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<インタビュー>“ビバリウム”から世界へ――Adoが自伝的小説&新曲に込めた思い【WITH BOOKS】

ビルボードジャパンが、2025年11月6日に総合書籍チャート“Billboard JAPAN Book Charts”をローンチした。このチャートは、紙の書籍(書店/EC)と電子書籍の売上、サブスクリプション、図書館での貸し出しやSNSでのリアクションなどを合算した日本初の総合ブックチャートだ。
書籍や文筆と縁深いアーティスト、また音楽と縁深い作家へ、自身の書籍や音楽とのかかわりについて訊くインタビュー企画【WITH BOOKS】。今回は、23歳にして初の自伝的小説『ビバリウム Adoと私』(著者・小松成美/原作・Ado)を刊行したAdoが登場。デビュー6年目にして数々のチャート実績や海外公演を重ね、目覚ましい活躍を続ける彼女の軌跡やプライベートが綴られている一冊だ。今回のインタビューでは、小説の魅力に加え、刊行に合わせて自身が作詞・作曲を手がけた新曲「ビバリウム」についても語ってもらった。
「ビバリウム」という言葉は、自分にぴったり
――自伝的小説『ビバリウム Ado と私』 はどのような内容になっていますか?
Ado:“自伝的小説”ということで、私の人生を書いていただいた作品となっています。どのようにして「うっせぇわ」でデビューに至ったのか、数々のライブとその裏側、そして幼少期、不登校だった時期や家族のことまで、すごく濃密に描かれた小説です。
――ご自身の自伝的小説が発売すると決まった際の気持ちを教えてください。
Ado:私の人生を多くの方に知っていただくことになるので、小説を読んだ時にどのような反応をされるのか気になっています。これまで語るタイミングがなかった話もたくさんあるので、自分のことを知っていただく機会をいただけて嬉しいです。
――小説の中に書いてあるように、「自分の人生は自分で決めるしかない。その決断に、年齢なんて関係ない。」という考えに心を打たれました。Adoさんの思う「夢のかなえ方」を教えてください。
Ado:10代の頃は、周りと比べても夢を持つ人間だったと思います。でも、願っているだけ、信じているだけでは何も動かないということを、だんだん自分の中で感じるようになりました。さまざまな経験をする中で、苦しくても進むことが何より大事なんだなと。行動することによって、夢は少しずつ掴みやすくなるのではないかと思っています。決断や人の願いに年齢は関係ないと思っています。もし夢を持っている方がいるのであれば、自分を信じて行動してほしいなと思います。
――小松成美さんとお話する時間はどのようなものでしたか?
Ado:小松さんとは、何度もお話しする機会をいただきました。自分の人生を振り返ることになったので、とても濃密な時間でした。小・中・高校時代の話をする中で、当時感じていたのに無視していた気持ちにもう一度触れることができました。大人になってから人生を振り返ると、その節々が自分を形成してきた大事な時間だったんだなと思う瞬間が、すごく多かったです。
――「ビバリウム」というタイトルに込めた思い、このタイトルにした理由を教えてください。
Ado:「ビバリウム」は、“生き物が住む自然環境を再現した小さな箱庭”という意味です。学生時代は、ボーカロイドや歌い手など、ニコニコ動画を毎日のように見て聴いて、部屋の中で好きなことをしていたので、自分を表している言葉だなと思いました。「ビバリウム」という単語が自分にぴったりだなと思い、ってつけました。
――10代の頃は、はたらくことや社会に対してどんなイメージを抱いていましたか?
Ado:働いて社会に出るということに、憧れもありましたが、同時に恐ろしさもありました。社会に飲まれて、働くことだけが目的になってしまい、自分を見失ってしまうのではないかと。考え方も含めて、自分のすべてが“大人”になってしまうのは嫌だな、という気持ちもありました。それでも、働いて社会に出ることは、自立することだと思っていたので、早くそうなりたいとも思っていました。
――Adoさんの理想の大人はどういうものでしょうか? 今23歳で理想に近づけていますか?
