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<インタビュー>ディセンバー・テンが鳴らす、“今の時代”に必要なポジティブなバイブス

Photos: Yuma Totsuka
Netflixドキュメンタリーシリーズ『サイモン・コーウェル:The Next Act』から誕生した、ロンドン発の7人組ボーイ・グループ、ディセンバー・テン。“エネルギッシュ” “カオティック” “ユニーク”——そんな言葉が並ぶ彼らだが、本質はもっと自由でひとことでは言い表せない。メンバーのヘンドリックが生み出した造語“Bazzled”こそ、その感覚にいちばん近いのかもしれない。
サム・フェンダーからジャスティン・ビーバー、クイーン、ブルーノ・マーズまで、幅広いルーツをミックスしたサウンドは、ポップでありながらどこか予測不能。ステージでは全力でエネルギーを放ち、オフでは驚くほどリラックスした表情を見せる。そのギャップや、1年以上を共に過ごして築かれたリアルな関係性もまた、彼らの魅力だ。2026年4月、初来日を果たした7人の素顔とこれからを、彼ら自身の言葉から紐解いていく。5月15日に新曲「Infinity (123)」をリリース予定のディセンバー・テンは、今年の【サマソニ】で再び日本にやってくる。
──まずディセンバー・テンを初めて知る日本のリスナーに向けて、一人ずつグループをひとことで表していただけますか?
ニコラス:エネルギッシュ。たぶん一番しっくりくる言葉だよね。
ショーン:カオティック。
ダニー:一味違う。
クルス:ユニーク。
ジョシュ:楽しい。
ジョン:じゃあ、僕はミュージシャン。
ヘンドリック:“Bazzled”。
ショーン:これはヘンドリックが作った言葉です。Netflixのドキュメンタリーでインタビューされた時に初めて言ったんです。
ジョシュ:でも意味はその時によって変わるよね。
ダニー:“Bazzled”って聞いて思い浮かぶ意味、それが正解!
ニコラス:その時の解釈にとって意味が変わる言葉。

──もしディセンバー・テンがプレイリストだとしたら、どんなアーティストや曲が並びますか?
ショーン:まずは僕からいくね。サム・フェンダー。彼の1stアルバムに収録されている「The Borders」っていう曲が特に好き。
ダニー:この間、みんなでケイティ・ペリーのライブを観に行ったんだけど、本当にやばくて。そのバイブスが近いと思う。
クルス:僕はオリヴィア・ディーン。音楽を通じて、彼女のようなパッションと愛をUKから届けたいと思っている。
ジョン:ブルーノ・マーズ。あのエネルギーとバイブスは唯一無二だし、みんな共通して聴いてきたアーティストだと思うから。新しいアルバム(『The Romantic』)も愛聴していて、特に「Risk It All」が大のお気に入り。
ヘンドリック:あのアルバムは全曲大好き! 僕もブルーノと言いたいところだけど、ほかのアーティストを選ぶとしたら、ジェームズ・アーサー。すごくリアルで本物感のあるアーティストだから。
ショーン:特に好きな曲はなんなの?
ヘンドリック:彼が(『Xファクター』の)オーディション・ソングとして歌った曲は今も忘れられないし、大好き。
ダニー:「Tulisa's Young」のことだよね。
ニコラス:僕はクイーンの『オペラ座の夜』を選びます。名盤なので。
ジョシュ:ジャスティン・ビーバーも追加していい? 気分をアゲるのにぴったりだから。
ショーン:『オペラ座の夜』からジャスティン・ビーバーまで、すごく幅広い音楽を聴いているグループだっていうことだよね。
──では、ステージ上とオフで一番ギャップがあるのは誰ですか?
ジョン:みんな基本そのままだけど……あえて言うならクルスかな。ステージだと走り回ってて、すごくエネルギッシュなんだけど、オフだとめっちゃ落ち着いてる。ご飯を食べてる時とか、完全に意識飛んでるよね(笑)。
ショーン:でもステージに上がると急にスイッチが入る。
クルス:たまに、みんなと全く違う世界にいるような感覚に陥るんだ。特に朝はこの世界に(意識が)戻ってくるまでに数時間かかるんだよね。


