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信近エリ インタビュー「1人の女性としての心の変化を伝えていきたい」



信近エリ インタビュー

 2004年に大沢伸一の全面プロデュースによる『Lights』でデビュー。2009年の2ndアルバム「hands」リリース後 6年間の休業を経て、2015年にrhythm zoneと契約し、2016年11月2日にミニアルバム『Ⅲ-THREE-』 をリリースした信近エリ。休業を経て感じたこと、そして単独ライブや音楽フェスへの出演や、三浦大知への詞の提供など幅広く活躍した2016年を振り返りながら、今後の目標を聞いた。

やり残したことが、たくさんあるような気がした

−−2009年に2ndアルバム『hands』をリリースされたあと、6年間 休業されました。再度、音楽活動を始めたいと思ったきっかけは、何ですか?

信近エリ:特に何年間休むということを決めていたわけでもなかったので、アルバイトをしたり普通に生活をしていたんです。ですが2013年あたりから「何か、やり残したことがあるんじゃないか…」って思うようになって。すごく歌いたくてたまらないというより、「このまま普通に結婚して、お母さんになるような人生で良いのかな」って思い始めたんです。

−−やっぱり、もう一度ステージに立ちたいと?

信近:「もう一度、誰かに伝えたい」というより、「将来、自分自身が後悔することのないように」という気持ちの方が強かったですね。そんな風に、考えるようになったのは年齢のせいもあるかもしれません。20代の頃は人生が永遠に続くような気がしていましたが、30代になって自分の人生を逆算して考えるようになって。そう思った時に「このまま音楽に戻らずに人生を終えるには、やり残したことがあまりにもたくさんあるんじゃないか」って思いました。

−−休業中は、他のアーティストのライブに行ったりもしましたか?

信近:もちろん。特に音楽を自分の生活から遠ざけようとしていたわけではないので、フェスにもライブにも行きました。




−−再開してみていかがでしたか?

信近:再開したとはいえ初めてのことばかりで、あっという間の2年間でした。2015年はフジテレビ『水曜歌謡祭』へのレギュラー出演が一番印象的でした。「テレビの裏側って、こんな風になっているんだなあ! 生放送ってこんな風に作られているのか!」って驚くことばかりで(笑)。いまだに、他の人の人生を体験しているような気持ちになることがあります。

−−デビューの時には、お父さんに反対されたと聞きました。今回の再スタートについては、どんな風に言われましたか?

信近:今回はテレビ出演が決まってから、「4月からレギュラー出演が決まったよ」って報告したんです。驚かれましたが反対はされませんでした。もう、どうにかやっていけるだろうって信じてくれたみたいです。

−−2016年は単独ライブやアルバムのリリースなど、盛りだくさんな1年でした。今年を振り返ってみていかがですか?

信近:今年は、単独初ライブを大阪と東京で開催したんですが、1回目のライブの時には泣いてくださった方もいて、とても嬉しかったです。私自身は何気なく休んだつもりだったのに、ファンの皆さんは想像していた以上に心配したり待ってくださったりしていて、申し訳ない気持ちになりました。

−−ファンからのメッセージで、印象的なものはありましたか?

信近:インターネットで偶然見つけたんですが「彼女が歌うことを選んでくれて、良かった」って書いてくださっていた方がいて。私の人生をそこまで考えてくださっている方がいるんだなって、思いました。

−−1年ならまだしも、6年間も待ってくださっていたんですもんね。

信近:そうなんです。アルバムをリリースした時には、福岡、横浜、京都など様々な場所で発売記念イベントをさせていただいたんですが、各地に色んな人が会いにきてくれて。「昔から、聴いていました!」っていう熱い思いも直接聞くことができて、嬉しかったです。

−−9月には、京都の岡崎で新しくスタートした音楽フェス【OKAZAKI LOOPS】にも出演されましたね。ストリングスも加わった華やかなステージで、会場もとても盛り上がっていました。

信近:ストリングスの方と一緒に歌うのは、あの時が初めてでしたし、ちょうど色んな初挑戦が重なった時期でもあって、【OKAZAKI LOOPS】は2016年で一番緊張したステージでした。【OKAZAKI LOOPS】に出演する1週間くらい前に「来週を乗り越えられる気がしない…」って、すごく不安だったことを今も覚えています。両親も見に来てくれていたんですが、「緊張した!」って言われました(笑)。

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初めて買った洋楽は、ローリン・ヒルの『The Miseducation of Lauryn Hill』

−−私達は、パッケージの売上げに加えて、ダウンロード、ストリーミング、ラジオ、Twitter、ルックアップ(CDをPCに読み込んだ回数)、YouTube、GYAO!を合算した複合チャート【Billboard JAPAN HOT100】を作っています。信近さんは、日頃、新しい曲をどのように知ることが多いですか?

