Billboard JAPAN


Special

彼らのライブで、アカペラライブのイメージは変わる。「ロッカペラ」の“ステージ”&プレイリスト公開



top

 ア・カペラ・ブームの先駆けとなったNYの人気グループ、ロッカペラが4月に来日する。ゴスペルやドゥワップはもちろん、ジャズやロックやポップス、さらにはJ-POPまで、あらゆるジャンルの音楽を親しみやすいアレンジで聴かせる彼ら。1986年から活動を開始し、1990年のスパイク・リー監督の映画『ドゥ・イット・ア・カペラ』への出演をきっかけに注目を集めた。近年もエド・シーランやブルーノ・マーズのカヴァーに挑戦するなど、そのピュアなエンターテイメント精神は健在だ。そんな彼らの魅力を、すべてのパートを自分の声と身体だけで演奏する一人アカペラ・シンガー、よう いんひょくに語ってもらった。

 またメンバー5人にインタビューし、「元気がもらえる楽曲」を選んでもらい、それらをプレイリストにしました。4月から新生活をスタートさせる新入生や社会人など、新しい環境に不安を感じている方々も、このプレイリストを聴いて、元気になりませんか?

彼らのライブで、アカペラライブのイメージは変わる。「ロッカペラ」の“ステージ”


 13年前、アカペラを始めた頃の自分に会えるなら、「ロッカペラのライブは観に行け」と伝えたい。そうすれば、“ステージ”に対するアプローチは、大きく変わっていたに違いない。

 音楽家というのは自身のコンサートを練るとき、自分の音楽をどう届けるか考える。どうやってお客さんに楽しんでもらうか、どうやって現実を忘れさせるか、考えるものだ。コンサートにはいろんな形がある。ステージ上の出演者に集中してもらう「演奏会」スタイル、お客さんも会場の一部となる「ライブ」や「フェス」のようなスタイル、そしてエンターテイメントの要素加えた「ショー」スタイル、などだ。その中で、「アカペラライブ」というと、ステージ上の演奏に集中して音楽を楽しむようなイメージがあるのではないだろうか。

彼らがずっと大事にしているもの

top

 ロッカペラは自分たちのステージが「ショー」であることを、常に大事にしている。それは、彼らが注目を浴びるきっかけとなったアメリカのアカペラ特番『ドゥ・イット・ア・カペラ』に出演したときから感じることができる。小芝居やジョークをパフォーマンス全体に散りばめつつ、少人数に感じさせない練り込まれたアカペラ編曲と、一流のアカペラ技術が組み合わさった素晴らしいステージだ。


▲ 「Spike Lee & Co. Do it a capella (7)」


 その後、ライブ活動を精力的に行いながら、アメリカの教育番組『カルメン・サンディエゴ』(原題:Where on Earth Is Carmen Sandiego?)への出演や、『フォルジャーズ・コーヒー』のCMソングの歌唱など、幅広い活動を展開してきた。また、元々東京ディズニーランドでパフォーマンスをしていたロッカペラのメンバー、スコット・レオナードが、日本の知り合いを通じてロッカペラの日本デビューを実現させた。コーラスにボイスパーカッションを加わえた「コンテンポラリー・アカペラ」スタイルを日本に取り入れた初めてのアカペラグループだった。


▲ 「WHERE IN THE WORLD IS CARMEN SANDIEGO? ROCKAPELLA Y NECKTIES AND GUMSHOES」

▲ 「FOLGERS Commercial - :45 & :30 」


 この5人編成でのアカペラ編曲は、一人ひとりがメインボーカルのように歌うことで成り立つ、個々人の能力の高さあってこその代物だ。

とにかく、エンターテイメント

 アカペラの演奏で大変なのは、「歌い続けなければならない」というところだ。例えばアカペラ以外のメインボーカルだと、曲を通して音程が低いところと高いところがあったり、コーラスグループだと、自分のパートが回ってくるのを待っていたりする。しかしアカペラグループの一員になると、高いパートのメンバーは1曲を通して、ずっと高い音ばかりを歌わなければいけない。これが本当に大変なのだ。

 しかし彼らのステージを見ていると、ダンスに日本語でのジョークに一流のアカペラ技術、いつの間にか「アカペラ」であることを忘れてしまうほどに楽しく、夢中で、ハッピーになる。ずっと高い音を歌うハイ・テナーのスコット・レオナードに注目しても、いや、むしろ彼こそがもっともエンターテイメント精神溢れるメンバーかもしれない。

 ロッカペラのステージはまさに「エンターテイメント・ショー」だ。

新しいメンバー、新しいアルバム

top

 この4月、今回初来日の新メンバー、テナーのミッチェル・レインズとベースのブライアント・ヴァンスを迎え、3年ぶりに来日する。彼らもまた、米国で幅広く活動しているアカペラグループ「キャッツ・パジャマズ」出身だったり、日本でも話題だった真っ白なエンターテイメント集団「ボカピープル」のメンバーだったりと、エンターテイメント性を重視したメンバーであることがよく分かる。

