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<インタビュー>山田晃大(LIL LEAGUE)、人生観を変えた本との出会い/アルバム『NEOMATIC』に込められた覚悟【WITH BOOKS】

Interview & Text:熊谷咲花
Photo:興梠真穂
ビルボードジャパンが、2025年11月6日に総合書籍チャート“Billboard JAPAN Book Charts”をローンチした。このチャートは、紙の書籍(書店/EC)と電子書籍の売上、サブスクリプション、図書館での貸し出しやSNSでのリアクションなどを合算した日本初の総合ブックチャートだ。
書籍や文筆と縁深いアーティスト、また音楽と縁深い作家へ、自身の書籍や音楽とのかかわりについて訊くインタビュー企画【WITH BOOKS】。今回は、LIL LEAGUEの山田晃大が登場。グループ随一の本好きの山田に、思い入れの深い本や本から得た考え方について、そして2026年のLIL LEAGUEの向かう先について話を聞いた。
作詞のインスピレーションは読書から
――まずは、山田さんと本との出会いについて聞かせてください。
山田:もともと映画がすごく好きで、なかでもハリーポッター・シリーズが好きだったのですが、映画の『ハリーポッター』は本から抜粋されているもので、本にしかない魔法があるっていうことを知ったんです。読んでみたいと思って、小学校5年生から6年生にかけて読み切ろうと思って。分厚くて何冊もあるんですけど、毎日、学校でも家でもずっと読んでいました。そこから文章を読むことに対しての苦手意識がなくなって、いろいろな物語を見るのが好きになりました。あとは、騒がしくない場所が好きなので、学校の図書室の空間もすごく好きでしたね。
――『ハリーポッター』が本を読むきっかけの一つだったんですね。今も、実写化された作品の原作が気になって、本を手に取ることもあるのでしょうか?
山田:本の帯に“映画化決定”って書いてあるじゃないですか。そこから買うこともあります。映画化されている作品も、本から入ることが多くて、原作を読んでないからまだ見れてない映画もあるくらいなんです。
――ジャンルでいうと、どのようなものをよく読まれますか?
山田:僕、恋愛ものがすごく好きなので、割合的には恋愛についての本をよく読むんですけど、ミステリー系とか、日曜劇場で実写化されているような作品も読みます。『半沢直樹』はドラマが好きだったのですが、この作品に関しては、逆にドラマを見て本もあることを知って読みました。
――好きな作家の方はいますか?
山田:宇山佳佑さんの本はたくさん持っています。『桜のような僕の恋人』という、映画化もされている本を書かれている方で。宇山さんの本は、すごく日常的なところから始まるのに終わり方が壮大というか、世界観に惹かれてずっと読み進められるんです。

――今日は何冊か私物の本を持ってきていただきました。そのなかにも、宇山佳佑さんの作品『この恋は世界でいちばん美しい雨』がありますね。ほかに、思い入れの深い本はありますか?
山田:『レインツリーの国』(著:有川浩)です。僕、幼い頃、Kis-My-Ft2の玉森裕太さんがすごく好きだったんですけど、映画化された『レインツリーの国』で玉森さんが主演をされていたんです。それで、ちょうど本を読み始めた時期の、小学生のときに初めて読みました。ありふれた恋愛の話なんですけど、異なる背景を持つ人と向き合うという視点も描かれていて、人生観に影響した部分もあって。幼いころに読んでいてよかったなと思う本です。読みすぎて表紙が折れちゃってるんですけど、そのぐらい読み込んだ本ですね。
――小学生の頃に初めて読んだときといろいろな経験を経た今では、読み終わった後の感想は変わってくるのでしょうか。
山田:今は、LIL LEAGUEのメンバーとして過ごしていく中で感じることと重なる部分もあります。例えば、当たり前に対する考え方が人によって全然違っていて、それが故にすれ違うこともありますよね。僕も普段メンバーと過ごすなかで、考え方が全く違うからぶつかることもありますが、そういうときに、あまり自分の当たり前を押し付けない方がいいな、ということはこの本を読んで思います。心がグッと締め付けられるじゃないですけど、僕もこういうふうに考えちゃうな、みたいに共感するところも出てきたり。そういう意味では捉え方は変わりましたね。
――本から考え方を学ばれたんですね。ほかはいかがでしょうか。
山田:タイトルに衝撃を受けたのが、この『どうか、彼女が死にますように』(著:喜友名トト)という本。タイトルに惹かれて買ったのですが、とある女の子と男の子の話で、あまりネタバレにならないように説明すると、この女の子が笑えないんですよ。笑ったら死ぬという病気で。笑ったら死んじゃうんだけど、その子を笑顔にしたい、だからどうしようっていう物語なんです。
――あらすじを聞いてすごく気になります!
山田:僕も途中まで読んでやめられなくなってしまって、1日中カフェに閉じこもって読み切った本なんです。主人公の男の子は魔法使いなのですが、魔法使いが故に、自分の力をどう使うか悩んだり、「女の子の願いが叶う=死を受け入れる」という話の構造も面白くて、タイトルと内容の両方にすごく惹かれた作品です。
作詞のインスピレーションを受けているのはこの3冊。カフカさんの『好きな人が幸せでありますように』『人生を変えてしまうほどの、恋をした』、加藤碧さんというショートドラマの作家の方の『恋はだいたい利己的なもので』です。恋愛に関するエッセイというか、短い文章で想いが書かれている本なんですけど、どんな歌詞がいいのか、作詞に悩んだときに、本からインスピレーションを受けてみたらどうだろうと思って買いました。『恋はだいたい利己的なもので』(著:加藤碧)は発売前に予約して買ったんですけど、この本から影響を受けて曲を書くことも多いです。

