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ヴィンテージ・トラブル × L.A. サラーミ オープンレター・プロジェクト

LA_VTオープンレター

 アーティストやクリエイターがお互いにメッセージを送り合うオープン・レター・プロジェクト。今回は2017年4月にビルボードライブで来日公演を行う巨大スタジアムやフェスでオーディエンスを沸かせロック・ファンのハートも鷲掴みにするモダンR&Rバンド、ヴィンテージ・トラブルとUKの新星シンガーソングライター、L.A. サラーミが登場。

 哲学的でジャーナリスティックな歌詞が魅力のL.A. サラーミからの詩的な手紙を皮切りに、ヴィンテージ・トラブルのメンバーがそのライブさながらの情熱的な内容で応える。ミュージシャン/アーティストとして、お互いの思考やキャラクターが存分に感じられる対話をご覧頂きたい。

過去のオープン・レター・プロジェクトはこちらから!

LA_VT

Dear Vintage Trouble,


僕の名前は、L.A.サラーミ。粛然たるソウルと意思の仲裁人。

僕の音楽のルーツは、スピリチュアルにおいての不運や欠陥のポピー・フィールドにあるーー 書くこと、消耗すること、不思議に思うことは、大して変わらない。

君をつき動かすものはなんだい?なぜ朝、または夕方に起きる?
知ってる日本語はある?学ばなきゃ、って思ってね。


それでは、


L.A. Salami



▲L.A. Salami - The City Nowadays


LA_VT

Hey L.A. Salami,


ヴィンテージ・トラブルのリック・バリオだ。

俺は寝ることが大好き。普通の人よりずっとね。でも…朝目が覚めると、まず初めに大きな笑みがこぼれてくるんだ。それから自分は正しい道を進んでることに気づかされる。

俺たちの人生は信じられないほどに恵まれていて、ベッドから起き上がることは挑戦するためのオートマティックな刺激でもあり、その挑戦が自分とってふさわしいかどうか確かめることでもある。

音楽を作ること、幸せ、インスピレーションや愛はそんなような贈り物なんだ。もし俺たちが自分自身のためだったり、何より他の誰かのために音楽を作ることができるなら、すぐにでも取り掛かるべきだと思う。

今まで以上に音楽が身近になった現在、新人だけど売れてない、本当に素晴らしい音楽を作ってる人たちの作品が世に届くベストな方法は何だと思う?


Rick



▲Vintage Trouble - Blues Hand Me Down (Official Video)


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  2. 「アートとその手段は人間の骨格と同じように進化/発展していく、まるで鳥の翼幅のように。」
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LA_VT

Dear Rick,


僕の睡眠への愛は、日を浴びた疲れ具合によって変わってくる。時には眠りが糧にならないこともあるし、目覚めることに価値を見いだせないときもある。

アートとその手段は人間の骨格と同じように進化/発展していく、まるで鳥の翼幅のように。アーティストが注目を浴びるための方法が変化するとともに、そのアーティスト自身の許容範囲も変わってくる。これは良いことなのかな?はっきりと言えないから、今後どうなるか見るしかない…


それでは、


L.A. Salami



▲L.A. SALAMI - I WEAR THIS BECAUSE LIFE IS WAR | A COLORS SHOW


LA_VT

Hi L.A. Salami,


ヴィンテージ・トラブルのリチャード・ダニエルソンだ。

そうだね。鳥の翼幅の比喩表現は、昔から好きだった。特に鳥が翼を閉じ急降下したと思ったら、再び翼を広げ飛んでいくところがね。同じようにアートも、振り子のように変動している。音楽は特に。ふと考えることがある、量子化された音楽がそのうちパンク、または少なくともしばらくは停滞するのではないか、その反動でもっと生身な音楽が飛躍するのでは、と。

そんな状況の中、君の音楽は上昇中の振り子という感じがするね。君は人々が、もっとリアルなアプローチをとることの価値に気付いていると思う?それともその価値に対して目をつぶっている状況が勝ってしまっていると思う?

今の世代はコンピューター化された音楽と育ってきた。これも進化する音楽表現の手段のひとつだ。でもこれをもっと人間的なフォームに戻すような行為を、もっと見てみたいと思う。君はどう?


Richard Danielson (Drums)



▲Vintage Trouble - "Pelvis Pusher" ( Official Music Video )


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  2. 「白黒の古い映画を75インチのフラットスクリーンTVで観るような感じだ。
    古いものと新しいもの、両方の良さが分かる。」
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LA_VT

Dear Richard,


人類の偉業の一つで、神のような特質でありながら、僕らの弱点でもあると常にリマインドされているのが、ツールの使い方。
音楽という表現は、人と繋がりたいという人間的本能を何らかの形で具現化するためのものでしかない。テクノロジーの発達のおかげで、世界の反対側にいる誰かとFaceTime出来ると同時に、声のトーンを細工することもできる。

“生身”やリアルさというのは、第一に表現の意図で、ツールはその次だと思う。より多くのツールを使って自分を表現することで、その表現がよりフィルターされていくとも言えるだろう。もしかしたらエレクトリック・ギターで留まればよかったのかもしれないかな?でも、僕らは人間で、色々な方法を試すことを止めることはない。己の表現の説得力やパワーというのは、自分に最適な表現のツールを使うことから生まれるのかもしれない。あまり深くは考えないようにしてる。

最も重要な質問はこれだ。テクノロジーが、ハードなことから目を背け、考えなくてもよくしてくれる中、説得力のある表現に対する関心は続くと思うかい?


それでは、


L.A. Salami



▲L.A. Salami - My Thoughts, They Too Will Tire | The Boatshed Sessions (#) HD


LA_VT

Hi L.A. Salami,


ヴィンテージ・トラブルのタイ・テイラーだ。

説得力のある表現は、テクノロジーの発達に相伴う。
俺もよく思うことなんだが、俺が崇める過去のレジェンドたちは、今だったらどんなことをするだろう?お気に入りの昔のソウル・チューンを頭の中で歌いながら道を歩いてる時、テスラが横切ると、ものすごい鳥肌が立つんだ。俺が感じてるクラッシックなグルーヴの中にモダンなマシンが入り込んでくるが、まるで時空を超えたハーモニーにように思えるんだ。

俺が好きな最近の音楽のいくつかは、オールドスクールな正統派たちにスローバックしつつ、ものすごく量子化された、エレクトリックで、デジタルで、角ばったものだったり、<ヴァーヴ・レコード>の古びたレコードがダンス・ビートや未来的なプロダクションの合間に出てくるようなものだ。両者のいいとこどり、と言ったところかな。白黒の古い映画を75インチのフラットスクリーンTVで観るような感じだ。古いものと新しいもの、両方の良さが分かる。テクノロジーを迎え入れることで、音楽的にこれまで未到達の場所へ導かれるとともに、若者たちの興味を惹きつづけることができるんだ。


Ty Taylor (Vocals)



▲Vintage Trouble - "Nobody Told Me" (Official Music Video)


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