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2019/07/23

【米ビルボード・ソング・チャート】リル・ナズ・Xが16週目の首位獲得、歴代最長No.1記録にタイ

 リル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」が、米ビルボード史上歴代最長となる16週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 これで、歴代トップ(タイ記録)に君臨するマライア・キャリー&ボーイズIIメンの「ワン・スウィート・デイ」(1995年) と、ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシートfeat.ジャスティン・ビーバー」(2017年)の16週に並んだ「オールド・タウン・ロード」。

 先週から22%上昇の週間8,620万視聴を記録し、ストリーミング・チャートでも同16週目のNo.1をマーク。この記録も、ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシートfeat.ジャスティン・ビーバー」と並ぶ歴代最長記録で、R&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートでも同じく16週目の首位を維持し、歴代記録を塗り替えた。2019年のソング・オブ・サマーでは、8週目の1位をマークしている。

 前週から4%増加の週間45,000ダウンロードを記録し、デジタル・ソング・セールス・チャートでも通算12週目の1位を記録した。セールス、ストリーミングがそれぞれ増加したのは、7月12日にラッパーのヤング・サグとメイソン・ラムジーをフィーチャーした新リミックスがリリースされたため。エアプレイ・チャートにはその効果が反映せず、18%減少して8位から10位にダウンしている(週間5,350万回)。

 その座を略奪すべく、「オールド・タウン・ロード」の対抗馬となったビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」は、2位に留まった。とはいえ、こちらも前週から39%増加の5,570万視聴を記録し、ストリーミング・チャートで4位から2位に、64%増加の週間33,000ダウンロードを獲得し、デジタル・ソング・セールス・チャートでも7位から2位へ、それぞれ順位を上げている。

 同曲も、7月11日にジャスティン・ビーバーをフィーチャーしたリミックスを発売したため、主要ポイントがぞれぞれ増加した。リミックスは、セールス全体の1/2弱、ストリーミング全体の1/3程のポイントを占めている。エアプレイ・チャートでは、「オールド・タウン・ロード」を上回る週間8,500万回を記録し、5位をキープした。

 2週前(7月13日付チャート)、「オールド・タウン・ロード 」と「バッド・ガイ」の比率は2対1だった。先週は1.5対1に、そして今週は1.3対1にその差を縮めている。次週、「バッド・ガイ」が首位に到達するには、ストリーミング、エアプレイ、セールスの主要3チャート(ポイント)をそれぞれ上昇させる必要があるが、リミックス発売翌週では実現が難しいだろう。

 過去の事例からみても、マライア・キャリー&ボーイズIIメンの「ワン・スウィート・デイ」と1.2対1の差をつけたブランディの「シッティン・アップ・イン・マイ・ルーム」が、翌週1位に浮上することはなかったし、ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシートfeat.ジャスティン・ビーバー」と1.3対1まで差を縮めた、DJキャレドの「ワイルド・ソーツfeat.リアーナ&ブライソン・ティラー」が首位の座を略奪することはできなかった。

 可能性があるとすれば、「デスパシート」の記録を阻止したテイラー・スウィフトの「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」のような初登場曲だが、今のところ「オールド・タウン・ロード」の記録を打ち破れるほど強力な新曲はリリースされていない。次週17週目のNo.1を死守できれば、前述の2曲を上回る、単独の歴代最長記録更新となる。

 今週のアルバム・チャートでNo.1デビューを飾ったエド・シーランの『No.6 コラボレーションズ・プロジェクト』から、1stシングルとして5月にリリースした「アイ・ドント・ケア」が、前週の6位から3位に浮上し、返り咲きのTOP3入りを果たしている。ジャスティン・ビーバーとデュエットした同曲は、5月25日付チャートで初登場2位を記録したが、「オールド・タウン・ロード」に阻止され首位獲得を逃している。

 今週の<Airplay Gainer>を獲得し、最高位6位に再浮上したリゾの「トゥルース・ハーツ」も、ゆるやかではあるが順当に主要ポイントを上昇させている。同曲のヒットを受け、収録アルバム『コズ・アイ・ラヴ・ユー』も今週のアルバム・チャートで6位をキープした。

 先週3位に初登場したポスト・マローンの新曲「グッバイズfeat.ヤング・サグ」は7位にダウン。一方、昨年10月にリリースされ、今年1月に首位獲得を果たした映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の主題歌「サンフラワー」は9位を維持し、通算31週目のTOP10入りを果たしている。TOP10滞在週の記録としては歴代3位(タイ記録)で、トップは33週を維持したエド・シーランの「シェイプ・オブ・ユー」(2017年)と、マルーン5の「ガールズ・ライク・ユーfeat.カーディ・B」(2018年)が死守している。こちらも、歴代記録更新に期待したいところ。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、7月26日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」リル・ナズ・X
2位「バッド・ガイ」ビリー・アイリッシュ
3位「アイ・ドント・ケア」エド・シーラン&ジャスティン・ビーバー
4位「セニョリータ」ショーン・メンデス&カミラ・カベロ
5位「トーク」カリード
6位「トゥルース・ハーツ」リゾ
7位「グッバイズ」ポスト・マローンfeat.ヤング・サグ
8位「サッカー」ジョナス・ブラザーズ
9位「サンフラワー」ポスト・マローン&スウェイ・リー
10位「ノー・ガイダンス」クリス・ブラウンfeat.ドレイク