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2019/01/11

マシン・ガン・ケリー、モトリー・クルーの伝記映画で熱演したトミー・リーや撮影秘話/原作への思いを語る

 モトリー・クルーが2001年に発表した回想録『The Dirt』には、1980年代を駆け抜けたメンバーの快楽主義的な生き様が余すところなく記録されているが、その内容は非常識で愉快なもの(ツアーを一緒に回っていたオジー・オズボーンが鼻からアリを吸い込んだあとにニッキー・シックスの尿を歩道からペロペロなめる)から非常識で穏やかでないもの(当時の恋人がポルノ雑誌に二人のひわいな写真を売ったと知ったトミー・リーが彼女の歯をへし折る)まで、とにかく容易には信じがたい逸話ばかりが並ぶ。

 “ごみ”、“泥”、“軽蔑すべきもの”などの意味があるタイトルが実にふさわしいこの型破りな回想録が実写化されることはないだろうと思われていたが、とうとうNetflixが映像化し、2019年3月22日に公開されることがわかった。さらに特筆すべきは、ドラマーのトミー・リーを演じているのが、本名のコールソン・ベイカーとしてクレジットされているラッパーのマシン・ガン・ケリーであるという点だ。「13歳のころに“The Dirt”を読んだ。俺のバイブルだった」という彼は、“ヘアー・メタル”を象徴する過激なヘアスタイルを決めてリーを熱演している。

 米ビルボードは、娘のバイオリン・リサイタルに出席するために空港へと向かうマシン・ガン・ケリーから、この注目作でトミー・リーを演じた上での苦労や原作本への思いを聞いた。

◎どうやって役を射止めたのですか?
 ああ、もうね、あれは6回オーディションを受けたと思う。最初の2回は(ベーシストの)ニッキー・シックス役のため、最後の4回はトミー・リー役のためで、2年半かかったよ。

◎ハイヒールは履いたことはありましたか?
 彼らが履いていたほどのものはないよ。でもトミーはずっと前Chucks(コンバース)とかそういうのにハマってたんだよ。彼は全身ヘア・メタルのグラム・ウェアに、長くて白いチューブソックスとナイキのCortezを合わせるとか、何かしらそういう組み合わせをいつも着ていた。

◎ふくらはぎから下だけなら今でもいけるスタイルですね!
 そうだね!

◎トミー・リーに初めて会ったのはいつですか?
 米アトランタで一緒にパーティーで遊んだことがあった。同じライブに出演したんだ。あと、俺は“Mayhem”のタトゥーを入れているよ(リーのバンド、メソッズ・オブ・メイヘムから)。

◎メイクアップ・アーティストたちがリーのタトゥーを再現するために、あなたが上半身に入れているタトゥーをすべて覆わなければならなかったそうですね。
 あの人工装具よりも、俺のタトゥーを消す時間の方が短かったよ。

◎リーのタトゥーで気に入っていたものは?
 彼のクソみたいなマイティー・マウスのタトゥーが好きだよ。彼が初めて入れたやつ。いかにも“初めてのタトゥー”って感じで。

◎あなたは『The Dirt』で描写されていたライフスタイルを望んでいましたか?
 もちろん。子どものころ、間違ったアイドル(を尊敬していた)ってことは確かだね。

◎「あの人たちみたいになりたい」と思わされたのは『The Dirt』のどの話ですか?
 その質問、代わりに“どれが一番ヤバかった?”にしてもいい?俺が友達に「こんなことが可能だって知ってた?」って尋ねたのが、女性の膣に突っ込んだ電話を使って彼女の母親に電話をした箇所だった。あれは今でも割と想像を絶するな。

◎エネルギッシュでロマンチストなリーはまるで子どものようです。自分でも容易に認めるほど、その行為が非難されるべきでも、彼に対していつまでも怒っているのは難しいですよね。
 トミーはあのグループの子犬みたいな存在だ。過ちを犯すけれど、過ちを犯している方が彼のことを好きになってしまうんだよね。

◎ニッキー・シックスを演じたダグラス・ブースと仲良くなったそうですね。あなたがたの行動はシックスとリーの武勇伝に恥じないものでしたか?
 ニュー・オーリンズで初めて一緒に過ごした夜、監督のジェフ・トレメインに、みんなで飲みに行って、ビールを飲みながら仲良くなることを要求されたんだ。開始後30分でダグが、「俺はニッキー・シックスだこのやろう!」ってトレメイン監督の肩にガブッと噛み付いた。今も歯形と周りにアザが残ってるくらい強くね。ダグが監督に噛み付いた瞬間に、これから楽しめそうだってみんなが確信した。

◎10代で読んだ時から『The Dirt』の闇の部分に対する反応は変わりましたか?
 13歳のころは問題をよく理解していなくて、キラキラしたものにしか目が行かないものだ。セットで実際にこれらのシーンを演じた時にようやく、「うわ、これは闇だ。みんなこれについてどう思うのかな」って気づいたんだ。でもあの本に描かれている真実にはどこか人を引きつけるところがある。好きになった誰かがいきなりものすごく暗いところへ真っ逆さまに落ちていくことってあるからさ。

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