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<インタビュー>結成20周年目前のSCANDAL、これまでの時間と今伝えたい気持ちを詰め込んだ最新アルバム『ECHO』

Interview& Text: 本間夕子
Photos: Yuma Totsuka
大阪のボーカル&ダンススクールに通っていた少女たちが突如としてバンド結成したのが2006年8月21日のこと。以来、メンバーチェンジも活動休止もなくひたすら走り続け、2023年には「同一メンバーによる最長活動女性ロックバンド」としてギネス世界記録にも認定されるなど、名実ともに日本を代表するガールズロックバンドへと昇りつめたSCANDALが今年、結成20周年のアニバーサリーを迎える。
そんな彼女たちから、結成日に先駆けて12作目となるオリジナルフルアルバムが届いた。『ECHO』とタイトルされた今作では4人に縁のある作家陣が揃い踏み、今のSCANDALにあらゆる角度から音楽を投げかけてさまざまに反響(ECHO)させた会心の一作だ。20年経っても尽きない音楽的探究心、初期衝動的エネルギーに溢れた『ECHO』についてメンバー全員にインタビュー。目前に迫る20周年への率直な心境とともに、この意欲作をじっくりと語ってもらった。
──まもなく結成20周年を迎える今の率直な気持ちをお聞かせください。少し前なら成人にもなぞらえられるくらい大きな節目となるわけですが。
HARUNA:本当にそうですよね。しかも私たちの場合は、中学生や高校生からの20年なので、ひたすら目まぐるしく過ぎていったような感覚なんですよ。小学生の頃なんかは「1日が長いな〜」って思ってましたけど、SCANDALを結成してからは、だいぶ怒涛で(笑)。
TOMOMI:体感としてはホントあっという間でした。いろんなことがあったけど、相対的に見たら私は楽しかった思い出のほうが圧倒的に多いですね。
HARUNA:私も。結成の経緯は自分たち発信ではなかったけど、それが私の人生を変えてくれたし、豊かにしてくれたなって思うんですよ。“バンドになる”っていうところから始まって、自分たちの手で音楽を作りたい、届けたいというフェーズに入って、無我夢中で10何年と活動していたらギネス世界記録を達成していて。そういう積み重ねがあったから、今はもう何をやってもSCANDALでいられるっていう自信もつきましたしね。それはやっぱり20年続けないと来られなかった領域だなって。
──MAMIさんはいかがですか。
MAMI:私も、あっという間だった気はしてるんですけど、振り返ればちゃんと20年やってきた濃さも感じられていて。そのときそのときは本当に一生懸命だったから気づけなかったけど、今思えば「どえらいことをやってるんだよ、あなたたち!」みたいな(笑)。中学生高校生でいきなりバンドをやることになって、たった2年でデビューなんて……いや、本当に頑張ってきたねって。ここまで支えてくださった周りのみなさんに感謝するのと同時に、この4人を讃えてあげたいっていうのが率直な気持ちです。
RINA:本当によく頑張ったよね。私はバンドに誘ってもらったのが14歳で、初めてこのメンバーが揃ったときに「この人たちと一緒に何かやりたい!」ってピンとくるものがあったんですよ。もちろんバンドでもいいけど、ダンスグループでも、お芝居でも、モデルでも、とにかくなんでもいいからこの4人で何かをやってみたいって強く思ったんです。

