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<インタビュー>新生LE VELVETSが描く【AURORA】——3人のハーモニーが切り拓く、音楽の新たな夜明け

Interview & Text:田中久勝
2023年のグループ結成15周年記念公演でLE VELVETSとして初のフルオーケストラコンサートを経験した彼らが、3年ぶりにbillboard classicsのステージへと戻ってくる。新生LE VELVETSとして宮原浩暢(バリトン)、日野真一郎(テノール)、佐藤隆紀(テノール)の3人体制で挑む今回の公演タイトルは【AURORA(アウローラ)】。イタリア語で「夜明け」を意味するこの言葉が示すとおり、3人だからこそ生まれる音楽の新たな地平を目指す。そこにはどのような決意と変化が宿っているのか——京都公演(6月5日、京都コンサートホール大ホール)では大阪交響楽団が、東京公演(6月12日、すみだトリフォニーホール大ホール)では東京フィルハーモニー交響楽団が共演。指揮は前回に続き柴田真郁が務め、グループ史上初めての女性ゲストとして、京都にMay J.、東京に新妻聖子を迎える。コンサートを前にメンバーにインタビューを行い、それぞれの胸に去来する想いをじっくりと紐解いていきたい。
── 前回(2023年)は15周年のタイミングで、初のフルオーケストラコンサートに挑戦しました。クラシックを学び、クラシカル・クロスオーバーの世界を牽引してきた皆さんが、いわば「本丸」で勝負したあのステージ。15年というキャリアを重ねたからこそ得られた「気づき」や、見えてきた景色はありましたか?
宮原浩暢:あのコンサートを経て改めて強く感じたのは、自分たちの音楽をお客様に届けるという原点です。“ただ”歌い、“ただ”演奏するだけでは、聴いてくださる方の心には刺さらないということに改めて気づかされました。僕たちが活動を始めたばかりの頃、路上ライブで歌いながら「どうすれば道行く人々の足を止められるか」と必死だった時に心の中にあったのは、技術以前に「届ける!」という強い想いでした。billboard classicsの舞台は、飾りなしの歌と音楽のストレート勝負。コンサートの最後に、お客様が心から楽しみ、そこから生まれる笑顔の景色をまた見たいと思っています。
日野真一郎: 僕はあのステージで、自分の今の立ち位置というものを改めて突きつけられた気がします。フルオーケストラという圧倒的な響きの中で歌うことは、一切のごまかしが利きません。その分、基礎の大切さや自分自身の課題がはっきりとした輪郭を持って見えてきました。 でも同時に、自分たちにしかできない表現があるという確かな手応えを感じられたのも事実です。自信と課題、その両方を持ち帰ることができた、非常に大きな経験でした。
佐藤隆紀: グループとしての楽曲がオーケストラに合うのは間違いないと確信していましたが、前回の大きな挑戦は、ソロでクラシックのアリア『道化師』から「衣装をつけろ」を歌わせていただいたことです。いつかあの曲を壮大なオーケストラの音をバックに歌いたいと、ずっと夢に描いてきました。その夢をあの場で叶え、披露することができたのは僕にとって何よりも幸せな瞬間でした。
── 今回はメンバーが3人となり、「新生LE VELVETS」として臨むコンサートになります。ハーモニーの構成や空気感にも変化があると思いますが、どのようなステージを目指していますか? タイトル【AURORA】に込めた意欲と共にお聞かせください。
宮原: 「3」という数字には、色々な諺にもあるように、多くの魅力が詰まっていると感じています 。僕たち3人は三者三様の色があると思いますが、それを足しても掛けても、必ず面白い色になるという確信があります。3人でのフルオーケストラコンサートは今回が初めてです。【AURORA】という言葉が意味する「新たな夜明け」を、皆さんに期待していただけるようなコンサートを準備しています。

