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Juice=Juice宮本佳林“激動の日々総括&未来への布石”単独インタビュー



Juice=Juice宮本佳林“激動の日々総括&未来への布石”単独インタビュー

気持ちは常に120%でいきたい(笑)。
私という人間が在るのはみんなのおかげです。

 ハロプロのエース、宮本佳林に初の単独インタビュー敢行! 駆け抜けた5人時代~二度の日本武道館ワンマン~新体制への想い。休養中の葛藤~そこで見出だした未来~世界ツアーで得たもの~新作への想い。和田彩花卒業発表~上から二番目の先輩へ~宮本佳林の理想像~120%爆発したい自分。こんな私を支えてくれるファン等々“激動の日々総括&未来への布石”とも言えるスペシャルインタビューとなっています。ぜひご覧下さい。

いつか卒業してもどんな形であれ人を笑顔にできる職には就いていたい

--【LIVE MISSION FINAL at 日本武道館】開催直前インタビュー(https://bit.ly/2fqf0U3)以来約1年半ぶりにお話を聞かせて頂くのですが、この間にメンバーも増えたり、海外ツアーもあったり、2度目の武道館公演もあったり、いろんなストーリーがありましたよね。今現在、自身の中でJuice=Juiceはどんなグループになっていると感じていますか?

宮本佳林:5人(宮崎由加/金澤朋子/高木紗友希/宮本佳林/植村あかり)時代に平均年齢がどんどん上がっていっていて、最初の頃に出させてもらっていた楽曲たちが年相応になってきたというか……

--デビュー曲「私が言う前に抱きしめなきゃね」からして大人びた楽曲でしたもんね。

Juice=Juice 『私が言う前に抱きしめなきゃね』[Hug me before I ask you to] (Dance Shot Ver.)
Juice=Juice 『私が言う前に抱きしめなきゃね』[Hug me before I ask you to] (Dance Shot Ver.)

宮本佳林:そうなんですよ。それに背伸び感がなくなって来ていたんですけど、去年の6月に新しく2人(梁川奈々美/段原瑠々)が入ってきたことによって、初期にあった「頑張って大人っぽくなりたいと思っている女の子」という楽曲のイメージをもう一度表現できるようになった。なので「こういう手があったのか!」と思いましたね。それによって表現の幅も広がっているし、とっても素敵なグループになってきたんじゃないかなと思います。

--5人時代は、1年半で225回ものワンマンライブを経て初の日本武道館公演を実現したりと、あの時代のJuice=Juiceにも特別な思い入れはあると思うのですが、今振り返るとどんなグループだったなと思いますか?

宮本佳林:あの頃のJuice=Juiceは、良い意味で“家族”みたいなところがあって。メンバー間で「今はちょっと話し掛けないでおこう」とか「今は応援するときだな」とかそういう空気を肌で感じ取ってくれるメンバーたちというか……私もね、感じ取っているつもりではいるんですけど、KYらしいので(笑)。でも一緒にいてすごく居心地の良いメンバーたちだなと思っていましたね。

--その5人での日本武道館公演は、どんな思い出になっていますか?

Juice=Juice『Wonderful World』(Promotion edit)
Juice=Juice『Wonderful World』(Promotion edit)

宮本佳林:最初の武道館って1回しかない訳ですけど、その武道館公演をすごく素敵なものに出来て良かったなと思っています。あの武道館が1回目で良かったなとすごく思ったし、それによって、2人が新たに入ってきてからの武道館に対しても「こういう気持ちを新人の2人にも感じさせてあげたいな」と思うことができました。

--初の武道館に至るまでの225回のワンマンライブ。本当に前代未聞のミッションだったと思うのですが、あれを成し遂げたこと自体にはどんな感慨を持たれていたんでしょう?

宮本佳林:すごく自信になりました。225回のワンマンライブの中には欠席者が出ちゃった公演もありましたし、声が出ないとか、体調が悪いとかあったんですけど、でもそれを乗り越えてきたからこそ、たくさんのライブを重ねることの大切さ。練習ももちろん大事なんですけど、本番のそのときその瞬間にどんなことが出来るか、どんなものを出していけるか。という勝負の中で、アドレナリンがないと出てこないものもたくさんあって、そこで作れた引き出しだったり対応能力だったり、そういうものは物凄く培われたなと思います。アイドルだからとかアイドルじゃないからとかじゃなく、ライブで何かを伝えていく人間として、歌やダンスを観に来てくれる人がいる者として「やってよかったな」と思いました。

--あのミッションは、限界を超えて、確実に5人を覚醒させていくプロジェクトでもあったと思うのですが、そこはどう思われますか?

