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ディズニー初のアカペラ・グループ! ディカペラ来日インタビュー



ディカペラインタビュー

 ディズニー・ミュージック・グループが世に送り出す、噂の大型新人アカペラ・グループ<ディカペラ>が、2019年5月15日発売のアルバム『ディカペラ』で日本デビューを果たした。ディズニー初のアカペラ・グループの一員になるべく、全米中から集まった多数の応募者の中から、コンテンポラリー・アカペラ界のパイオニアで、本グループのプロデューサーを務めるディーク・シャロンによって選び抜かれた男女7人が集結。個々の美しい歌声が見事に合わさり、誰もが知るディズニー音楽が新しく生まれ変わっている。

 今回来日したメンバーのうち、ボイス・パーカッション担当のアントニオ、テノール担当のRJ、メゾソプラノ担当のカレン(2019年5月にシェリー・レグナーの脱退を受け、正式にグループ加入。アルバム・レコーディングには参加)、そしてアルト担当のソジャーナの4名にインタビュー。デビュー・アルバムができるまでの経緯、ディズニー音楽の素晴らしさ、そして8月末からスタートする全国ツアーの見どころなどを語ってもらった。インタビューは「コンニチハ!」「ヨロシクオネガイシマス!」と元気のよい日本語の挨拶からスタートした。

オーディションで真っ向勝負するつもりだったのが、
最高のアルバムを作りたいと思うようになった

――今回が初めての日本ですか?

全員:ハイ!

――ずいぶん日本語がお上手ですね(笑)。

カレン:ハイ! 感謝の言葉とか、「すいません」、「こんにちは」とか挨拶程度の言葉は覚えようと思って、取材中もたくさんの日本語を覚えているところ。

――今回は天気にも恵まれていますが、8月にまた来日するときは、かなり暑いと思いますよ。

カレン:私とアントニオはフロリダ出身だから、暑さには慣れているけど、今回来て思ったのは、やけにムシムシしてるなってこと。今度来るときは、服装も考えなくちゃね。スタイリストと相談しておく(笑)!

――デビュー・アルバム『ディカペラ』でみなさんが披露したハーモニーは、グループ結成後すぐにレコーディングされたとは思えないくらい、歌声が見事にハマっていて素敵でした。

全員:おー、アリガトウゴザイマス!

――レコーディングは別々で行われたそうですが、詳しく教えていただけますか? ヘッドフォンで誰かの声を聞きながら行われたのでしょうか?

カレン:収録は主に、アントニオのパーカッションとビートに、(ベース担当の)ジョーのベースラインを乗せて、高音パートとヴォーカル・パートを付け加えていった。ヴォーカルの一番手になったら、アントニオのパーカッションとクリックを頼りに自分のパートを加えていくことになる。最後の人はヴォーカルがたくさん重なった状態だから一番楽なのよ。

――最後になるのはいつも誰だったんですか?

カレン:曲によって違う。

RJ:でもソロ担当が最後になることが多いな、それもソロがずっと一人で続くならね。

――では、重要な一番手を務めたのはいつもアントニオだったってことですね。

アントニオ:ビートボクサーには想像力が必要で、他のメンバーの声を想定してビートボックスするんだけど、レコーディングして思ったのは、自分の想像力が足りないと、曲の方向性も定まらないということ。パズルのピースが一つ足りないっていうような感じ。

――それは、今回のレコーディングだけでなく、アカペラ自体にも言えることですか?

アントニオ:ハイ! その通り。今回はレコーディングだったから、「ブン・ブン・ブン」とか「ドゥン・プス・ドゥンドゥン・プス」というように、自分の好きなビートをいくつもトラッキングすることができて良かった。これはライブではできないから。



――確かにそうですね。レコーディングまで練習にどれくらい時間をかけられたのでしょうか? 最終オーディションのつもりが実は合格発表だったという、嬉しいサプライズがあった直後にレコーディングがスタートしたそうですが…。

RJ:ほんとに時間がなかったんだ。レコーディングブースに入る数時間前までディークがアレンジに取り組んでいて、翌日のレコーディングに向けて俺達ができたことは、寝る前に楽譜を読んでそれを頭に叩き込んで、頭も心も体もレコーディングにばっちり備えておくってことだけだった。時間がないからこそ自分にプレッシャーをかけることができたし、エンジニアやヴォーカル・プロデューサーからの意見にもきちんと答えたし、楽譜が読めたことが何よりも役に立ったね。

――最終オーディションに行くつもりだったので、ある意味、タフな時間を過ごすためのある程度の心構えはできていたんじゃないでしょうか?

