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「ただ単にシングルを売るのではなくて、アルバムを一つの作品として受け止めてもらうことが大切」― カーリー・レイ・ジェプセン 来日インタビュー

カーリー・レイ・ジェプセン インタビュー

 全世界で1,700万枚を売り上げた2011年リリースの「コール・ミー・メイビー」で大ブレイクし、【グラミー賞】にもノミネートされたカナダ出身のシンガーソングライター、カーリー・レイ・ジェプセン。2014年春からはNYのブロードウェーでミュージカル『シンデレラ』の主役を務め、人気TVドラマ『キャッスル』に出演するなど、音楽以外にも活動の幅を広げている彼女が、2015年3月、待望のニュー・シングル「アイ・リアリー・ライク・ユー」を発表。トム・ハンクスとジャスティン・ビーバーが出演するミュージック・ビデオも話題となり、ニュー・アルバムへの期待も高まる中、親日家として知られるカーリーがプロモーションのためにいち早く来日。いよいよ6月24日に待望の3rdアルバム『エモーション』をリリースするカーリーの4月来日時に行われたインタビューをお届け!

実験をする欲求が満たされた時に、
またポップ・ミュージックが作りたいと心から思えるようになった

I Really Like You
▲ 「I Really Like You」 MV

――先日ニュー・アルバムのタイトルが『エモーション』だというのを発表しましたが、アルバムは既に完成しているのですか?

カーリー・レイ・ジェプセン:レコーディングはすべて終わったんだけど、トラックリストを選んだりする細かい部分がまだなの。

――トラックリストを選ぶのは中々大変ですよね。

カーリー:そうなの!その他にも感謝したい人たちの名前や曲のクレジットだったり、アートワークの調整とか、まだ残ってる作業がいくつかあるわ。

――アルバムの方向性はいつぐらいに定まったのですか?

カーリー:制作を始めて1年ぐらい経ってからかな。80年代にインスパイアされたサウンド、そして様々な感情をより深く掘り下げ、その核心に迫るような…ストレートなポップ・アルバムではなくて、ポップでありながらもリアルな作品にしたかった。それに気づいた時、NYにいて、その時に書いたのが「E・Mo・Tion」という曲だった。だから曲のタイトルをそのままアルバムにも使おうと思ったの。

――方向性が定まるまでに1年かかったと言いましたが、その結論に至るまでのプロセスはハードでしたか?

カーリー:うん、ハードだったけど、とても楽しくて、有意義だった。私のキャリアにおいて、とても実験的な時期で、思いもよらないアーティストたちとの曲作りを試みた。これまでの自分とは縁がなかった、意外と思われるかもしれない人々と曲を書いてみる時間を自分のためにつくったの。自分以外には誰も聴くことがない、とってもオルタナティブなアルバムも1枚制作しちゃった!でも私にとっては、とても大切な作品で、ママは多分気に入ってくれて、ヘビロテしてくれるかな(笑)。そのアルバムを完成させて、実験をする欲求が満たされた時に、またポップ・ミュージックが作りたいと心から思えるようになった。自分のためにその時間を割かなければ、ここまでポップ・ミュージックに対する情熱は芽生えなかったと思うな。

――今作を制作する上、前作『キス』の大成功から活かされた経験はありましたか?

カーリー:『キス』は、様々な観点から私にとって重要なアルバムだったというのはわかっていた。すごく楽しくて、クレイジーな旅だった。「コール・ミー・メイビー」がヒットして、2か月間で制作された作品で、一緒に仕事することができると夢にも思っていなかった人々と曲作りを行うことができた。とてもエキサイティングで、すべてが新たな体験だったわ。

 その慌ただしいプロセスを経て、今回時間をかけて制作に取り組んだことで、学んだこともたくさんあった。中でも一番重要だったのは、「今こんな風に考えていて、こういう曲が書きたいと思っているんだけど、一緒にやってみない?」っていう具合に、きちんと目的を持って人々と接しながら自分を中心として作業を進めることができたこと。前作からのこの変化は私に勇気を与えてくれて、ソングライターとしての自信にも繋がった。