──改めて伺うとすごいお話ですよね。ボーカル&ダンススクールに通っていながら、まさかバンドを結成することになるなんて。
TOMOMI:しかも、ほぼバンド結成と同時に楽器を始めたような感じだったから、右も左もわからないっていう(笑)。それこそ前日までダンスをやってたくらいの4人なので。
──その頃の自分が今のご自身を見たらなんて言うでしょうね。
TOMOMI:びっくりすると思います(笑)。当初はまったく何にも想像がつかない、明日のこともわからないような状況で、まさか20年も続けているなんて考えもしていなくて。私たちは本当に運がよかったんですよね。周りにすごく恵まれたし、そのおかげでここまで続けてこられたと思うんです。
──そうしてスタートしたバンドが20年間、一人も欠けることなく、ずっと走り続けていることがもう驚異的で。運ももちろんあるとは思いますけど、何よりみなさんの意志の強さが半端じゃない。誰にも真似できないです、きっと。
RINA:世界中のどの女の子に同じことをさせようとしても不可能だろうなって思います。それぐらい大変でもあったし、失ったものも多くあると思いますけど、バンドを選んだ人生に後悔はないし、みんなで一緒に一生懸命になれたこと、やり切ってこられたことには自信を持っているんです。自分たちが納得するやり方をずっと追求してきたし、音楽性も、発信するマインドも、衣装ひとつとっても全部そう。たぶん、いつも世の中の何かには馴染んでいなかったバンドだと思います。それがこの人生を選んでよかったなって思える理由にもなっています。
──どこかしら世間に馴染まずに来たから、唯一無二のバンドとして今のSCANDALがあるんでしょうね。それはご自身たちのなかでブレない軸をしっかり持っていらっしゃるからだと思うんですけど。
HARUNA:根性がとにかくあるのは自覚しています(笑)。だからこそ1年1年、課題が増えていくんですよ。節目に大きな何かを達成してもまた次の壁があるというか、もっといい自分たちになりたい、みたいな気持ちが常にどこかにあるんですよね。それをちゃんとみんなで共通して持っていられた。その集中力と責任感があったからこその20周年なのかなって。
──そうしたなか、12作目となるオリジナルアルバム『ECHO』がリリースされます。今回はSCANDALに縁(ゆかり)の深い作家陣を迎えた作品となっていますが、制作するにあたってどんなものをイメージされていたのでしょうか。
HARUNA:今年の8月21日に大阪城ホールで20周年を記念したワンマンライブ(【SCANDAL 20th Anniversary Live “CHAPTER20”】)を開催するんですけど、やっぱりその前にアルバムを出しておきたくて。去年の春にリリースしたEP『LOVE, SPARK, JOY!』は自分たちで作詞作曲をせず、お世話になってきた作家さんたちに作っていただいたんです。今まで自分たちが背負ってきたものを一旦降ろして純粋に音楽を楽しむっていう、ある意味、原点に帰るような気持ちで作ったEPだったんですけど、その感じがとってもよかったんですよね。なので20周年を迎えるにあたって、さらにそれをグレードアップさせて、新たな自分たちらしさをより感じてもらえるアルバムを作りたいと思ったんです。
MAMI:その前の『LUMINOUS』というアルバムまでは積極的に作詞作曲をしてきたんですけど、私は『LUMINOUS』で、自分で曲を作ることはやり切ったし、出し切ったっていう思いがあったんです。なので、次からは作家さんにお願いできたらいいなって。今のSCANDALが第三者の視点からどう見えているのか、どういうものが似合うと思われているのか、そういうところにもすごく興味がありましたし。


──きっと自分たちにはない切り口や発想も生まれますよね。ある意味、初心に返りつつ、そのうえで20年続けてきたからこそできる音楽表現を楽しもう、みたいな感覚だったり?
MAMI:それはありました。単に原点に戻るのではなく、新しいことをやってみたいから、今一度、私たちをよく知る方々にお願いしてみるのはどうだろうって。
TOMOMI:私たちを構築してくれた作家さんたちに「結成20年を迎えるこのタイミングでSCANDALにやらせてみたいと思う曲をお願いします」ってオーダーしたんですよ。
MAMI:本当に久々にご一緒する作家さんもたくさんいらっしゃいますし、いただいた曲から、その方々が当時から変わらず今もSCANDALをおもしろいと思って書いてくださったことが伝わってくるんですよね。それがすごく嬉しくて。
──RINAさんにとって今回の『ECHO』はどんなアルバムになっているでしょう。
RINA:最高の一枚ができたなって大満足しています。いろんな方に詞や曲を書いていただいて、みなさんと協力しながら作っていったアルバムですけど、1曲ずつ「こういうことがしたいんです」って何度もコミュニケーションを取りながら作れたので、ちゃんと自分たちの思いも込められていると思うんです。作詞作曲をお任せした分、制作に余白ができて、ドラムに思い切り向き合う時間がたくさん取れたのも個人的にはすごくありがたくて。ドラマーとしても今できる最大限の表現をやり切れた手応えがありました。
──全9曲のうち2曲、「Heaven」はRINAさん、「Stay Holy」はTOMOMIさんが作詞を手掛けていらっしゃいます。これについてはどういった経緯で?
TOMOMI:ほとんどの楽曲がデモの段階で歌詞もあったんですけど、川口圭太さんが提供してくださったこの2曲には、どちらも歌詞がない状態だったんです。川口さんはそれこそこの20年間、アレンジャーとしてSCANDALに関わってくださっているんですけど、曲を書いていただいたのはこれが初めてで。でも作曲とアレンジはするけど、歌詞にはまったく興味がないとおっしゃっていたので(笑)、それなら私たちで書いてみようかな、と。

