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スモールプールズ来日記念インタビュー

 先日の【SUMMER SONIC 2015】で来日、その折衷的で躍動感溢れるシンセポップ・サウンドで、ここ日本のリスナーにも鮮やかな印象を残したスモールプールズ。そんな彼らが盟友とも言えるプロデューサー・チーム<キャプテン・カッツ>ともに作り上げたのが、この7月に国内でもリリースされた1stアルバム『LOVETAP!』だ。アルバムには、ビリー・ジョエルやポール・サイモン等、子どもの頃から親しみやすいポップ・ソングを多く聴いて育ったという彼らのセンスが弾けている。12月には待望の単独公演も決まった彼らに、アルバム、そして日本でのライブについて今回話を聞いた。また、特集の最後には、ちょうどインタビュー当日に都内某所で行われたプレミアム・ライブの模様も掲載。さらにメンバーのサイン入りポラロイド写真を抽選で2名様にプレゼント!詳しくは特集の最後をご覧ください!

僕達の音楽を聴いて他の人が、音楽をやろうとかバンドをやろうとか
インスピレーションを受けてくれるならすごく嬉しい

――日本は楽しめてますか?


▲WALK THE MOON「Shut up and Dance」(MV)

マイク:すごい良いよ。初来日で町中を歩くことが出来たし。でも、実を言うと大阪についてすぐにウォーク・ザ・ムーンと会ってさ(笑)。日本に来たのに直ぐに地元の友だちと会って、すごく変な感じだったよ(笑)。

――そうなんですね(笑)。ウォーク・ザ・ムーンとはプロデューサーも同じ<キャプテン・カッツ>ですよね。

ショーン:そう。実は<キャプテン・カッツ>と先に仕事をしていたのは僕達なんだ。で、アメリカでウォーク・ザ・ムーンと一緒にツアーをしてる時に彼らに「良いプロダクション・チームがいるんだけど一緒に仕事してみない?」って紹介したんだ。

――そうだったんですね。ちなみにあなた達は<キャプテン・カッツ>とはどうやって知り合ったんですか?

ショーン:それがすごく変な出会いでさ。バンドを組んだ当初、僕たち、バンドのデモをアトランタで録ったんだ。それをLAに持ち帰って、当時ワーナーで働いてた今のマネージャーのグレッグに聴かせて。それで、彼は「良いデモだけど、もっと磨きをかけた方が良い」って言ってくれて。で、当時、彼の仲間が<キャプテン・カッツ>のメンバーとルームメイトだったから、彼を通して紹介して貰ったんだ。バンドを始めたばかりの頃から、彼らみたいな優秀なプロデューサーと仕事が出来たのはラッキーだったと思うよ。

――一緒に仕事をする前、彼らの仕事ぶりについては何か知ってましたか?

ショーン:いや、そんなには知らなかったな。もちろん、彼らの一人があのGROUPLOVEのドラマーだってことは知ってたけどね。

マイク:あと、彼らの手掛けたリミックスとかは「カッコいいよね」って話はしてたよ。

――一緒にスタジオに入って何か化学反応はありましたか?

ボー:もちろん!


▲Smallpools「Dreaming」(MV)

ジョー:最初は「Over & Over」を聴いて貰ったんだ。すごく緊張したよ。その頃は「Dreaming」もサビの前の部分までしか出来てなかったんだよね。

――じゃあ、それから一緒に考えて形にしていった感じなんですね。

ショーン:そう。曲の大体の核は僕とマイクを中心にスタジオで作って、それを彼らに聴かせて、彼らのサウンドやビジョンが更に反映されるっていう。一種の“コラボレーション” っていう感じだね。

――アルバムについても作り方は同じですか?

ショーン:ほとんどの曲はそう。でも、「LOVETAP!」はみんなでイチからスタジオで作った曲なんだ。あと、「Street Fight」も。あの曲はループが最初にあって、そこにピアノとかを加えて作っていったんだ。

――アルバムは、ネガティブな感情を打ち消すようなポジティブなエネルギーの溢れた作品だと思いました。そうした感想についてはどう思いますか?

ショーン:他の人からもそういう感想を言われたよ。本当にそうならすごく嬉しいね。

マイク:僕自身が好きなアルバムって、まさにそういう気分を高揚させてくれるようなアルバムなんだ。僕達の音楽を聴いて他の人が、音楽をやろうとかバンドをやろうとかインスピレーションを受けてくれるならすごく嬉しいよ。

――例えば、他の人の作品であなた達の気分を高揚させてくれる作品は?

