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Chageインタビュー~ソロ20周年ツアーの手応えとその予感を語る



インタビュー

 60歳の年にソロ活動20周年を迎え、二重のアニバーサリー・イヤーを駆け抜けてきたChageが、次なる一歩を踏み出すべくビルボードライブ大阪のステージに登場する。ソロ20周年ツアーの手応えがどんなふうに昇華されるのか。その予感をじっくり語ってもらった。

自分は本当に果報者だなと思いました。

――いま、夏のソロ20周年のツアーを振り返ると、どんなことを思われますか。

Chage:こういう職業に就いていなかったら、ああいうお祝いをされることはなかったわけじゃないですか。ましてやデビュー当時、20代の頃には60歳になるまでバリバリ現役でやってて、ステージの上でお客さんにお祝いしてもらえるなんて、つゆほどにも考えていなかったですから。ところが、実際にはこの夏、ライブ会場でみんなにお祝いしてもらって…。「Windy Road」という曲でお客さんがステージに向かって紙飛行機を飛ばすのが僕のライブの定番になっているんですが、そこにサプライズが仕込んであって、紙飛行機が全部、還暦にちなんで赤だったんですよ。おかげで、その曲が終わった後はステージ一面バラを敷き詰めたような感じになって…。



――紙飛行機の量もいつも以上に感じました。

Chage:自分は本当に果報者だなと思いました。それに、いまちょうどあのツアーの映像の編集作業が進んでいるんですけど、そのオフライン編集を見ると、僕のソロ20周年、人生60年という節目にふさわしいステージになったなとあらためて感じてます。特に…、これは監督の意図だと思うんですが、客席目線でステージを捉えているシーンが多いんですよ。そこに僕はちょっとドキッとしまして、“こういうふうに見えているんだ”と。もちろん、そういうシーンはいままでのライブ映像にもありましたけど、今回くらい客席の感覚をシミュレーションできる感じになってるのは初めてじゃないかな。で、そういう感じに編集された映像で自分を見ると、“コイツ幸せ者だなあ。楽しそうに歌ってるなあ”と思うんですよね。21歳でデビューして、ずっとここまで歌ってこれたのは本当にみなさんのおかげでしかないと思いますよね。ただ、そのステージで、飛んでくる紙飛行機を見ながら思ったんですけど、ここでひと区切りということではなくて、これはまた次につなげなきゃいけないって。さらなるChageの進化をみなさんにお見せするために自分が音楽とどう対峙しいていくのか、それは自分も楽しみなんですよね。

――あのツアーは、ソロの20年を凝縮したようなセット・リストだったわけですが…。

Chage:そうなんですよ。自分で自分にご褒美をあげようと思って、この20年のおいしいとこ取りして作ったセット・リストだったんですけど、でも最終的にはお客さんがプロデューサーだったですね(笑)。

――(笑)、そういうステージが客席感覚でまとめられた映像ということは、この20年を何度も繰り返し映像で楽しめるということになりますね。

Chage:そうですね。そこは、僕もちょっとびっくりしました。それに、その映像を見て、僕自身が“間違ってなかったな”と確認できたんです。「Windy Road」で終わるのではなくソロ・デビュー曲の「トウキョータワー」で終わるセット・リストにして、しかもその「トウキョータワー」をお客さんも一緒に歌ってくれたっていう。頭で考えてセット・リストを作ってなくて良かった、と思いました。自分で20年間のライブを振り返って、本当においしいと体が感じたところを取り出して組み合わせてるなというのが随所に表れてますから。


守りも強いChageというのをやってみたい

――そのあたりを、ぜひファンのみなさんも映像で確認していただきたいですね。そして、そういうツアーからどういうことを次につなげていこうと、いまの時点では感じていますか。

Chage:僕のなかに2つあって、いままで通り、やんちゃなChageというか、攻めていくChageも見せていきたいなと思ってるんです。ただ、攻めに強いタイプはなんでも守りが弱いんですよね(笑)。だから、今度は守りも強いChageというのをやってみたいかな、なんて思ってるんです。ちょっと引いた感じで、歳相応のスタイルでやってみるのもいいのかなって。もちろん、それは難しいですよ。でも、ひょっとしたら、今回のビルボードライブでのステージもそういうふうになるかもしれないですね。

――「ちょっと引いた感じ」とは?