──お二人の言葉で綴られたこの2曲があることで、今のSCANDALの等身大がより伝わるアルバムになっている気がします。
HARUNA:今回、自分たちで作詞作曲しないという方向にしたのは、自分たちだとどうしても力が入りすぎてしまいがちだからでもあるんですよね。SCANDALが大事すぎて。そういう部分をもう少し軽やかにしたいと思って作家さんにお願いしたところがあるんですけど、やっぱり自分たち自身から出た気持ちが乗っている曲が入っているのは、とても意味があるなって、歌っていても思います。
──RINAさんが作詞された「Heaven」にはまさにバンドの今とご自身のリアルな心境が綴られていると感じました。実際、どんな想いでこの言葉たちを綴られたのでしょう。
RINA:今回は一曲入魂っていう感じだったので、今、自分が思っている気持ちに向き合って、バンドの曲をしっかり書こうと思ったんです。例えば大阪城ホールで歌ったときの情景とか照明の雰囲気とかもたくさんイメージしながら言葉を選びましたし、今まで自分が書いてきた楽曲に含まれるような言葉遣いもあえて重ねて使っているんです。やっぱりガールズバンドってお花だなって私はすごく思うんですよ。
──お花、ですか。
RINA:バンド自体は一輪の花なんですけど、花びらは一枚一枚、違うものが重なっていて。一人ひとり違う人間だし、向いている方向もそれぞれじゃないですか。一輪として成立してるのって本当にミラクルだなって、いつも思うんですよね。歌詞にもその気持ちをそのまま、まっすぐ書いています。今までは「もっといい未来に行こう!」みたいな感覚が強かった気がするんですけど、深呼吸して振り返ってみたら、すでにもう両手いっぱいに宝物があるって初めて気づいて。今だったらそれを歌えるいいタイミングなんじゃないかなと思って書いていったら、こうなったというか。
──過去でも未来でもなく、今こそが“Heaven”だという、包み込むような肯定感にグッときました。
RINA:自分たちをセルフハグするイメージもありました。ファンのみんなと自分たちの関係性、ライブもそうだと思うんですけど……孤独な個々が、好きなものがちょっと重なったという理由で同じ場所に集まって、そうしてできる天国がまさに今だなと思って。歌詞は24時間ぐらいで書けました。書いている時間がすっごく濃密で、書きながらめっちゃいい涙が流れてました(笑)。

──一方でTOMOMIさん作詞の「Stay Holy」にはスウィートでドリーミーな、それでいて一生モノと呼びたいくらいの大きな愛情が描かれていますね。
TOMOMI:アルバム全体を見たときにラブソングが少なかったので、この曲でその要素を加えたら作品としてより深みが出ると思ったんです。ただ、30代に入ると、いわゆる恋の曲にあんまりピンとこなくなってくるんですよね。ラブソングを書くにしても、大きい意味での愛の曲というか、なんとなくそういうモードなのかなって。
──むしろ、そういう愛の歌が似合う年齢になってきたのかも。
TOMOMI:そうかもしれない。リアリティを持って歌える年齢になったんだと思います。
──他にも「この曲のここは推したい!」「特にここが気に入っている」みたいなおすすめポイントがあればぜひ教えていただきたいです。
TOMOMI:クボタカイの曲(「Hurt beat」、「クラクラシック」)はすごく新鮮に感じましたね。他の作家さんは過去にご一緒していたり、バンド初期からお世話になっている方々だったりするんですけど、クボタは事務所の後輩で。
──クボタさんはラッパーであり、シンガーソングライターとしても活動されているんですよね。でもワードセンス含め、SCANDALのサウンドともすごく相性がいいなと思いました。
TOMOMI:そうなんです。「クラクラシック」の歌詞に“ヤニの匂い”っていうワードがあって、「HARUNAが“ヤニ”って歌うんだ!」みたいな新鮮さがあって(笑)。なのに、なぜかしっくりくるっていうミラクルが起きるんですよ。クボタとのレコーディングも楽しかったですね。ふだんバンドサウンドでやっているアーティストではないから、DTMのデモを私たちがバンドサウンドに寄せてレコーディングしていくという実験的な時間でした。お互いに興奮する時間を過ごせて、めちゃくちゃ有意義でした。