カレン:ええ、どのみち大変な思いをしていただろうと思うわ(笑)。オーディションで真っ向勝負するつもりだったのが、キャストに選ばれたことで最高のアルバムを作りたいと思うようになって、最大限の力を出すことになったんだもの。

アントニオ:それに、この業界に“終わり”なんてないしね。試合でより良い成績を出すために、常にステップアップを求めるのと同じで、合格したからといって、「よし、これでひと安心」って気を抜くこともできないよ。

――レコーディングでは大変な思いをされましたが、やっぱり合格発表は忘れられない瞬間だったんじゃないでしょうか?

ソジャーナ:今でも覚えているのが、部屋までスキップして戻ったってことね。それくらい嬉しかったの! すぐお母さんに電話して泣きまくったわ。子供の頃から、大人になってもまだそうなんだけど、ずっとディズニーと深い繋がりを持っていたから、夢が叶って本当に嬉しかった。

カレン:実は私、LA行きのフライトから、なんとなく予感というか、かすかな期待を持ってたんだ(笑)。「オーディションなのに、なんでアメリカを横断する距離の飛行機代をディズニーが払ってくれるんだろう?」って疑問に思ってたの。それで初日に集まった人数もそうだし、部屋にはカメラや照明がセッティングされていて、プロダクション・チームが全員揃っていたから、私達、横目で視線を送りながら、「これって絶対なんかあるよね!」って感じてたのよ(笑)。そこで、きちんと彼らから合格を発表されたんだけど、それまでの2~3日は、その「もしかしたら?」っていう期待のせいでずっとモヤモヤしてたから、本当にクールな瞬間だった(笑)!

――(笑)。ほんとに良かったですね!

RJ:俺の場合は、合格をもらった瞬間、これまでの努力が実を結んだって感じた。おかしくも落ち着いていたんだ。ニューヨークで8年、役者をやったりフリーランスでダンスや音楽をやったりして、これは夢を追っている人達はみんなそうだと思うんだけど、そうやってコツコツとキャリアを積んでいるのも、こういう大きなチャンスを掴むためだと思うんだ。今回、レコーディングしたアルバムが世界有数のディズニーからリリースされるなんて……。歴史の一部になれて、まさに今、自分の夢を叶えているところだ。俺みたいなインディアナ出身の田舎者でも、こんなことできるんだって、実感してる。ここまでの道のりには、数えられない挫折があったから、本当に誇らしい気持ちだし、感謝の気持ちでいっぱいだよ。

アントニオ:オーディションでディークやプロダクション・チームの前に立つ度に、緊張を隠しながら、持っている最大限の力をここで発揮したいと思った。それで合格を告げられ、やっと緊張感から解放されたんだ。俺はただビートボックスばっかりやっているシアトルから来た恥ずかしがり屋の音楽オタクで、もちろん今ではプロのビートボクサーとしてディズニーで一緒に仕事ができているけど、ビートボックスに学位があるわけでもないし、本当に夢が叶った瞬間だと思ったね。



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人間の声ほど鳥肌が立つ楽器は、他にない

――音楽で成功を夢見る人達は世界中にたくさんいますが、スポットライトを浴びることができるのはほんの一握りの数で……。皆さんはたくさんの困難や苦労を乗り越えて、今に辿りついたわけですが、人生の半分以上を捧げてきたアカペラのどこが好きですか?

ソジャーナ:アカペラによってひとつの家族が作られるところかな。楽器がないわけだから、頼れるのはお互いの声だけで、ステージ上でもステージ以外のところでも、互いを信頼し合う関係が必要になってくる。そうやって生まれたコミュニティを、アカペラ以外で見つけるのはなかなか難しいことだわ。

アントニオ:「君自身が君を奏でる楽器なんだ」っていうのをさらけ出すことができるのは、光栄なことだし、恵まれていることだ。それぞれの才能は違うし、キャリアも違う。バックグラウンドが違う者が集まって、アカペラで今回それまでの成果が報われて、本当に心から喜んでいる。

カレン:アントニオが言ったことを聞いて思ったのは、人間の声は楽器が生まれる遥か前からあった、最古の楽器だってこと。声という楽器を使って、ディズニーの歴代ソングを新しく生まれ変わらせることができるのは、本当にクールなこと。ここまでのスケールで大きく生まれ変わらせるのは、このプロジェクトが初めての試みなんじゃないかな。これまで誰もが耳にしてきた名曲を、アカペラが生まれ変わらせる、そんなプロジェクトの一員になれて、ホントに信じられない。

RJ:アカペラによって声が持つ力を生で感じ取ることができるんだよね。人間の声ほど鳥肌が立つ楽器は、他にないんじゃないかな。ジャズやポップ、ミュージカルなどヴォーカル中心の音楽はアカペラに限らないけど、ヴォーカルには楽器では表せられない魅力がある。少しオタクっぽいけど、すごくカッコいいんだ。

――ディークによる選曲についてはどう思いますか?

