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【20/20 今年20周年を迎える20枚】1997年/2017年洋楽編~『OKコンピューター』からハンソンのデビュー作まで

“特集

 今から20年前の1997年。CDの売上が最高潮で音楽業界がまだ活況を呈していたこの時期には、続々と素晴らしいアーテイストが登場し、歴史に残る作品が発表されていった。ここではそんな懐かしい時代に生まれ、今年20周年を迎える名盤20枚を紹介しよう。

『OK コンピューター』
レディオヘッド

CD
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 1997年のみならず90年代を代表するロック・アルバムの傑作。UKギター・ロックの流れを汲みながらも、トリップ・ホップやエレクトロニカから、プログレやクラシックまでを取り込んだ内省的な世界が絶賛された。ファンに人気の高い楽曲が揃うが、とくに「Karma Police」や「No Surprises」といったメランコリックなナンバーが素晴らしい。




▲ 「No Surprises」



『ホモジェニック』
ビョーク

CD
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 すでに異色アーティストとして確固たる地位を築いていたビョークが、エレクトロニカやポスト・ロックの世界にさらに一歩踏み込んだ初期の代表作。先鋭的であると同時に、どことなくフォークロアな雰囲気もあり、そのバランスは絶妙だ。日本を代表するアコーディオン奏者のcobaが参加したことでも話題になった。




▲ 「jóga」



『ホームワーク』
ダフト・パンク

CD
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 今や世界を制するエレクトロ・デュオの記念すべきデビュー作。カラフルなハウスやテクノのビートに往年のファンクやソウルのエッセンスを加えた新しさと懐かしさの入り混じったサウンドは、クラブ・ピープルたちを中心に熱狂的なファンを生み出した。ヘルメットをかぶって素顔が見えない神秘性も成功した要因ひとつだ。




▲ 「Da Funk」



『ディグ・ユア・オウン・ホール』
ケミカル・ブラザーズ

CD
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 デジタル・ロックのムーヴメントを生み出したのがケミカル・ブラザーズ。彼らの2作目となる本作で、ロックとダンス・ミュージックを完全に融合させることに成功した。ひたすら硬質かつファンキーなビートが全編を覆い、ダークな世界を作り上げている。オアシスのノエル・ギャラガーが参加した「Setting Sun」も話題になった。




▲ 「Setting Sun」



『ザ・ファット・オブ・ザ・ランド』
プロディジー

CD
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 ケミカル・ブラザーズと並んでこの年のデジタル・ロックを牽引したのが、世界22カ国で1位を獲得したザ・プロディジーの本作だ。レイヴ・カルチャーをルーツに持つテクノに、ヒップホップの要素を加えながら斬新なサウンドを作り上げた。フロントに立つキースが隈取メイク、マキシムがドレッドの黒人という編成で、ビジュアル面でのインパクトも大きかった。




▲ 「Firestarter」



『バニシング・ポイント』
プライマル・スクリーム

CD
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 何をやるのか予想がつかないバンドというイメージだったプライマル・スクリーム。前作『Give Out But Don't Give Up』ではアーシーなアメリカン・ロックに傾倒したかと思ったら、この本作ではダブを大胆に取り入れた。アルバム・タイトルは70年代のカルト・ムービーから拝借したこともあり、映像的なサウンドは今聴いても刺激的だ。




▲ 「Kowalski」



『宇宙遊泳』
スピリチュアライズド

CD
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 元スペースメン3のジェイソン・ピアースが中心となって結成されたスピリチュアライズドが、決定的な人気を獲得した3作目。サイケデリックな持ち味を活かしつつ、ウォール・オブ・サウンドの手法やブラック・ミュージックのエッセンスを加えたUKロックを繰り出した。邦題通り、まさに宇宙空間をゆらゆらとさまよっているような浮遊感が魅力の傑作。




▲ 「Electricity」



『ブラー』
ブラー

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 前年まで盛り上がっていたブリットポップのムーヴメントだが、本作発表当時のデーモン・アルバーンによる「ブリットポップは死んだ」という発言によって一気に終息。USオルタナティヴからの影響を受けながら異質の世界へ踏み出したのがこの5作目。シングル・ヒットした 「Song 2」のようなローファイ感が、ブラーの新しい魅力となった。




▲ 「Song 2」



『ビー・ヒア・ナウ』
オアシス

CD
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 ブラーのライバルと煽られて疲弊していったオアシスも、それまでのブリットポップ路線から微妙にシフトチェンジ。この3作目では仰々しいまでのエモーショナルなサウンドと、一曲一曲が長いということで酷評されたにも関わらず大ヒットを記録した。後にノエル・ギャラガー自身も毛嫌いしているが、彼らの良さを体現した名曲が多数揃っている。




▲ 「Stand By Me」



『ミドル・オブ・ノーウェア』
ハンソン

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 オクラホマ州でアイザック、テイラー、ザックという3人によって結成された兄弟バンドのデビュー作。少し重苦しいサウンドが主流だったこの年に、初々しい風を吹き込んだ。シングル・カットされたポップ・ロックの名曲「MMMBop」は、ビルボードのシングル・チャートで1位を獲得しただけでなく、日本でも大ヒットを記録して一大旋風を巻き起こした。




▲ 「MMMBop」



『バックストリーツ・バック』
バックストリート・ボーイズ

CD
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 ワン・ダイレクションにつながるボーイズ・グループの先駆けといえるのが、バックストリート・ボーイズだ。 前年にデビューして大ブレイクした後の2作目で、ダンサブルなポップ・チューンからバラードまで様々なタイプのナンバーで構成されている。ヨーロッパや日本先行だった人気も、ここからのシングル・ヒットで米国でもスターとなった。




