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2018/03/23

野口健×安藤忠雄 大阪でトークセッション 「安藤先生の生き様が刺激になる」

 FM OH!(FM OSAKA)、及びJFN(全国FM放送協議会)加盟38局が展開している「コスモ アースコンシャス アクト」の一環として、アルピニスト野口健が地球を舞台に活躍する各界のフロントランナーを迎える【野口健 トークセッション in 大阪】が3月17日、ムラマツリサイタルホール(大阪市淀川区)にて行われ、野口健と、ゲストの建築家 安藤忠雄の2人が登壇した。

 2002年、東京都の“ゴミの島”を緑豊かな“海の森”にするプロジェクトのメンバーとして、当時の石原慎太郎東京都知事に呼ばれたことが出会いのきっかけとなったふたり。「地球」「世界」「子ども」について語り合い、ふたりが世界中で撮影した写真を見ながら、「日本を飛び出して旅に出よう!」「世界に通用する日本人」「【やりたい】と【やる】の違い」「子どもたちへ」の4つのテーマで、様々な角度からトークセッションが繰り広げられた。

――「日本を飛び出して旅にでよう!」

 安藤忠雄は、バイトして貯めたお金で旅行した1965年の7ヶ月間のロシア~アフリカ~インドの旅行を紹介。若い子には地球儀を持たせて日本がどこにあるのか、世界がどうつながっているのかを確認させることが大事だと伝えた。日本だけでやっていける時代が終わりつつあり、世界から様々なものが流入してきている今、日本の立ち位置を確認することが重要であるとのこと。また、野口健は高校1年のときに停学になり、家にいて引きこもるなとの父親の助言から大阪・京都・姫路を歩いて回り、その際に出会った植村直己の書籍がきっかけで登山を始めたこと、初めての登山は冬の富士山で氷の世界で「落ちたら死ぬ」という状況が自分にしっくりきて登山の世界にはまったことなどを語った。

――「世界に通用する日本人」

 野口健、安藤忠雄という世界でも評価の高い2人が、どうすれば日本人が世界で通用するのか、日本人だからこそ世界で表現できることはなにか、を語り合う。安藤忠雄は「こうしたい、という強い気持ちがある人には勢いがあり、勢いさえあれば超えていける」と訴えた。「昨今は目の前の人と語るときも食事するときもスマートフォンやパソコンをさわりながらという人々がいるがそういう状態では人間同士の対話はできない。世界で通用するには様々な人と対話をする必要があり、おじいさんやおばあさんと語るのもいい」と伝え、また安藤忠雄はがんを患って臓器をいくつも取ったが、「こうしたい」という目標があるので全く問題ない、むしろ、昼ごはんを食べたあと1時間休憩するようにしたら内臓が全部あるときよりも元気になった、と気持ちの強さが体にも影響していることを自身の体で証明しました。そして、「内臓、学歴、体力」など、なかったらないままに生きる、あるものだけで生きる、と笑いを交えながら語った。

――「やりたい」と「やる」の違い

 野口健は、高校生の頃登山を始めたときは父親が必要な資金を援助してくれていたが、父親は「高校を卒業したら自分でお金を稼げ」といわれて苦労した話を披露しました。インターネットもない時代に、四季報で調べた会社に電話をするも会ってもらえることは稀で、せっかく会えても「何故君のお遊びにお金を出さなければならないのか」といわれ、そこでただ「エベレストに行きたい」という熱い情熱だけではだめで、「野口健の冒険にお金を出す」ストーリーを描いてもらうための努力や、どういう風に伝えれば他人が感心をもってくれるかという伝え方を学んだ、と語る。一方で様々な活動で募金集めをしている安藤忠雄は「日本人は美しいものが好きだし、富士山の清掃など日本人の好きなものにはお金が集まる。野口さんの日本の遺伝子が自分の登る山を美しくしようと考えた。発想がすばらしい。持続力は力です。」と野口健を励ました。

――子どもたちへ

 世界で活躍するふたりは、国内の子どもたちにためになるものを残そうとしています。安藤忠雄は大阪市の中之島エリアに児童図書館を寄贈すると発表しました。大阪の子どもたちの学力が全国でも低めなのは「本を読まない」ことが理由であるということで、子どもたちが自由に本を手に取り楽しめる空間を作るそうです。野口健は、子どもたちに環境問題と伝える「野口健環境学校」を開設して今年で10 年になりますが、最近では「生きのびる力」を身につけるためのヒントを教えているそうだ。例えばシーカヤックに乗った子どもたちは、ボートがひっくり返ったとしても、そのまま目をつぶって固まってしまうことがあり、また、白神山地で岩を登っているときも、ちょっと慌てるようなことがあったときには手がグーになってしまって岩がつかめなくなるというような、危機のときにフリーズ現象になってしまう子どもたちが増えていると語られた。これはちょっとした自然体験を繰り返すことで訓練されていくため、野口健は、例えば震災の際でもまずは3 日生き延びる力をつけられるようになるために環境学校を引き続きやっていくと語りました。また、野口健の愛娘とは定期的に登山をしているといい、「していい無理としてはいけない無理」を学ばせていて、世間の学校は雪山で事件があるとすぐ「雪山禁止」と言い出しかねないが、学校は生徒達に「厳しい状況にあったときにどうやったら生き延びられるかを学ばせてほしい」と訴えました。野口健にとって安藤忠雄は「安藤先生の生き様が刺激になる」といい、「子どもたちには親の生き様を感じさせないといけない」と語った。

 最後にひとことを求められた安藤忠雄は、「みんなに可能性があり、自分の心に可能性がある。自分の中の可能性を自分の中で、死に物狂いで考える。自由と勇気と判断力。地道に自分のことをやれば、よっぽどのことがない限り大丈夫。内臓なくても生きられる。自分のやりたいことを、大阪の人たちと一緒に最後までやりたい。」と語りました。また、野口健は、「安藤先生と一緒に東京都で森作りを始めたが、それが広がっている。今はヒマラヤの山でマナスルという山岳部でなくなってしまった森を戻そうということで、苗木センターを作り、標高3600 メートルのところで苗を育て始め、害虫がきたこともあったが何とか育ててきて、まもなくこの苗を植樹できるようになる。10数年前に安藤先生とおつきあいをしたことが今につながっている。森作りは基本であり、日本では特に大切である。」と語ってくれた。世界を舞台に活躍する野口健と安藤忠雄とトークセッションは、時折笑いをまじえながら、様々な話題に触れながらも、ふたりの「強い意志」と「持続力」が幅広い活動を支える源であり、気持ち次第で誰もが世界に羽ばたけるということを観客に感じさせながら終演を迎えた。

 なおこの模様は、3月30日にビデオポッドキャストとして配信が予定されている。(https://www.tfm.co.jp/earth/noguchi/

◎イベント情報
【コスモ アースコンシャス アクト 野口健 トークセッション in 大阪】
大阪・ムラマツリサイタルホール(大阪市淀川区)
2018年3月17日(土)
出演:ホスト アルピニスト 野口健
ゲスト:建築家 安藤忠雄
司会:FM OH! DJ 赤松悠実

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