ソジャーナ:ディズニーの名曲はもちろん、『アナと雪の女王』とか『モアナと伝説の海』といった新しい曲もたくさんあって、どの曲も新しい解釈で歌われている。例えば(『ターザン』の)「ユール・ビー・イン・マイ・ハート」は少しボーイズIIメンっぽい新しいアプローチを取っていて、オリジナルとは違う雰囲気になっているのが好き。ユニークなのも私達らしさでもあって、メンバーそれぞれがR&Bやポップ、オペラ、ミュージカルやシアターと違うジャンルのキャリアがあるわけで、チームプレイヤーとしての役割を十分理解しているから、上手くそれらをブレンドしているところがこのグループの特徴だと思う。

カレン:ディークが選んだ完璧なトラックリストもそうだけど、それらをライブで再現できるところもひとつの良さだと思うの。みんなが知っている曲が誰も聞いたことがない新しいスタイルで披露するから、ライブを観に来た人達がみんな楽しめると思う。



――アルバムには多くの人が好きな楽曲がたくさん収録されていますが、個人的に「この曲が入っていたら」と思う曲はありますか?

ソジャーナ:子供の頃からディズニー・チャンネルが大好きで私が初めて行ったコンサートが『チーター・ガールズ』のコンサートだったから、いつか『チーター・ガールズ』とかディズニー・チャンネルの楽曲が歌えたらなって思う。

アントニオ:ディズニー映画ではないけど、今、ディズニーはクイーンの楽曲も扱ってるよね。「ボヘミアン・ラプソディ」が歌えたら最高だろうね! 『ノートルダムの鐘』の「僕の願い」が好きだから、この曲もやってみたい。

カレン:私、『スター・ウォーズ』マニアで、ケータイの着信もR2-D2なの。(米カリフォルニア州にある)ディズニーランドの『スター・ウォーズ』のエリア(『スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ』)のカンティーナで「カンティーナ」を歌いたい。世界に宣言する! これって言ったもん勝ちよね(笑)。(指に入っているライトセーバーのタトゥーを見せてくれた。)

RJ:俺はディズニーのバラードの大ファン。(『ポカホンタス』の)「カラー・オブ・ザ・ウィンド」と(『ムーラン』の)「リフレクション」はどちらもいつか歌いたい。

――次回作があればその希望が通るといいですね。

ソジャーナ:近々新しいサプライズがあるから待っててね。

RJ:いつかディズニーのソングライターともコラボできたらって思ってるんだ。映画が続々公開されるから、そこでコラボや作曲なども一緒にできたらいいね。可能性は無限大だから、これからの将来、俺達にどんなことが待ち受けているのか、今から楽しみだよ。

――現在公開中の『アラジン』を手掛けたアラン・メンケンとかいいですね。

RJ:まさに! さっきも彼のことを話してたんだ。

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想像を越えるライブになるってことは期待してほしい

――アランが手掛けた楽曲でいうと、「パート・オブ・ユア・ワールド」と「ホール・ニュー・ワールド」が素敵にマッシュアップされていて、「ホール・ニュー・ワールド」と「美女と野獣」は日本語でも歌われていますね。英語と日本語で歌い比べて、なにか発見はありましたか?

RJ:「美女と野獣」は昔から大好きな曲。この曲は、英語バージョンを一回忘れて、日本語のサウンドに慣れなくちゃいけなかった。今ではこの曲を聴くと日本語で考えちゃう。日本語で歌ったのは今回が初めてで、こうやっていろんな形で歌えるのは嬉しいし、日本のオーディエンスも同じように楽しんでもらえるといいな。



――発音に関して特に難しいところはありましたか?

