Billboard JAPAN


Special

<CASIO×Billboard Live>堂珍嘉邦が語る、ソロでは自分でも演奏しようと思ったきっかけ

インタビューバナー

 「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。

 CHEMISTRYとしてはもちろん、ソロアーティストや俳優としてなど多岐にわたる活動を積極的に行い表現の幅を広げてきた堂珍嘉邦が、ビルボードライブ横浜に初登場することが決まった。今回のステージには元ボ・ガボス、そして数々のレジェンド・アーティストのサポートなどで活躍するDr.kyOnや、ヒックスヴィルの木暮晋也と真城めぐみら馴染みのサポートメンバーに加え、新たにサックス奏者を加えた総勢7人編成でのパフォーマンスを展開。CHEMISTRYとは一味違うソロでどんなライブを披露するのか、今から期待が高まる。今回のインタビューでは、そんなライブへの意気込みはもちろん、堂珍の音楽的なルーツや楽器との関わり方などについて、じっくりと話を聞いた。 (Interview: 黒田隆憲)

「CHEMISTRYの堂珍」でしかなかったから、いい意味でそれを壊す機会になると思った

――堂珍さんが音楽に目覚めたのは、どんなきっかけだったのでしょう。

堂珍嘉邦:一番大きかったのは、小学校中学年の頃にテレビで映画『スタンド・バイ・ミー』を観たこと。エンドロールでベン・E・キングの「Stand By Me」が流れてきて、そこでカコーン!と衝撃が走りました。“いい曲だなあ”と思ったのが、音楽に目覚めた最初のきっかけかも知れないです。

あの映画って、リヴァー・フェニックスをはじめ登場人物たちが、ちょうどその頃の自分と同じかちょっと上の世代の役を演じていたんですよ。僕は地元が広島の田舎にあって、子供の頃は近所の裏山でよく遊んでいたんです。学校が終わるとターザンごっこをしたり、山の上の方から自転車で急降下したりして(笑)。『スタンド・バイ・ミー』も、主人公たちが森の奥に秘密基地を作ってそこで遊んでいるシーンが出てくるじゃないですか。なので、ものすごく感情移入してしまったんです。映画を見終わってすぐ、近所のレコード屋さんへサントラを買いに行ったのを覚えていますね。


――自分で音楽をやるようになったのは?

堂珍:もともと歌は好きだったんです。高校生の時にアメリカへホームステイをしたことがあるのですが、あるとき留学生たちがホストファミリーの前で出し物をするイベントがあって。そこに僕は、ギターを弾く友人とユニットを組んで出たんですよね。50人くらいいる前で歌った時、アメリカ人に褒められて調子に乗ったのが大きかった。“これはイケるかも!”みたいな(笑)。


――楽器との出会いは?

堂珍:ホームステイへ行く少し前、高校一年生くらいの時にギターを手に取ったのが最初の「楽器体験」でした。うちの母がフォーク喫茶などに通っていたらしく、グループサウンズとか、サイモン&ガーファンクルのようなフォークミュージックのレコードが家にもたくさんあったんです。それを聞いているうちに、自分でも弾きたくなったのがきっかけでした。


――最初はギターだったのですね。

堂珍:そうなんです。で、その中にジョン・レノンの『ジョンの魂』というアルバムも混じっていて、1曲目の「マザー」を聞いたときにものすごく惹かれたんですよ。もちろん「イマジン」も大好きな曲ですが、そういう誰もが知っている代表曲以外の作品を掘っていくうちに、「マザー」の持つ独特の雰囲気が耳に残り、そこからピアノにも興味を持つようになりました。


――ビートルズよりも先に、ジョン・レノンの曲を聞いていたわけですね。

堂珍:ええ。今となってはポール・マッカートニーの持つメロディセンスや、アレンジの幅広さが理解できますけど、10代の頃はシンプルなコード進行をバックに叫んでいるジョンの、「歌い手」としての魅力の方が優っていました。なので、CHEMISTRY結成10周年を機にソロ活動をスタートして、【Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ】(2001年ごろからヨーコ・オノが呼びかけ、チャリティを目的としてスタートしたジョン・レノンのトリビュートライブ)の出演依頼が来たときは感無量でした。当時はソロ活動を始めたばかり。僕に対する世間のイメージは、「CHEMISTRYの堂珍」でしかなかったから、いい意味でそれを壊す機会になると思ったんです。


――そこで、ジョンの「マザー」をカバーすることにしたと。

堂珍:「オノ・ヨーコさんに聞いてもらいたい!」という気持ちもありました(笑)。それに、ジョンのカバーをするのにただマイクを持って歌うのは違うと思ったんですよ。「ボーカリスト」ではなく「ミュージシャン」としてステージに立ちたいというか。それに、「マザー」をカバーするなら歌う人間がピアノを弾きながら、あの「間合い」を作っていかなければ話にならないと思ったんです。もちろん、人前でピアノを披露するのなんて初めての経験になるので、知り合いのピアニストに頼んで1か月間レッスンを受けました。ほとんどゼロ状態からのスタートで、最終的に武道館で披露したのは無謀といえば無謀でしたが(笑)。