信近:Shazamで検索することが、一番多いです。あとは音楽ブロガーさんの記事を読んで、気になった曲をYouTubeで検索してダウンロードしたり。他には音楽ストリーミングを使って聴いています。

−−音楽ストリーミングと言えば、Google Play MusicのCMソングに信近さんの曲が起用されていますよね。

信近:そうなんです。シチュエーションに合わせてアプリが音楽を選んでくれるという内容のCMなんですが、「イルミネーションの準備」ってスマートフォンに話しかけると、私の「Everybody needs love」が流れるんです。音楽ストリーミングは、気になる曲があればすぐに聴けるので便利ですよね。




−−もうすぐ2016年が終わりますが、信近さんが今年よく聴いた曲は、何ですか?

信近:なんだろう…。ソランジュが11月にリリースした『A Seat At The Table』は、音楽はもちろんですが、アートワークも含めてすごくお洒落で、かっこいいなと思いました。他にも、今年はブラッドオレンジも、たくさん聴いたなあ…。あとは、12月25日に渋谷・ヒカリエで開催された【クリスマスコンサートfeat.ディズニー・マジカル・ポップ・クリスマス】に出演したんですが、そのコンサート用に選曲するために、今年の後半はクリスマスソングをたくさん聴いていました。

−−どの作品が、一番良かったですか?

信近:R.ケリーの『クリスマス・アルバム』は、すごく良かったですね。

−−生まれて初めて買ったCDのことは覚えていますか?

信近:自分のお小遣いで初めて買ったのは、安室奈美恵さんの「Chase the Chance」だったと思います。初めて買った洋楽のアルバムは、ローリン・ヒルの『The Miseducation of Lauryn Hill』です。ローリン・ヒルみたいに歌いたくて。『The Miseducation of Lauryn Hill』と、マライア・キャリーの『メリー・クリスマス』は擦り切れるくらい聴きました。同じように歌えるようになれば、歌手になれるんじゃないかって思って。フェイクとか、声をひっくり返す回数まで真似ができるくらい、何度も何度も繰り返して聴きましたね。なので、今の自分の歌い方にも影響しているんじゃないかと思います。

−−子供の頃は、ローリン・ヒルとマライア・キャリーに憧れてらっしゃったんですね。今、憧れの人を挙げるとすれば誰ですか?

信近:憧れると言い方はおかしいかもしれませんが、すごく好きなのはブルーノ・マーズです。声も好きなんですが、歌っている姿が大好きで。音を消した映像を見ていても、大好きなくらい(笑)。あと、畠山美由紀さんも大好きで尊敬しています。今も貪欲に色んな音楽を吸収しながら、自分の道を貫いていらっしゃって。結婚しても、自分のペースを守りながら活動を続けておられる姿は、アーティストとしても、女性としても素晴らしいなと思います。

−−ブレることなく信念を貫かれる方は、男女ともにかっこいいですもんね。2017年は、どんなことに挑戦していきたいですか?

信近:11月にリリースしたアルバムの中のオリジナル曲は、プロデューサーの田中潤(ゲントウキ)さんや、ナカムラヒロシ(i-dep)さんとも相談しながら、全て自分で作詞をしました。1人でコツコツと書くのが好きなので、作詞をしている時が一番自分らしくいられるんじゃないかな。今年は自分の曲以外にも、三浦大知さんのシングル「(RE)PLAY」に収録されている「Daydream」の作詞もさせていただいたので、もっと作詞にも挑戦していきたいですね。

−−自分が書いた詞が他のアーティストによって歌われるというのは、どんな気分でしたか?