 新アルバム『JAMS, VOL.1』は、エド・シーランやジャスティン・ティンバーレイク、ブルーノ・マーズらのヒット曲のカヴァーを中心とした、エンターテインでエネルギッシュなロッカペラ・サウンドのアルバムになっている。また、ウェブ限定で、アイドルグループ欅坂46の『風に吹かれても』のカヴァー動画が掲載されており、日本好きであることが伝わってくる。アカペラグループのサウンドを大きく左右するハイ・テナーとボイスパーカッションは変えることなく、ロッカペラ・サウンドは健在のまま、新しいエンターテイナーを迎えたロッカペラのステージ。本当に楽しみだ。


▲ 「Kaze ni Fukaretemo (風に吹かれても)」

 

 

NEXT PAGE
  1. < Prev
  2. メンバーが選ぶ「元気がもらえる楽曲」プレイリスト
  3. Next >
ロッカペラが選ぶ「元気がもらえる楽曲」プレイリスト

01. Joss Stone - Free Me

 素晴らしいグルーヴに全く隙のないソウルヴォーカルが重なり、サビも素晴らしい。(ジェフ・サッチャー)

02. Maroon 5 - Feelings

 彼らのサビとベースラインの使い方が好き。彼らがなぜこれほどたくさんのヒット曲を持っているか、それに答えるだけの十分な理由があるよ。(ジェフ・サッチャー)

03. Stevie Wonder - Sir Duke

04. Michael Bublé - Feeling Good

05. Lionel Richie - All Night Long (All Night)

 曲を聴いて楽しかった思い出がパッと思い浮かぶ、そういう曲に惹きつけられるんだ。これらの曲は楽しい思い出や、心に残っている美しい場所、または僕の大切な人達のことを思い出させてくれる。僕の人生の最高の思い出の元へ連れ戻してくれる、これらの曲を聴くのが大好きだ。(ミッチェル・レインズ)

06. Basia - Baby You're Mine

 東京ディズニーランドで歌っていた時期にバーシアの音楽に出会った。とってもハッピーな曲だよ。(スコット・レオナード)

07. Michael Jackson - Don't Stop 'Til You Get Enough

 僕はマイケルの大ファン。この曲を聴いて誰もじっとしてはいられなくなるはずだ!(カルヴィン・ジョーンズ)

08. Bruno Mars - Finesse (Remix) feat. Cardi B

 僕が好きな80’s、90’sミュージックを思い出す!(カルヴィン・ジョーンズ)

09. Rockapella - Jams, Vol1

 このアルバムはとても楽しい作品だよ。(カルヴィン・ジョーンズ)

10. Snarky Puppy - Something feat. Lalah Hathaway

 ベスト・ミュージシャンが集まって生まれる音楽のパワーが詰まったアップビート・ソング。やる気が起きない時や、何かに躓いている時、インスピレーションが必要な時にこの曲を聴くと、クリエイティビティと活力がみなぎってくる。(ブライアント・ヴァンス)

11. Dirty Loops - Hit Me

 この曲はアップビートな曲であり、ワークアウトやランニングにピッタリの“筋トレソング”としてもリストアップされそうな曲だ。素早く展開される複雑なこの構成が、どの音楽好きをも魅了するだろうし、このバンドのリズムやビートの使い方がかなりカッコいい!(ブライアント・ヴァンス)

12. Rockapella - I Am Your Man

 僕が8歳の時に初めてロッカペラのライブを観たとき、この曲が演奏されていた。個人的に、この曲は、伝統的なア・カペラ・スタイルでメロディックなハーモニーやグルーヴを表現するベストな楽曲のうちの一つに入ると思っている。この曲を一度聴いたら、頭から離れなくなるはず!ほんとにこの曲が好きなんだ。(ブライアント・ヴァンス)

Billboard JAPANのApple Musicプレイリストはこちらから>>>

ロッカペラからビデオ・メッセージが到着!

ロッカペラ「ベスト ア カペラ」

ベスト ア カペラ

2002/09/25 RELEASE
FLCF-3922 ¥ 1,980(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.ダンス天国
  2. 02.ファンキーモンキーベイビー
  3. 03.プリティー・ウーマン
  4. 04.ノー・ノー・ボーイ
  5. 05.ゾンビ・ジャンボリィー
  6. 06.リバーサイド ホテル
  7. 07.ラヴ・ミー・テンダー
  8. 08.スローなブギにしてくれ
  9. 09.スタンド・バイ・ミー
  10. 10.ランナウェイ
  11. 11.いとしのエリー

関連キーワード

TAG

関連商品

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    【先ヨミ・デジタル】Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」602.8万回超えでストリーミング首位走行中 BE:FIRST「Masterplan」が6位に登場

  2. 2

    <ライブレポート>ROF-MAO、大阪城ホールで魅せた初ワンマンはこれまでの集大成

  3. 3

    【先ヨミ・デジタル】BE:FIRST「Masterplan」2万DL超えでDLソング首位走行中 メンバーJUNONソロ曲もトップ10入り

  4. 4

    <ライブレポート>ChroNoiRが念願のワンマンライブ、二人の絆で大阪城ホールを魅了

  5. 5

    <ライブレポート>RADWIMPS、国内公演で実証した日本ならではのライブの良さとリスナーの体に染みついた楽曲の存在

HOT IMAGES

注目の画像