――それは本当にすごいエピソードだと思います。

堂珍:さすがに緊張で手が震えましたけどね(笑)。でも、そうやって自分を追い込まないと、上達しなかったんじゃないかなと。とにかくそれで、自分なりの「マザー」を演奏できたし、それを機にライブでもピアノを弾く事がありました。CHEMISTRYは、基本2人でマイクを持って歌うユニットなので、相手が歌っているのに自分は歌っていない場所が当然あるわけじゃないですか。その時間がとにかく手持ち無沙汰というか、もう嫌で嫌でしかたなかったんですよ(笑)。そんなとき、サポートメンバーたちが楽しそうに楽器を演奏している様子が羨ましく思えてきて。そこにジョインしたいという気持ちになったのも、ソロでは自分でも演奏しようと思ったきっかけの一つでした。


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あんな距離感で好きなアーティストを楽しめるなんて最高


――堂珍さんのソロでは、CHEMISTRYの時とはまた全然違う音楽を奏でています。もともとのルーツはどのあたりにあるのですか?

堂珍:僕が洋楽を聞き始めた頃は、ロックバンドがめちゃめちゃ元気だったんですよ。ちょうどグリーン・デイやオアシス、レディオヘッドなどがシーンを席巻していた。なので、気付いたら「ブリットポップ」と呼ばれるジャンルの音楽を聞き漁っていましたね。

でも、元を辿ればさっきも話したように、母親からの影響で聞いていたフォークミュージックが自分のルーツになるのかもしれない。家にあった「かぐや姫」などのフォークグループやニューミュージックのレコードをテープに吹き込んで、通学中のバスの中でずっと聞いていたその時間が、1日の中で一番好きだったような少年なので(笑)。


――へえ!

堂珍:帰宅すると、親が買い物に行った隙を見て歌の練習をしていました。恥ずかしくて人に聞かせたくない年頃だったんですよね。家の灯りを消して、階段のところにある照明だけつけて、その下でギターを持って、まるでステージの上に立っているような気分に浸りながら歌うなどしていました。

ただ、自分自身のターニングポイントには必ずビートルズの音楽がありました。さっき話した「マザー」のエピソードもそうですし、高校生の時に学園祭で一つ上の先輩がビートルズの「ヘルプ!」をカバーしていて、それがめちゃくちゃカッコ良くて「自分も絶対に音楽をやる!」と決心したのもそう。ソロ名義で初めて自分で作った楽曲も、結構ビートルズっぽい雰囲気なんですよ。


――来る4月6日、ビルボードライブ横浜に初登場する堂珍さんですが、意気込みなどお聞かせいただけますか?

堂珍:実はもう、セットリストも大体決まったんです。今回いつものメンバーに加えてサックス奏者を迎えるので、アレンジの幅もぐっと広がると思います。賑やかな曲はより賑やかに、メロウな曲はよりメロウになるでしょうね。


――サポートメンバーも、Dr.kyOnさん(Keyboards, Backing Vocal)を筆頭に、木暮晋也さん(Guitar, Backing Vocal)、真城めぐみさん(Backing Vocal, Percussion) 、砂山淳一さん(Bass)、山下あすかさん(Percussion, Backing Vocal)、後関好宏 (Sax)と超豪華ですね。

堂珍:「ドクター」と名乗るだけあって、Dr.kyOnさんは音楽知識も引き出しの多さもハンパない。何より、いつも演奏を心から楽しんでくれているのが嬉しいですね。木暮さんは、リーゼントと黒縁メガネが「知的なロックンローラー」という感じでとても素敵。真城さんは、CHEMISTRYの初期ツアーメンバーをお願いしていたこともあって、こうやってソロのライブにも出てもらえるのは感無量ですね。“スナパン”こと砂山くんとも付き合いは長く、グルーヴのあるベースプレイが素晴らしい。あすかちゃんの叩くカホンとの相性もバッチリです。後関さんの参加も嬉しいですね。このメンバーでビルボード横浜に出られるのが今からとても楽しみですね。


――堂珍さんは、ビルボードライブにどんなイメージがありますか?

堂珍:普通にお客さんとして観に行きたくなりますよね。ゆったりと食事をしながら音楽を楽しめる、すごく特別な空間ですし、あんな距離感で好きなアーティストを楽しめるなんて最高じゃないですか。スタッフさんもとても感じがいいんです。仕事もテキパキされていて、めちゃくちゃ忙しい時の連携プレーは思わず見入っちゃいます。


――最後に、今後の堂珍さんの活動予定をお聞かせください。

堂珍:ソロで、今年中に何かしら「新作」を出せたらいいなと思っています。ライブももちろんコンスタントにやる予定で、今回のビルボードライブはもちろん、今年もプラネタリウムでのライブ、自身の誕生日近辺で行っているライブ(2Days)や、クリスマスライブなどを開催するつもりでいますので、どうかみなさん楽しみにしていてください。



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