──様々なバックグラウンドから集まった7人ですが、必ず意見が一致することと、絶対にしないことは?
ショーン:音楽の好みとか、グループとして表現したい音楽に関しては意見が一致していると思う。
ニコラス:同じ方向を向いてるよね。
ダニー:でも自由時間に何をするかは、絶対に全員一致しない。ショッピングに行きたい人もいれば、サッカーをしたい人もいるし。
ジョシュ:大体3グループくらいに分かれるよね。
クルス:あと、インテリな会話になると……僕は完全に置いてかれる(笑)。
(一同大笑い)
ショーン:そんなことないよ。クルスだって頭が切れるよ。
クルス:ニコラスには必ず言い負かされるからな~(笑)。
──グループになってから、お互いどのように影響し合って、どのように成長しましたか?
ニコラス:自分はすごくオープンになったと言えるかな。みんなのおかげで殻を破れた。“アンビバート(両向型)”っていう言葉を最近知って、まさに自分のことを指す言葉だなって思った。みんなと一緒にいると外向的な部分が出て、一人だとその反対になる。
ショーン:一緒にいる時のエネルギーによって、自信が引き出されたり、楽しくなったりする。いい意味でカオティックになるんだ。例えば、僕に地元のダブリンで挨拶してくれたら、「あぁ、元気ですか?」みたいにメロウな感じだけど、みんなと一緒だと「よっ! 元気?」みたいになる。

──打ち解けるのは早かったですか?
ジョシュ:かなり早かったと思う。シリーズを通じて、様々なことを一緒に経験してきたから。
ジョン:シリーズは6話しかないけど、実際はもっと長い期間撮影した。最終回でグループが結成されるから、少しギャップがあるように見えるかもしれないね。
ダニー:最終回が一番いいエピソード!
ジョシュ:撮影期間は1年ちょっとで、本当にたくさんの時間を一緒に過ごした。だから、めちゃくちゃ絆が深まったよね。
──特に絆が深まった印象的な思い出は?
ジョシュ:マイアミでのゴーカート! サイモン(・コーウェル)がコースを貸し切ってくれて、めっちゃ楽しかった。サイモンも一緒にゴーカートをやったんだよ! すごく運転がうまかった。そういえば、彼は『トップ・ギア』に出演して、ゴーカートで優勝してたと思うよ。
ショーン:あとイギリスにあるソープパーク(Thorpe Park)っていうテーマパークにみんなで行ったのも楽しかったし、絆が深まったよね。閉園間際に、最後のアトラクションに7人だけで乗ることができたんだけど、「もう一回!」って何度も乗った。
ジョシュ:そう、7回連続で乗って、「8回目いったら倒れる」って言ったのを覚えてる。
──来日前にはUKツアーを行っていましたが、印象に残っている公演は?
ニコラス:それぞれ違う理由で特別だから選べない。最初から最後まですべて最高だった。
ダニー:本番直前にイアモニを入れて、観客の叫び声が聞こえて、曲のイントロが鳴った瞬間、「信じられない」って感じだったね。
ジョシュ:自分にとっては初日のグラスゴー公演が格別だった。ステージに向けて、みんなで一緒に準備して、緊張して……あの感覚はもう二度と同じ形では味わえないと思うから。
──ステージに上がる前に必ずやることはありますか?
クルス:毎回みんなで祈ってる。そうすると気持ちが一つになる。胸の内を明かして、いい結果になることを祈るんだ。
ジョシュ:あとフィストバンプ。本番10秒前ぐらいになったら、必ず全員をフィストバンプして気持ちを揃えるんだ。
──気になるデビュー・アルバムについても教えてください。もう完成しているのでしょうか? アルバムをひと言で表すと?
ジョシュ:あとは収録曲を選ぶだけという段階だよね?
ヘンドリック:タイトルもまだつけてないよね。
ショーン:ハングリー精神旺盛だから、ずっとスタジオで作業しているけれど、最終段階に入ったと言えると思う。
ジョン:ひと言で表すとしたら、Versatile(多様)。
クルス:Phenomenal(驚異的)。
ジョシュ:Generational(世代を象徴する)。
ダニー:Life-changing(人生を変える)。
ショーン:Sweet(スウィート)。スウィートな面もあるから。
ヘンドリック:“Bazzling”。
一同:またそれ(笑)?
ニコラス:Joyous(喜び)。
ジョシュ:確かに。聞いたら絶対に楽しい気持ちになれると思う。
ショーン:僕たちの音楽でハッピーになってほしいという願いがあるから、人々に喜びをもたらしたい。あと、これまでリリースした「Run My Way」と「Angel」からも聞いて取れると思う。ラジオで流れてきたら、ちょっと肩の力を抜いて聞けるような音楽。
ジョシュ:そうだね、嫌なことを少し忘れられるような音楽だと思う。
























