アシャンティと言ったらこの曲のコーラスを思い浮かべる人が多いかもしれない。それもそのはず、米ビルボードHot100、そしてR&Bチャートにて10週1位を記録し、アメリカ以外でも、カナダ、UK、オーストラリア、そしてここ日本でもトップ10ヒットとなり、デビュー・シングルにして彼女を一気にスターダムへ押し上げることとなった記念すべき作品で、現在までに800万枚以上というの驚異のセールスを記録している。ミュージック・ビデオでは、当時まだ21歳だった彼女のちょっぴり背伸びした姿、そしてかなり大胆な胸元のドレスに釘付け！

　2001年にリリースされたジャ・ルール「Always on Time」にフィーチャーされたことにより、初の全米1位を記録、さらにはグラミー賞にもノミネートされたアシャンティ。そのジャ・ルールをフィーチャーした2ndシングル。この曲の冒頭でジャ・ルールが、アシャンティを“プリンセス・オブ・R&B”と呼んだことにより、その名が定着。90年代の名残りある、いかにもな演出やカラフルな衣装な懐かしい。

　デビュー・アルバム『Ashanti』からの3枚目のシングル。前記2曲とはまた違った大人なアシャンティの魅力が溢れた一曲。後に彼女のトレードマーク（?）となる雨降りビデオ・シリーズ第一弾でもある。この3曲が収録されたアルバムは、ベスト・コンテンポラリー・R&B・アルバムを受賞し、米ビルボード・ミュージック・アワードでは、最優秀女性アーティスト、最優秀R&B/ヒップホップ・アーティストを含む8冠に輝き、彼女の人気を不動のものとした。

　デビュー作から1年後にリリースされた2ndアルバムからのリード・シングル。米ビルボードHot100にて2位を記録、グラミー賞ではベストR&Bソングにノミネートされるなど、快進撃は続き、この年のサマーソングと言っても過言ではないほど。透き通るような青い海とビーチにて撮影されたミュージック・ビデオでは、アシャンティが象に乗り、浜辺を散歩する姿も！

　アシャンティ自身が作曲に参加した、暴力的なパートナーとの関係を断ち切り、克服するという一際シリアスな1曲。人気映像作家ハイプ・ウィリアムスによるミュージック・ビデオでは、恋人にDVを受ける人気アーティスト役を演じており、このMVを元にしたミニ・ムーヴィーが家庭内暴力防止基金の為に制作。米MTV、BETなど様々な音楽番組で取り上げられ、話題となった。なおこの曲では、グラミー賞の最優秀女性R&Bヴォーカル・パフォーマンス賞にノミネートされている。

　2004年にリリースされた3rdアルバム『Concrete Rose』からこれまでとは違うロック調なメロディにアシャンティの官能的なウィスパー・ヴォイスが絡み合う、セクシーな魅力が詰まった1曲。全英チャートでは自己最高の2位を記録。ミュージック・ビデオでは再びハイプ・ウィリアムスとタッグを組み、ブルーを基調としたアーバンな作品に仕上がっている。

　この頃よりシンガーだけではなく、女優として数々の映画やTV番組出演しているアシャンティ。2005年の『コーチ・カーター』では、妊娠したティーンエイジャーを熱演し、MTVムービー・アワードにて新人賞にノミネート。2006年に公開された『モテる男のコロし方』（原題：John Tucker Must Die）では、持ち前のダンスのセンスを生かし、チアリーダー役として準主役に抜擢されている。

　そしてラストは、R.ケリー、バスタ・ライムス、キーシャ・コール、ミーク・ミル＆フレンチ・モンタナなどの豪華ゲストをフィーチャーした5年ぶりとなる最新作『BraveHeart』からのリード・トラック。タイトル通り映画『ブレイヴハート』からインスピレーションを受け、制作された今作。デビューから10年、そして30代に突入し、新たな魅力を開花させたアシャンティによる渾身の1曲となっている。