▲ 「Everybody (Backstreet's Back) 」



『イーザー/オア』
エリオット・スミス

CD
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 オルタナティヴ・ロックとシンガー・ソングライターの良さを絶妙にミックスしたアーティストが、エリオット・スミスだろう。内省的なイメージをまといながらも、メロディアスな楽曲はニック・ドレイクの再来とも高く評価された。この屈指の名盤から影響を受けたというミュージシャンは後を絶たない。映画『グッド・ウィル・ハンティング』にも数曲使用された。




▲ 「Lucky Three: An Elliott Smith Portrait by Jem Cohen」



『タイム・アウト・オブ・マインド』
ボブ・ディラン

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 先頃ノーベル賞で話題になったボブ・ディランだが、90年代前半には創作活動を休止していた期間がある。しかし、その沈黙を破って7年ぶりに発表して大きな話題となったのが本作。ダニエル・ラノワがプロデュースを手がけ、奥行きのあるサウンドから聞こえてくる渋いヴォーカルが新鮮。ビルボードのアルバム・チャートで10位を記録し、グラミー賞も獲得するなど代表作のひとつとなった。




▲ 「Not Dark Yet」



『ザ・ヴェルヴェット・ロープ』
ジャネット・ジャクソン

CD
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 マイケル・ジャクソンの妹というイメージからすっかり脱皮していたジャネットは、さらにアーティスティックな表現へと向かう。4年ぶりとなった本作では、同性愛やDVといったヘヴィーなテーマの歌詞が多く、ダンサブルかつクールなサウンドも大きな評価を得ることになる。ジョニ・ミッチェルの名曲をモチーフにし、Qティップが参加した「Got 'til It's Gone」も話題になった。




▲ 「Got Til It's Gone」



『バドゥイズム』
エリカ・バドゥ

CD
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 R&Bにジャズやヒップホップの要素を加えたネオ・ソウルといわれるムーヴメントの中、その最先鋒として颯爽と登場したのがエリカ・バドゥだった。このデビュー作でいきなりビルボードのアルバム・チャートで2位を記録し、グラミー賞も受賞。クールで神秘的なヴォーカル・スタイルは、日本を含め多くのシンガーたちに大きな影響を与えた。




▲ 「On & On」



『ライフ・アフター・デス』
ノトーリアス・B.I.G.

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 東西のヒップホップ抗争に巻き込まれ、24歳の若さで暗殺されたビギーこと ノトーリアス・B.I.G.。彼の死の直後に発表されたのがこの2枚組大作で、結果的に彼の代表作となった。R.ケリー、ジェイ・Z、リル・キム、パフ・ダディといった豪華なゲスト陣を迎え、スタイリッシュなサウンドと安定したラップで90年代末を代表するヒップホップ・アルバムと評価が高い。




▲ 「Hypnotize」



『ノー・ウェイ・アウト』
パフ・ダディ&ザ・ファミリー

CD
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 亡くなったノトーリアス・B.I.G.の片腕でもあり、プロデューサーとして活躍していたパフ・ダディが発表した初のアルバム。ポリスの名曲をサンプリングし、フェイス・エヴァンスのヴォーカルをフィーチャーした「I'll Be Missing You」が世界中で大ヒット。ビルボードのシングル・チャートおよびアルバム・チャート両方で1位を獲得した。




▲ 「I'll Be Missing You feat. Faith Evans & 112」



『ウータン・フォーエヴァー』
ウータン・クラン

CD
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 ウータン・クランは1993年に鮮烈にデビューしたが、メンバーそれぞれのソロ活動が多忙のため開店休業状態だった。その封印が解かれて突如発表されたのが、4年ぶり2作目となる本作。RZAやメソッドマンといった天才肌を擁するグループの中だけに、リリックもトラックも綿密に練られ、2枚組という大作でありながらも一気に聴かせるパワーを持つ意欲作だ。




▲ 「Triumph feat. Cappadonna」



『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

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 ライ・クーダーがキューバに赴き、忘れ去られていたベテラン・ミュージシャンたちを集めてセッションした企画アルバム。イブライム・フェレール、コンパイ・セグンド、オマーラ・ポルトゥオンドといった渋みのある歌い手たちがフィーチャーされ、翌々年に公開された映画とともに、日本でもキューバ音楽ブームを生み出すほどの社会現象となった。




▲ 「Chan Chan」



『リーヴロ』
カエターノ・ヴェローゾ

CD
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 60年代から活躍するブラジルの至宝が、長いキャリアの変遷の中で熟成され、見事に結実したMPB作品。坂本龍一との共演でも知られるチェリストのジャキス・モレレンバウムを共同プロデューサーに迎え、サンバとアフロ・ブラジリアンが交じり合いながらもどこかクラシカルな気品漂う内容は、多数ある代表作の中でも最高傑作と評価されている。




▲ 「Livros」


◎【20/20 今年20周年を迎える20枚】1997年/2017年洋楽編

レディオヘッド「OK コンピューター」

OK コンピューター

2014/01/29 RELEASE
WPCR-80155 ¥ 1,540(税込)

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Disc01
  1. 01.エアーバッグ
  2. 02.パラノイド・アンドロイド
  3. 03.サブタレニアン・ホームシック・エイリアン
  4. 04.エグジット・ミュージック(フォー・ア・フィルム)
  5. 05.レット・ダウン
  6. 06.カーマ・ポリス
  7. 07.フィッター、ハッピアー
  8. 08.エレクショネアリング
  9. 09.クライミング・アップ・ザ・ウォールズ
  10. 10.ノー・サプライゼズ
  11. 11.ラッキー
  12. 12.ザ・ツーリスト

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