら嬉しいです！