Juice=Juice『CHOICE & CHANCE』(MV)
Juice=Juice『CHOICE & CHANCE』(MV)

宮本佳林:出来るか出来ないか分からないぐらいのことをやる。それは本当に凄いことだなと思うし、限界を超えちゃったことで欠席とかいっぱい出ちゃったんですけど、そういう中でも何とか対応していく。それはメンバー5人が居たから出来たことだなって物凄く思います。

--大変なこともありましたが、5人の絆を強くしていくストーリーでもありました。ゆえに昨年のJuice=Juiceの体制が変わる状況に対して様々な意見が飛び交ったと思うんです。あのときは正直どんな気持ちだったんですか?

宮本佳林:最初に「新メンバーが加入します」と言われたときは、素直に「超嬉しい!」という感じではなかったです。「5人じゃなくなるのは寂しい」という気持ちもありましたし。でも新メンバーが入ってくること自体は全然悪いことと思っていなくて、入るなら「また新しいJuice=Juiceになればいいな」という気持ちもあったし、それまでは「モーニング娘。になりたい」「アンジュルムに入りたい」って限られたグループに対してしかそういう言葉を聞けなかったんですけど、初めて新メンバーが入ってきたことによって「私はJuice=Juiceに入りたい」という目標になれるグループに一歩近づけた気がするので、そういう面ではすごく良かったなと思うし、もっともっと頑張ろうと思いましたね。

--ただ、最初は寂しさもあったと。

Juice=Juice『Fiesta! Fiesta!』(ショートVer.)
Juice=Juice『Fiesta! Fiesta!』(ショートVer.)

宮本佳林:もちろん最初は寂しかったし、メンバーが5人から7人になるということは単純に歌割りも減るし、それまで「この子のここのフレーズが好き」と思ってもらえていたパートが変わっちゃうことだってあるし、そういうことへの寂しさはありました。でも新陳代謝を上げていくというか……グループを継続していくには最も大切なことではあるので、それは良かったなと思います。

--たしかに両方の側面がありましたよね。最後まで5人で駆け抜けていくのも美しいですけど、今仰っていたようにモーニング娘。はもちろんアンジュルムも永続していく物語に変わっていった訳じゃないですか。最初のメンバーが全員卒業してもグループは続いていく。そういうグループにJuice=Juiceもなっていくのは、嬉しいことではありますよね。

宮本佳林:私もそう思っていますし、そうなる為に初期メンバーである私たちが頑張らなきゃいけないなと思いますね。具体的に数字とか場所で「こうならなきゃいけない」とは表せないんですけど、「ライブを観たいのに、チケット取れなくて観れない!」ぐらいのグループになりたいなとは思っています。

--そんな未来が広がる体制となった訳ですけれども、その矢先に「宮本佳林 機能性発声障害で活動休止」というニュースが飛び込んできました。

宮本佳林:(機能性発声障害に)なった当初は絶望というか……歌も歌えないし、1日休むと歌声って結構出なくなるんですよ。それを自分でも分かっていたし、あんまり動いちゃいけないとか制約があり過ぎて……私、お仕事していないと逆にストレスがすごく溜まるタイプなんですよ(笑)。でもお仕事を毎日毎日やっていると、物事に対して反省とか「次どうしよう?」と繰り返し考えることは出来ていても、自分自身の気持ちや感情を奥深くまで見つめることが出来ない。だからあの時期は気持ちの整理をしていったというか、私自身の夢だったり、今後どうしたいのか? 今だけを見つめてやってきてしまっていたので、休めたことでそういうことを考えることが出来たんです。最初は焦りが強すぎて何も考えられなかったんですけど、結果的に自分を見つめる期間になったなと思っています。

--そこで自分を見つめ直してみて、どんな結論に辿り着いたんですか?