RJ:ジェフ(・ミヤハラ)とクリス(・ハート)がスタジオにいたから、その場で色々アドバイスをくれた。クリスが日本でこんなに有名な人だったなんて知らなかったよ。彼はすごくいい人だった。

カレン:歌詞を覚えているとき、彼らって上手にできたときはすごく褒めてくれて、間違えているときは、すごく優しく丁寧に訂正してくれたの。あれはすごく日本人らしかったな(笑)。

――日本語のラ行は、RでなくLにして歌う方法がありますよね。

RJ:俺はRに全部ペケをつけて、Lに書き換えた。俺、スペイン語を話すからどうしても巻き舌になっちゃうんだよ(笑)。あとは「ほんの」とか「真実」の「ん」、「少しずつ」の「つ」が特に印象的だな。

――確かに、「つ(TSU)」って英語でないですもんね。

アントニオ:ビートボックスでよく「ツーッツツー」ってやるから、俺は問題なかったよ(笑)。

――(笑)。ライブでも日本語で歌ってくれたら、お客さんも絶対一緒に歌いたくなると思いますが、今度のライブの構想はもう決まっているんでしょうか?

カレン:想像を越えるライブになるってことは期待してほしい。ダンスに歌、演技、コメディ、吹き替えなどたくさんの要素があって、巨大なLEDスクリーンには未公開アニメーションが流れる。とにかくオープンな心で観てほしいし、ガッカリして帰ることはないわ。

――アルバムに収録されていない曲もパフォーマンスする予定ですか?

ソジャーナ:楽しみがなくなっちゃうから、あまり詳しいことは言えないけど……うん、アルバム以外の曲も歌うよ。

アントニオ:ぜひチケット買って! 観に来てくれれば、その答えが分かるよ(笑)。

ソジャーナ:ディズニーの音楽って様々な感情を表現しているから、泣かせる曲からアップビートの曲、バラードなどでオーディエンスにはそれら全部の感情を感じてもらうことになるってことと、参加型のライブショーになるってことは事前に知っててほしいな。

アントニオ:ライブに参加する心構えをよろしく!

――日本のライブに向けた準備やリハーサルはもうスタートしていますか?

ソジャーナ:うん、もう1年リハーサルしてるんじゃないかってくらい、しっかり準備している(笑)。だから本番が楽しみなんだ。

――そこまで気合が入っているんですね。まだまだ改善点や新しいアイデアっていうのは沸いてきますか?

全員:ある!

アントニオ:良くしたいっていう気持ちは一生尽きない。

カレン:パフォーマーなら誰しも、前回よりも良いパフォーマンスをしたいって思うのは自然なことで、これはメンバー共通の目標でもある。

ソジャーナ:それに観客もライブのキャラクターの一人でもあるから、どのライブも違うし、エネルギーも変わってくる。

――日本人って少し恥ずかしがり屋なところがあるので、皆さんが積極的に盛り上げてくれると、観客も参加しやすいと思います!

RJ:アドバイスありがとう!

カレン:頑張る!

――最後に、ライブを楽しみにしている、もしくはアルバムを聴いている日本の方々へメッセージをお願いします。

ソジャーナ:ディズニーの音楽って夢を追うことや、自分を理解すること、夢に向かって羽ばたくことを伝えていると思うの。私達のライブやアルバムでもそれを全面的に伝えているし、私達もステージ上で自分らしくいられるし、ディズニーの音楽で自分達の個性っていうのを見つけ出すことができた。こんな素敵な魔法の一部になれて嬉しく思っている。

アントニオ:音楽はどんな言語よりも多くを語る。忙しいこの時代に、俺達のアルバムやライブにふと耳を傾けてくれた人が、その音楽や彼ら自身、そして周りにいる身近な人達とその瞬間を大事にしてくれたら、これ以上嬉しいことはない。

カレン:ディズニーの音楽は誰もの人生のサウンドトラックだと思う。アルバムやライブの曲を聴いて、思い出にふけったり、なりたい自分や未来について考えたりすることができると思うし、過去から未来と時間を越えた経験と、そこから沸くインスピレーションを体験してくれたら嬉しいな。

RJ:もう3人に言われちゃって追加することがないんだけど…(笑)、ツアーでは全国8都市を廻るんだけど、日本のオーディエンスのためにカスタマイズされたといっても過言ではないくらい、日本向けのショーに仕上がっている。日本語をたくさん練習しているし、日本のために準備したライブをこれから観客に楽しんでもらえると思うと、楽しみでしかない。ここに来るまで全米とカナダでツアーを行ってきたけど、来日公演のために、ずっと準備をしてきたし、絶対に成功させたい。成功させて、何度も日本に戻って来たいね。





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