日野: 3人になったことで、音のダイナミクスをより一層大事にしていきたいと考えています 。3人だからこそ生まれる繊細さ、緩急、そして音の振れ幅。それらを最大限に活かしたコンサートにしたい。【AURORA】というタイトルには、変化の中で生まれる新しい光や希望、そして再出発という意味を込めています。3人でしか描けない、今の僕たちの音楽をしっかりと届けていきたいです。
佐藤: ハーモニーに関しては、これまでの力強さはそのままに、今まで以上に聴きやすい音楽にしたいと思っています。また、長年共に歩んできた僕たちだからこそ出せる空気感や、もちろんトークの部分も含めて(笑)、色々な面で楽しんでいただきたいです。
── 「'O Sole Mio」や「Time To Say Goodbye」といった定番曲も楽しみですが、ソロナンバーの構想も含め、今回のセットリストは前回からどのように変化しそうですか?
宮原: もちろん定番曲は大切に残しつつ、ソロでは新たな楽曲をご用意しています。前回が王道のクラシックやミュージカル曲を真っ向から投げる直球勝負だったとしたら、今回は変化球も取り入れ、少しゆとりを持たせ、より幅を広げた楽曲を選びました。
日野: 今回は定番曲を大切にしながらも、全体としては前回とはかなり印象の違う構成になるはずです。3人編成になったことで、アレンジや聴こえ方が劇的に変わっています。ソロナンバーについても、それぞれの個性がより際立つ内容を目指しています。僕自身は、最近映画化されて話題になった“あの”曲に挑戦する予定です。

佐藤: 定番曲もアレンジで変化をつけたいと考えています。たとえ同じ曲であっても、バンド編成とオーケストラでは聴き手の感じ方も全く異なります。その違い、オーケストラだからこその響きを、また違った形で楽しんでいただけると思います。
── 今回はLE VELVETSとして初めて女性ボーカリストをゲストに迎えます。東京公演は新妻聖子さん、そして京都公演はMay J.さんです。このお二人をゲストに迎えた理由、そしてそれぞれのアーティストの印象を教えてください。
佐藤: 新妻聖子さんは、あの表現力豊かな歌声はもちろん、抜群のトーク力でコンサートを楽しいエンターテインメントの世界に引き込んでくれるはずです。May J.さんは、繊細かつ大胆な歌声を届けてくれる、多彩な表現力を持った魅力溢れる歌手です。お二人とはメンバーそれぞれに共演経験があり、新生LE VELVETSとして新しい風を入れたいと考えた時、真っ先にぜひゲストにお呼びしたいと思いました。
宮原: お二人は、僕たちが言うまでもなく日本を代表する「歌うま」な方々です。新妻さんはミュージカル界、May J.さんはポップス界の歌姫。以前から親交がありますが技術はもちろん、人間的にも非常に魅力的なお二人です。
日野: May J.さんは、とにかく声がクリアで真っ直ぐ。芯の強さと透明感が同居していて、オーケストラと合わせたときに非常に映える声だと感じています。新妻聖子さんは、物語を背負える声の持ち主。一音一音にドラマが宿る方で、ミュージカル的な表現力と歌唱力はまさに圧巻です。お二人とも歌で空間を支配できる方です。そのエネルギーとLE VELVETSがどう融合するのか、僕自身も非常に楽しみです。
── ゲストのお二人とのコラボレーションは、どのような演出や選曲になりそうですか?
佐藤: メンバーそれぞれがお二人とデュエットをお届けする予定です。LE VELVETSのコンサートの中に、また新しいシーンが生まれ、さまざまな変化を楽しんでいただける内容になると思います。

