Special
<インタビュー>Ettoneがポチャッコと一緒に「失敗しても、何度転んでも大丈夫な人生」を謳歌 ゲーム感覚で歌う「1UP↑1DOWN↓」

Text & Interview: 川倉由起子
Photos: 堀内彩香
Ettoneの4thデジタルシングル「1UP↑1DOWN↓」がリリースされた。誰もが人生で直面する“詰み感”を、8bitゲームのカラフルな世界観へと鮮やかに転生させた本作は、シンガーソングライターのFurui Rihoとのタッグだ。そして、サンリオの人気キャラクター・ポチャッコとの異色コラボレーションでも話題を呼んでいる。
制作の舞台裏はもちろん、サンリオやポチャッコへの思い、メンバー7人の個性が爆発した“人生の詰み”エピソードまで、彼女たちの音楽にかける想いと人柄がにじむクロストークとなった。
左から:mirano、koyuki、yuzuki、chiharu、anri、shion、pia
──まずは今作「1UP↑1DOWN↓」のクリエイティブがどのように動き出したのか、その起点からお伺いできればと思います。今回はプロデューサーのALYSAさんから、koyukiさんとyuzukiさんの2人が指名され、シンガーソングライターのFurui Rihoも楽曲制作に参加されています。
yuzuki:Furui Rihoさんとのコラボレーションはもちろん、性格が真反対な2人(koyuki、yuzuki)なので、「一体どうなるんだろう?」とドキドキを抱えながらのスタートでした。
koyuki:そうだね。まずトラックをいただいて、そこから広がるイメージを私とyuzukiで持ち寄って。画像や単語を共有したり、音から見えた景色を話し合ったりしたよね。そこから出てきたのが“ゲーム”というテーマ。今までの私たちの曲は心に染みるようなサウンドが多かったんですけど、今回のトラックは音が軽やかで、聴いた瞬間にすごくカラフルな印象を受けたんです。そこから、昔のピクセルゲームや『マインクラフト』のような世界観が浮かびました。
yuzuki:私は最初、朝とかお昼のような明るいイメージを持っていましたが、koyukiからゲームという言葉が出た瞬間に「なるほど!」と思ったし、人生のアップダウンみたいなものも曲の雰囲気に合っていると思いました。それを今回の制作チームに共有して、後日、メンバー全員でFurui Rihoさんにご挨拶したときに、Rihoさんが「今のアーティスト人生において、希望と不安のどっちが多い?」といった質問をしてくださって。みんなの答えも踏まえつつ、Rihoさんがトップラインを作ってくださいました。


──「人生とゲーム」という2つの軸を掛け合わせることで、深みがありつつも遊び心あふれる世界観が立ち上がったのですね。歌詞に散りばめられたゲーム用語のメタファーもユニークです。
yuzuki:Rihoさんから「その2つの軸があったほうがいいかもね」というお話がありまして。落ち込むことを“ゲームオーバー”や“1DOWN↓”と言い換えたり、余裕がないけれどやるしかない状況を“Aボタン連打”と表現したり、人生のいろんな状況にゲームを当てはめていきました。
koyuki:ゲームでのAボタン連打は本来“攻撃”ですが、「うわー、もうダメ。Aボタン連打!」みたいに言うとかわいらしく聞こえるし、“Bダッシュ”も「嫌なことがあったらBダッシュで逃げちゃえ!」って。どこか明るく切り替えられるというか。
yuzuki:サビのフレーズ〈どこに行こうとベストスコアに変えていく〉も、ゲーム用語とハマったなって手応えを感じました。
――他のメンバーの皆さんは、完成したデモを初めて聴いた際にどのようなインスピレーションを受けましたか。
shion:ゲームを感じられる歌詞が多くて、とてもかわいいなと思いました。私自身、人生で「詰んだわー」って思うことが多いんですけど……。
anri:多いんかい(笑)!
shion:結構ある(笑)。ちょっとしたことだけどね。そういうのがポップに描かれていて、「落ちることもあるけどゲーム方式で一つずつクリアしていくぞ!」という感じで不思議と前向きになれちゃう曲だなと思いました。
anri:“限界” や“自己嫌悪”といった一見ネガティブなワードも入っていますが、ゲームのようなカラフルな世界観を通すと、それすらもポジティブでかわいらしく感じられるのが素敵だなって。今回の制作に携わった2人から「人生の出来事を他のメタファーで言い換えた」と聞いて、そういう作り方があるんだ、おもしろいなと感じました。ネガティブな面に引っ張られずに、言いたいことは担保したまま伝えられるのってすごいなって。


