2019/02/01 18:05
最新LAジャズを牽引する音楽集団ウェスト・コースト・ゲット・ダウン(West Coast Get Down)の一員かつ代表的な鍵盤奏者であり、カマシ・ワシントンやフライング・ロータス、サンダーキャットをはじめ数多くの有名アーティストに重用されるブランドン・コールマンが、最新作『Resistance』を引っ提げてのツアーが大阪からスタートした。
カマシ・ワシントンのサプライズ出演も衝撃的だった前回の2016年4月以来となる今回の来日公演は、前回来日時にブランドンへの注目度が一気に急上昇したニュース「新作はブレインフィーダーから」が実現したことに加え、昨夏のカマシ・ワシントンの来日ツアーにブランドンが同行していなかったゆえの飢餓感からか、開演前から会場全体に期待と熱気が漲っていた。
オープニングのブランドンがじわじわと音が積み重ねてスタートする「All Around The World」からラストまで、一貫して受けた印象は、ブランドンのキーボーディストとしての圧倒的なソロ・パフォーマンスはさらに磨きが掛かったということ。今回はノード、ホーナー、ムーグをアグレッシヴかつメロウに自由自在に奏でつつ、ヴォコーダー・ヴォイスで、ハービー・ハンコック、ロジャー(Zapp)、スティーヴィー・ワンダー、アース・ウィンド&ファイアー、パーラメント=ファンカデリック、プリンス、ケニ・バークなどを想起させるパフォーマンスや歌唱を披露。前回以上に表現の幅が広がり、グルーヴも格段にマシマシであった。
そして、ジャズ、ファンク、ディスコ、ブギー、フュージョン、ゴスペル、ロックまでを、時代の最先端のスタイルでミクスチャーしたクロスオーバー・サウンドが魅力の最新アルバム『Resistance』の作品としての完成度の高さをそのままライヴで再現するのではなく、ライヴならではの大迫力の演奏とアレンジに拘り抜いた5人によるバンド・アンサンブルが、全編にわたって繰り広げられる、魂迸るパッションとエネルギーには、ただただ圧倒されるのみであった。
今回のこのクインテット、前回のステージを観た人なら来場するなりすぐに気付くほどに、前回と大きく異なり、まず鍵盤類の多さに目を奪われる。と同時に、前回のキーボード、ギター、ベース、ドラム、サックスから、今回の役割の違うキーボード3人にドラム、ストリングスという違いに一瞬驚く。だが、ブランドンは『Resistance』の全ての作曲、アレンジ、プロデュースに加え、演奏面でも一番大きな役割を果たしていることから、ライヴも最新作からの楽曲中心であれば、至極当然な編成なのであろう。変わらないのは前回も最高だったドラムのロバート・ミラーのみ。
キーボードは、ベースをメインで担当するジャエ・ディール以外は、ソロと歌メインのブランドンとオブリやウワモノ担当のカーネルの2トップという役割分担で、曲によっては二人ともショルダー・キーボード(!)でガンガンアグレッシブに攻め立てる場面もあったほど。そして、アルバム同様に紅一点のイヴェットのストリングスがもたらす効果も強く印象に残った。
2010年代の最後となる2019年に相応しい、このダイナミックでエネルギッシュな演奏と高い音楽性は、現在進行系のジャズの楽しさ、面白さ、可能性を存分に感じさせてくれる。東京公演も見逃せない。
Text By Kaoru Eiraku
Photo by Kenju Uyama
◎公演情報
【ブランドン・コールマン】
ビルボードライブ大阪
2019年1月31日(木)※終了
ビルボードライブ東京
2019年2月2日(土)
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