宮原: 僕がお二人と歌わせていただくのは、ディズニーの名曲です 。雰囲気の全く違うお二人の王女とデュエットできるのが、今から楽しみで仕方がありません。
日野: 新妻さんと歌う曲は、ファンの皆様からお手紙などで「もう一度聴きたい」と多くのリクエストをいただいた曲を選びました。May J.さんとは何度もコラボさせていただいていますが、今回はあえて一緒に歌うのは初めてとなる楽曲を選んでいます。どちらも素晴らしいミュージカル曲になる予定です。当日を楽しみにしていてください。
── 指揮は前回に続き、柴田真郁さんが務められます。柴田さんに対して、どのような印象を持っていますか?
宮原: オペラ指揮者として、歌い手の心を本当によく理解してくださる方です。呼吸が楽にでき、とても気持ち良く歌わせてくださる素敵なマエストロです。情熱的にタクトを振る姿は、単にお客様に演奏を「観せる」だけでなく、その佇まいで「魅せる」ことのできる方だと感じています。
日野: 柴田さんは僕たちにとって大事なオペラやクラシックの本質を、深く理解してくださっています。さらに、ご自身が声楽科出身ということもあり、歌い手の気持ちに常に寄り添ってくださる、非常に心強い存在です。ジャンルを問わず柔軟に対応してくださるので、ご一緒するたびに新しい発見や刺激をいただいています。
佐藤: 僕たちの音楽への思いをしっかりと汲み取った上で、適切なアドバイスをたくさんくださる、オーケストラと対峙する際にとても頼りになる方です。僕にとっては大学(国立音楽大学)の先輩ということもあり、勝手ながら親近感も抱いています。

── これから20周年に向けて、LE VELVETSとして、そしてソロとして描いている目標や野望をお聞かせください。
宮原: これまでコツコツとやるべきことを積み重ねてきましたが、改めて歌手としての自分の声、技術、実力を底上げしたいと思っています。それがLE VELVETSの音楽の力になり、聴いてくださる方の記憶に深く残るアーティストになれると信じています。ソロ活動では、以前から取り組んでいる「ワインと音楽」を結ぶコンサートの継続、そしてグランドミュージカルへの出演も目指していきたいです。
日野: グループとしては20周年という節目に向けて、これまで支えてくださったファンの皆様への感謝を形にしていきたいです。お客様が感動し、また聴きたいと思ってもらえる歌を届けるために、新しい演出や新曲への挑戦、さらには海外公演やコラボレーション企画など、表現の幅を広げていきたいと考えています。ソロとしては、自分の声と表現力を磨き続けることは永遠の課題です。聴いてくださる方に喜びを届けられるよう、常に自分自身を更新し続けたいです。
佐藤: 僕の目標は常に「お客様に感動をお届けする」こと、その一点に尽きます。どんな状況であっても、雑念に負けることなく、自分の技術と表現に向き合い続けること。どうすれば楽曲のメッセージが届き、感動していただけるのか。そこに向き合い続ける人であることが僕のプライドであり、永遠の目標です。これからもずっと、その場所を目指して生きていきたいと思っています。
公演情報

【billboard classics LE VELVETS Premium Symphonic Concert 2026 ~AURORA~】
2026年6月5日(金)京都コンサートホール 大ホール
OPEN 17:00/START 18:00
2026年6月12日(金)すみだトリフォニーホール 大ホール ※完売
OPEN 17:00/START 18:00
出演:LE VELVETS 宮原浩暢(バリトン)、日野真一郎(テノール)、佐藤隆紀(テノール)
ゲスト:
【京都】May J.
【東京】新妻聖子
※京都公演・東京公演ともゲストはデュエットのみでソロ曲の歌唱はございません。
指揮:柴田真郁
管弦楽:
【京都】大阪交響楽団
【東京】東京フィルハーモニー交響楽団
チケット:
指定席13,000円(税込)
公演公式サイト:https://billboard-cc.com/levelvets2026
主催・企画制作:ビルボードジャパン(阪神コンテンツリンク)
協賛:【京都】大和ハウス工業株式会社
協力:【京都】ABCテレビ
後援:米国ビルボード
<注意事項>
※未就学児入場不可
※枚数制限:おひとり様各公演1申し込み最大4枚まで
※車椅子をご利用のお客様は、お問合せ先までご連絡ください
※チケットはおひとり様1枚必要となります。チケットを紛失された方、または当日お忘れになった方はご入場できません
※チケット購入の際は、必ず公式サイトに掲載している注意事項をご確認ください
<ご来場のお客様へのお願い:https://billboard-cc.com/notice>
公演に関するお問合せ:
【京都】キョードーインフォメーション 0570-200-888(平日12:00~17:00/土日祝休)
【東京】キョードー東京 0570-550-799(平日11:00~18:00/土日祝 10:00~18:00)
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