信近:自分で書いた詞を自分で歌うことは今までも何度も経験していますが、他の方に歌っていただくのは初めてだったので不思議な気持ちでしたね。三浦大知さんの声は、昔から大好きなので、すごく嬉しかったです。「家で一人で書いていた詞が、こんな風に世の中に出ていくなんて」って感動しました。

−−これからも、作詞家として色んな方とコラボレーションしていけると良いですね。

信近:そうですね。アーティストさんごとにテーマやシチュエーションが違っていて面白いです。自分では歌わないような言葉が浮かぶこともありますし、最近はビートの早い曲も多いので、韻を踏む言葉を探してみたり。男性の曲の場合は、聴いてくださる方がキュンキュンしている姿を想像したりしながら書いています。

−−ものづくりが好きなのであれば、今後はアルバムのアートワークやビデオの制作にも関わっていけると面白そうですよね。

信近:今回のアルバムではスタイリングは全て自分でやったんです。ファッションが大好きなので。

−−普段は、どういうところで買い物をすることが多いですか?

信近:表参道でが多いですね。好きなお店が集まっていて、歩いているだけでも楽しいです。

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女性としての心の変化を伝えていきたい

−−今後、立ってみたいステージはありますか?

信近:具体的にどこの場所で歌いたいというより、今は肩の力を抜いて歌うということがテーマです。すごく基本的なことのように聞こえますが、今年は本当に緊張しっぱなしで、首が回らなくなる日があったくらい…。落ち着いて周りを見ながら歌うことと、緊張せずに体を使いながら歌えるようになることが目標です。なので自分のライブはもちろんですが、他のアーティストの方のライブにも参加させていただいたりして、たくさんのことを吸収していきたいです。

−−セッションしてみたり?

信近:そうですね。

−−客席にいても、ミュージシャンが楽しんでいる気持ちって、伝わってきますもんね。

信近:この間、ブラッドオレンジのライブに行ったんですが、最初から最後までメンバーがすごく楽しそうで。見ていて全然飽きなかったし、楽しい気持ちがこちらにも伝染してきました。“歌”って自分の気持ちがストレートに表れるので、気持ちが沈んでいたりプレッシャーを感じすぎていると声が出なくなってしまいます。実際、私も歌えなくなった日もありますし。なので、きちんと自分の気持ちをコントロールできるようになるのが来年の目標です。

−−2017年はもっと色んなステージに挑戦して、より色んな音楽を表現していけると良いですね。

信近:12月25日には、「平成28年度 天皇杯・皇后杯 全日本バレーボール選手権大会」男子決勝戦 で、国歌を歌わせていただいたんです。「君が代」って、子供の頃から知っているのに実際に歌ってみると、すごく難しいんですよね。しかもア・カペラなので、歌う前は「ちゃんと歌詞を聞きとってもらえるのかな」とか、「ちゃんと聞こえるかな」ってすごく心配でしたが、数え切れないほど耳にしてきた国歌の詞の意味を、改めて深く考えるきっかけになりました。また、これから勝敗が決まるというタイミングでの歌唱ということで、少しでも選手達への激励になればという気持ちを込めて歌いました。緊張感はありましたが、とても貴重な経験をさせて頂けたことに感謝しています。

−−最後に信近さんは、歌を通じて何を伝えていきたいですか?

信近:1人の女性としての心の変化を伝えていきたいなと思っています。自分の気持ちや価値観って、年齢によって変わっていくものなんだなっていうことを、最近すごく感じていて。でも、他の人と違うことを考えていても、昔の自分と違うことを感じていても全然悪いことではありません。むしろ、そういう柔軟で、柔らかい生き方ができる女性になりたいなと思います。なので、そういう心の変化を音楽を通じて伝えていきたいなと思います。

信近エリに影響を与えた曲

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信近エリ「Ⅲ THREE」

Ⅲ THREE

2016/11/02 RELEASE
RZCD-86201 ¥ 2,160(税込)

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Disc01
  1. 01.Everybody needs love
  2. 02.アァモウイッソ
  3. 03.たったひとつの恋
  4. 04.Hello
  5. 05.君の声を
  6. 06.Beautiful
  7. 07.Woman “Wの悲劇”より

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2005/04/06
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