宮本佳林:もう今年で二十歳になるので、未来についても考えたんですけど、ハロー!プロジェクトは卒業というものが待っているので、そのハロー!プロジェクトで活動するだけで終わりにするのか、その先も何かやるのか。辿り着いた答えは、「人を笑顔にしたい」と思って、笑顔になってくれている人を見て「うれしい」と思って、それで歌ったり踊ったりしていたら「凄いね」とか「楽しいね」と言ってくれる人がいたから、この世界で私は活動してこれたんです。というのが根底にあるので、やっぱり私はそれが運命なのかなという風に思っていて、だからハロー!プロジェクトにいる間はもちろんずっと人を笑顔にできるような人でいたいし、いつか卒業してもどんな形であれ人を笑顔にできる職には就いていたい。パフォーマンスすることがいちばん好きなので、パフォーマンスでそういうことが出来る人になっていたら嬉しいなって思います。

--歌やダンス、表情も含めてパフォーマンスしているときが「生きている」と最も実感できるタイプの人間だと思うんですけど……

宮本佳林:(笑)

--ゆえにパフォーマンスが出来ない日々はストレスだったと思いますし、でもだからこそ「パフォーマンスすることがいちばん好き」と気付けた期間でもあったのかなと。

宮本佳林:そうですね。練習と人の前でパフォーマンスするのは全然違うので、練習することも嫌いではないんですけど、やっぱり本番がすごく好きだし、メンバーと一緒にライブすることがすごく好きなんですよね。休んでいる期間は「迷惑をかけてしまっている」という心の痛みももちろんあるし、ステージに立てないことへのツラさもすごくあったし、Juice=Juiceは反省ノートというものを公演ごとにみんなで書いているんですけど、その時期は私がずっと担当していたんですよ。ステージに立てないから「書くことだけはやらせて」って。そしたらみんながどんどん成長している様が分かるんですよね。だから置いてけぼり感も凄かったし……なのでツラかったですけど、そうやっていろいろ感じ取れたことは良かったですね。

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Juice=Juice宮本佳林“激動の日々総括&未来への布石”単独インタビュー Juice=Juice宮本佳林“激動の日々総括&未来への布石”単独インタビュー


ハロプロ研修生からの歴で行くと私が上から二番目になってしまう

--そんな休養期間を乗り越えて初の海外ツアーへ。世界各国でライブをしてみてどんなことを感じましたか?

Juice=Juice『Ca va ? Ca va ?(サヴァサヴァ)』(Juice=Juice in PARIS Ver.)
Juice=Juice『Ca va ? Ca va ?(サヴァサヴァ)』(Juice=Juice in PARIS Ver.)

宮本佳林:私たちが思っている以上に、Juice=Juiceはもちろんハロプロをはじめとしたアイドル文化というものがすごく好かれているんだなと感じました。各国の言葉で挨拶だけは出来るようにしようと思って勉強して行ったんですけど、私たちが向こうの言葉で喋っても何も伝わらないんですよ。「え? 何言ってんの?」みたいな感じで(笑)。でも日本語で喋るとちゃんと通じるんです。それは凄いなと思いましたね。それだけ「好き」という気持ちは言葉の壁を越えていくんだなとすごく感じました。あと、ライブ自体は、フランスとかアイドルが好かれている場所では日本と同じコールが入ったりするんですけど、メキシコとか「アイドル以前に音楽が好き」という場所では、音楽にノっている感じなので一緒に歌ってくれることが多いんですよ。

--反応がもっと自由なんですね。

宮本佳林:そうなんですよ。だからお決まりの「~~佳林!」みたいなコールとかじゃなくて、私たちと一緒に歌ってるからライブを掴みづらくはありましたけど、でもその土地土地の風習みたいなものが知れて面白かったです。日本人ってすごく気を遣うんですよね。だから私たちが歌っているときに「声をかぶしちゃいけない!」と思うんですよ。でも向こうでは一緒に歌って楽しくなることがおもてなしだったりもして、そういう文化の違いがすごく感じられてよかったというか、「こういうライブの表現もあるんだな」とすごく勉強になりました。

--海外に「自分たちのファンがいる」と目の当たりにするのは、どんな感覚なんですか?