――本から作詞のアイデアも得ているんですね。そのほか、考え方などをLIL LEAGUE の活動に反映するということもあるのでしょうか。
山田:多いです。さっきもお話ししたとおり、自分の考えを押し付けないというのは学んで得た知識の一つですし。あとは作者の方によって書き方も全然違ってきますが、それはメンバーも同様で、それぞれの考えや信念が違うからこそ、それぞれが曲を書いたら全部違う色になると思いますし、同じテーマで書いても言葉選びもきっと変わるんだろうなというのは考えます。
昔、メンバーの岩城星那から突然連絡が来て、「晃大、お前に一曲書いたからこれあげる」って言われたんです。その曲は僕が絶対に書かないような歌詞だったのですが、逆に僕がメロディーラインを作って、スタッフさんに渡した曲はすごくメロディーがいいねって言ってもらえて、二人で曲を書くようになったこともありました。やっぱり全然違ったワードセンスを持ち寄れるというのも、本を読んでいて良かったなと思います。
――LIL LEAGUEのほかのメンバーでも、本を読まれる方はいらっしゃるんですか?
山田:全然いないです。竜大(中村竜大)が一時期本を読もうと思ったらしくて。僕が家でシャワーを浴びていたときに電話がかかってきて、「晃大、今どこどこの本屋さんにいるんだけど、なんとかのコーナーがわかんないから来て」って呼び出されたことがあって(笑)。急に本を読み出したんですけど、結局彼のブームは 1,2冊で終わっちゃいました。継続して本を読んでいるのは、今のところ僕だけですね。
――読んだ本の内容を周りの方に共有することはありますか?
山田:メンバーはなくて。ティモンディの前田さん(前田裕太)とは、前に一度小説の話をしましたね。たしか前田さんも自分で本を出されていて、小説好きっていうのを聞いたことがあったのですが、「晃大本読むの?」みたいな感じで、お話したことはあります。
――普段本はどんなときに読まれるのでしょうか。
山田:僕はカフェで一人の時に読みます。普段はパソコンと一緒に本を持ち歩くようにしていて、パソコンでいつでも歌詞を書き溜められるようにしています。なので、あまり音はないようにしてますね。インスピレーションを絞られないような環境にしてます。
――山田さんにとって、読書は、趣味として読む部分と仕事へのインスピレーションの両方の役割があるのですね。
山田:そうですね。自分の好きなことを書き留められるのが、ある意味ストレス発散にもなっています。
2026年は天下を取りに行く

――今回、ビルボードジャパンが新たに立ち上げた書籍チャートもご覧いただきました。
山田: “Showa Books”の6位(※2026年1月22日公開チャート)に『アルジャーノンに花束を』(著:ダニエル・キイス/小尾芙佐)がチャートインしているんですね。つい最近、半日オフができた日に買った本でまだ読めてないんですけど。自分が買った本が入っているのはうれしいです。『十角館の殺人』(著:綾辻行人)もよく見かけて気になっていて。恋愛ものをよく読むんですが、ミステリーもたまに読むので、この作品も読みたいなと思ってました。
――チャートとして、今読まれている本を可視化することについてはどう思われますか?
山田:本って好みがすごく分かれると思うんですけど、正解不正解ってないじゃないですか。それに、たくさんの人に読まれる本ってそれだけ共感性の高いものが多いと思いますが、そういった本って簡単に書けるものでもなければ、見つけられるのも難しかったりします。こうしてチャートになっていると、新しい出会いにもつながると思いますし、本を選ぶきっかけになりますよね。僕もチェックしようかなと思いました。
――ありがとうございます。音楽活動についても聞かせてください。LIL LEAGUEはちょうどツアー【LIL LEAGUE LIVE TOUR 2026 “Wonder Island”】の真っ最中なんですね。手応えやファンの方の反応はいかがですか?
山田:手応えしかないと思っていて、正直、今までのツアーの中で一番楽しいです。今回は“ライブという概念を超える”というメッセージを打ち出しているんですが、その文言とおり、ライブでもあり、ミュージカルでもあり、映画でもあり、本当にいろんなものを総合したエンターテインメント・ショーになっています。ライブツアーとは言いつつ、本当にこれまで誰もやらなかったことをやってみた、王道を行かないライブを作っていて。それが受け入れてもらえれば、僕らはもっと違った次元でものを作れるなという、一つの指標にもなるようなライブでもあるんです。確実にこの2公演は手応えを十分に感じたので、あとは自信しかないです。(※取材は1月23日に実施)
――3月には2ndアルバム『NEOMATIC』がリリースされます。こちらはどのようなアルバムになっていますか?
山田:今回2年ぶりのアルバムということで、デビューから4年目を迎えたタイミングでもありますし、自分たちがこれまで担ってきた若手の世代で天下を取るという意味を込めた作品です。これまでリリースした楽曲も入っていますし、「LILMATIC」という、これから自分たちが次世代に対して本気で時代を取りに行くという、ある意味宣戦布告のような気持ちを込めた楽曲も収録されていて。2026年、このアルバムで天下を取りに行くので、皆さんも期待値を上げていただいて構わないと思っています。
――強い意気込みが感じられるアルバムなんですね。では最後に、 2026年のグループとして、そして個人としての意気込みがあれば教えていただきたいです。
山田:グループとしては、2025年はファンの皆さんと近い距離で、着実に絆を深めてきた期間でもありました。ファンの皆さんも、僕らの大爆発を待ち望んでいるという声も多くいただいているので、今年はもっと大きいステージや様々な場面で、メンバーとLIL LEAGUEとして活動できる、幅広い1年にしたいなと思っています。
そして個人としては、もっと本を読んで、もっと曲を作りたいと思っています。今のところ、まだ皆さんに刺さる曲が作れていないので…もっといろいろな曲を書けるように頑張りたいと思います!

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