――自ら選んだソングライターたちと曲作りすることで、よりリアルでカーリーらしい作品に繋がったのかもしれないですね。

カーリー:うん。そうすることで、自分にはもっと作品をコントロールできる力があるんだ、って気づかせてくれたし。

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このアルバムからは、私の真の姿が見えてくる

Behind The Scenes
▲ 「I Really Like You」 (Behind The Scenes)

――では、最新アルバムからの先行シングルとなった「アイ・リアリー・ライク・ユー」がどのように生まれたか教えてください。

カーリー:「アイ・リアリー・ライク・ユー」は、制作プロセスの終盤に完成した曲。ブロードウェーでの『シンデレラ』公演が終わってLAに戻っていて、私のA&R担当がセッティングしたセッションから生まれたの。それまで、彼がセッティングしたり、私が色々な人に声をかけたり、半々ぐらいの割合でセッティングしていたんだけど、この時は彼が設定したものだった。だから、誰とやるのかっていうのをまったくリサーチしてなくて、当日相手がカーディガンズのピーター・スヴェンソンとJキャッシュだとわかって、思わず背筋がピンとしちゃった(笑)。2人とも素晴らしいソングライターで、数々の名曲を手掛けてきているから「2人には絶大なる信頼を寄せてるから、すぐ作業に取りかかましょう!」って感じだったわ。しかも、毎日セッションを始める前に、ピーターに「“ラヴフール”を弾いて!アコースティックでいいから、もう一度聴きたいの。」って言って、可哀そうな彼を困らせて(大笑)。

――アハハ!でも、すごくラッキーじゃないですか。

カーリー:それに彼って、とってもハンサムでチャーミングでしょ?だから、毎日作業を始める前に、彼の演奏をうっとりしながら眺めるのが日課だったの。それが終わると、「ありがとう!今日も頑張って曲作りしなきゃ。」っていう気持ちになったわ。

――「アイ・リアリー・ライク・ユー」を完成させた時に、素晴らしい曲が書けた、この曲はヒットするな、など何か特別な感情は湧いてきましたか?

カーリー:曲が完成すると、いつでもユーフォリックで、気分がアガルから、どの曲が良くて、あまり良くないか、って客観的に判断するのが、私にとってとても難しいことなの。ちゃんと自分の意思が固まるまでに最低でも2~3週間かかる。その点では恋に落ちるのと似てるわね。最初は「彼って、なんて最高なんだろう!」って思うんだけど、3日経つと靴下をいろんなところに脱ぎ捨ててるのにイラってしたりっていうこともあるから、ちゃんとした判断を下せるまでに少し時間が必要なの。

 でも、スクーター(カーリーのマネージャー)やスタッフからはすごく反応が良かった。書いた曲を毎週彼らに送って、聴いてもらっていて、この曲を送った途端、レーベル、音楽出版社やマネージメントから即連絡が来たの。「今までこの曲をどこに隠してたの!?」って言われるほど、大きな反響だった。とにかく、気に入ってもらえて良かったって、ホッとしたわ(笑)。

All That
▲ 「All That」 (Audio)

――では、2ndシングル「オール・ザット」について教えてください。この曲はアリエル・リヒトシェイドとデヴ・ハインズと共作したそうですが、先日『SNL』でも一緒にパフォーマンスしていましたね。

カーリー:アリエルとデヴと曲作りがしたいな、と思ったのは彼らが手掛けたソランジュのアルバムがすごく気に入ってたから。あとは大好きなハイムや他にも私がエキサイティングな音楽を作ってる、って思えるインディー・ポップ系のアーティストの作品に数多く携わっている。

 シングルとしてリリースしたり、先日彼らとこの曲を『SNL』でパフォーマンスする数か月前からこの曲と「アイ・リアリー・ライク・ユー」をペアリングして発表したいな、って思ってた。この2曲からアルバムの全体像をつかむことができると思うし、みんなが予想できないような作品に仕上がってるっていうのを見せたかったから。どちらかのスタイルに偏るのではなく、2つがハッピーに調和されたアルバムになるということをね。だから『SNL』の担当者から「アイ・リアリー・ライク・ユー」と好きな曲をどれでも演奏していい、って言われた時には、「ヤッター!この曲もみんなの為に演奏出来るんだ!」って大喜びしたわ(笑)。そして、すぐにアリエルとデヴに連絡にして、NYに来て一緒にパフォーマンスしてほしいって頼んで実現したのよ。