ボー:インキュバスの『モーニング・ビュー』だね。曲もポジティブだし、いつ聴いても気分を高揚させてくれるんだ。


▲New Radicals「You Get What You Give」(MV)

マイク:僕はニュー・ラディカルズの「You Get What You Give」だね。気分が落ち込んでいる時も気持ちを持ち上げてくれる。(元ニュー・ラディカルズの)グレッグ・アレクサンダーは名曲を書いたよ。

――実際、君たちのアルバムに入っている「Karaoke」って、ニュー・ラディカルズからインスピレーションを受けた曲なんですよね? グレッグ・アレクサンダーと言えば、映画『はじまりのうた』は観ましたか?

マイク:僕はホテルで観てたんだけど、途中で寝ちゃって最後まで観れなかったんだ。映画ではグレッグが書いた曲をアダム・レヴィーンが歌ってるよね。それは面白かったな。あと、映画では使われてないみたいだけど、グレッグ・アレクサンダー本人が歌ってるバージョンも世の中に出回ってるっていう噂があって。そのバージョンもいつか聴いてみたいんだよね(笑)。

――それは興味深いですね。僕もぜひ聴いてみたいです。

マイク:じゃあ、もし見つけたら、お互いに送り合おう(笑)。

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重要じゃなくて良い曲を書くことに集中してる

――OK(笑)。カラオケって、日本では歌のテーマにするにはあまりに一般的過ぎるアイテムのなのですが、アメリカだとどうなんでしょうか?


▲Smallpools「Karaoke」(MV)

ショーン:日本ほどは流行ってないね。カラオケって日本だと個室で歌うけど、アメリカでは人前に出て歌うものだからそれほど浸透してないんだ。人前で歌うから、少し恥ずかしいし、でも、やっぱり興奮したりっていう感じなんだよね。この曲を作ったのは、まだ世に出る前だったから、カラオケをやると、自分の中にあるいろんな心配事から解放されて、良い意味での発散になったんだよ。

――なるほど。この曲が象徴してる、みんなが歌えるメロディや、それによってオーディエンスを高揚させることは、やっぱりバンドにとっても大切なことですか?

ショーン:そうだね。僕たちは変なことや面白いことを歌うこともあるんだけど、でも多くの人が消化できるように、あんまり深く考えなくても聴きやすいような曲を書くように心がけているね。

――そう意識するのはなぜですか?

ショーン:うーん、子供の頃に聴いてたものがそういう曲だったからじゃないかな。

――バンドメンバーでそういう音楽のテイストはシェアしてるんですか?

ボー:共通点は結構あるかな。

マイク:みんなの好きな音楽の円がいくつかあって、それが重なる部分があるっていう感じ。ジョーはジョン・メイヤーが好きなんだよ(笑)。

ジョー:そのことについてはみんな理解してくれてると思うよ(笑)。

――誰かが自分のテイストに引き寄せるというようなことはないんですか?

ショーン:スタジオでは、自分たちが何を聴いているか?は重要じゃなくて、良い曲を書くことに集中してるんだ。だから良い曲ができたらそれはみんな納得するんだよね。例えば、誰かが書いたものを“ヒドイ”と思っているメンバーが2人くらいいたら、それは先には進まないよね。だから、みんなが良いと思うものには共通点があるんじゃないかな?

――民主的なバンドなんですね。

ショーン:そうだね。自分たちが将来「こんな曲やりたくないよ!」って思う曲は書きたくないからね(笑)。

初来日ライブ&ライブの工夫について

――日本でライブをするのは初めてだったと思うんですけど、日本のファンのアルバムに対する反応はどうですか?

マイク:すごくいい感じだよ。【SUMMER SONIC】でも二日間やったけどあんなに大勢の人に聴いて貰えると思ってなかったよ。

ショーン:驚いたのはみんなが曲を知ってることだね。シングルでも無いのにプレイして数秒で曲を理解して一緒に踊ったり、歌ったりすてくれていてすごく嬉しかったよ。

――最後にひとつ聴きたいのですが、ライブの時に投げていたイルカの風船は何なのでしょうか?