Chage:それを言葉で説明するのは難しいですけど、敢えて言えば、自然体で臨む感じです。いままでは、どちらかと言うと、お客さんを鷲掴みにするような感覚でやってきて、僕はその感じが大好きなんですけど、でも今回はお客さんからすると、ある意味では意外な感じというか…、会場がビルボードという独特の雰囲気を持った場所でもありますし、これまでとは違うChageにチャレンジできるんじゃないかなという気がしてるんです。熱唱とか歌い上げるというのはなくて、朗々と歌っていく気持ち良さを感じてもらえるかなって。それに、食事したりしながらくつろいだ感じでご覧になるお客さんの顔を見ながらやれるのは、僕にとってもすごくうれしい。そういうお酒に合うような音楽をお届けしたいなと思っています。

――歌い上げるスタイルが“攻めのChage”だとすると、自然体で臨むステージの歌はもうちょっと語りに近くなったりするんでしょうか。

Chage:最近ジャズのボーカリストの歌をよく聴くようになってるんです。特によく聴いているのがエラ・フィッツジェラルドとフランク・シナトラで、この二人の共通点は何だろう?とあるときに考えてみたんですよ。歌が上手いのは当たり前なんだけど、それよりもこの二人の歌に強く感じるのは、音楽に対する存在感に力んだところが全然ないんですよね。力みがないんだけど、でも隙もないっていう。これはなかなかできることじゃないですよね。エラは特にそうだけど、歌っていながら、もう楽器なんですよね。カウント・ベイシーの音に、見事に楽器として混ざってるんですよね。ボーカル!という感じじゃなくて、ひとつの音としてボーカルが成り立っているという、そういう感じにいま僕はものすごく惹かれてます。だから、歌い方とかまた一からやり直さないといけないと思ってるんですよ。


▲ Summertime / Ella Fitzgerald

▲ My Way / Frank Sinatra

――Chageさんがそんなふうに歴史的なジャズ・ボーカリストの歌声にハマっている時期にビルボードへの出演が決まるというのは、ちょっと不思議な巡り合わせですね。

Chage:縁ですよね。「どれかカードを引いてください」と言われて1枚引いたら、チャレンジカードを引き当てちゃったみたいなもんですよ(笑)。ただ、考えてみれば僕は60だし、いろんな音楽を歌ってきたのは事実だし、だからビルボードの空間に合う自分の楽曲もあるはずだとは思っていますから。かと言って、僕がジャズをやるという話でもないんですよ。あくまでも、ChageはChageですから、その性格も変わらないんですけど、それでも次を目指したときにビルボードのような空間でやることが、今後のライブ、さらにはレコーディングで思い出す感覚があるだろうし、それを思い出しながら曲を作ったり詞を書いたり、ということができるかもしれないと思うんです。

――そういう素晴らしい空間ではあるんですが、その背景には大阪という土地柄もありますよね(笑)。

Chage:そうなんですよ(笑)。そこは、お互い様ですよね。お客さんも僕も、っていう話だと思いますけど、僕が♪カンサイ〜♪と歌ったたら♪電気保安協会♪と応えてくださるみなさんですから。そのノリはちょっと封印しないといけないかもしれないですね(笑)。それでも、やっぱり大阪のお客さんというのはものすごくリラックスできる感じを作ってくれますからねえ。それに、お客さんにしても、この1年がんばった自分へのご褒美というか、そういう感じで来ていただければ、それなりのお返しはできるかなと思ってますから。普段は着ない服とか着て、いい意味でのよそ行きな感じで来ていただけるといいんじゃないかなと思っています。

――大阪、名古屋で行われる冬のライブ・シリーズには“Christmas Party”というタイトルもついているので、いわゆるパーティー的な楽しさのある内容になるのかなという想像もあるんですが。

Chage:やはりクリスマスですから、Chageなりの質感は演出したいなとは思っています。あくまでも“Chageなりの”ということなんですけど。言い換えると、60歳という年齢のなかでのクリスマスの楽しさを感じさせるようなセット・リストということになるでしょうか。また新たなことに挑戦しようとしているので、楽しみにしてほしいと思います。で、「この人、こんなことやるんだ!? ええやん」と言ってもらえるとうれしいですね。「わりと、ええやん」って(笑)。

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