――サウンド面においても、「アイ・リアリー・ライク・ユー」やこれまでのイメージとは少し違う、オールドスクールなフィーリングの大人っぽい曲ですよね。

カーリー:このアルバムからは、私の真の姿が見えてくると思うの。定着したイメージから脱線しないように、安全策を取るアーティストも大勢いる。けれど、私が学んだのは自分に誠実でありながら、作品に真摯に取り組めば、アーティストとして様々な側面をみせることも可能で、人間味があるアーティストだというのを証明できるということ。

Time After Time
▲ 「Time After Time」 (Cyndi Lauper cover)

――今作で80年代のサウンドに辿りついた経緯というのは?シンガーソングライター的なアプローチを取ったデビュー作からは大きな変化ですよね。

カーリー:確かに、そうね。デビュー作の『Tug Of War』は日記のような作品だったから。最近アルバムを聞き返してみたら、曲作りについて学ぶことがたくさんあった。特にポップ・ミュージックを作ること。「このブリッジでは何をしようとしてたのかしら?全然うまく流れてなくて、意味がわからない。」って具合に、ソングライターとして未熟だった自分が少し愛おしくも感じたわ(笑)。今は、著名プロデューサーやソングライターとの仕事から培った経験があるから、まるで小さなスウェーデン人が頭の中にいるようなの。「このヴァースはリピートすればよかった。」とか、過去の作品を振り返りながら、自分のソングライティングについて考える機会にもなった。

 パフォーマンスやツアーすることよりも、私はソングライターとしてどんどん成長していきたいと思ってる。それもポップ・ミュージックのソングライターとして。それを追求していったら、ポップ・ミュージックの絶頂期でアートフォームとして最高峰に達しているのが80年代なの。私にとってはね。

 そしてシンディー・ローパーを【SUMMER SONIC】で観ていた時に、「“Girls Just Wanna Have Fun”を今リリースするとしても、プロダクションを含めて何一つ変えない。今作られている曲で、10年後に同じように思える曲ってあるかな?」とふと思ったの。それって達成するのがすごく難しいことよね。だから、単に80年代というだけでなくて、すごくエモーショナルな80年代の楽曲には何か人を惹きつけるパワーがあるんじゃないか、と考え始めて、プリンスや初期のマドンナの作品を研究し始めた。

 今回、一緒に曲作りをしたティーガン&サラやジャック・アントノフ(ブリーチャーズ)も、自分たちなりに80年代を探究している人たちだったから、すぐに意気投合したわ。ジャックは「80年代って“今”だよね。今の音楽シーンの現状が80年代にポップ・ミュージックを作っているのと似てる。」って言ってて、「なるほど。」って思ったし。

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って常に思っていた方が断然エキサイティング

E・MO・TION
▲ 「E・MO・TION」 (Album Cover Photo Shoot )

――自分と年が離れた大物プロデューサーではなく、ティーガン&サラやジャックなど、考え方が似た同世代のアーティストと曲作りをするのはいかがでしたか?

カーリー:とてつもなく刺激的だったわ!彼らと書いた曲をすべてアルバムに収録することができなくて残念だけど、本当に素晴らしい経験だった。これまでジャックとは何度か曲作りのセッションを行ってて、自分のためではなく、他のアーティストに提供することを想定して曲作りをすることもあるから、その部分も楽しいし。