(一同笑)

ショーン:あれは“シャチ”だよ(笑)。アルバムに「Killer Whales」って曲があるから、それにちなんで使うようになったんだ。

ボー:ある時、思いついたんだけど、何千個っていうシャチの風船が会場を埋め尽くしてたら面白いなと思って。でも、あいにく今はまだ僕らはそのレベルにいないから、ああやってビーチボールみたいな感じで客席に投げてるんだよね。

――ファンとのコミュニケーションを楽しめる良いツールですよね。

マイク:ありがとう(笑)。シャチの風船が色んなファンの人たちのところに行ってるのをステージから観るのは楽しいよ。

ボー:でも、いつか自分たちのマイクとか楽器に当たりそうで意外と怖いんだよね(笑)。

ショーン:僕も跳ね返って歌ってる顔に当たらないかなって心配してるんだ(笑)。

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バンドの音楽の親しみやすさとライブ巧者ぶりを証明したプレミアム・ライブ

 1stアルバム『LOVETAP!』の国内発売を記念して、【SUMMER SONIC】明けの8月17日、都内某所でスモールプールズのスペシャルライブが行われた。会場に詰めかけたのは、Twitterや音楽サイトでその参加券が当たったラッキーなファン約200名だ。

 この日、演奏されたのはその『LOVETAP!』からシングルなど代表曲5曲。サウンド的にはインディ・ロックの影響を受けながらも、ライブ自体はとにかくパワフルでキャッチーなことが特徴の彼ら。実は地元で地道なライブ・サーキットを長年こなして来ていることもあり、演奏力も新人とは思えないほど高い。サマソニで、そのパフォーマンスを目にしたであろうファンも会場には多く、一曲目に演奏された「Over & Over」からオーディエンスのテンションは非常に高かった。

 前述のインタビュー(このライブの数時間前に行われた)で、「僕たちは変なことや面白いことを(歌詞に)書くこともある」と話してくれた彼ら。この日、2曲目に演奏された「Street Fight」は<僕は君のブルース・リーになりたい>と呼びかける、確かにちょっと風変わりな歌詞の一曲。ただ、そういう曲を、まるで自分自身を鼓舞するように目一杯力強く歌うのが彼らの本領、会場からは早くもシンガロングの大波が起きていた。

 3曲目「Killer Whales」では予告通り“ミニ・シャチ”風船が客席に飛び交う。そこから「Karaoke」、そしてみんなお待ちかねの「Dreaming」に流れ込むラストの怒涛の展開はこの日のハイライトだった。自らの音楽の親しみやすさやライブ巧者ぶりをしっかり証明したこの日のスモールプールズ。次の来日では更に多くの曲の演奏を通して、その音楽的な奥行きもアピールしてくれるはずだ。その日をぜひ楽しみに待とう。

Photo:Kayoko Yamamoto

◎公演詳細
【SMALLPOOLS PREMIUM MINI LIVE】
2015年8月18日(火)都内某所
19時開演

<セットリスト>
01. Over & Over
02. Street Fight
03. Killer Whales
04. Karaoke
05. Dreaming

スモールプールズのサイン入りポラロイド写真を
抽選で2名様にプレゼント!

写真

9月9日(水)~9月23日(水)正午までに、Billboard JAPANの公式twitterアカウント(@Billboard_JAPAN)と洋楽専用アカウント(@BillboardJP_INT)を両方フォロー&ハッシュタグ#SMALLPOOLSPolaroidJPでツイートした読者の中から抽選で2名様に取材時に撮影したサイン入りポラロイド写真をプレゼント!詳しくは、@Billboard_JAPAN@BillboardJP_INTにて!

・写真は選べません。予めご了承ください。
・応募締め切りは、9月23日(水)正午となります。
・当選者の方には、@Billboard_JAPANよりDMを送ります。当選時に@Billboard_JAPAN@BillboardJP_INTをフォローされていない場合、当選は無効となります。

スモールプールズ「ラヴタップ!」

ラヴタップ!

2015/07/01 RELEASE
SICP-4449 ¥ 1,980(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.アメリカン・ラヴ
  2. 02.キラー・ホエールズ
  3. 03.ドリーミング
  4. 04.カラオケ
  5. 05.ストリート・ファイト
  6. 06.メイソン・ジャー
  7. 07.オーヴァー・アンド・オーヴァー
  8. 08.ラヴタップ!
  9. 09.ホワッツ・ザット・ア・ピクチャー・オブ?
  10. 10.ダイイン・トゥ・リヴ
  11. 11.アドミッション・トゥ・ユア・パーティー
  12. 12.ナイン・トゥ・ファイヴ
  13. 13.ノー・ストーリー・タイム
  14. 14.(サブマリン)
  15. 15.ドリーミング (ザ・チェインスモーカーズ・リミックス) (ボーナス・トラック)
  16. 16.ドリーミング (ライヴ・アコースティック) (ボーナス・トラック)
  17. 17.カラオケ (カラオケ・ヴァージョン) (ボーナス・トラック)

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