宮本佳林:すごく嬉しいです。海外の方はすごく熱心だから旗を振りながら待っててくれたり、圧倒される感じ?「キャー!」みたいな感じで歓迎してくれるので、スターになった気分みたいな。「え、ほんとに? 私たちのこと知ってる?」みたいな感じにはなりますね。だからただ単に嬉しい。なんか……待っててくれていたんだなって。女の子とか涙してくれる人とかもいるんですよ。だから「自分、そんなにすごくないのに」みたいな感覚にも陥る。だけど、そうやって想ってくれる人もいるんだから自信を持ってパフォーマンスしなきゃいけないんだなって思いますね。私たちが芸能人に出逢って「あ、本物だ」と思う感覚をきっと持ってくれているんだろうから、「私、そんなんじゃないし」と思って夢を壊しちゃいけないなってすごく思いますね。

--Juice=Juiceは、日本のアイドルグループの中でもパフォーマンスが素晴らしいグループだと感じているので、今後ももっと海外に出て行ってほしいなと思います。

宮本佳林:みんな「海外は怖い」とか「治安が不安」とか言われますけど、アイドルのファンの皆さんの中にはきっとそういう怖い人はいないというか、あったかい。海外へ行くことを躊躇う人もいると思うんですけど、共通の好きなものがあるとすぐに強い絆が生まれるんですよね。そこはアイドル文化の良いところかなと思いますので、私たちも海外でどんどんライブできるようになりたいなと思います。

--そんな海外でのツアーがありつつ、現体制での日本武道館ワンマンも昨年11月に開催されました。2度目の武道館はいかがでしたか?

宮本佳林:「これが新しいJuice=Juiceだよ!」って見せられたような気もするし、同時に「まだまだここから進化できるな」とも感じました。ひとつの武道館公演として完成したなと思うんですけど、この先もっと出来ることも見えたワンマンライブだったので、「Juice=Juiceの武道館公演にまた行きたい!」と思ってくれる人がいたなら嬉しいし、これからもっとそう思ってもらえるように頑張って、3度目の武道館公演が出来たらいいなって思います。

--ハロプロには数多くのグループが存在しますから、Juice=Juiceに常にスポットライトが当たる訳ではないじゃないですか。毎月のように主役が変わっていく。その中で3度目の武道館だったり、過去のJuice=Juiceを超えていったり、様々な目標を達成するべく活動していくのはどういう感覚だったりするんでしょう?

宮本佳林:楽曲に対して真正面からぶつかっていけば、正解は自ずと見えてくる。そんな気がしています。だから一生懸命練習するし、一生懸命リハーサルもするし、一生懸命ライブもするし、その中で毎回反省したり、7人でのパフォーマンスを磨き続けていけばスポットライトが当たる頻度も増えていくだろうし、仮にこの先にメンバーが増えたりして体制がまた変わるようなことがあったとしても、後輩たちに背中で伝えられることも自然と出来るようになっているんじゃないかなと思うんです。なので、私たちは楽曲に対して愛と情熱を持って一生懸命やっていくだけですね。

--最新シングル『SEXY SEXY/泣いていいよ/Vivid Midnight』もそういう気持ちで表現している楽曲群だと思うんですが、自分の中ではどんな作品になっていると感じていますか?

Juice=Juice『SEXY SEXY』(Juice=Juice[Sexy Sexy])(Promotion Edit)
Juice=Juice『SEXY SEXY』(Juice=Juice[Sexy Sexy])(Promotion Edit)

宮本佳林:5人時代のJuice=Juiceはずっと背伸びした感じで表現する楽曲が多かったんですけど、つんく♂さんが今回作って下さった「SEXY SEXY」は、「大人ぶっても」というフレーズもあれば「子供ぶっても」というフレーズもあってどっちにも対応している。セクシーに大人の女性を表現しつつも、これまでのJuice=Juice同様に背伸びしている感じも演出できるところが「SEXY SEXY」の凄いところだなと思うので、そこに注目してほしいと思っています。

「泣いていいよ」は、静かなバラードで「Feel!感じるよ」などと同系統の楽曲ではあるんですけど、今までの「こうだよね? ああだよね?」って語りかけていく感じとは違って寄り添っていく感じ。やさしい応援ソングなんですよね。例えば、落ち込んでいるときに「大丈夫だよ!」と励まされるのって逆効果になる場合もあるじゃないですか。でも「泣いていいよ」はそっと隣で寄り添ってくれる楽曲なので、聴いていて素直な気持ちになれるんじゃないかなって思います。