 その中でも、ティーガン&サラと曲作りをするのには、最初ちょっと怖気づいてた。彼女たちは私より少し年上で、自分が17~18歳の頃からファンとしてずっと追いかけてるアーティストだから。一緒に仕事をしたことがあったケイレブという友人を通じて彼女たちとNYで会うことになったんだけど、彼は私がすごく緊張してるけどクールに装ってたことを知ってたから、ひどくからかわれたわ。彼女たちがアイディアを見せてくれた時なんて「すごくイイ感じだけど、えっと、えっと、これをこの言葉にして、ここをもっと強調した方がいいんじゃないかな…。でも気に入らなかったら全然大丈夫よ。多分イマイチなアイディアよね。自分でも何言ってるかわかんない!」って具合に、すごく緊張しちゃって(笑)。彼女たちが「いいえ、いいアイディアだと思うわ。」って普通に応えてくれた瞬間、「あぁ~、良かった!」って安心した。とにかく、ずっとすごく怖かったんだもの。自分が何かアイディアを出す時も、とても回りくどい方法でしか伝えられなくて、見かねたケイレブに「カーリー、普通に喋りなよ。なんでネズミみたいな変な喋り方してるの?」って言われたりして…。

――(笑)。でも次第に彼女たちとも打ち解けたんですよね?

カーリー:うん、何日間かかかったけどね。もう一つからかわれたのが…自分にとっての大スターに会う時ってちゃんとしなきゃいけないと思うじゃない?だから、その日のセッションに何を着ていくか決めるのに30分かけて、そこから実際に着てみて、「いや、やっぱりこのジーンズはダメだわ。」とか…。

――色々考えすぎちゃうんですよね(笑)。

カーリー:そうなの!でも作業を始めて、2週間目に入ったぐらいの時には、だらしない恰好で、いつものように言い争ったり喧嘩をしながら、みんなで曲作りをした。最初は怯えたネズミのようだったけど…。

Call Me Maybe
▲ 「Call Me Maybe」 MV

――前作同様に、今回もラブ・ソングが比較的多く収録されそうですか?

カーリー:ラブ・ソングと言っても、色々あって、復讐心についてのものもあるし、誰かを恋しく思う曲もある。これまで暮らしていたカナダからLAへ拠点を移したことによる世界観の違いやその中で自分を見失わないための葛藤についての曲だったり、ラブ・ソング以外の曲もあるわ。アルバムは、何かを強く感じたり信じることの両極や感情を表現したいという衝動についてだから、『エモーション』と名付けたのよ。

――アルバムを作る上で、一番苦労したのはどの点でしたか?

カーリー:正直な話、やっぱり「コール・ミー・メイビー」があれだけヒットしたから、それ以上の曲が書けるかしら、っていう疑念ね。でも、その疑念に足を引っ張り続けられるか、それとも毎日スタジオへ足を運んで、曲を書き続けるか、ある時点で自分で決断しなければならない。そんな中、私が導き出したのは、ずっと曲を作り続けるという解決策。最近インタビューで「曲を書いてない時は何をしてるの?」って問われたんだけど、この2年間は曲作りばかりしてたから、答えられなくて(笑)…。アルバムがやっと完成して、今ちょっと怖いのが、これから何をしたらいいかわからないこと。「人は時間がある時に何をしたらいいの?」って感じで、まるで迷子の子犬のようよ。だから、大がかりなアルバムのプロモーション・ツアーがスケジュールされてて良かったわ~。じゃなきゃ、絶対に目的もなく道を彷徨ってると思うから(大笑)!

――でも、こんなにも曲が大ヒットし、有名になったにも関わらず、とても謙虚で、地に足が着いてますよね。

カーリー:大半の時わね(笑)。でも、とんでもなくプレッシャーを感じる時もあるし、耐えられなく時もあるのよ。日本に到着して、空港でポスターを持ったファンの子たちが待っていてくれたりするのは、すごく嬉しいし、感動するけど、シュールな光景でもある。本当は夢なんじゃないかと思うような出来事もたくさんあった。あのトム・ハンクスがミュージック・ビデオに出演してくれた時だって、「嘘でしょ?これって現実じゃない。」ってずっと半信半疑だったし。でもそういった瞬間が増えていくほど、「何でも可能なんだ!」って思えてくる。子供ようなメンタリティに聞こえるかもしれないけど、未知のものを怖がるよりも「次は何が起こるんだろう?」って常に思っていた方が断然エキサイティングよね。

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アルバムを一つの作品として受け止めてもらうことが大切

I Really Like You
▲ 「Carly Rae Jepsen on Broadway's "Cinderella"」

――因みに、ブロードウェーでシンデレラ役を演じたことで、シンガーとして学んだことってありましたか?