Ado:私が思い描いていた大人像は、何でもこなせて、自分の足で颯爽と堂々と歩いている姿でした。今そうなれたかと言われると、まだ半分くらいかなと思います。でも、経験を重ねる中で考え方も変わりながら、いろんな面で自立していったと感じています。
――今回、小説という形の表現に携わってみていかがでしたか?
Ado:小説という形が一番、私というものをたくさんの人に見てもらえる表現だったのかなと思います。自分の人生が自伝的小説として本になるというのも、すごく面白いことだなと感じました。
- 「この本が、同じ境遇の人の救いになったり、誰かの心に寄り添えたら」
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この本が、同じ境遇の人の救いになったり、誰かの心に寄り添えたら
――今まで心を揺さぶられた本(漫画も含む)はありますか?
Ado:小・中・高校時代は、伝記の漫画を読むのがすごく好きでした。特にココ・シャネルの話が印象的で、シャネルの歴史や生き方に触れながら、「人はこうやって時代を作るんだな」と感じていました。そうした人物の物語に、漫画という形で触れるのが好きでしたね。自分が、自伝的小説という本の題材になる、人生を振り返るのはすごく面白いなと思います。
――この作品をどんな人に手に取ってもらえたら嬉しいですか?
Ado:私のファンの皆さんはもちろん、「うっせぇわ」のイメージがある方、Adoという名前しか知らない方など、いろんな方に小説を手に取ってもらえたら嬉しいです。この本を読んで私の人生に触れて、「自分の人生、意外と大丈夫かも」と思えたり、同じような境遇の方の救いになったり、誰かの心に寄り添えるものになったら嬉しいです。
――孤独な「ビバリウム」に閉じこもっている誰かへ、どんな言葉や歌を届けたいですか?
Ado:本当に怖いものや、目を背けたくなるようなものがあるのならば、無理をして外に出る必要はないと思います。立ち向かう勇気があることは素晴らしいけれど、みんながみんな強いわけではない。私もかつてはそうでした。
もし心の中に灯火みたいなものがあって、「変わりたい」「夢を叶えてみたい」とか、「ここから出てみたい」という気持ちが、小さくでも残っているのであれば、その気持ちはどうか抑えないでほしいなと思います。その心とたまにでもいいので向き合ってもらえたら、箱庭の中の景色もいい意味で少し変わっていくのではないかなと思います。
「外に出ましょう」とは私は言わないです。でも、自分の中に願う景色や、小さな輝きがあるのだとしたら、その光を外の光と重ねてみても、きっと素敵なんじゃないかなと思います。
――自身作詞・作曲の新曲「ビバリウム」はどのような楽曲になっていますか?
Ado:私が私自身に語りかけるような内容で、刹那的でロックなバンドサウンドの楽曲になっています。
――「ビバリウム」は「初夏」以来、2曲目の自作曲です。前回と比べて手応えはいかがでしょうか?
Ado:「初夏」は16〜17歳頃に書いた曲で、あらためて手を加えて一昨年にリリースしました。一方で「ビバリウム」は今の私が1から作った作品です。小説の『ビバリウム』とも重なる部分があるので、前作とはテイストも違いますし、書いてみたいことや歌ってみたいこともまったく違います。今の私だからこそ作れた曲になったのかなと思います。
「ビバリウム」
――作詞作曲をするときの「マストアイテム」はありますか?
Ado:基本的には、鼻歌を口ずさみながら、コードにメロディーを乗せていきます。また、簡単に弾けて、いい音が出るアコースティックギターでコードを鳴らしながらサビを作っていく、ということもやったりします。
――7月には初の日産スタジアムでのライブを開催しますが、お気持ちを教えてください。
Ado:日産スタジアムというすごく大きな会場でライブができることは、とても楽しみですし、たくさんの方にお会いできることを心から楽しみにしています。
――最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。
Ado:小説『ビバリウム Ado と私』も楽曲「ビバリウム」も、どちらも私自身を表現したものです。小説の中では、皆さんにとって新しい発見や驚きがあるかもしれません。でも、私は変わりません。これからも私のままで進んでいくので、その背中を見守っていただけたら嬉しいです。
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