そして「Vivid Midnight」は、K-POP寄りな楽曲なんですけど、児玉雨子さんの歌詞がすごく秀逸なんですよね。リズミカルな曲調の中でも、可愛い女の子たちがこの歌を歌う意味がちゃんと込められている。ただリズム遊びや言葉遊びで構成されている曲ではないんですよね。そこがJuice=Juiceらしいところだと思うので、そこに注目してほしいなと思います。

--個人的には、今作における「泣いていいよ」の「弱いから強くなりたいって願うんだ」や「“勝つ”よりも“負けない”ことが尊い」といったフレーズたちは、宮本佳林の人生観とも重なる部分があるんじゃないかなと感じたのですが、自身ではどう思われますか?

Juice=Juice『泣いていいよ』(Juice=Juice[It’s okay to cry])(Promotion Edit)
Juice=Juice『泣いていいよ』(Juice=Juice[It’s okay to cry])(Promotion Edit)

宮本佳林:それは私も思いました。それこそ「深く沈むと高く翔べるから」とかもそうだし……自分が本当にとことん落ち込んだり「ツラい」と思ったときって曲を聴く元気も出ないというか、何にも手をつけられない状態になるんですけど、きっとそこまで行ったことがある方だからこういう歌詞が書けるんだろうなと思いました。例えば私が急に「ツラい」とか自分から言ったとしても「そこまでツラい想いしたことないでしょ?」と思う方が多い思うんですけど、この歌詞にはそう思わせる部分がない。ひとつひとつのフレーズにちゃんと意味が込められているので、共感してもらえる人も多いんじゃないかなと思いますね。

--また、今年4月には、アンジュルム及びハロー!プロジェクトのリーダーである和田彩花が、2019年開催予定の春ツアーで卒業することを発表。どんな気持ちになりましたか?

宮本佳林:うーん……やっぱり寂しいと言えば寂しいんですよ。「ずっとアイドルでいたい」という想いは、松田聖子さんの例もありますし、すごく素敵な考え方だと思うし、卒業してもアイドル・和田彩花として頑張ってほしいし、私も応援しているんですけど……ここまで馴染み深いメンバーが卒業してしまうのはやっぱり寂しいです。モーニング娘。の工藤遥ちゃんが卒業するときも今まででいちばん「えー!」ってなるぐらい寂しかったんですけど、和田さんからは来年春の卒業までにハロプロリーダーとして築いてくれたものをちゃんと受け取って、自分たちの中で昇華して、これからの後輩たちに繋げていかなきゃいけないなと思います。和田さんが居なくなることで、ハロプロ研修生からの歴で行くと私が上から二番目になってしまうんです。上にもう譜久村聖(モーニング娘。)ちゃんと竹内朱莉(アンジュルム)ちゃんしかいないから、私からしたら「あれ?」って感じなんですよ(笑)。「いちばん年下で入ってきたはずなのに、いつの間にか上から二番目になってるぞ?」っていう。

--宮本佳林から見た和田彩花ってどんな存在なんですか?

アンジュルム『Uraha=Lover』(ANGERME[Uraha=Lover])(Promotion Edit)
アンジュルム『Uraha=Lover』(ANGERME[Uraha=Lover])(Promotion Edit)

宮本佳林:和田さんの素直で正直なところっていうのは、私にはないというか……私は和田さんのようにはなれないので、本当に素敵な女性だなと思いますし、憧れますし、そういう和田さんの魅力をこの1年で改めて感じたいなと思っています。

--「和田さんのようにはなれない」と仰いましたが、では、自分では宮本佳林はどんな存在だと思っているんでしょう?

宮本佳林:私ですか? あっけらかんとしているんですよ、私って。だから和田さんのように何かを決めたり、みんなをまとめるような能力は全然ないし、ひとりでみんなと違うことをしているタイプだったりするんで(笑)。私も歌って踊るのは好きだし、そういうところは共通していると思うんですけど……やっぱりちょっとヘンな子?