RINA:ドラムのサウンドに関して言うと、私も「クラクラシック」かな。実は一発で録れちゃったんですよ。でも、もうちょっと遊びを工夫してみよう、試してみようってことでBメロだけ違うスネアを叩いてるんです。カンカンって高めの音が鳴るスネアにそこだけ替えているので、意識して聴いてもらったらおもしろいかもしれない。
HARUNA:ボーカルとしては……やっぱり「クラクラシック」ですね(笑)。ラップ自体、初挑戦だったので、フロウの仕方とか全部、クボタからリハのときに教わりました。それがすごく印象的で。でも、ラップはもちろんなんですけど、私が特に好きなのは落ちサビから最後にかけての流れなんです。ちょっと落としたところから、だいぶエモーショナルな感じに持っていくところが、個人的にはガッツポーズできちゃったくらいキマった実感があって。
TOMOMI:今のところ全員「クラクラシック」挙げてる(笑)。
RINA:いいじゃん、いいじゃん! おしゃれだし、攻めてる曲だし。


MAMI:私の推しポイントは「SPOTLIGHT」の〈Dance Dance Dance できないから〉(←歌う)。
RINA:めっちゃ気持ちいいよね。
MAMI:大久保友裕さんに提供していただいた曲で、「HARUNAのボーカル、待ってました!」って叫びたくなるぐらい、歌始まりの威力がすごい。大久保さんはSCANDALの初期からファンの方たちに刺さるような曲を作ってくださってるんです。懐かしさもありつつ、ちゃんと今のSCANDALに向けて書いてくれて。でも「やっぱり王道だよね!」って思えるくらい、曲全体がHARUNAの声にとっても似合ってる。テクニックはシンプルだけど、めちゃくちゃ派手に聴こえる曲だし、いい感じに新旧のエモさがあるから、ファンのみなさんも好きな曲だと思います。

──さて、6月には今作を携えたツアー【SCANDAL TOUR 2026「ECHO」】、そして、8月の結成日には大阪城ホールで記念ライブ【SCANDAL 20th Anniversary Live “CHAPTER”20】が開催されます。最後に意気込みをお願いできますか。
MAMI:大阪城ホールは自分たちにとってもすごく意味のある、大事にしてきた場所なので、そこでまたライブができるという幸せを噛み締めながら、いい緊張感を持って楽しみたいです。
HARUNA:大阪城ホールは今回が4回目で、前回は5年前、コロナ禍のタイミングだったんです。あのときはいろんな制限があったけど、今回はお客さんの声をしっかり聴けるし、楽しんでいる姿も見られるので、みんなで思う存分はじけられたらいいなって。
TOMOMI:私はお祝いしにきてくれるファンのみんなと明るく楽しい時間を過ごしたいのと、自分たちのことをいちばん褒められる日になればいいなって思ってます。いいライブができなければ自分たちを褒めるわけにはいかないですから。でも本当に未知なんです。人生で20年、一つのものを続けてきたことがないので、どんな気持ちになるのか自分でも想像がつかなくて。ドキドキしながら当日を迎えたいですね。
RINA:ちゃんと自分たちのライブに心から感動できる日にしたいです。その日に最高の4人でいるためにこの1年のスケジュールを決めてきたし、そういう演奏ができるように整えていきたいです。来てくれた全員に感謝と楽しさを届けられるよう、しっかり仕上げて臨みますので、楽しみにしていてください!
リリース情報

『ECHO』
2026/5/27 RELEASE
<完全生産限定盤(CD+Blu-ray+GOODS)>
VIZL-2526 12,100円(tax in.)
<初回限定盤A(CD+Blu-ray)>
VIZL-2524 7,700円(tax in.)
<初回限定盤B(CD+雑誌)>
VIZL-2525 5,720円(tax in.)
<通常盤(CDのみ)>
VICL-66148 3,300円(tax in.)
公演情報

【SCANDAL TOUR 2026「ECHO」】
2026年6月9日(火)、10日(水)東京・EX THEATER ROPPONGI
2026年6月17日(水)大阪・なんばHatch
2026年6月18日(木)愛知・名古屋ダイアモンドホール
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公演情報

【SCANDAL 20th Anniversary Live “Chapter20”】
2026年8月21日(金)大阪・大阪城ホール
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