mirano:Ettoneの中でも、一番ポップでキャッチーな曲だなと思いました。でも歌詞を見ると「ハードなこともあるけど、乗り越えていこう」という、ちゃんと芯のあるメッセージが込められていて。歌っていても勇気づけられます。音域はいつもより高くて大変ではあるのですが、ハーモニーを重ねるほどに厚みが出るのがデモの段階から分かって、早く歌いたかったです。
chiharu:私は最初、音源から“南国”のようなイメージを持っていましたが、そこにゲームの世界観が乗ったのが新鮮でした。〈連ドラ一気見して〉とか、歌詞にも共感する部分が本当に多くて。
anri:一気見、あるよねー(笑)。
chiharu:自分の日常とも重ね合わせて歌えるし、ちょっとこう、自分の視野が狭くなったときにそれを広げられる曲でもあるかなって思います。



pia:私はトラックにある鳥の鳴き声のような音が印象的で、最初は少しかわいらしい音になっているなと思ったんです。これをどうEttoneの掲げるコンセプト“LOOSE POPS”に合わせていくのか気になっていたのですが、最終的な歌詞とデモをいただいたときに「あ、なるほど」って。みんなも言っているように、ゲームの言葉に置き換えることで誰にでも響くというか、自分だったら思いつかないようなコンセプトと歌詞になっていると思いました。

──ボーカルワークについても伺いたいのですが、今作はハーモニーの厚みが非常に増しています。レコーディングにはどのようなこだわりがあったのでしょうか。
chiharu:今回は主線を二重に重ねたり、ハーモニーもより多かったりと、声の厚みで聴かせる曲になっています。掛け合いみたいなパートもあって、みんなで声を重ねている実感がすごくあります。
shion:Furui Rihoさんのルーツであるゴスペルの要素も感じられる雰囲気で、ハーモニーが多いEttoneにすごく合っていると思いました。
mirano:ちなみに、メンバーの歌う順は、誰が先に歌えば次の人がイメージしやすいかというのをALYSAさんが考えて決めてくださっています。
anri:ハモリを録って、主線を全員が録った後にもう一度ハモりを録るというサンドイッチ式もよくあります。ALYSAさんの頭の中に、まるで計算式があるみたいです。
pia:「1UP↑1DOWN↓」に話を戻すと、「うっ!」という人間味のある声や、エフェクトみたいなパートがあるのもポイントです。
koyuki:「1UP↑1DOWN↓」は後半にかけてハモりが増えていくのですが、最後のほうに〈エンドロールの先で 笑い合えるよ〉という歌詞があって、7人の声が重なっていく様子が、みんなで笑い合う姿とリンクして、一人じゃないんだなって感じます。

──そして今作の大きなトピックとして、サンリオの人気キャラクター・ポチャッコとのコラボレーションも実現しました。ジャケットのアートワークやMVにポチャッコが登場していますが、決定した際のお気持ちはいかがでしたか。
全員:やったーーー!!(拍手)
mirano:私はプライベートでサンリオピューロランドに行くくらい、サンリオが大好きで、毎日サンリオのゲームもやっているんです。ポチャッコのキャラクターについて「寄り道が好きで、失敗しながらもお散歩を楽しんで進んでいく」というのを聞いて、「1UP↑1DOWN↓」のコンセプトにぴったりだと思って、運命を感じました。ジャケットのポチャッコもコロンとしていて愛おしいです。
koyuki:私も幼い頃から身の回りがサンリオだらけでした。実は今朝、たまたまInstagramでサンリオキャラクターのMBTI診断を見たら、私、ポチャッコと同じESTPだったんです!
──すごい。それもまた運命的ですね。
koyuki:はい。だから私は実質、ポチャッコかなと思ってます(笑)。
shion:ポーチとかボールペンとか、身の回りのものがサンリオグッズで揃っているぐらい私も大好きです。中学生の頃に自分のお金で初めて買ったマスコットキャラクターがポチャッコで。それを思うと、すごく感慨深いです。
koyuki:“成功したオタク” だね。
shion:そうかも(笑)。
yuzuki:私も好きですし、地元の仲のいい友達も大のポチャッコ好き。この前、私が靴擦れしてしまったときに「これあげる!」って出してくれたのがポチャッコの絆創膏だったんですよ。私はニヤニヤしてしまいましたが、コラボの話はまだ内緒だったので、発表されたときの友達の反応が楽しみです。
anri:私はファンの方に「サンリオでどれが好き?」と聞かれたときにポチャッコと即答したことがありますね。あと、昔からたまに「ポチャッコに似てる」と言われていて。
shion:似てる! わんちゃんっぽい(笑)。
anri:自覚はないんですけど(笑)。最近は街中のいろんなところでポチャッコを見かけるたびに、「また会おうね」って心の中で話しかけています。
chiharu:私も小さい頃から、サンリオのパレードのビデオを繰り返し見ていて。持ち物も全部サンリオだったし、本当に、めちゃくちゃお世話になっています(笑)。今回のコラボを知ったときは、みんなで「わあー!」と叫んだくらいうれしかったですし、miranoが言ったように、前向きで好奇心旺盛なポチャッコと一緒に歩んでいけるのが誇らしいです。
pia:オーストラリアに住んでいた頃から、キャラクターグッズを買うなら絶対にサンリオでした。ポチャッコは性別問わず誰もが好きなキャラクターだと思っていて、そういうジェンダーニュートラルなところが、Ettoneのコンセプトにもマッチしているんじゃないかなって。今回のMVの主人公になると聞いたときも、すごくハマっているなと思いました。
──楽曲に描かれている人生の“詰み”にちなんで、皆さんが最近「詰んだ」と思ったエピソードを伺えますか。
koyuki:私は朝練の日です。目覚ましを何個もかけているのに全く聞こえなくて、目が覚めたら出発5分前だったんです。でも、5分で家を出られたので大丈夫でした(笑)。
anri:koyukiのアラーム、めっちゃデカいんですけどね。
yuzuki:私は、傘を持たずに外出して雨が降ったときです。出先で買った傘が増えていくのがちょっと悔しいです(笑)。
shion:私は学校の英単語テスト。自信があったのにスペル間違えて、10点満点中8点だったときはシンプルに詰んだなと思いました。
anri:私は……ここにALYSAさんがいないので言えるんですけど(笑)。
koyuki:なになに?
anri:ALYSAさんがライブ前のリハーサルに来てくださるとき、自分たちの音がちょっとズレただけで「やばい、バレてしまうかもしれない!」と思ってしまいます。もちろん、愛があるからこその厳しさなんですけどね。なので、ギンギンに耳を働かせて、ズレてたまるかと思いながら歌っているのですが、少しズレたり、高いキーでひっくり返ったりした瞬間は、ALYSAさんの顔をゆっくりと見てしまいます(笑)。
koyuki:しびれるよね(笑)。
shion:ダメだったときは、何か書いてます。
anri:ほとんどないですけどね。