一同:(笑)

宮本佳林:まわりから見たらちょっとヘンで、ライブだと……ちょっと行き過ぎちゃう子みたいな(笑)。

--振り切りすぎてしまう。

宮本佳林:ライブになるとぶっ飛んじゃう。

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アイドルというのは、ずっと夢を追っていく人たちだと思っているんです

--我が道を進みたいタイプなんですかね?

Juice=Juice宮本佳林“激動の日々総括&未来への布石”単独インタビュー

宮本佳林:もちろん「私はこの曲をこういう風に解釈しているから、ここはこういう風にやるんだ!」みたいなところはあります。でも曲全体に対するつんく♂さんや作詞作曲して下さっている方々のイメージは崩さない。だから自分のやりたいようにやるところはやりながらも、大枠は崩さないようにしていますね。自分自身で曲を書いているのであれば、自らそこもぶっ壊していっていいと思うんですけど。

--ということは、自身で曲も書いていきたい?

宮本佳林:そうですね。今、DTMで作曲とか作詞とかしていて、バースデーイベントで1曲披露したんですけど、そうやって自分が作ったものに関しては「そっち行っちゃうの?」みたいな感じでぶっ壊してもいいし、自由じゃないですか。だから今後も作っていきたいなと思っています。

--そもそもなんで自分で作詞作曲してみたいと思うようになったんですか?

宮本佳林:みんなでパフォーマンスしている上での大切さというのは、ダンスを揃えることだったりする。それで伝わる何かがあるというのもすごく好きなんですけど、やっぱり自分自身が120%出しちゃいけないところも出てくるんですよ。「ここは90%でやらないとダメだよ」という部分があるから、そこの制約を無くした表現もしてみたいと思ったんです。そうなるとひとりでやるしかないので、自分で作詞作曲をしたいなと思ったんですよね。

--ということは、根本的に120%で表現したい人なんですかね。

宮本佳林:気持ちは常に120%でいきたい(笑)。

--たしかに、ステージ上で爆発していいポイントでは確実に爆発してますもんね。

宮本佳林:そうですね(笑)。楽しいからやっちゃうんですよ!

--自分の表現者としての理想系は?

宮本佳林:いろんな方が私の中では目標になっているんですけど、例えば松田聖子さんみたいにいつまでも歌を歌っていける人になりたいなとも思うし、でも誰かになろうとしたらオリジナルにはなれない。なので、やっぱり自分自身が何が好きで、どんなことを想って日々生きているのか。そういうことを常に考えながら歌詞にしたり、表現したりしていきたいなと思いますね。

--すでにオリジナリティは相当あると思いますけどね。

宮本佳林:本当ですか?

--だって、まわりに自分みたいな人っています?

宮本佳林:いや、自分では何が魅力なのか分かんないです。

--本当ですか?

宮本佳林:「生きている価値ないな」とかそういうのではなく……そう思っていた時期もありましたけど(笑)、でも今は人は生きているだけで価値があると思うんです。ただ、これと言って押すポイントも自分の中ではないんですよね。それを「作ろう、作ろう」と思って作っちゃうのもなんか違う。だったら「私は宮本佳林なんだ!」っていう、ただそれだけで良いのかなって。好きなことをどこまでも追い求めて、その結果として何も伝わらなかったとしたら、それはそれでいいじゃないって。そういう風に思っています。

--宮本佳林であることが何より大事であると。

宮本佳林:誰かの真似をするとか「誰かになりたい」とか……もちろん参考にすることはたくさんあるんです。でも誰かになりたいと思って誰かになっちゃっても、その誰かはもうすでにいる訳で、私に存在理由はないじゃないですか。お芝居だったらそれでいいかもしれないけど、宮本佳林としては「宮本佳林で居られたらそれで良い」と思います。

--その考えに至ったのは最近?

宮本佳林:結構、最近かな。まわりに凄い人が居過ぎるんですよね。だから劣等感しか抱けないんですよ。この世界に居ると……「私自身の価値ってなんだろう?」って考え出しちゃうんですよね。それがいけなかったなとは思います。幼い頃からこの世界で生きているので、やっぱり優劣をつけられたり、価値をつけられたり、どうしてもそういうことをされちゃう。それはしょうがないことなんですけど、でも自分自身が自分の価値を認めていないと自分が壊れていっちゃうので、「私は私である。ただそれだけで良い」っていうのが今のところの答えなんです。これからまたステージをやらせてもらったりとか、歌詞を書かせてもらったりしていく中で、また違う答えが出てくるかもしれないですけどね。

--Juice=Juiceとしては、この先どんなグループにしていきたいと思いますか?