カーリー:ポップ・アーティストは、ヴォーカルを強調させたり、生々しくしたりして、出来る限り自分の個性を注入し、際立たせるけれど、ブロードウェーだとそれとはまったく異なる方法で歌わないといけない。シンデレラの場合は、ほぼずっとファルセットで歌い、高音から低音への推移もスムーズに行わないとならない。言葉の発音方法もポップ・ソングを歌うのとは全然違くて、ちゃんとマスターしないとすごく胡散臭く聴こえるから、中途半端な気持ちでは挑めない。だから、すごく怖かった。

 たとえば、イギリス人のアクセントを完璧にマスターするか、それが出来ないのであれば最初からやらない方がいいっていうぐらい極端なものなの。だから、音楽監督と助監督と毎日のように練習をして、ブロードウェー・スター専属のヴォーカル・コーチにも週に1、2回レッスンを受けた。

 こんなに何かに必死に取り組んだのは、この時が初めて。私個人のショーではないから、みんなをガッカリさせないようにベストを尽くすことが自分にとって大事だった。次第に慣れていったけど、公演がスタートして6か月ぐらいすると、アルバムの制作も進めなければいけなから昼間にセッションを行って、夜は『シンデレラ』としてステージに立っていたら、ある日監督に「なぜシンデレラがジャニス・ジョップリンみたいな歌い方をしてるんだ?」って怒られて…。

――(笑)。

カーリー:「ゴメンナサイ、昼間スタジオに入って作業をしてたら声が出なくなっちゃって。」って謝ったけど、「両方やるのは無理だから、どちらかを選びなさい。」って言われて、もうこれ以上公演に出演し続けることは出来ないと悟ったの。

I Really Like You
▲ 「I Really Like You」 (with Rola)

――先ほど、少し話にあがりましたが、10年後だったり、今後長く愛されるようなポップ・ソングを書く難しさって感じたりしますか?

カーリー:一言では答えられない難しい質問ね~。日々新たなことを学んでいる状態で、それってすごくエキサイティングなの。すでにいくつかのインタビューで話したけど、このアルバムのために250曲以上も曲を書いたの!

――え?本当ですか?

カーリー:本当よ。でも、それで時間を無駄にしたとは全然思わない。たとえ最終的にアルバムに収録されなくても、その曲を書いたことで必ず何か学ぶことがあったから―曲作りへの新たなアプローチとか。ドラムビートから始める人もいるし…たとえばシーアの場合は、マイクスタンドの前に立って、トラックに合わせて、何かいいアイディアが浮かんでくるまで、とにかく歌うやり方が好きなの。デヴの場合も、彼女のようにフィーリングを重視したアプローチを取るわね。

 反対に、スウェーデン人のソングライターやプロデューサーたちは曲の構造を重視する。「コーラスでこの旋法を使うのであれば、その前のヴァースで少しほのめかしたほうがいいじゃない?」とか、とても計算された科学的なアプローチを取る。

 ソングライティングには様々なアプローチの仕方があるけれど、私の場合はその中間に当てはまると思う―きちんとルールを知りながらも、それを無視した方がいいと感じたらフィーリングに従う。元々のルールを知らないのと、意識的にルールを破るのでは、まぎれもなく後者の方が気持ちがいいから。

 私にとっていい曲というのは、自然と生まれることが多い。大体1人で夜中に起きている時にアイディアがひらめき、そのひらめきが面白いと思ったら、翌日スタジオに持ち込んで、自分でよく吟味してからだんだん曲へと形にしていく。パワーのある曲には、ひらめきと努力、両方が必要なんだと思うわ。

――では最後に今後の予定を教えてください。

カーリー:アルバムのプロモ・ツアーが終わったら、ツアーをする予定よ。作曲モードから頭を切り替えて、アルバムのBサイドだったり、私がこだわった曲をどうやって発信していこうか考えるのを楽しみにしている。そういう時こそクリエイティヴになって、大きな夢を抱くことも可能だから。ただ単にシングルを売るのではなくて、音楽をアートとして捉えてほしいし、アルバムを一つの作品として受け止めてもらうことが私にとって大切だから。

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