pia:私は、リハーサルがある日に美容院に行ったら、予想以上に時間がかかってしまったんです。間に合わないと思って、髪も濡れたままで出て、シャワー上がりみたいな状態でリハーサルに駆け込みました(笑)。
mirano:私は、お気に入りのメガネを失くしてしまったことです。本当に、どこを探しても見つからなくて。写真を見るたびに心が痛みます。
chiharu:私も朝練につながる話なんですけど、今、みんなで4kmほど走っているんです。それで、頑張ろうと思ってランニングシューズを買いに行ったら、靴のサイズが24.5cmから26cmになっていて。
chiharu以外:ええーーー!?
chiharu:成長したみたい(笑)。家にある靴も全部入らなくて、今、そのランニングシューズしか履ける靴がないんです。しかも、レディースの26cmってなかなか売っていなくて。ちょっと、本気で詰んでいます(笑)。

──個性豊かなエピソードをありがとうございます! 最後に、今のEttoneはグループとしてどのようなモードにありますか。アーティスト活動における現在の空気感を教えてください。
mirano:一言で言うなら「戦闘モード」?
pia:確かに。
anri:日々レッスンを積む中で、お互いの声の特性や周波数の合わせ方がいろいろ理解できるようになってきました。「この子がこういう出し方をするなら私はこう行く」という意思疎通がスムーズで、プロとして着実に前へ進みつつ、いい音楽が作れる空気感をすごく感じています。
koyuki:エネルギッシュにもなったのかなって。毎朝7時35分に集合して、ランニングやダンスレッスンから一日が始まるんですけど、その習慣が整ってきたのか、みんなのダンスのパワーも外に向かってより強くに出ているなと感じます。その後もみんなで楽曲制作をしたりして、部活のような熱量がありますね。
shion:健康的です!
anri:朝早いですし、ランニングやトレーニング中は基本すっぴん。なので、ランニングを指導してくださっているトレーナーさんに、みんなのばっちりメイクした写真を見せたら驚かれました。
yuzuki:「メイクしてる!」って(笑)。そうやって毎日朝からチームワークを高めて、みんなで活動に没頭できていると思います。
ポチャッコ10秒チャレンジに挑戦!

インタビュー内でポチャッコ愛を語ってくれたメンバーたち。では、10秒でポチャッコを描くことができるでしょうか? 非常に盛り上がった10秒チャレンジの様子は、Billboard JAPANのInstagramでチェック!
リリース情報

「1UP↑1DOWN↓」
2026/6/29 DIGITAL RELEASE
再生・ダウンロードはこちら
関連リンク
Ettone 公式サイト
Ettone 公式X
Ettone 公式Instagram
Ettone 公式YouTube
Ettone 公式TikTok
関連商品

