Juice=Juice『続いていくSTORY』(Everlasting story) (MV)
Juice=Juice『続いていくSTORY』(Everlasting story) (MV)

宮本佳林:現在は7人組ということもあって、今回のホールツアー【Juice=Juice LIVE GEAR 2018 ~Go ahead SPECIAL~】もシンメトリーじゃなくてアシンメトリーな感じのステージになっているので、いつも来て下さってる皆さんには「いつもと違うな」って感じ取ってもらえると思うんですけど、それは「Juice=Juiceに革命を起こして変えていく」みたいな大それた考えでやっている訳ではないんです。ずっと変わらないことなんですけど、ひとつひとつの楽曲にさらに磨きをかけていく、ひとつひとつのパフォーマンスをさらに研ぎ澄まされたモノにしていく。それで皆さんとの一体感をもっともっと生んでいく。そうすることで私たちの楽曲たちがどんどんどんどん広まっていって、Juice=Juiceのファンが増えていったり、ハロプロ研修生の中で「Juice=Juiceに入りたい」と思う人が増えていったら良いなと思っているんです。Juice=Juiceオーディションが開催されるぐらいになったら嬉しいし、そこで「入りたい」と思ってくれた子が希望を持って、夢を持ってくれたらいいなって。そういうグループになっていきたい。

--そこまでの未来を見据えているんですね。

宮本佳林:アイドルというのは、ずっと夢を追っていく人たちだと思っているんです。それを応援するのがファンの皆さん。私も夢を追っている人を応援したいと思うし、実際に応援しているので、メンバーはその気持ちを忘れてほしくないし、同時に夢や目標のひとつになっていかなきゃいけない。そう思っています。

--今、ファンの話も出ましたが、今年2月にも突発性難聴でお休みした期間がありましたけれども、その間も支えてくれたファンのみんなはどんな存在になっていますか?

Juice=Juice宮本佳林“激動の日々総括&未来への布石”単独インタビュー

宮本佳林:あったかい人たちだなとすごく思います。そのお休みしていた時期、私自身は私自身に対して「ふざけんなよ」と思っていたんですよ。お医者さんから「頑張りすぎです」と診断されたんですけど、自分では「まだ全然頑張ってない」ってすごく思ったし、そんな頑張っていない人間がそんなことになって、ただ単に「頑張っていないことのバチが当たったんじゃないか」と思っていて。でもファンのみんなはすごく優しくて「ずっと待ってるから、ちゃんと治して帰ってきてね」みたいなコメントもいっぱいあったし、それによって「ちょっと自分を許してみよう」って思えたんです。私という人間が成長するひとつのきっかけになったんですよね。なので、ファンの皆さんは私を成長させてくれるし、応援してくれるし……「本来、立場が逆じゃない?」と思うようなことがあり過ぎて困るというか(笑)。だからずっと感謝の気持ちを表現し続けたいと思うし、ずっとパフォーマンスし続けたいと思うし、ファンの皆さんがすべての燃料にもなっていると思うし……もう全部をくれる人たちですね。私という人間が在るのはみんなのおかげです。

--出逢えてよかったですね。

宮本佳林:本当にそう思います。幼い頃からこの職業をやってきて、勉強もできなくてちょっとおバカになっちゃったし(笑)、それで「私は人間としてどうなんだろう?」と思ったときに私を認めてくれた人たちなので……家族とはまた違う宝物というか、大切なもの、大切な人たちです。

--では、最後に、そんなファンの皆さんにメッセージをお願いします。

宮本佳林:Juice=Juiceは体制も変わっていろんな新しいことがあって、5人時代から好きな方の中には「ついていけないよ!」みたいな方もいらっしゃるかもしれないんですけど、そういう人にもゆっくりゆっくりでいいので今のJuice=Juiceを好きになってほしいし、Juice=Juiceの楽曲をもっともっと好きになってほしいので、私たちも全力で頑張るし、感謝の気持ちをちゃんとパフォーマンスで伝えていきたいと思っているので、ぜひライブにも足を運んでほしいなと思います。

Interviewer:平賀哲雄

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